6. Come to the holy instant and be healed, for nothing that is there received is left behind on your returning to the world.
- holy [hóuli] : 「神聖な」
- instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
- heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
- receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
- left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
- behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に」
- return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」
❖ "Come to the holy ~ "「聖なる瞬間にやって来て、ヒーリングされなさい」。ホーリー・スピリットと出会い、実相に触れる奇跡の瞬間が聖なる瞬間である。その瞬間に立ちあって、癒されなさい。"for nothing that is ~ "「そこであなたが受け取ったものは、あなたがこの世界に戻るときでも、後に残して置いて行くようなものは何もない」。実相的現象は、時間や空間に依存しない。一度実相に触れて得られたものは、永遠にあなたのものなのだ。たとえ、実相に触れた後に、幻想のこの世界に立ち戻ったとしても、実相で得られたものはすべて、あなたの元を離れることはない。
And being blessed you will bring blessing. Life is given you to give the dying world.
- bless [blés] : 「祝福する、清める」
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
- blessing [blésiŋ] : 「祝福、恵み」
- life [láif] : 「人命、生命、寿命」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
- dying [dáiiŋ] : 「死にかけている、臨終の、消えかけている」
❖ "And being blessed ~ "「あなたは祝福されたので、あなたは(他者に)祝福をもたらすことになろう」。祝福を分かち合うことが出来るのだ。祝福を分かち合うことは、実相的に自然なことであって、分かち合われることで、祝福は拡張増大していく。"Life is given you ~ "「死にゆく世界に命を与えるために、命はあなたに与えられるのだ」。"to give the dying world"「死にゆく世界に命を与えるために」とは、世界を救うため、ということであり、実相的奇跡のヒーリングを受けて真実の命を吹き込まれたあなたは、今度は、キリストとなって、世界を救う役割を果たすことになる。仏教で言えば、菩薩行ということになるか。
And suffering eyes no longer will accuse, but shine in thanks to you who blessing gave.
- suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
- no longer : 「もはや〜でない」
- accuse [əkjúːz] : 「〜を責める、〜を非難する」
- shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
- thank [θǽŋk] : 「感謝、謝意、謝辞」
- gave [géiv] : 「give の過去形」
❖ "And suffering eyes ~ "「苦しむ目は、もはやあなたを責めることはないだろう」。あなたがヒーリングを恐れて救われることを拒否したがために、世界も癒されることがなかったことを、あなたの責任だとして他者は責め立てたのだが、今や、ヒーリングの奇跡を受けたあなたを目にして、そんな非難の目を向ける者は誰もいない。しかも、"but shine in thanks ~ "「祝福を与えてくれたあなたに感謝して、(それまで苦しんでいた)その目は輝き出すのである」。
The holy instant's radiance will light your eyes, and give them sight to see beyond all suffering and see Christ's face instead.
- radiance [réidiəns] : 「輝き、光輝、放射輝度」
- light [láit] : 「〜を生き生きさせる、〜を明るくさせる」
- sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
- beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて、〜のかなたに」
- suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
- face [féis] : 「顔、顔色、表面、外観、外見」
- instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ」
❖ "The holy instant's ~ "「聖なる瞬間の光は、あなたの目を明るく照らすだろう」。"and give them ~ "「そして、あらゆる苦痛を越えて、代わりにキリストの顔を見ることの出来る視力を与えるのである」。ヒーリングされたあなたは、知覚も修正され、世界の苦しみという幻想を超越して、実相のキリストの顔を見ることが出来るようになる。キリストの顔を見ることが出来るようになったあなたは、キリストの顔が、あなたの顔そのものだと知るだろう。そして、あなたは、キリストとして、この世界を救うことになるのである。
Healing replaces suffering. Who looks on one cannot perceive the other, for they cannot both be there.
- replace [ripléis] : 「〜を取り換える、交換する、差し替える、置き換える」
- look on : 「〜を見る」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- other [ʌ́ðər] : 「ほかの、そのほかの、残り」
- both [bóuθ] : 「両方とも、双方とも」
❖ "Healing replaces ~ "「癒しが苦しみに置き換わるのである」。"Who looks on one ~ "「癒しと苦しみの一方だけを見る者は、他方を知覚することは出来ない」。"for they cannot ~ "「なぜなら、癒しと苦しみは、同時に同じ場所に存在できないからだ」。癒されたあなたの目には、苦しみは見えない。それは、ちょうど、イエス・キリストが癒しだけを自分の役割として生きた生き方と重なるのである。
And what you see the world will witness, and will witness to.
- witness [wítnəs] : 「〜を経験する、〜に直面する、遭う、証言する、証明する」
❖ "And what you ~ "「そして、あなたが見たものを、世界は目撃し、証言してくれるのだ」。あなたが自分の癒しを目撃し、そして、あなたが世界を救うとき、世界も癒しという実相を目撃することになる。あなたの癒しは真実であると、世界は証言することになるのだ。
7. Thus is your healing everything the world requires, that it may be healed.
- thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
- require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める」
❖ "Thus is your healing ~ "「このように、世界が求めるもののすべては、あなたのヒーリングなのだ」。"that it may ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために、その結果」、「その結果、世界はヒーリングされるだろう」。あなたが世界を救い、癒すのである。
It needs one lesson that has perfectly been learned. And then, when you forget it, will the world remind you gently of what you have taught.
- need [níːd] : 「〜を必要とする」
- lesson [lésn] : 「教訓、教え、貴重な経験、実際的な知恵」
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
- learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ〜を知る、分かる」
- forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、見落とす」
- remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる」
- remind A of B : 「AにBのことを思い出させる」
- gently [dʒéntli] : 「親切に、静かに、優しく、穏やかに」
- taught [tɔ́ːt] : 「teach の過去・過去分詞形」
- teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する」
❖ "It needs one lesson ~ "「この世界は、完璧に学ばれた学びを、一つだけ必要とする」。"And then, when you ~ "「そして、あなたがその学びを忘れたとき、世界は、あなたが教えたことを優しくあなたに思い起こさせてくれるのだ」。"one lesson ~ "「一つの、完璧に学ばれた学び」とは、この世界が幻想であり、幻想から目覚める必要があること、つまり、幻想からの癒しや救いが必要であること、と考えていいだろう。
No reinforcement will its thanks withhold from you who let yourself be healed that it might live.
- reinforcement [rìːinfɔ́ːrsmənt] : 「補強、強化、応援」
- withhold [wiðhóuld] : 「〜を抑える、差し控える、与えないでおく」
- withhold from : 「〜から抑制する、〜に与えない」
❖ "No reinforcement will ~ "意訳する、「世界が(本当の命を)生きることが出来るようにと、あなた自身を癒したあなたを、無理に感謝しようなどという者は誰もいない」。みんな、自発的にあなたに感謝する、ということ。蛇足になるが、ACIMがなぜ、こんな難しい言い回しをしているのかというと、これは、思想書でも哲学書でも思想書でもなく、詩だからだ。詩的表現として、こういう表現も出来るのだと、いわば、言葉遊びをしているのである。イエスは、明らかに、このACIMを楽しみながら語っている。だから、読む方も、楽しみながら読むに限るのだ。
It will call forth its witnesses to show the face of Christ to you who brought the sight to them, by which they witnessed it.
- call forth [fɔ́ːrθ] : 「〜を生じさせる、〜を引き出す、呼び起こす」
- witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、立会人」
- show [ʃóu] : 「見せる、示す」
- brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
- sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
❖ "It will call forth ~ "「この世界は、あなたに、キリストの顔を示す証人を呼び出してくれるだろう」。世界を救ったあなたに、あなたの顔がキリストの顔そのものであると、世界は証言してくれるのだ。"who brought the sight ~ "「そんなあなたは、世界に、世界が(キリストの顔を)見ることの出来る視力をもたらし、それによって、世界はキリストの顔を目撃したのだ」。
The world of accusation is replaced by one in which all eyes look lovingly upon the Friend who brought them their release.
- accusation [æ̀kjuzéiʃən] : 「告発、罪、責め、非難、告訴」
- replace [ripléis] : 「〜を取り換える、交換する、差し替える」
- look upon : 「〜を見る」
- lovingly [lʌ́viŋli] : 「かわいがって、愛情を込めて、優しく」
- release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
❖ "The world of accusation ~ "「(あなたを)非難していた世界は、世界に開放をもたらしてくれた友を優しく見守るあらゆる目の存在する世界に、置き換えられるのだ」。世界の同胞すべてが、開放をもたらしてくれたあなたを、友人と認識して、優しく見つめる、ということ。世界が変わるのだ。
And happily your brother will perceive the many friends he thought were enemies.
- happily [hǽpili] : 「幸福に、幸せに、喜んで、楽しく」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- thought [θɔ́ːt] : 「think の過去・過去分詞形」
- enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
❖ "And happily your brother ~ "「あなたの同胞たちは、幸福そうに、それまで敵と思ってきた多くの友を知覚することになろう」。癒され、知覚も修正された同胞たちの目には、攻撃したいと思うような他者はもう見えない。それまで敵と思ってきた、あらゆる同胞が、今や友となったのだ。