IV. The Quiet Answer
静かなる答え
1. In quietness are all things answered, and is every problem quietly resolved.
- quietness [kwáiətnis] : 「静寂、静けさ、平穏、沈静性」
- answer [ǽnsər] : 「〜に答える、答えて言う」
- problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
- quietly [kwáiətli] : 「静かに、音もなく、黙って」
- resolve [rizάlv] : 「解明する、解決する」
❖ "In quietness are ~ "「静寂の中にあっては、あらゆることが、答えられる」。"and is every problem ~ "「あらゆる問題は、静かに解決される」。心の中のエゴのおしゃべりが止んで、ホーリー・スピリットの声が聞こえるようになると、あらゆる問題の答えが聞こえてくるのだ。ホーリー・スピリットの声とは、神の答えである。
In conflict there can be no answer and no resolution, for its purpose is to make no resolution possible, and to ensure no answer will be plain.
- conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢、争い、紛争」
- answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
- resolution [rèzəlúːʃən] : 「解決、決断、決定」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- make : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
- possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
- ensure [inʃúər] : 「〜を確かにする、保証する、請け合う」
- plain [pléin] : 「平易な、明らかな、単純な、分かりやすい」
❖ "In conflict there ~ "「コンフリクトの中にあっては、答えも解決もあり得ない」。"for its purpose is ~ "「なぜなら、コンフリクトの目的は、あらゆる解決を不可能にし、」"and to ensure no ~ "「あらゆる答えを、確実に複雑化させることだからである」。コンフリクトとは、卑近な例ではあるが、国会における与党と野党の論戦を思い浮かべればいいだろう。建設的な答えも解決もなく、ただただ言い争うだけなのだ。
A problem set in conflict has no answer, for it is seen in different ways.
- different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
- way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式」
❖ "A problem set ~ "「コンフリクトの中で生じた問題は、答えを持つことはない」。"for it is seen in ~ "「なぜなら、コンフリクトの中の問題は、異なる見方で見られるからだ」。心がエゴとホーリー・スピリットの二つに分裂し、コンフリクトを起こしている状態では、問題が生じても、二つの見方の間で争いが起きるので、答えが得られる可能性はない。
And what would be an answer from one point of view is not an answer in another light. You are in conflict.
- point of view : 「考え方、観点、視点、主張」
- another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
- light [láit] : 「光、明かり」
- in conflict : 「衝突して、矛盾して」
❖ "And what would be ~ "「一つの観点からの答えというものは、別の光に当ててみた答えと異なる」。つまり、"You are in ~ "「あなたはコンフリクトを起こしている」。たとえば、罪というものに対して、エゴは、罪は実在し、それは攻撃し罰するに値すると答えるが、ホーリー・スピリットは、罪は幻想であり、幻想として認めて赦すべきだと答える。あなたの心は、両者の間でコンフリクトを起こすのである。
Thus it must be clear you cannot answer anything at all, for conflict has no limited effects.
- thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
- clear [klíər] : 「明らかな、明瞭な、はっきりした」
- at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
- limited [límitid] : 「限られた、有限な、制限された」
- effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "Thus it must be clear ~ "「このようにして、(コンフリクトを起こしている)あなたは何に対してもまったく答えることが出来ないということは明確だ」。"for conflict has ~ "「なぜなら、コンフリクトは、その影響に制限がないからだ」。コンフリクトはコンフリクトを誘い、増大拡大して、無制限に広がっていく。矛盾と軋轢の中に、あなたはどんどんはまり込んで行くのである。
Yet if God gave an answer there must be a way in which your problems are resolved, for what He wills already has been done.
- gave [géiv] : 「give の過去形」
- problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
- resolve [rizάlv] : 「解明する、解決する、〜を決心する」
- will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
❖ "Yet if God gave ~ "「しかし、もし、神が答えを与えてくれていたとしたら、あなたの問題を解決する方法があるに違いない」。"for what He wills ~ "「なぜなら、神の意思は、常に実現するものだからである」。あなたは激しいコンフリクトの中で答えを模索し、答えられない自分にいらだちを覚えているだろうが、実は、答えはすでに神によって与えられているのだ。あなたは、その答えに気付いていないだけだ。時空間の存在しない実相世界では、あらゆる事象は一瞬に起きて、その一瞬が永遠に持続する。あらゆる事象が、ホログラフィック的に記録されているのだ。言い換えれば、神の意思はすでにすべて実現してホログラムの中に存在する。あなたは、そのホログラムに波長を合わせて、それを再生して見るだけでいい。神の答えを、あなたは得ることが出来るのだ。
2. Thus it must be that time is not involved and every problem can be answered now.
- involve [invɑ́lv] : 「伴う、必要とする、〜を巻き込む」
❖ "Thus it must be ~ "「こうして、時間は伴われることなく、あらゆる問題は、今すでに、答えられている可能性がある」。神の意思はすべて実現し、神のあらゆる答えは、ホログラフィック的にすべて記録されている。そこには、時間は存在しない。永遠不変に記録は残り、いつでも記録にアクセス出来る。したがって、波長を合わせることが出来さえすれば、あらゆる問題の答えにアクセスできるのだ。答えはすでにあるのだ。
Yet it must also be that, in your state of mind, solution is impossible.
- state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
- solution [səlúːʃən] : 「解、解答」
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
❖ "Yet it must also ~ "「しかし、あなたの心の状態では、解決は不可能だということも確かだ」。コンフリクトを起こして泥沼に沈んでいくあなたの心の状態では、そのままでは、解決は不可能だ。助けが必要である。ホーリー・スピリットにすべてを委ねる必要があるのだ。
Therefore, God must have given you a way of reaching to another state of mind in which the answer is already there.
- therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
- reach [ríːtʃ] : 「伸びる、向かう、及ぶ」
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、もう」
❖ "Therefore, God must ~ "「したがって、神は、あなたに、すでに答えはそこにあるという心の、また別の状態に至る方法を与えたのだ」。神は、ホーリー・スピリットをあなたの元に遣わして、あなたの心が神の答えを知ることが出来る状態になることを望んだ。あなたが、ホーリー・スピリットにすべてを委ねることが出来れば、あなたは答えを得ることが出来るのである。
Such is the holy instant. It is here that all your problems should be brought and left. Here they belong, for here their answer is.
- holy [hóuli] : 「神聖な」
- instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
- brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
- left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
- leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする、放置する」
- belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
❖ "Such is the holy ~ "「聖なる瞬間とは、そういうものである」。"It is here that ~ "「ここに、あなたのあらゆる問題を持ち込んで、委ねてしまえばいい」。"Here they ~ "「あらゆる問題は、そこに属しており、答えがここにあるからだ」。あなたが、絶対他力としてホーリー・スピリットにすべての問題を委ねてしまい、ホーリー・スピリットを通して神の答えを得る瞬間、それが聖なる瞬間である。問題の持って行き所、問題が答えと出合える場所は、この聖なる瞬間の他に、どこにもない。
And where its answer is, a problem must be simple and be easily resolved.
- simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
- easily [íːzili] : 「容易に、たやすく、苦もなく、あっけなく」
❖ "And where its answer ~ "「答えのある場所では、問題はシンプルで、容易に解決されるに違いない」。ホーリー・スピリットに問題を委ねると、あれほど難問に思えたあなたの問題は、実は単純で解決も容易だと、あなたは気付くのである。
It must be pointless to attempt to solve a problem where the answer cannot be.
- pointless [pɔ́intlis] : 「つかみ所のない、要領を得ない、無意味な」
- attempt [ətémpt] : 「〜を試みる、〜を企てる」
- solve [sɑ́lv] : 「解く、解決する」
❖ "It must be pointless ~ "「答えのない場所で、問題を解決させようと試みることは、無意味なことに違いない」。あなたが一人で問題を解決しようと悪戦苦闘することは、実は、無意味なことなのだ。不可能な場所に、可能を求めることは意味がない。だから、可能な場所に、問題を委ねるのである。ホーリー・スピリットに委ねるのだ。ACIMの絶対他力性である。
Yet just as surely it must be resolved, if it is brought to where the answer is.
- surely [ʃúərli] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に」
❖ "Yet just as surely ~ "「(裏を返せば)まったく同様に、もし、問題が、答えの存在する場所に持ち込まれたなら、確実に解決されるに違いない」。あなたがホーリー・スピリットに絶対他力し、あなたの抱える問題のすべてをホーリー・スピリットに委ねるなら、問題は確実に解決される。