●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-15.V.6:1 ~ T-15.V.7:3

6. Any relationship you would substitute for another has not been offered to the Holy Spirit for His use. There is no substitute for love.

  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • substitute [sʌ́bstət(j)ùːt] : 「〜を代わりにする、代用する、置き換える」
  • substitute A for B : 「AをBの代わりに用いる」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • use [júːs] : 「使うこと、利用、使用」
  • substitute [sʌ́bstət(j)ùːt] : 「代わりの物、代用品、代替、代理人、置換」
❖ "Any relationship you ~ "「あなたが、ある関係を別の関係で代用しようとする、その関係は、ホーリー・スピリットが利用するためにホーリー・スピリットに差し出されたことはない」。日本語に訳すと変な意味合いになってしまうが、あなたがある特別な関係の代わりに別の関係をホーリー・スピリットに委ねてみても、ホーリー・スピリットはその関係を利用して真の関係に質転換させることは出来ない、ということ。つまり、幻想の特別な関係を温存しようなどとは考えずに、素直にそれをホーリー・スピリットに委ねてしまいなさい、とうことだ。そうすれば、ホーリー・スピリットはそれを真の関係に、つまり、真の愛に変えてくれるのである。"There is no ~ "「愛には代用品などない」。愛を修正してもらいたいなら、愛をホーリー・スピリットに差し出すしかない。



If you would attempt to substitute one aspect of love for another, you have placed less value on one and more on the other.
  • attempt [ətém(p)t] : 「〜しようと努力する、〜するよう努める、〜を企てる」
  • substitute [sʌ́bstət(j)ùːt] A for B : 「AをBの代わりに用いる」
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、面、側」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価、有用性」
❖ "If you would attempt ~ "「もしあなたが、愛のある側面を他の側面の代わりにしようと企てるなら、」"you have placed ~ "「あなたは、一方の側面により重きを置き、他の側面の価値を減ずることになる」。本来、愛とは全的なものであり、複数の側面に分割して扱うものではない。それを、あえて分割して、一側面を他の側面で代用しようなどと考えると、分割した側面に価値の差を設けることになる。その結果、全的であるべき愛が、分裂した愛になってしまう。たとえば、あなたが異性を愛するとき、その愛を精神的な愛と肉体的な愛に分割して、肉体的な愛を精神的な愛より優先させたりしたら、あなたの愛は分裂したまま崩壊してしまうだろう。



You have not only separated them, but you have also judged against both.
  • not only A but also B : 「AだけでなくBも」
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す、切り離す」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁く」
  • against [əgénst] : 「〜に逆らって、〜にそむいて、〜に不利に」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
❖ "You have not only ~ "「あなたは、愛を(二つに)分離するだけでなく、両者を正当に判断しないことになる」。一方を過大評価し、他方を過小評価する。したがって、どちらに対しても正当な判断を下したとは言えない。



Yet you had judged against yourself first, or you would never have imagined that you needed your brothers as they were not.
  • imagine [imǽdʒin] : 「想像する、思う、心に描く、推測する、仮定する」
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
❖ "Yet you had judged ~ "「しかし、まず最初に、あなたはあなた自身に対して正当な判断を下さなかったのだ」。"or you would never ~ "仮定法過去完了形、「さもなければ、あなたは決して、あなたが同胞を本来そうでない形で必要とするなどと想像しなかったであろう」。非常に難しい表現をしている。どういう意味だろうか? あなたは最初に、自分を本来そうであるようには、正当に評価判断しなかったのである。あなたは神の子であり、神の属性を継承した神聖な存在なのにもかかわらず、自分を猿から進化した卑小な生物であると判断してしまった。あるいは、神を裏切ってしまった罪人であると判断してしまったのである。その結果、判断はあなた個人にとどまることなく、同胞をも同じように本来の姿からかけ離れた形で、あなたの目に映る必要が出てきたのである。卑小なのは自分だけでなく、同胞たちもみな卑小であるに違いないと想像したのである。罪があるのは自分だけでなく、同胞たちも同様に罪があるに違いないと思い込みたかったのだ。



Unless you had seen yourself as without love, you could not have judged them so like you in lack.
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて、もし〜でなければ」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
❖ "Unless you had seen ~ "仮定法過去完了形、過去の事実に反して仮定し述べている、「もしあなたが、自分自身を愛なきものと見ることがなかったなら、」"you could not have judged ~ "「あなたは、同胞をあなたと同じように愛に欠けたものと判断することは出来なかったろう」。まず最初に、あなたが自分自身を愛なきものと判断したのである。そして、同胞たちを引きずり込んで、あなた同様に彼らも愛なきものと判断を下すことになったのだ。ところで、愛なきものとは、愛せない自分であると同時に、神から愛されない自分であること、その両者を併せ持っている者と考えておこう。



7. The ego's use of relationships is so fragmented that it frequently goes even farther; one part of one aspect suits its purposes, while it prefers different parts of another aspect.
  • fragment [frǽgmənt] : 「砕ける、寸断する」
  • frequently [fríːkwəntli] : 「頻繁に、しばしば、たびたび」
  • farther [fɑ́ː(r)ðə(r)] : 「もっと遠くへ、もっと先に」
  • go farther : 「さらに〜する」
  • suit [súːt] : 「〜を適合させる、〜を満足させる、〜にふさわしい」
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、特徴、面、側」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向」
  • while [(h)wáil] : 「その上、さらに、おまけに」
  • prefer [prifə́ː(r)] : 「〜を好む、むしろ〜の方を好む、〜の方を選ぶ 」
  • different [díf(ə)r(ə)nt] : 「相違する、違っている、異なる」
❖ "The ego's use of ~ "ここは"so ~ that ~ "の構文、「エゴは関係を細切れにして利用するので、」"that it frequently ~ "「しばしば、とてつもなく細切れになってしまう」。"one part of one aspect ~ "「関係のある側面の部分がエゴの目的に叶っていると思えば、」"while it prefers different ~ "「一方で、エゴは他の側面の違った部分をより好むといった状態である」。ここは例を挙げて解釈した方がいいだろう。たとえば、あなたが異性と特別な関係を保っているとしよう。その関係の中に、同胞を巻き込んで共に幸せになろうなどと思うことはエゴの思惑に反する。あなたの特別な関係が他者を排他することをエゴは望むのである。エゴは、あなたの関係が非常に局所的な小さな特別空間を作り、他者を排他し、孤立することを願う。そして、孤独になることによって、他者を攻撃し、神をも攻撃することを画策するのである。そこで、エゴはあなたの関係を吟味し、孤立的部分や排他的部分を切り取り、関係性のもつ統一的部分や愛の拡張的部分を切り離す。細切れにするのである(fragment)。そして、エゴの目的(purpose)にかなった(suit)ある一部分(one part of one aspect)を取り出したかと思うと、また別の一面(another aspect)、たとえば、真実から目を背けようとする面などを好んで助長する。こうして、あなたの特別な関係は分かち合われることはなく、したがって、拡張することもなければ、真実に近づくことさえ出来なくなってしまうのだ。



Thus does it assemble reality to its own capricious liking, offering for your seeking a picture whose likeness does not exist.
  • assemble [əsémbl] : 「組み立てる、〜を作る」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • capricious [kəprí∫əs] : 「気まぐれな、移り気な、むらのある」
  • liking [láikiŋ] : 「好くこと、好み、趣味」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • picture [pík(t)∫ə(r)] : 「絵、像、光景、絵柄、図面、実態、事実、状況」
  • likeness [láiknəs] : 「似ていること、類似、見せかけ、うわべ」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する、存続する」
❖ "Thus does it assemble ~ "「このようにしてエゴは、エゴ自身の気まぐれな好みに合うように現実を組み立てるのである」。"assemble reality"「現実を組み立てる」と言っても、それは幻想であって、本当に実在する現実、つまり、実相を組み立てるのではない。勝手に、気まぐれに、幻想を組み立てて、自分好みの幻想世界を作るのである。"offering for your seeking ~ "分詞構文、単純接続、意訳すると、「そしてエゴは、あなたの求めに応じて、似ても似つかぬ絵をあなたに提供するのである」。たとえば、あなたは餅が欲しいとエゴに言う。エゴは餅の絵を描いてあなたに提供する。餅の絵は実在の餅の姿を写したものであるが、餅それ自体ではない。絵の中に餅は存在しないのだ。そんな幻想の絵の餅をあなたに提供しているのがエゴなのである。そして、まんまとあなたが絵の餅に騙されているのが、この幻想世界の現実である。



For there is nothing in Heaven or earth that it resembles, and so, however much you seek for its reality, you cannot find it because it is not real.
  • resemble [rizémbl] : 「〜のようである、〜と似ている、〜に生き写しである、〜と共通点がある」
  • however [hauévə(r)] : 「どんなに〜でも、いかに〜であろうとも」
❖ "For there is nothing ~ "「なぜなら、それと似たものなど、天の王国にも地上の世界にも、まったくない」。絵に描いた餅は、姿こそ似ているが、餅それ自体とはまったく似ていない。なぜなら、本物の餅はもち米で作られているし、絵の餅は紙と絵の具で出来ているのだから。空腹を満たすことの出来る絵に描いた餅など、天の王国にも地上の世界にも、まったく存在しないのだ。"and so, however much ~ "「だから、あなたがどんなにその実在性を求めたとしても、あなたはそれを見つけることは出来ない」。"because it is not ~ "「なぜなら、それは現実ではないからだ」。絵に描いた餅の実在性、つまり、空腹を満たす実相を求めても、あなたは絵の餅に実在性を見いだすことは出来ない。なぜなら、絵に描いた餅は現実ではないからだ。同様に、お金で幸せが買えるとか、社会的地位が上がれば偉大な人間になれるとか、肉欲が達成されたとき愛が手に入るとか、権力を得ることが存在意義なのだとか、そういったこと全部が、絵に描いた餅に空腹を満たす夢を託すようなものである。
 
 
 

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