●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-21.III.9:1 ~ T-21.III.10:7

9. Those who would free their brothers from the body can have no fear.

  • free [fríː] : 「〜を自由にする、解放する」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "Those who would ~ "「同胞を肉体から解放してやりたいと思っている者は、恐れなど持つとは不可能だ」。同胞を肉体から解放するとは、同胞を、肉体的存在ではなく心の存在と見なすこと。したがって、同胞の中に、肉体に付随する罪の意識を認識しないのだ。同胞に罪がなく、無辜(むこ)であるからこそ、何も恐れる必要はない。恐れの原因が幻想であると知ったからだ。



They have renounced the means for sin by choosing to let all limitations be removed.
  • renounce [rináuns] : 「放棄する、捨てる、破棄する、断念する」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • limitation [lìmətéiʃən] : 「制限、極限、限定」
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
❖ "They have renounced ~ "「彼らは、すべての制限を除去することを選択したことで、罪のための手段を放棄してしまったのだ」。同胞も自分も、幻想の肉体に閉じこめられた存在ではないと認識したので、つまり、肉体という幻想に制限されることを除去したので、罪の意思を強調し温存する手段としての特別な関係性を放棄したのである。簡単に言えば、肉体的な愛欲で構成された特別な関係性を放棄して、ホーリー・スピリットの導く神聖な関係性へ、それを質転換したのだ。



As they desire to look upon their brothers in holiness, the power of belief and faith goes far beyond the body, supporting vision, not obstructing it.
  • desire [dizáiər] : 「〜を望む、希望する、欲する」
  • look upon : 「〜を見る」
  • holiness [hóulinis] : 「神聖、高潔」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、信念、確信」
  • far beyond [bijάnd] : 「〜をはるかに超えて」
  • support [səpɔ́ːrt] : 「〜を支える、支援する、援助する、支持する」
  • obstruct [əbstrʌ́kt] : 「妨害する、〜に障害物を置く、ふさぐ、遮る」
❖ "As they desire to ~ "「彼らが、神聖さの中で同胞を見ようと熱望するにしたがい、」神聖な関係性の中でパートナーを見つめ直そうと願うにしたがい、"the power of belief and ~ "「信じる心、信じる気持ちのもつパワーは、肉体を遥かに超越していく」。もはや、幻想の肉体に騙されて、それを信じるようなことはない。"supporting vision ~ "分詞構文、付帯状況、「ヴィジョンを支持し、ヴィジョンの邪魔をすることなどなく、」肉体を遥かに超越していく。ヴィジョンとは、信じる心の目が見る光景のこと。肉体的な知覚による光景を超越したものだ。



But first they chose to recognize how much their faith had limited their understanding of the world, desiring to place its power elsewhere should another point of view be given them.
  • first [fə́ːrst] : 「一番目に、初めて、最初に、そもそも、まず第一に」
  • chose [tʃóuz] : 「choose の過去形」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • how much : 「いくらで、どのくらいの量で」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
  • understanding [ʌ̀ndərstǽndiŋ] : 「理解、理解力、知力、思慮」
  • desire [dizáiər] : 「〜を望む、希望する、欲する」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • elsewhere [élshəwὲər] : 「ほかの場所に、ほかのどこかで、ほかの所へ」
  • should : 「〜ならば」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • point of view : 「考え方、観点、視点、主張」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "But first they chose ~ "「しかし、まず初めに彼らは、彼らの信じる気持ちが、どんなにか多大に、世界の理解を制限してきたか、認識する選択をしなくてはならない」。肉体的な知覚を信じる余り、この世界が存在のすべてだと制限してきたのだ。それを反省する必要がある。"desiring to place ~ "ここは、後半部分の"should another point ~ "の部分から訳すべきで、ここは"if another point of view should be given them"のこと、「もし彼らに、別の視点が与えられたのなら、」"desiring to place ~ "分詞構文、理由、「彼らは、信じる心のパワーをどこか他の場所に向けたいと願うからだ」。幻想世界的な視点から見れば、物質的な世界の存在は信じるに足るように見えるが、実相世界的な視点に切り替えて世界を見れば、信じるパワーは、この世界の物質の存在ではなく、心そのもの、あるいは、想念にこそ向けられるべきものだとわかってくるのである。そして、当然、そうなることを熱望するのだ。そうすることで、認識の制限が解き放されていくことになる。



The miracles that follow this decision are also born of faith.
  • follow [fɑ́lou] : 「〜に続く、〜の後について行く、〜に従う、追随する」
  • decision [decision] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
  • born [bɔ́ːrn] of : 「〜から生まれる、〜のもとに生まれる」
❖ "The miracles that follow ~ "「この決定に続いく奇跡は、また、信じる心から生まれて来るのだ」。幻想的な視点から実相的な視点に切り替え、本当の世界の存在を知ろうという決心に続く奇跡は、つまり、実相世界への覚醒という奇跡は、やはり、天の王国の存在を信じる心のパワーが生み出してくれる。もちろん、その手助けをしてくれるのは、言うまでもなく、ホーリー・スピリットである。つまり、信じる心があれば、あとは、ホーリー・スピリットが奇跡に導いてくれるのだ。



For all who choose to look away from sin are given vision, and are led to holiness.
  • look away from : 「〜から目をそらす」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • led [léd] : 「lead の過去・過去分詞形」
  • lead [líːd] : 「〜を導く、案内する」
❖ "For all who choose ~ "「なぜなら、罪を見まいとすることを選択した者はすべて、ヴィジョンが与えられるからだ」。罪を見まいとする決心、つまり、幻想を見まいとする決心は、幻想を超越した心の目でとらえる光景、ヴィジョンが与えられる。真実の光景、実相が見え始めるのだ。"and are led ~ "「そして、神聖さへと導かれていく」。真実が見えてくるので、その真実に導かれていくのである。真実こそが神聖なのだ。



10. Those who believe in sin must think the Holy Spirit asks for sacrifice, for this is how they think their purpose is accomplished.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する、〜を要する」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ、犠牲にすること」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • accomplish [əkάmpliʃ] : 「成し遂げる、果たす、成就する、達成する」
❖ "Those who believe ~ "「罪の存在を信じる者達は、ホーリー・スピリットは犠牲を求めていると考えているに違いない」。"for this is how they ~ "「なぜなら、犠牲こそが、彼らの目的を達成するために必要な方法だと思っているからだ」。これが、エゴの思考システムの結論である。得るためには犠牲を覚悟しなくてはならず、犠牲が嫌なら、無理やり奪い取れ、というのがエゴの思考システムの結論だ。エゴの思考システムに毒された者達は、天の王国へ入城するには、さぞかし高額な入場料が要求されるだろう、きっと多大な犠牲が要求されるだろうと信じてしまうのだ。しかし、事実はまったくその逆である。ホーリー・スピリットは何一つ、犠牲を要求しない。要求がないだけでなく、逆に、すべてがただで与えられるのだ。求めるだけですべてが与えられる、これがホーリー・スピリットの思考システムの結論である。蛇足になるが、すべてが与えられると言ったが、物質が与えられるのではない。ホーリー・スピリットが物質という幻想を、つまり、絵に描いた餅を、神の子に与えて機嫌をとるようなことなど考えられないではないか。ホーリー・スピリットは、すべての真実を、実在のすべてを与えてくれるのだ。



Brother, the Holy Spirit knows that sacrifice brings nothing. He makes no bargains.
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜を連れてくる、〜をもたらす」
  • bargain [bάːrɡən] : 「駆け引き、取引、安売り」
  • make a bargain : 「契約を結ぶ、取引契約をする、手を打つ、売約する」
❖ "Brother, the Holy Spirit ~ "「同胞よ、ホーリー・スピリットは、犠牲は何一つもたらさないと知っているのだ」。"He makes no ~ "「ホーリー・スピリットは、決して取引をしない」。犠牲と引き換えに何かを与えるなどという取引を、ホーリー・スピリットは決してしない。神も、もちろん、取引をしない。したがって、何々と引き換えに天の王国へ入ることが許されるという発想は、正しい神の捉え方ではない。しかし、世の中の怪しげな宗教には、この種の取引が横行しているのも事実で、いやはや、何とも噴飯物である。



And if you seek to limit him, you will hate him because you are afraid.
  • seek to do : 「〜しようとする」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、をひどく嫌う」
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって、おじけづいて」
❖ "And if you seek to ~ "「もしあなたが、ホーリー・スピリットに制限をかけようとするなら、」"you will hate him because ~ "「あなたがホーリー・スピリットを恐れるがあまり、ホーリー・スピリットを憎んでしまうだろう」。何の犠牲も要求することなく、ホーリー・スピリットはすべてを与えてくれる。エゴの思考システムどっぷりと浸かったあなたには、とても信じられないことなのだ。そこで、あなたはホーリー・スピリットの申し出を拒否し、ホーリー・スピリットの活動に制限を加えようとする。無償の申し出をするホーリー・スピリットが怖くなってしまうのだ。それどころか、恐怖が高じて、ホーリー・スピリットを憎むことにさえなってしまう。しかし、ここはむしろ、あなたがホーリー・スピリットを憎むようになると考えるよりは、あなたの心を占領しているエゴが、ホーリー・スピリットを憎む、と考えた方が通りはいいだろう。



The gift that he has given you is more than anything that stands this side of Heaven.
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • more than : 「〜を超える、〜だけではない」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
  • this side of : 「〜のこちら側、〜まで、〜前」
❖ "The gift that he has given ~ "「ホーリー・スピリットがあなたに与える贈り物は、天の王国のこちら側にあるものを越えたものなのだ」。天の王国のこちら側とは、この幻想世界のこと。つまり、ホーリー・スピリットの与えてくれる贈り物は、この幻想世界のものではなく、実相世界の実体である、ということ。簡単に言えば、金や地位や名声など、そんなちゃちな幻想を贈り物として与えてくれるのではない。真実を、つまり、真の実体、愛であり平和であり、喜び、慈しみ、平穏、静寂、美、等々を、ホーリー・スピリットは無償で与えてくれるのである。



The instant for its recognition is at hand. Join your awareness to what has been already joined. The faith you give your brother can accomplish this.
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証、真価を認めること」
  • at hand : 「すぐ手の届く所に、手元に、手近に、間近に、目前に、近い将来に」
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる、結合する、連結する」
  • awareness [əwέərnis] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、もう、かねてから」
❖ "The instant for its ~ "「それを認識する瞬間は近い」。ホーリー・スピリットが実相世界の真実をあなたに与えてくれる瞬間は間近である。"Join your awareness ~ "直訳すると、「すでに結合したものへ、あなたの意識性を結合させなさい」。解釈が難しい箇所である。天の王国では、あなたに先んじて天にアセンションした先達の同胞が多くいる。彼らは天の王国で一つに融合し、一体化している。その輪にあなたも加わりなさいという意味合いであろう。意識を結合せよ、とあるので、そのことを強く意識せよ、ということだ。つまり、天の王国で、あなたや同胞達は一体になることを、強く意識せよ、といい意味合いだろう。"The faith you give ~ "「あなたが同胞に与える信じる気持ちが、これを完成させることが出来るのだ」。あなたが同胞を信じるとき、それは同時に、あなたが自分自身を信じられるようになった瞬間でもある。つまり、あなたは同胞の幻想を赦し、同時に自分の幻想も赦されるのだ。幻想から解放されたあなたと同胞は、自他一如であり、天の王国では、完全に融合し一体化する運命にあるのだ。それを強く意識し、同胞を赦し、信じなさい、ということである。もし、この幻想世界においてそれが可能なら、この幻想世界が、天の王国へ質転換することも可能になるではないか。



For he who loves the world is seeing it for you, without one spot of sin upon it, and in the innocence that makes the sight of it as beautiful as Heaven.
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • spot [spɑ́t] : 「染み、汚点、点、斑点」
  • innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔、純真」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
  • beautiful [bjúːtəfl] : 「美しい、素晴らしい、見事な、すてきな」
❖ "For he who loves the world ~ "「この世界を愛しているホーリー・スピリットは、あなたのために世界を見ているのである」。この世界は幻想の世界であるが、ホーリー・スピリットはその虚偽性を利用して、真実の世界へ質転換することを目的としている。ホーリー・スピリットは、そういう見方を、あなたのためにしているのだ。いわば、幻想世界を破壊的に崩壊させようとするのではなく、実相世界に層転換させて、幻想世界を消滅させてることを願っていると考えていいだろう。"without one spot of sin ~ "「世界の上に、一点の罪も認めることなく、」この幻想世界を罪だらけの世界と見ることなどなく、"and in the innocence that ~ "「ホーリー・スピリットは、この幻想世界を、天の王国と同じくらい美しい光景にするべく、純粋な心として存在しているのだ」。終わりの部分は意訳した。「純粋さの中にあって」という意味で、純粋な心をもって、という意味合いであろう。結局、ホーリー・スピリットについて語っているのだが、お気付きと思うが、あなた自身について述べているのだ。ホーリー・スピリットの力を借りて、あなた自身がそうしなくてはならない。あなたがこの世界を愛しているなら、その世界を幻想に留めおくのではなく、この地上に天の王国を築くために、つまり、幻想世界を実相世界に質転換させるために、一点の罪も世界に見ることなく、天の王国と同じくらい美しい世界として、この世界を眺めることが出来るようにしないさい、ということである。世界を同胞に置き換えて解釈してもいい。同胞を肉体という幻想で見るのではなく、同胞を心という実体として見て、そこに一点の罪の意識も見ることなく、実相世界の実在と同じくらい美しい存在であると認識しなさい、ということになる。
 
 
 

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