5. God turns to you to ask the world be saved, for by your own salvation is it healed.
- turn to : 「〜の方を向く、〜に取り掛かる」
- save [séiv] : 「救う、助ける」
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済救い、救世」
- heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
❖ "God turns to you ~ "「神はあなたに向かって、世界が救われるようにと求めている」。"for by your own ~ "「なぜなら、あなた自身が救われることで、世界はヒーリングされるからだ」。あなたが幻想を赦し、実相へ救われることで、この幻想世界は消滅し、実相世界へと復活する(ヒーリングされる)。幻想世界が救われることで、あなたがヒーリングされると考えたいところだが、順番はそうではない。あなたが最初で、世界は後だ。なぜなら、この幻想世界は、あなたの心が夢に見ている世界だからだ。あなたが夢から目覚めない限り、幻想世界は消滅することはない。
And no one walks upon the earth but must depend on your decision, that he learn death has no power over him, because he shares your freedom as he shares your will.
- walk [wɔ́ːk] : 「歩く、歩行する」
- depend [dipénd] on : 「〜に頼る、〜を当てにする」
- decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
- learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる、悟る」
- death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
- power [páuər] : 「力、能力、勢力」
- share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
- freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
- will [wíl] : 「意志、願望、意欲」
❖ "And no one walks ~ "直訳すると、「誰一人、あなたの決心に頼ることなく、この地球の上を歩いてはいない」。この世界に住む者(同胞)は誰でも、あなたが幻想から実相へ目覚めるという決心をすることに拠(よ)り所を求めて生活している。この幻想世界に分裂して存在する神の子達は、実相世界の眠れる神の子が目を覚まし、夢から解放されることを願っている、という意味合い。"that he learn death ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために、その結果」、「そうすれば、同胞は、死が彼にパワーを及ぼすことはないと学べるのだ」。あなたが目覚める決心をし、実際、目覚めれば、幻想は消滅し、死という幻想も消滅するのである。死は、もはやパワーを振るうことは出来ない。"because he shares your ~ "「なぜなら、同胞は、彼があなたの意思を分かち合うように、あなたの自由を分かち合うからである」。あなたが実相に目覚めるという意思を決定的に持つことを、同胞は賛同してくれる、つまり、あなたの意思を分かち合ってくれる。だから、あなたが目覚めて幻想から解放されれば、その自由も、同胞は分かち合ってくれるのだ。
It is your will to heal him, and because you have decided with him, he is healed.
- decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
❖ "It is your will to ~ "「同胞をヒーリングすることは、あなたの意思である」。"and because you ~ "「そして、あなたは同胞と共に決心したので、同胞はヒーリングされるのだ」。幻想から実相に目覚めるという決心を、あなたと同胞は分かち合ったので、あなたがヒーリングされると同時に、同胞もヒーリングされるのである。あなたはヒーリングするという固い意思をもったので、その実相的な思いは必ず現実化する。あなたと同胞は必ずヒーリングされ、実相へと解放されるのだ。救われるのである。
And now is God forgiven, for you chose to look upon your brother as a friend.
- forgiven [fərɡívn] : 「forgive の過去分詞」
- forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
- chose [tʃóuz] : 「choose の過去形」
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
- look upon : 「〜を見る」
❖ "And now is God ~ "「そして今や、神は赦される」。"for you chose ~ "「なぜなら、あなたは、同胞を友として見ることを選択したからである」。あなたが他者を友として見ることが出来るとは、この世界の二元論を否定したことを意味する。憎悪を捨て愛をとり、敵視を捨て慈悲をとったのだ。あなたと友の分離を解消したことを意味する(自他一如)。対立概念を捨てる、つまり二元論を捨てるということは幻想を否定したことを意味し、実相に目覚める行動に出たことを示すのだ。一元論世界である実相世界への回帰の旅に出発したのだ。ところで、"And now is God forgiven"「今や、神は赦される」と述べられているが、あなたが神の行いを赦すという意味ではない。神が、あなたの世俗的な願いを叶えてくれなかったことを赦すという意味でもない。そうではなく、今まで忘れていた神の存在をはっきりと認識し、神を受け入れる、という意味である。したがって、神が赦されるという表現よりも、神を忘れていた自分を赦すと言った方がいいかもしれない。神を忘れて幻想世界を夢に見ていた自分をはっきりと認識し、受け入れ受け流し、赦すことで、神を忘れていたという幻想が消滅するのである。夢は取り消されるのだ(undo)。
III. Beyond All Idols
あらゆる偶像を越えて
1. Idols are quite specific. But your will is universal, being limitless.
- idol [áidl] : 「アイドル、偶像、崇拝される人、神像」
- quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
- specific [spisífik] : 「特定の、特有の、固有の、個別の」
- universal [jùːnəvə́ːrsəl] : 「世界共通の、一般的な、普遍的な」
- limitless [límitlis] : 「無限の」
❖ "Idols are quite ~ "「偶像は、極めて特異的である」。具体的、あるいは具象的と捉えていい。"But your will ~ "「しかし、あなたの意思は普遍的であり、制限はない」。物質的富という偶像にしても、金という偶像にしても、支配という偶像にしても、特別性という偶像にしても、すべて具体的であり、物質的であり、特異的な一点を目的にするものである。簡単に言えば、人それぞれによって、その人が崇拝する偶像は種々様々だということ。それに対して、あなたの意思は、実相的な真実を目指すという一点において普遍的である。実相世界への解放という意思も、あなたと同胞が普遍的にもつ意思である。愛も、喜びも平和も、すべての存在に行き渡る普遍性を有している。しかも、それは制限されることなく、永遠に不変である。
And so it has no form, nor is content for its expression in the terms of form.
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
- content [kɑ́ntent] : 「満足している」
- expression [ikspréʃən] : 「表現、言い回し、言い方、語句」
- term [tə́ːrm] : 「表現、語、言葉、用語、術語」
❖ "And so it has ~ "「したがって、あなたの意思は形というものをもたない」。"nor is content for ~ "「形というものを借りて表現することに満足するものではない」。実相世界は想念の世界であり、純粋な抽象の世界であることを思い出せば、意味合いが掴めるだろう。実相的な意思もまた、具象によって表現されるものではないのだ。なぜなら、実相的な意思は、何か具象的な物を手に入れようとするものではないからだ。具象的な物を手に入れるようとするのは、この幻想世界の偶像である。
Idols are limits. They are the belief that there are forms that will bring happiness, and that, by limiting, is all attained.
- limit [límit] : 「限度、制限」
- belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条」
- bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
- happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
- limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
- attain [ətéin] : 「手に入れる、獲得する」
❖ "Idols are ~ "「偶像とは制限である」。偶像は、具象的な物質を手に入れよとするから、自らに制限をかける。偶像は、永遠不変なものを嫌うのだ。偶像にとって、愛や喜びや平和は、腹の足しにもならないのである。"They are the belief ~ "「偶像は、〜という信念である」。"that there are forms ~ "「幸せを運んでくれる形というものが存在し、(形によって)制限することで、すべての幸せが得られるという」信念である。たとえば、高級外車という形に制限することで、それを手に入れれば幸せだと感じるのが偶像。豪邸という形、高所得という形、高学歴という形、高階級という形、等々、幸せを型にはめ、制限し、それを得ることが幸せだと信じるのが偶像である。
It is as if you said, "I have no need of everything. This little thing I want, and it will be as everything to me. "
- as if : 「あたかも〜かのように」
- need [níːd] : 「必要性、必要なもの」
❖ "It is as if you ~ "「それはあたかも、あなたが次のように言っているようなものだ」。"I have no need ~ "「『私は、すべてを必要としてはいない。この小さなものだけが欲しいのだ。そして、それだけが、私にとってすべてになる』」。たとえば、金さえあれば、愛も友情もいらない、と言うようなもの。他者を支配出来れば、何もいらない、と言うようなもの。
And this must fail to satisfy, because it is your will that everything be yours.
- fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
- satisfy [sǽtisfài] : 「〜を満足させる、納得させる、満たす」
❖ "And this must fail ~ "「そして、こんなことは、満足させることに失敗するに違いない」。"because it is your ~ "「なぜなら、すべてが自分のものになることが、あなたの意思だからである」。あなたは、神によって創造され、神の属性のすべてを与えられた。天の王国のすべては、あなたのものなのである。したがって、あなたの実相的な意思は、真実のすべてを求めている。意思に制限を加えることは、必ず失敗に終わる。
Decide for idols and you ask for loss. Decide for truth and everything is yours.
- ask for : 「〜を求める、〜を要求する、〜を要する」
- loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "Decide for idols ~ "「偶像に決定すれば、あなたは喪失を求めたことになる」。"Decide for truth ~ "「真実に決定すれば、すべてはあなたのものとなる」。偶像を選択することで、あなたの意思に制限を加えれば、結果は喪失となる。実相的な真実を選択すれば、天の王国の真実はすべてあなたのものとなる。愛も喜びも平和も、無制限に手に入るのである。そして、愛や喜びや平和を分かち合うことで、それらは拡張増大しいく。与えることは得ることと同一なのだ。