●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-21.II.5:1 ~ T-21.II.6:9

5. The world you see is but the idle witness that you were right. This witness is insane.

  • idle [áidl] : 「働いていない、怠けて過ごす、怠けた、怠惰な」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
  • right [ráit] : 「正しい、正当な」
  • insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
❖ "The world you see is ~ "直訳すると、「あなたが見ている世界は、あなたが正当であると証言することを怠っている」。"This witness is ~ "「こんな証言は狂っている」。さて、どういう意味か? あなたが正当であるとは、あなたの存在が正当であるということで、神の子として存在価値がある、ということだろう。あなたは偶然に生まれた単なるサルの子孫ではないし、ましてや虫けらでもない。あなたは人間として、いや、それ以上に、神の子として、神に愛される価値のある正当な存在なのだ。ところが、この幻想世界のどこを探しても、それを証明し証言するものは見つからない。それどころか、まったく逆に、ダーウィンの進化論を持ち出すまでもなく、物理法則も化学法則も、生物学も医学も、あなたが神聖な存在であることの反証ばかりで成り立っている。そんな証言は狂っているのだ。なぜ、そうなのか? そこで、あなたが見ているこの世界は、あなたの心が映し出した幻想世界であることを、もう一度考えてみる必要がある。



You trained it in its testimony, and as it gave it back to you, you listened and convinced yourself that what it saw was true.
  • train [tréin] : 「〜をしつける、教え込む、教育する、訓練する」
  • testimony [téstəmòuni] : 「証言、宣誓書、証拠、証明」
  • gave [géiv] : 「give の過去形」
  • give back : 「返す」
  • listen [lísn] : 「耳を傾ける、傾聴する、聴く、聞く」
  • convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる、説得する」
  • convince oneself : 「独り合点する、自分を納得させる」
  • saw [sɔ́ː] : 「see の過去形」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "You trained it ~ "「あなたは、世界に対して、あなたが正当だということの反証を教え込み、」"and as it gave it ~ "「世界があなたに、その反証を返したとき、」"you listened and ~ "「あなたは反証に耳を傾け、世界が見ていることは正しいと自分自身を納得されるのだ」。つまり、世界が証言しているのではなく、その証言内容を事前に世界に教え込み、世界がそれを証言するとき、あたかも、あなたはそれを初めて聞いたふりをして、そうに違いないと自己を確信させているだけなのだ。したがって、あなたは正当でないと、つまり、あなたの存在価値はないと、神の子などではないと、そう証言しているのはこの世界ではなく、あなた自身なのだ。あなたの心の中のエゴがそう宣言し、エゴの宣言に盲従して、あなたは世界を幻想しているのである。この世界が、あなたが神聖な存在であることの反証ばかりで成り立っている理由がそこにある。



You did this to yourself. See only this, and you will also see how circular the reasoning on which your "seeing" rests.
  • circular [sə́ːrkjulər] : 「循環の、循環する、巡回の、巡回する」
  • reasoning [ríːzəniŋ] : 「論法、推理、推論、論理的思考、論拠、根拠」
  • seeing : 「見ること、視覚、視力」
  • rest [rést] : 「ある、置かれている」
❖ "You did this ~ "「あなたは、あなた自身に対して証言しているのである」。"See only this"「このことだけをよく見てみなさい」。"and you will also see ~ "「そうすれば、〜であることがわかるだろう」。"how circular the reasoning ~ "「あなたの『ものの見方』が依拠している論法が、いかに循環論法的であるか、」わかるだろう。あなたと世界が、狂った証言のキャッチボールを行っているだけなのだ。



This was not given you. This was your gift to you and to your brother.
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
❖ "This was not ~ "「これは、あなたに与えられたものではない」。"This was your gift ~ "「これは、あなたが、あなたとあなたの同胞に与えた、あなたの贈り物である」。さて、これとは何か? この幻想世界と捉えてもいいだろうが、ここでは、エゴの循環論法と考えておこう。狂った証言のことだ。これは、神があなたに与えたものではない。あなたが、つまり、あなたの心の中のエゴが勝手に作り上げ、自分と同胞に無理やり押し付けた「贈り物」に過ぎないのだ。



Be willing, then, to have it taken from him and be replaced with truth.
  • be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
  • have : 「〜を〜の状態にする、〜に〜させる」
  • taken [téikn] : 「take の過去分詞形」
  • replace [ripléis] : 「〜を取り換える、交換する、差し替える、置き換える」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "Be willing, then, to ~ "「それなら、そんな贈り物(狂った証言)など、同胞から取り去って、真実と交換してやろうと思いなさい」。同胞に対して、存在の正当性を証言してやりなさい。サルでも虫けらでもなく、神に愛される神の子であることを、あなたと同胞に向かって証言しなさい。勇気をもって宣言しなさい。この世界に向かって、それは正当ではないと証言しなさい。幻想であると、夢に過ぎないのだと宣言しなさい。



And as you look upon the change in him, it will be given you to see it in yourself.
  • look upon : 「〜を見る」
  • change [tʃéindʒ] : 「変化、変更、移行、交換」
❖ "And as you look upon ~ "「そうすれば、同胞の中での変化をあなたが見るとき、」"it will be given you ~ "「その変化はあなたにも与えられ、結果、あなた自身の中にも変化が見られるようになるのだ」。変化とは、存在の非正当性から正当性への変化、サルや虫けらから神の子への変化、嘘の証言から真実の証言への変化、幻想世界から実相世界への変化、等々。あなたと同胞は自他一如であるから、同胞の心の変化はあなたの心の変化と等しい。あなたが同胞を神の子として見る時、あなたは、あなた自身もまた神の子であると見ることが出来るのだ。あなたが、同胞を存在価値ありと見る時、あなたにもまた存在価値が生まれるのである。



6. Perhaps you do not see the need for you to give this little offering.
  • perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • need [níːd] : 「必要性、必要なもの、必要物」
  • offering [ɔ́ːfəriŋ] : 「捧げもの、贈り物」
❖ "Perhaps you do not ~ "「もしかすると、あなたは、こんな小さな贈り物を差し出すことなど、あなたには必要ないと思っているかも知れない」。同胞に、存在の正当性を贈り物として差し出すことは不必要だと思っているかも知れない。あなたは、あなた自身と同胞が分離した存在だと信じているから、そう感じるのだ。しかし、本当はあなたと同胞は分離していない。したがって、同胞に存在の正当性を差し出すことは、あなたが自分自身に存在の正当性を証言することなのである。



Look closer, then, at what it is. And, very simply, see in it the whole exchange of separation for salvation.
  • close [klóus] : 「近い、接近した、近接した、緊密な」
  • simply [símpli] : 「簡単に、分かりやすく、造作なく、たやすく」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • exchange [ikstʃéindʒ] : 「換えること、交換、やりとり」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
❖ "Look closer ~ "「そうであるなら、もっと近づいて、その贈り物は何なのか、見てみなさい」。"And, very simply, see ~ "「簡単に言えば、贈り物の中を見て、分離から救いへと完全に交換するものであると知ればいい」。あなたと同胞は分離してなどおらず、共に単一存在として、実相世界へ目覚めるという使命を担っている、つまり、救いの使命を担っていると理解すればいい。その使命を果たすための第一歩が、この贈り物であって、あなたも同胞も共に、神の子であるという存在の正当性を受け入れることが肝要なのだ。



All that the ego is, is an idea that it is possible that things should happen to the Son of God without his will; and thus without the Will of his Creator, Whose Will cannot be separate from his own.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • happen [hǽpn] : 「起こる、発生する、降り懸かる」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • will [wíl] : 「意志、精神力、願望、意欲」
  • thus [ðʌ́s] : 「このようにして、こんなふうに、それ故に、従って」
  • separate [sépərèit] : 「分かれる、分離する、別居する」
❖ "All that the ego is ~ "「エゴたるもののすべては、that以下であるという思考なのだ」。"that it is possible ~ "ここは"it ~ that ~ "の構文、「物事は、神の子の意思に関係なく、神の子に起こるべきものであり、」"and thus without ~ "「したがって、神の子の意思と分離など出来ない創造主の意思に関わりなく起こるものである」という思考である。この世界の出来事は、一言で言えば、意思や想念に関わりなく、唯物論的因果律によって生起するものだという考えのすべてがエゴの思考だということ。現代科学はこの思想に基づいている。しかし、ACIMは、まったくその逆を主張する。この世界の出来事のすべては、あなたの思考によって生成し、したがって、あなたには出来事に責任がある、と言うのだ。なぜなら、そもそもこの世界は、あなたがあなたの心を、心の外部へ投射して作り上げた幻想の世界だからだ。さて、唯物論と唯心論、そのどちらが真実なのか・・・?



This is the Son of God's replacement for his will, a mad revolt against what must forever be.
  • replacement [ripléismənt] : 「交代、返却、交換、取り換え、差し替え」
  • replacement for : 「〜の代わり」
  • mad [mǽd] : 「気が狂って、怒って、頭にきて、発狂して」
  • revolt [rivóult] : 「反乱、反抗、反発、反感」
  • against [əgénst] : 「〜に逆らって、〜にそむいて、反抗して、〜に反対して」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "This is the Son of God's ~ "「これは、神の子の思考を神の意思と入れ替えたものである」。"a mad revolt ~ "「永遠に存在するものに対抗する、狂った反逆である」。本来、神の意思と神の子の意思は一心同体である。しかし、エゴはその分離を画策する。神と神の子の意思を分離させ、神の子の意思から神の意思を奪い上げ、代わりにエゴの思考に置き換えたのだ。それが、神の子の思考となってしまった。エゴは、神の子の意思、つまりは神の意思を無力化し、それに代えて唯物論的因果律をこの世界に持ち込んだのだ。永遠不変の実相世界に対抗するための、狂気的な思考である。なぜ狂気的かというと、唯物論的因果律を心が思考することによって、そのような幻想世界が出来たのであり、唯物論的因果律が心の想念を無力化するということは完全な自己矛盾だからだ。ちょうど、スクリーンに映っている人物が観客に向かって、自分こそが実在であり、お前達は存在しないと叫んでいるようなものだ。人間が映画を作らなかったら、スクリーン上の人物も存在しなかっただろうに。



This is the statement that he has the power to make God powerless and so to take it for himself, and leave himself without what God has willed for him.
  • statement [stéitmənt] : 「声明、メッセージ、陳述、述べたこと、発言、供述」
  • make [méik] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • powerless [páuərlis] : 「効果がない、無能な、力のない」
  • leave [leave] : 「〜を残す、〜をそのままにしておく」
❖ "This is the statement that ~ "「これは、that以下を主張しているものである」。"that he has the power ~ "「神の子は、神を無力化し、その力を神の子のために利用出来るパワーをもっているし、」"and leave himself without ~ "「神が神の子のために意思したことなどなしで、自分をそのままにしておける」と主張しているのだ。ここの"he"を「神の子」として訳してみたが、エゴの思考システムに汚染された神の子のことであるから、"he"を「エゴ」と考え直して訳してみてもいいだろう。その方が通りはいい。つまり、エゴは神を無力化し、神のエネルギーを自分のために利用出来る力があると思い込み、神の意思などに関係なく、エゴ一人で自立し、存在出来るのだと、主張しているのだ、となる。



This is the mad idea you have enshrined upon your altars, and which you worship.
  • enshrine [enshrine] : 「祭る、安置する」
  • altar [ɔ́ːltər] : 「祭壇、聖餐台」
  • worship [wə́ːrʃip] : 「崇拝する、礼拝する、賛美する」
❖ "This is the mad idea ~ "「これは、あなたがあなたの祭壇に祭り上げ、崇拝する、狂った思考そのものだ」。これとは、前の文章を差すのだが、とりわけ、神なしでやっていけるという件(くだり)である。神なしで、神のように存在できはしないかと、かつて神の子が思考したとき、その瞬間に、神の子は神から分離したのだ。ほんの小さな狂った思考(a tiny mad idea)、人間の苦しみのすべては、そこから始まったのだ。そして、今でも、エゴに毒されたあなたは、その狂った思考を大切に祭壇に祭り上げ、崇拝している。神なしで生きていけると思っているのだ。



And everything that threatens this seems to attack your faith, for here is it invested.
  • threaten [θrétn] : 「〜を脅す、脅迫する」
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条」
  • invest [invést] : 「〜を投資する、出資する、運用する、注ぎ込む」
❖ "And everything that ~ "「この崇拝を脅かすものはすべて、あなたの信仰への攻撃と見なされる」。"for here is ~ "「なぜなら、あなたはこの崇拝に入れ込んでいるからだ」。訳が難しい箇所なのだが、あたかも、怪しげな新興宗教に取り憑かれたように、あなたはエゴの狂った思考を崇拝し、信仰しているという意味合いである。それが一旦脅かされるとなると、あなたは自分が攻撃されたと思い込んで、反撃に出る。非常に凶暴な、狂気的な破壊行動をとるようになるのだ。



Think not that you are faithless, for your belief and trust in this is strong indeed.
  • faithless [féiθlis] : 「不誠実な、不忠実な、信仰心のない、信義のない」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条」
  • trust [trʌ́st] : 「信頼、信用」
  • strong [strɔ́ːŋ] : 「強い、力がある」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも」
❖ "Think not that you ~ "「あなたに信仰心がないなどと思ってはいけない」。唯物論的因果律を信奉しているあなたは、唯物論者であるからと言って、信仰心がないわけではない。唯物論を狂信しているのはあなたなのだから。"for your belief and ~ "「なぜなら、エゴの狂った思考を信頼し、信じてるあなたの信仰心は、殊更強いものなのだから」。ACIMは、神を信仰せよなどとは一言も言っていない。神は信仰の対象などではなく、事実だからだ。しかし、ACIMは、エゴを信仰することを止めよとは言う。エゴは、幻想であり事実ではないからだ。エゴは、単なる偶像なのだ。偶像を信仰することが、いかに心を荒廃させ、命を削るものであるか、くどくどと書く必要はあるまい。
 
 
 

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