4. With this as purpose is the body healed. It is not used to witness to the dream of separation and disease.
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
- witness [wítnəs] : 「〜を証言する、証明する」
- separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
- disease [dizíːz] : 「病気、疾病」
❖ "With this as purpose ~ "「これを目的として持つことで、肉体はヒールされるのである」。神の住む天の王国へ回帰することを目的とし、幻想から目覚めることで、肉体は癒される。"It is not used ~ "「肉体は、分離と病の夢を証言するために、使われるのではない」。夢(幻想)に過ぎない肉体と肉体の間の分離、そして肉体の病が、この世界に確かに実在するのだと証言するために、肉体の存在が利用されるのではない。幻想の実在性を証明しようとして、肉体を利用するようなことがあってはいけない、という意味合い。具体的には、鏡に体がちゃんと映って見えるから、あるいは、体に針を刺すと痛いから、だから体は確かにここに存在していると結論づけてはいけないのだ。目、耳、等々の感覚は、簡単に騙され、そして、騙すものなのである。
Nor is it idly blamed for what it did not do. It serves to help the healing of God's Son, and for this purpose it cannot be sick.
- idly [áidli] : 「何もしないで、怠けて、無為に」
- blame [bléim] : 「難する、とがめる、責める、〜の責任にする」
- serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜のために働く、〜に役立つ」
- healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
- sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
❖ "Nor is it idly blamed ~ "「また肉体は、肉体がやっていないことに対して、責められることはない」。たとえば、肉体は分離の象徴として、分離の壁の役割を果たしているのだが、肉体が自らの意思で壁になっているわけではない。したがって、肉体を、分離を理由に責めることは理不尽である。肉体に分離の責任はない。"It serves to help ~ "「肉体は、神の子をヒーリングする手助けに役立つ」。神の子は、この世界が幻想であることを認識するために、自らの肉体が幻想であることを知ることで、それを果たす。肉体の幻想性を赦し、世界の幻想性を赦し、そうして、幻想を消滅させるのである。これが、神の子のヒーリングであり、肉体は、その手助けをしていると言えるわけである。"and for this purpose ~ "「そして、この目的ゆえに、肉体は病になり得ない」。肉体と世界の幻想性を赦し、幻想を消滅させるという目的が達成され、肉体がヒーリングされれば、肉体は病に犯されることはない。病自体も幻想に過ぎないのだから。
It will not join a purpose not your own, and you have chosen that it not be sick.
- join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる、結合する、連結する」
- chosen [tʃóuzn] : 「choose の過去分詞形」
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "It will not join ~ "「肉体が、あなた自身のものではない目的に参加することはない」。"and you have chosen ~ "「また、あなたは、肉体が病に罹(かか)る選択をしたわけではないのだ」。病は、あなたが選択した目的ではない。したがって、病という目的に肉体が関わるはずはないのだ。つまり、病は肉体が原因ではない。病は、心が肉体上に生み出した、心自体の病である。
All miracles are based upon this choice, and given you the instant it is made.
- base [béis] : 「〜の基礎を形成する、〜の基礎を…に置く」
- base upon : 「〜に基づく、〜に準拠する」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
- instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
❖ "All miracles are ~ "「あらゆる奇跡は、この選択に基盤をおいている」。あらゆる奇跡は、あなたが自由意思をもって選択する目的に依存するのだ。あなたが心から願わないようなことは、奇跡でも起きない。"and given you ~ "「そして奇跡は、あなたが目的を選択した瞬間に、あなたに与えられるのだ」。これには、異論を唱える人も多かろう。正しい目的を自由意思で選択したにも関わらず、奇跡は一向に起きないと訴える人もおられよう。しかし、そう考えてはいけない。あなたが正しい目的を自由意思で選択した瞬間、実相レベルでは、奇跡は確実に起きているのだ。起きてしまって、そこにあるのだ。時間の存在しない実相に、奇跡が起きるまでのタイムラグがあるはずがないからだ。ところが、実相で起きた奇跡が、時間と空間の存在する幻想世界で具象化するまでに、何としても、時間がかかるのである。時間が経過するにしたがって、奇跡を願った者は、その奇跡の出現を疑い、奇跡を諦めてしまう。その疑いと諦めの想念は確実に現実化し、せっかく実相で生まれた奇跡は、幻想世界に具現化する前に、消滅してしまうのである。したがって、あなたが正しい目的を自由意思で選択したならば、奇跡の現れを待つという忍耐を持たなければならない。この幻想世界で時間に負けないとは、そういうことなのだ。正しい目的を自由意思で選択し、しかも、熱烈に奇跡の出現を意念し、そして、静かに待つのである。静かに、心躍らせて待つのである。
No forms of sickness are immune, because the choice cannot be made in terms of form.
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、姿、現れ」
- sickness [síknəs] : 「病気」
- immune [imjúːn] : 「免疫の、免疫性の、免疫になっている」
- in terms of : 「〜に関して、〜の点から見て、〜の観点では」
❖ "No forms of sickness ~ "「どんな形の病も、(奇跡に対して)免疫性をもたない」。病がどんな形をとって表れても、奇跡によって消滅する、ということ。"because the choice ~ "「なぜなら、選択は、形という観点から成されるものではないからだ」。正しい目的の選択は、病の形に基づいて、あれかこれかと成されるものではない。形を超越した内実にそって、正しい選択はなされ、奇跡が起きて、どんな形の病も消滅させてしまうのである。
The choice of sickness seems to be of form, yet it is one, as is its opposite. And you are sick or well, accordingly.
- opposite [ɑ́pəzit] : 「反対側の、正反対の、逆の、あべこべの」
- well [wél] : 「健康に」
- accordingly [əkɔ́ːrdiŋli] : 「それに応じて、それ相応に、それに沿って」
❖ "The choice of ~ "「病の選択は、形によるもののように見えるが、〜と同様に、選択は一つである」。どんな病気になるか、肉体は病の選択をしているかに見えるが、選ぶ形がどうであれ、心が幻想を選択した結果として病が現れるのだから、病の選択は一つなのだ。"as is its ~ "「病の選択と逆のことと同様に、」選択は一つである。正しい目的の選択によって奇跡が病を消滅させるときと同様に、ということ。正しい目的の選択も、病の形に左右されない。
5. But never you alone. This world is but the dream that you can be alone, and think without affecting those apart from you.
- alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで、唯一の」
- think [θíŋk] : 「考える、思う、熟考する」
- without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
- affect [əfékt] : 「〜に作用する、〜に影響を及ぼす、〜に響く」
- apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "But never you ~ "「しかし、あなたは一人ではない」。あなたは、単独に、あるいは孤独に存在しているわけではない。"This world is but ~ "「この世界は、あなたが単独で存在出来、あなたから離れた人達に影響を与えることがないと考えられるような、夢に過ぎないのだ」。下手な訳で申し訳ない。あなたが単独で孤立して存在し、誰にも影響を与えない、誰からも影響を受けない、などと考えられるようなこの世界は、幻想であり夢に過ぎない。あなたは神の子として単一であり、あなたと同胞は自他一如なのだ。あなたが他の同胞から分離して、単独で存在しているわけではないのである。したがって、目には見えなくても、心は互いに繋がっていて、互いに強い影響を与え合っている。
To be alone must mean you are apart, and if you are, you cannot but be sick.
- mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
- apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
❖ "To be alone must ~ "「単独で存在しているとは、あなたが(他の同胞から)分離していることを意味し、」"and if you are, you ~ "「もしあなたが、そうであるなら、あなたは、病になるしかない」。あなたが分離という幻想に捕われて、孤立化することが、確実に病に繋がるのだ。
This seems to prove that you must be apart. Yet all it means is that you tried to keep a promise to be true to faithlessness.
- prove [prúːv] : 「証明する、〜であると分かる」
- try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
- keep [kíːp] : 「〜を守る、〜を持ち続ける、保持する」
- promise [prάmis] : 「約束、契約、約束したこと、約束したもの」
- be true to : 「〜に忠実である」
- faithlessness [féiθlisnis] : 「不実さ、不誠実さ、信仰心のなさ」
❖ "This seems to prove ~ "「このことは、あなたが分離しているに違いないことを証明しているかに見える」。同胞からの分離が病を引き起こす。逆に、病であるなら、あなたは分離しているのだ。"Yet all it means is ~ "「しかし、それが意味することのすべてはthat以下である」。"that you tried to keep ~ "「あなたが、不誠実さに忠実であるとする約束を守ろうとしていること」。分離という虚偽(幻想)を守ろうといているのだから、不誠実さ(偽り)に忠実なわけだ。
Yet faithlessness is sickness. It is like the house set upon straw. It seems to be quite solid and substantial in itself.
- house [háus] : 「家、住宅、家屋」
- straw [strɔ́ː] : 「わら、麦わら、ストロー」
- quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
- solid [sάlid] : 「硬い、頑丈な」
- substantial [səbstǽnʃəl] : 「しっかりした、頑丈な、実質的な、実体のある」
- in itself : 「それ自体、本質的に」
❖ "Yet faithlessness is ~ "「しかし、不誠実さとは、病なのだ」。虚偽に忠実であるとは、分離という幻想を信じ込んでいることなので、その分離が病を引き起こしているのだ。"It is like the house ~ "「それはあたかも、ワラの上に建てられた家のようなものである」。"It seems to be quite ~ "「その家は、それ自体は、極めて堅固で、しっかりしているように見える」。
Yet its stability cannot be judged apart from its foundation.
- stability [stəbíləti] : 「安定、持続、安定性、安定度、持続性」
- judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁定する」
- apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
- foundation [faundéiʃən] : 「土台、礎、基盤」
❖ "Yet its stability cannot ~ "「しかし、家の堅固さは、基礎部分を抜きにして、判断され得るものではない」。家を建てるとき、最も大切なのは、その基礎部分であることは言うまでもない。
If it rests on straw, there is no need to bar the door and lock the windows and make fast the bolts.
- rest [rést] : 「ある、置かれている」
- need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
- bar [bάːr] : 「かんぬきをする」
- lock [lɑ́k] : 「〜に錠を掛ける」
- fast [fάːst] : 「固定した、しっかりとした、揺がない」
- bolt [bóult] : 「かんぬき、スライド錠」
❖ "If it rests on ~ "「もし、家がワラの上に建っているなら、ドアにかんぬきを掛けることも、窓をロックすることも、鍵をしっかり掛けることも必要ない」。なぜなら、そんなことをしても意味がないからだ。次の文が、その理由。
The wind will topple it, and rain will come and carry it into oblivion.
- wind [wínd] : 「風、大風」
- topple [tɑ́pl] : 「倒す、打倒する、転覆させる」
- rain [réin] : 「雨」
- carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持ち運ぶ」
- oblivion [əblíviən] : 「忘れられている状態、忘却、無意識の状態」
❖ "The wind will ~ "「風は家を倒壊させ、雨が降れば、家を忘却の彼方に運び去ってしまうのだ」。だから、家に鍵を掛けることなど意味がない。そんな家自体が、存在の意味がないのである。ならば、単なるワラに過ぎない幻想の上に、壮大な夢を描くことも同様に意味がないのである。分離とは、幻想世界の壮大な夢に過ぎない。