●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-21.IV.2:1 ~ T-21.IV.3:6

2. Remember that the ego is not alone. Its rule is tempered, and its unknown "enemy," Whom it cannot even see, it fears.

  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで、唯一の」
  • rule [rúːl] : 「支配、統治、裁定、命令、規則、ルール、規定」
  • temper [témpər] : 「〜の厳しさを和らげる、和らげる、〜を調節する、鍛える」
  • unknown [ʌnnóun] : 「知られていない、未知の、不明の」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
❖ "Remember that ~ "「エゴは単独ではないと覚えておきなさい」。"Its rule is tempered"「エゴの支配は強化される」。"and its unknown ~ "「エゴが見ることさえ出来ない、知られざる『敵』を、エゴは恐れているからだ」。意味深長な部分である。まず、エゴが単独ではないとは、どういう意味か? エゴはこの二元論幻想世界の、一つの幻想であって、神という対極概念をもった存在なのである。神が、一元論実相世界の、対極概念をもたない純粋な単一存在であることと対照的である。エゴは、神という概念なしでは存在出来ないのだ(存在するといっても、幻想として存在しているだけなので、疑似存在と言うべきか)。そういう意味で、エゴは単独ではないのである。蛇足になるが、ACIMには、神と対抗する『悪魔(Satan)』は登場しない。なぜか? 悪魔と神が対等に対抗するなら、神は悪魔という対極概念をもってしまい、神が一元論世界の純粋単一存在であることと矛盾してしまうからである。さて、次に"Its rule is tempered"の部分であるが、ここは、「エゴの支配は厳しさを和らげられる」という意味にも取れる。しかし、これでは、神と対抗しようと目論むエゴの独裁的な政策には合致しい。"temper"には「(金属などを)鍛える」という意味もあるので、ここでは、そっちの意味と捉えるべきだろう。次に、なぜエゴには神が見えないのか? 初めの説明と同様である。二元論幻想世界の住人であるエゴには、一元論実相世界の純粋単一存在の神が見えないのだ。つまり、存在のレベルが、あまりにも違うのである。しかし、見えないが、エゴには神の存在は分かる。だから、エゴは神を恐れるのである。



Loudly the ego tells you not to look inward, for if you do your eyes will light on sin, and God will strike you blind.
  • loudly [láudli] : 「大声で、騒々しく、けばけばしく、派手に」
  • inward [ínwərd] : 「内側に向けて、中心へ」
  • light on : 「偶然〜を見つける、偶然〜に出くわす」
  • strike [stráik] : 「突然〜の状態にする」
  • blind [bláind] : 「目の不自由な、目の見えない、盲目の」
❖ "Loudly the ego tells ~ "「声を大にして、エゴはあなたに、心の内側に視線を向けないように言う」。"for if you do ~ "「なぜなら、もしあなたが、あなたの目に罪の意識を偶然見つけさせたなら、」(変な訳で申し訳ない) "and God will strike ~ "「神は、あなたを盲目にしてしまうだろうからだ」。ここも意味深長である。気を付けて読み解かなくてはならない。あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分に神の祭壇があって、そこが実相世界、神の世界とのチャンネルになっている。ホーリー・スピリットやキリストが住む所もそこである。あなたがそこに目を向けることを、エゴは恐れているのだ。なぜなら、あなたがそこに目を向ければ、真実が見えてくるからだ。「あなたの目が偶然罪の意識を見つけてしまう」とあるが、真意は「罪の意識は幻想であったと知ってしまう」ということである。心の中に罪の意識は確かにあって、それを目撃するのだが、よく見ると、それは張り子のトラに過ぎず、幻想だったと気付くのである。次に、"God will strike you blind"「神はあなたを盲目にしてしまうだろう」という部分も要注意だ。神は、あなたが真実を見ることが出来ないように、盲目にしてしまうという意味ではない。まったくその逆である。神は、あなたが真実を見抜けるようにしてくれるので、虚偽や幻想が、あなたにとっては見えなくなるのである。エゴがあなたに見て欲しいと望む幻想を、あなたは見なくなるのだ。そういう意味で、神は、あなたを、幻想や虚偽に対して、盲目にするのである。もはや、あなたの目には罪の意識は見えなくなるのだ。仏教的に言えば、開眼した目に、世俗の塵(ちり)は見えないのだ。



This you believe, and so you do not look. Yet this is not the ego's hidden fear, nor yours who serve it.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • hidden [hídn] : 「隠された、秘密の」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜のために働く」
❖ "This you believe ~ "「あなたは、これ(エゴの言葉)を信じて、(心の中を)見ようとはしない」。"Yet this is not ~ "「しかし、これはエゴの隠された恐れではないし、エゴに仕えるあなたの恐れでもない」。ここも意味深長である。字面では、エゴは恐れを隠さない、という意味に捉えられるかも知れないが、エゴが必死に隠している恐れが他にある、という意味合いである。あなたが、罪の意識は幻想だったと知ることに対して、エゴは、確かに恐れてはいるが、それは隠すほどの恐れではなく、エゴが本当に恐れ、ひた隠す恐怖があるのだ。



Loudly indeed the ego claims it is; too loudly and too often.
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • claim [kléim] : 「主張する、断言する」
  • often [ɔ́ːfən] : 「しばしば、たびたび、ちょくちょく」
❖ "Loudly indeed ~ "「本当に声を大にして、エゴは、そうだと言い張るのだ」。心の内側に目を向けてはならない、そんなことをしたら、神はお前を盲目にしてしまうぞ、と脅かすのだ。"too loudly and ~ "「何度も何度も、大声を出しながら」。



For underneath this constant shout and frantic proclamation, the ego is not certain it is so.
  • underneath [ʌ̀ndərníːθ] : 「〜の下に、〜の表面下に」
  • constant [kάnstənt] : 「持続する、絶えず続く、不変の、一定な」
  • shout [ʃáut] : 「叫び声、叫び、大声」
  • frantic [frǽntik] : 「取り乱した、半狂乱の、狂乱した、気違いじみた」
  • proclamation [prὰkləméiʃən] : 「宣言、声明、布告、公表」
  • certain [sə́ːrtn] : 「確信している、確実な、確かな、確信して」
❖ "For underneath this constant ~ "「なぜなら、この絶え間ないエゴの叫び、狂乱の主張の下では、」"the ego is not ~ "「エゴは、そうであるという確信をもってはいないからだ」。エゴは必死になって、あなたに心の内側を見るなと言っているが、その実、エゴは自分の言っている内容に確信はない。別の恐れを隠そうと思っているから、ただ空騒ぎしているだけなのだ。



Beneath your fear to look within because of sin is yet another fear, and one which makes the ego tremble.
  • beneath [biníːθ] : 「〜の真下に」
  • within [wiðín] : 「内部、内側」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • tremble [trémbl] : 「震える、身震いする、おののく、恐れる、わななく」
❖ "Beneath your fear ~ "意訳する、「罪の意識が見えるからという理由で、心の内側を見ることは恐ろしいのだとあなたに思わせているのだが、その下には、また別の恐れが存在するのだ」。エゴがひた隠す恐れである。これを知ることは、ACIMを学ぶ目的の一つであろう。



3. What if you looked within and saw no sin? This "fearful" question is one the ego never asks.
  • what if : 「もし〜だったらどうなるか、もし〜としたらどうなるだろうか」
  • saw [sɔ́ː] : 「see の過去形」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
  • ask [ǽsk] : 「尋ねる、質問する、見舞う」
❖ "What if you looked ~ "「あなたが心の内側を覗き込んで、もし、罪が見つからなかったなら、どうなるだろうか」。"This "fearful" question ~ "「この『身の毛もよだつ』疑問は、エゴが決して発しない疑問である」。あなたが心の内側に目を向ければ、確かに、そこに罪の意識が存在することを目撃する。しかし、よく目を凝らして見れば、罪の意識は、実は張り子のトラであって、単なるデコイ、単なる幻覚だったと知るのである。しかし、事はそれで収まらない。罪が幻想であって、本当は存在しないと知れば、罪と罰の恐れから心が偽創造した投射世界、この幻想世界は不必要だという事実に気付くはずなのだ。幻想世界が必要ないと知れば、あなたの肉体も必要なく、肉体にまつわる犠牲も、また攻撃も、すべて不必要になるのだ。あなたの心がそれに目覚めれば、したがって、幻想世界は消滅し、肉体も消滅する。結果、エゴそれ自身も、幻想と共に消滅してしまうのである。幻想の肉体から解放されたあなたは、実相世界に目覚め、神の愛に目覚め、神との和解を達成する。こういう筋書きを、エゴは、『身の毛もよだつ』ほど恐れているのである。なにしろ、エゴの存亡に関わることだからである。



And you who ask it now are threatening the ego's whole defensive system too seriously for it to bother to pretend it is your friend.
  • threaten [θrétn] : 「〜を脅す、脅迫する」
  • defensive [difénsiv] : 「防衛的な、守備の、防御的な、防御の」
  • seriously [síəriəsli] : 「重大に、著しく、ひどく、重く、深刻に」
  • bother [bάðər] : 「わざわざ〜する」
  • pretend [priténd] : 「〜のふりをする、〜だと偽る、見せかける」
❖ "And you who ask it ~ "「今や、この疑問を発したあなたは、」つまり、心の中を覗いて、罪が見つからなかったらどうなるか、罪が単なる幻想であったと気付いたらどうなるか、という疑問を発したあなたは、"are threatening ~ "「エゴの全防衛システムに対する脅威となり、」"too seriously for it ~ "ここは"too ~ to "の構文、「その脅威がエゴにとってあまりにも深刻であるから、わざわざ、エゴはあなたの友人だなどという振りをしなくなるのだ」。エゴの存亡を脅かすようになったあなたは、エゴの友人どころか、エゴの防衛システムを脅かす敵になる。なにしろ、あなたが真実に目覚めてしまえば、幻想世界は消滅し、エゴも消滅してしまうからだ。言葉を変えれば、エゴを殺せるのは、ただ一人、あなたなのだ。



Those who have joined their brothers have detached themselves from their belief that their identity lies in the ego.
  • join [dʒɔ́in] : 「〜に加入する、〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる」
  • detach [ditǽtʃ] : 「〜を分離する、引き離す、切り取る、取り外す」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • identity [aidéntəti] : 「自我同一性、正体、身元」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
❖ "Those who have joined ~ "「同胞と結合した者達は、彼らのアイデンティティがエゴの中に存在すると信じることから、自らを切り離してしまったのだ」。幻想から解放され、真実に目覚めた者達は、彼らが自他一如であること、つまり単一の存在であることに気付き、心を融合させ結合していくのである。心を一つにした彼らは、もはや自分たちがエゴの子(their identity lies in the ego)ではなく、神の子(Son of God)であることを信じるようになる。



A holy relationship is one in which you join with what is part of you in truth.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • join with : 「〜と結合する」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • in truth : 「実のところ、実際」
❖ "A holy relationship is ~ "「神聖な関係性とは、〜である関係性のことである」。"in which you ~ "「本当はあなたの一部であるはずのものと、あなたが結合するという」関係性のことだ。神聖な関係性においては、あなたとパートナーは、互いに独立した存在ではなく、あなたとパートナーは互いに互いの一部なのである。究極、あなたとパートナーは自他一如であり、融合し、結合し、単一の存在になるのである。それが、本来の神の子の姿である。神聖な関係性を築くことで、あなたとパートナーは、本来の姿に回帰するのである。



And your belief in sin has been already shaken, nor are you now entirely unwilling to look within and see it not.
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み、前々から」
  • shaken [ʃéikən] : 「shake の過去分詞」
  • shake [ʃéik] : 「振動させる、揺する、揺るがす」
  • entirely [intáiərli] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら、もっぱら」
  • be unwilling [ʌnwíliŋ] to : 「〜することに気が進まない、〜することを嫌がる」
  • within [wiðín] : 「内側、内部、中」
❖ ここまで読み進んだあなたは、"And your belief ~ "「罪を信じるあなたの心は、すでに揺らぎ始めている」。"nor are you now entirely ~ "「今や、心の内側を覗いて罪を見たりしたくないという気持ちも、完全とは言えないまでも、なくなりつつある」。あなたは、エゴの思考システムから自らを切り離そうとしているのだ。エゴをこれ以上信じることは出来ない。ならば、勇気をもってエゴを捨て、心の内面への旅に出かけてみるべきではないだろうか。
 
 
 

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