●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-15.V.2:1 ~ T-15.V.3:7

2. The past is the ego's chief learning device, for it is in the past that you learned to define your own needs and acquired methods for meeting them on your own terms.

  • past [pǽst] : 「過去、昔」
  • chief [t∫íːf] : 「最重要の、根本的な、最高位の」
  • learning [lə́ː(r)niŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • device [diváis] : 「機器、装置、道具、手段、仕掛け、工夫」
  • define [difáin] : 「〜を定義する、〜の意味を明確にする、〜を特徴づける」
  • need [níːd] : 「必要性、必要なもの、必要物」
  • acquire [əkwáiə(r)] : 「手に入れる、獲得する、取得する、得る、入手する」
  • acquired [əkwáiərd] : 「獲得した、習得した、後天的な」
  • method [méθəd] : 「方法、方式、手法、方途 」
  • meet [míːt] : 「合う、満足させる、かなえる、満たす、かなう」
  • on one's own terms : 「自分の思うがままに」
❖ "The past is the ego's ~ "「過去はエゴの最も重要な学びのための補助装置である」。"learning device"は教材のこと。エゴは過去を教材にして、あなたに理性的判断を教え込むのである。対して、ホーリー・スピリットは、聖なる瞬間を"learning device"にしている。"for it is in the past ~ "「なぜなら、that以下は過去の中にあるからだ」。"that you learned to define ~ "「あなたがあなた自身何を必要としているか決めることを学び、必要性を、あなたの思い通りに満たす方法を手に入れた」のは、過去の中にあるからだ。難しい言い回しをしている。例を挙げて、簡単に考えよう。あなたは過去の経験から、自分に何が必要か、理性的判断を下す。たとえば、自分は貧困であるのは金がないためであり、絶対、金が必要である。あるいは、たとえば、自分が惨めなのは他者から認められていないせいだ。だから、自分には社会的地位が必要だ。そして、その必要性に合致するように、つまり、自分の思い通りになるように、金を手に入れ、社会的地位を手に入れる方法を獲得していくのである。そのときに、あなたは、エゴの思考システムに依存し、金が必要なら他者から奪え、地位が必要なら他者を蹴落として上に登れ、と実践的戦略を与えられるのである。



We have said that to limit love to part of the Sonship is to bring guilt into your relationships, and thus make them unreal.
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
  • part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分」
  • sonship : 「息子であること」
  • bring [bríŋ] : 「〜を連れて来る、〜を持って来る、〜をもたらす」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連、血縁関係、続柄」
  • unreal : 「実在しない、非現実的な、実存しない、虚偽の」
❖ "We have said that ~ "「私たちはthat以下を言ったことがある」。"that to limit love ~ "「神の子の一部だけに愛を限定することは、あなたの(同胞との)関係性に罪の意識を持ち込むことになり、同胞を非実相的な者にしてしまう」と言ったことがある。非常に難解な部分である。まず、"to limit love to part of the Sonship"「神の子の一部だけに愛を限定すること」、ここから解釈していこう。単純に解釈すると、一部の同胞は愛し、他の同胞は愛さない、あるいは嫌うということ。セクションVの表題にあったように、特定の同胞との間に"Special Relationships"「特別な関係」を持つことを意味している。神の子は本来は一つであり、実相世界では一なる心として単一存在である。しかし、そこに"Special Relationships"を持ち込むことは、実相世界の属性である完全平等性を崩すことを意味し、神の子の分裂を加速する。あるいは再統一を遅延させる可能性を有するのである。原初において、神の子の罪の意識が自己の乖離と分裂を生んだことを考えると、"Special Relationships"は、罪の意識の解消とは逆の方向に走ってしまうのである。"Special Relationships"によって他の同胞を排他することで、特定の同胞同士は孤立し、神の子の分離は深まり、彼らの心に罪の意識が入り込む(to bring guilt)。なぜなら、"Special Relationships"は神の望むことではないと知っているからだ。神の意志に反したことをすることで、罪の意識はますます深まっていく。こうして、彼らは実相世界からどんどん離れていく道を歩むことになる。すなわち、非実相的な、つまり、幻想の存在としていつまでもこの世界にとどまることになるのだ(thus make them unreal)。



If you seek to separate out certain aspects of the totality and look to them to meet your imagined needs, you are attempting to use separation to save you.
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • separate [sépərèit] : 「分離する、隔てる、引き離す、切り離す」
  • certain [sə́ː(r)tn] : 「特定の、一定の、一部の、ある種の、とある、ある」
  • aspect [ǽspekt] : 「面、側、局面、状況、側面」
  • totality [to(u)tǽləti] : 「全体、全体性」
  • meet [míːt] : 「合う、満足させる、かなえる、満たす、かなう」
  • imagine [imǽdʒin] : 「想像する、思う、心に描く、推測する、仮定する」
  • need [níːd] : 「必要性、必要なもの、必要物」
  • attempt [ətém(p)t] : 「〜しようと努力する、〜を試してみる、〜を企てる」¥
  • separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
❖ "If you seek to separate ~ "「もしあなたが、全体性の、ある側面だけを分離しようとし、あなたの思う必要性に合致するようにそれらの側面を見ようとするなら、あなたはあなたを助けるために分離を利用しようと試みていることになる」。非常に難しい言い回しをしている。難解である。まず、"the totality"「全体性」であるが、完全性と考えていいだろう。つまり、神の子が本来、分離分裂せずに、単一存在として純粋一元であること。その、ある側面を切り取る(to separate out certain aspects)とは、"Special Relationships"を完全性の中に持ち込むことである。特定の同胞だけに対して愛なり憎しみを抱いて、完全性を崩すのである。結果、神の子の完全性が崩壊すると同時に完全平等性も崩れる。では、なぜそんな破壊行為をわざわざ行う必要があるのかというと、"to meet your imagined needs"と書いている。あなたが必要だとイメージした、その必要性に合致させるためである。つまり、例えば、あなたはひとりの異性を独占的に愛し、あるいは愛されて、他者を排他することで、たった二人だけの孤立した世界を構築したいと思うのである。あなたの抱いている孤独(神からの分離による孤独)を解消するためにそれが必要だと考えるためである。その結果、"to use separation to save you"、他者から分離することで、つまり、他者を排他することで、"Special Relationships"があなたを救ってくれるに違いないと願い、それを追求することになる。結局、特定の異性だけを愛することが、神からの分離による罪の意識と孤独を解消する手段に使われることに問題があるのだ。それが、分離と孤独から救ってくれると信じることに誤りがある。"Special Relationships"の、大きな落とし穴である。



How, then, could guilt not enter? For separation is the source of guilt, and to appeal to it for salvation is to believe you are alone.
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • source [sɔ́ː(r)s] : 「もと、源、起点、原因」
  • appeal [əpíːl] : 「援助を求める、懇願する、訴える、要請する、頼む」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで、唯一の、離れて」
❖ "How, then, could ~ "「そんなことで、どうして、罪の意識が入り込まないでいられるだろうか」。"For separation is ~ "「なぜなら、分離こそが罪の意識の原因なのだからだ」。"Special Relationships"を求めて、他の同胞から分離すること自体が罪の意識の原因になっている。"and to appeal to it ~ "「救いのために分離を求めることは、あなたがたった一人であると信じていることなのだ」。自分が孤独であると信じることが、その救いのために特別な関係を求めることつながる。しかし、新たな分離を形成することで、さらに孤独を深める結果になるのだ。



To be alone is to be guilty. For to experience yourself as alone is to deny the Oneness of the Father and His Son, and thus to attack reality.
  • guilty [gílti] : 「有罪の、犯罪的な、罪を犯した、罪の意識がある」
  • experience [ikspí(ə)riəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • Oneness [wʌ́nnis] : 「一体感、単一性、同一性、統一性、調和」
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "To be alone ~ "「一人であると思うことは、罪があると思うことである」。「一人でいることは罪なのだ」と解釈してもいいだろう。"For to experience yourself ~ "「なぜなら、あなた自身を一人であると経験することは、父なる神と神の子の単一性を否定することであり、そして、実相を攻撃することであるからだ」。神から分離し、一人っきりで孤独だと感じることは、実は、あなたがかたくなに幻想世界にとどまっている状態なのである。幻想世界にとどまることは、自分の罪の意識を肯定することである。逆に、実相世界における神と神の子の単一性、一元性を否定することである。その孤独に耐えきれなくなると、幻想世界の"Special Relationships"を追求し、結果、一歩も実相世界に近づくことが出来なくなるのだ。



3. You cannot love parts of reality and understand what love means.
  • part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分、部品、パーツ」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
❖ "You cannot love parts ~ "「あなたは実相の一部だけを愛して、愛が何を意味しているか理解することは出来ない」。実相世界の愛は、完全に平等であり、嫌悪や憎悪といった対極概念を持たない純粋な愛である。それが愛の実相である。ところで、実相世界の実体は分離分割出来るものではなく、全体として把握しなくてはならない。その一部を切り出して愛することなど出来なし、ましてや、分離分割して愛することで愛の意味することなど理解出来ないのだ。



If you would love unlike to God, Who knows no special love, how can you understand it?
  • unlike [ʌnláik] : 「似ていない、異なっている」
  • special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
❖ "If you would love ~ "「もしあなたが、特別な愛など知らない神のように愛さないのなら、」"how can you ~ "「あなたはどうやって愛を理解することが出来るだろう」。"special love"「特別な愛」とは、完全平等性を壊す愛のことで、"Special Relationships"を形成するような愛と考えていいだろう。幻想世界の愛と思ってもいい。



To believe that special relationships, with special love, can offer you salvation is the belief that separation is salvation.
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信用、信頼、信仰、信条」
  • separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
❖ "To believe that ~ "「特別な愛を伴った特別な関係が、あなたに救済をもたらしてくれると信じることは、」"is the belief that ~ "「分離が救済であるとする信じることである」。特別な愛、特別な関係は、神の子の分離分裂を促進することであって、救済からは全く逆方向へ進むことである。



For it is the complete equality of the Atonement in which salvation lies.
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、全くの」
  • equality [ikwɑ́ləti] : 「平等、等しいこと、同等、相等」
  • Atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
  • lie [lái] : 「ある、位置する、存在する」
❖ "For it is the complete ~ "「なぜなら、それは贖罪の完全平等性であって、そこに救済が存在するからだ」。ここの"it"が何なのか判然としないのだが、"salvation"自体と考えてもいいのではないのだろうか。ところで、"the complete equality of the Atonement"「贖罪の完全平等性」とは何か? ACIMの贖罪とは、神の子が自らを完全に無辜(むこ)であると受け入れることを意味する。しかも、神の子の一部が無辜性を受け入れるのではなく、神の子全体が平等に受け入れなくてはならない。なぜなら、神の子は単一だからである。贖罪は完全無辜性の受け入れであり、完全平等に受け入れられなくてはならないもの、そういった意味合いがあると解釈出来る。



How can you decide that special aspects of the Sonship can give you more than others?
  • decide [disáid] : 「〜しようと決心する、〜することに決める」
  • aspect [ǽspekt] : 「形勢、局面、状況、側面、特徴、様子、様相」
❖ "How can you decide that ~ "「あなたは、どうやってthat以下であると決定できるであろうか」。"that special aspects of ~ "「神の子の特別な側面だけが、他の面よりも多くのものをあなたに与えることが出来る」と決定出来るだろうか。単一であり、完全に平等な神の子を、分離分割して評価することなど不可能なのである。そもそも、実相世界は完全に抽象的な想念の世界であり、神の子の実態も心としての想念である。実在は一なる心なのである。その想念としての心を分離分割して評価することは、原理的に不可能ではないか。



The past has taught you this. Yet the holy instant teaches you it is not so.
  • taught [tɔ́ːt] : 「teach の過去・過去分詞形」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
❖ "The past has taught ~ "「過去があなたにこのことを教えたのである」。このこととは、神の子の一側面が他の面よりあなたに多くをもたらしてくれる、ということ。過去の経験によって、あなたはそう信じるようになった。"Yet the holy instant ~ "「しかし、聖なる瞬間はあなたに、そうではないのだと教えてくれる」。聖なる瞬間は、あなたの完全無辜性と完全平等性を知らしめる瞬間である。それは、真実を知る瞬間であり、その真実は永遠不変である。
 
 
 

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