●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-16.III.7:1 ~ T-16.III.8:5

7. This year you will begin to learn, and make learning commensurate with teaching.

  • begin [bigín] : 「〜を始める、〜に取り掛かる、着手する」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • commensurate [kəméns(ə)rət] : 「釣り合った、釣り合いのとれた、同量の、相応の」
❖ "This year you will ~ "「今年こそ、あなたは学ぶことを始めるだろう」。"and make learning ~ "「そして、学びの比重を教えの比重と等しくするようになるであろう」。前段落で、"teaching"「教え」という言葉を「探求」に置き換えると意味が通じやすいと言ったが、ここでは同様に、"learning"「学び」を「実行」と置き換えれば、意味が通じやすい。つまり、本当の自分を知るための探求を果たしたなら、今度は、本当の自分として生きることを実行しなくてはならない。知ったなら、実行あるのみ。



You have chosen this by your own willingness to teach.
  • chosen [t∫óuzn] : 「choose の過去分詞形」
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること、やる気」
❖ "You have chosen this ~ "「あなたは、教えたいというあなた自身の意欲によって、これを選択したのだ」。教えたいという意欲が、学びたいという意欲を選択させた。ACIMでは、教えることと学ぶことは同一である。つまり、教えたいという意欲と学びたいという意欲も同一である。したがって、本当の自分を知りたいという思いと、本当の自分として生きたいという思いも同一である。知ることと実行することが同一なのである。さらに極言するなら、思いと実現は同一である。想念は現実化するのである。思い出してもみよう。神の子が神なしで生きれるだろうか、と思った瞬間に、神の子は神から分離したのである。まさに、想念が一瞬にして現実化した好例である。



Though you seemed to suffer for it, the joy of teaching will yet be yours.
  • though [ðóu] : 「〜にもかかわらず、たとえ〜でも、〜とはいえ」
  • seem [síːm] : 「〜と思われる、〜のように思える、〜のようだ」
  • suffer [sʌ́fə(r)] : 「苦しむ、苦痛と感じる」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
❖ "Though you seemed ~ "「学ぶことは苦痛だと、あなたは思うかもしれないが、」"the joy of teaching ~ "「教えることの喜びは、これからもずっと、あなたのものである」。教えることはいつまでも喜びであるから、学ぶことも喜びになる。本当の自分を知る旅は喜びであったし、今からも喜びである。したがって、本当の自分として生きることも、苦痛ではなく、喜びなのだ。



For the joy of teaching is in the learner, who offers it to the teacher in gratitude, and shares it with him.
  • learner [lə́ːrnər] : 「学習者、初学者」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • gratitude [grǽtət(j)ùːd] : 「感謝、感謝の気持ち」
  • in gratitude : 「感謝して、感謝の気持ちから」
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "For the joy of ~ "「なぜなら、教えることの喜びは、学ぶ者のなかにあるからであり、」"who offers it ~ "「学ぶ者は、喜びを、感謝しながら、教えるものに差し出すのである」。"and shares it ~ "「そして、学ぶ者は、喜びを、教える者と分かち合う」。教えることと学ぶことが同一であることを考えれば、ここは簡単に理解できると思う。



As you learn, your gratitude to your Self, Who teaches you what He is, will grow and help you honor Him.
  • grow [gróu] : 「成長する、育つ、大きくなる、増える、増大する」
  • honor [ɑ́nə(r)] : 「〜に敬意を払う、尊敬する、称える、支持する」
❖ "As you learn ~ "「あなたが学ぶにつれて、あなたの(心の中の)自己なる存在に対するあなたの感謝の気持ちは、」"Who teaches you ~ "「ところで、自己なる存在はあなたに、自己なる存在とは何なのか教えてくれるのであるが、」"will grow and ~ "「その自己なる存在に対するあなたの感謝の気持ちは、ますます大きくなり、自己なる存在に敬意を表するようにしてくれるだろう」。"your Self"「あなたの心の中の自己なる存在」とは何か? あなたの心の最も神聖な部分、最も純粋な部分にホーリー・スピリットが、あるいは、キリストが住んでいることを考えると、自己なる存在とは、あなたの心の最も神聖な部分、それ自体と考えてもいいし、ホーリー・スピリットそのものと考えてもいいだろう。あるいな、キリストそれ自体と考えてもいい。あなたが学んでいくにつれ、あなたの学びをリードしてくれている存在に気が付くのである。それは、あなたの正しい心であり、ホーリー・スピリットである。あなたは感謝の思いをもって、ホーリー・スピリットを受け入れることになる。また、ホーリー・スピリットを尊敬するようにもなる。



And you will learn His power and strength and purity, and love Him as His Father does.
  • strength [stréŋ(k)θ] : 「力、強さ、体力」
  • purity [pjú(ə)rəti] : 「清らかさ、純正、清浄、純粋」
❖ "And you will learn ~ "「そしてあなたは、ホーリー・スピリットのパワー、強さ、純粋さを学ぶであろう」。"and love Him as ~ "「また、父なる神がホーリー・スピリットを愛するように、あなたもホーリー・スピリットを愛するようになるであろう」。



His Kingdom has no limits and no end, and there is nothing in Him that is not perfect and eternal. All this is you, and nothing outside of this is you.
  • Kingdom [kíŋdəm] : 「王国、王領」
  • limit [límit] : 「限度、制限、限界」
  • end [énd] : 「終わり、最後、終局、終焉、終点」
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完璧な、完全な」
  • eternal [itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の」
  • outside [áutsáid] : 「外側に、外部に」
  • outside of : 「〜のほかに、〜の外側へ、〜を除いて」
❖ "His Kingdom has ~ "「ホーリー・スピリットの天の王国は、制限も終わりも、全くない」。"and there is nothing ~ "「そして、純粋でないもの、永遠でないものは、ホーリー・スピリットの中に全く存在しない」。"All this is ~ "「このすべてが、あなたなのだ」。"and nothing outside ~ "「この外のものは何ものも、あなたではない」。最終的に、あなたの心の中の最も純粋で、神聖な部分に住むホーリー・スピリットが、本当のあなたなのだ、という所にたどり着いた。さらに付け加えれば、知ったなら実行あるのみであるから、あなたはホーリー・スピリットなのだという自覚をもって生きていかなくてはならない。



8. To your most holy Self all praise is due for what you are, and for what He is Who created you as you are.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • praise [préiz] : 「称賛、褒めること、賛美」
  • due [d(j)ú] : 「正当な、当然の、十分な、当然与えられるべきの」
  • creat [kriéit] : 「創造する、創り出す」
❖ "To your most holy ~ "「あなたの最も神聖な自己なる存在に対して、あらゆる称賛は与えられるべきである」。何を称賛するかというと、"for what you ~ "「本当のあなたと、あなたをあるがままに創造した存在のための」称賛。"your most holy Self"「あなたの最も神聖な自己なる存在」とは、あなたの心の中の最も神聖な部分のことで、ホーリー・スピリットのこと。"what you are"「本当のあなた」とは、あなたがホーリー・スピリットと同一であること、つまり、神の子として存在していること。"what He is Who ~ "「あなたをあるがままに創造した存在」とは、もちろん神のこと。ここで、神と神の子とホーリー・スピリットの三位(さんみ)が出そろうのである。そして、この三者が称賛し合う。つまり、その存在を喜び合うのである。称賛がホーリー・スピリットに向かってなされるのは、神から分離していた神の子を、自分が神の子であることに気付かせて、神の子という存在に復帰させてくれたホーリー・スピリットの労をねぎらい、感謝する気持ちが込められているからだろう。



Sooner or later must everyone bridge the gap he imagines exists between his selves.
  • Sooner or later : 「いつかは、遅かれ早かれ」
  • bridge [brídʒ] : 「(隙間を)埋める、〜に橋を架ける、橋渡しをする」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、穴、途切れ」
  • imagine [imǽdʒin] : 「想像する、思う、心に描く」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
  • selves [sélvz] : 「self の複数形」
❖ "Sooner or later must ~ "「遅かれ早かれ、誰でも、真の自己との間にあると想像したギャップを埋めなくてはならない」。あなたは、あなたの心の中の最も神聖な部分が本当の自分の存在なのだと気付いた。つまり、自分は神の子であったのだと再認識したのである。そして、再認識の次に待っているのは、再生であって、神の子として生まれ変わらなくてはならない。その一歩、つまり、ほんの少しのギャップをあなたは埋めなくてはならない。あと一つの橋を越えるのである。ところで、ACIMでは、あなたが真の自分自身に気付くまではホーリー・スピリットの使命であり、最後の一歩は神の仕事となっている。つまり、あなたの最後の仕事を手伝ってくれるのは神である。



Each one builds this bridge, which carries him across the gap as soon as he is willing to expend some little effort on behalf of bridging it.
  • build [bíld] : 「建てる、建造する、構築する、架設する」
  • carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持ち運ぶ」
  • across [əkrɑ́s] : 「〜を横切って、〜を横断して、〜の向こう側に」
  • as soon as : 「〜するとすぐに、〜するや否や」
  • be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する、〜に前向きである」
  • expend [ikspénd] : 「〜を費やす、消費する、浪費する、使い果たす」
  • effort [éfə(r)t] : 「努力、尽力、骨折り、試み、取り組み」
  • on behalf of : 「〜のために、〜の利益になるように、〜に利するように」
  • bridging : 「橋渡し」
❖ "Each one builds ~ "「一人一人が、橋を造ることになる」。"which carries him ~ "「その橋は、〜するとすぐ、ギャップを越えて向こうへ運んでくれるのである」。"as soon as he is ~ "「橋を渡るためのほんの少しの努力を惜しまないならすぐ、」その橋は、ギャップを越えて向こうへ運んでくれるのである。橋を造ってそこを渡るということは、本当の神の子として再生するための作業であるのだが、イメージとしては、天の王国の神の元へ回帰するための最後の橋掛けととらえていい。神から分離した神の子は、自分が神の子であることに気付き、そして最後に、神の元へ回帰するのである。その最後の一歩が、天の王国へ続く橋を渡ることである。般若心経で言うなら、此岸から彼岸へ渡って智慧を完成させる、といったところである。



His little efforts are powerfully supplemented by the strength of Heaven, and by the united will of all who make Heaven what it is, being joined within it.
  • powerfully [páuərfəli] : 「大いに、強烈に」
  • supplement [sʌ́pləmènt] : 「〜を補う、補完する、足し込む、埋め合わせる」
  • strength [stréŋ(k)θ] : 「力、強さ、体力」
  • united [junáitid] : 「結ばれた、協力した、結合した、合併した」
  • will [wíl] : 「意欲、意思」
  • join [dʒɔ́in] : 「〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側で」
❖ "His little efforts are ~ "「(最後の)小さな努力は、天の力によって強力に後押しされるのだ」。最後の橋を渡るための努力を、天の王国の神が強力に後押ししてくれる。"and by the united will ~ "「また、天の王国を今あるように創った、すべての結合した意思によっても強力に後押しされるのだ」。"being joined ~ "「その意思とは、天の王国の中で結合したものである」。天の王国を創り出している意思とは、一つはもちろん神の意思であり、ホーリー・スピリットやキリストの意思であり、そして、あなたより一歩先に王国入りを果たした神の子達(アセンディド・マスター達)の意思、等々と考えていいだろう。それらの意思が結合し、一致団結して、あなたの王国入りを支援してくれるのである。



And so the one who would cross over is literally transported there.
  • would [wúd] : 「〜したいと思う」
  • cross [krɔ́(ː)s] : 「横断する、渡る」
  • cross over : 「〜をクロスオーバーする、〜を越える」
  • literally [lít(ə)rəli] : 「文字どおり、逐語的に、本当に、まさに」
  • transport [trænspɔ́ː(r)t] : 「〜を運ぶ、輸送する」
❖ "And so the one who would ~ "「そこで、橋を越えたいと思っている者は、文字通り、そこを渡らせてもらえるのである」。
 
 
 

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