●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-31.VI.1:1 ~ T-31.VI.2:7



VI. Recognizing the Spirit
スピリットの受け入れ
 
 

1. You see the flesh or recognize the spirit. There is no compromise between the two. 

  • flesh [fléʃ] : 「肉、人間、人類」
  • spirit [spírit] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神」
  • compromise [kάmprəmàiz] : 「譲歩、妥協、歩み寄り、和解」
  • between [bitwíːn] : 「〜の間に」

❖ "You see the flesh ~ "「あなたは、肉体を見るか、スピリットを見るか、どちらかである」。あなたは、自分が実在の肉体をもった物質的存在と見るか、実在するスピリットをもった精神的存在とみるか、二つに一つである。"There is no ~ "「この二つの間に妥協はない」。心身二元論はこの世の常識になっているが、真実ではない。つまり、肉体に心が宿るという見方は虚偽である。幻想に実相が宿る道理はない。



If one is real the other must be false, for what is real denies its opposite. 

  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • false [fɔ́ːls] : 「うその、虚偽の、正しくない、誤った」
  • deny [dinái] : 「否定する拒否する、拒絶する」
  • opposite [άpəzit] : 「反対、逆の物、反対の物」

❖ "If one is real ~ "「もし、一方が現実(実在)なら、他方は虚偽(非実在)である」。"for what is ~ "「なぜなら、現実であるものは、現実とは反対のものを否定するからだ」。肉体が現実的な実在なら、心は非実在であって、それは頭脳が作り上げた単なる理性に過ぎないことになる。スピリット(心)が現実的実在なら、肉体は非実在であって、それは心が作り出した幻想に過ぎない。



There is no choice in vision but this one. What you decide in this determines all you see and think is real and hold as true. 

  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • vision [víʒən] : 「先見、先見の明、洞察力、想像力、考え方」
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
  • determine [ditə́ːrmin] : 「決定する」
  • hold [hóuld] : 「心に抱く、維持する、保持する」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」

❖ "There is no choice ~ "「ものの(存在の)見方においては、こういう見方以外に選択の余地はない」。肉体と心は二律背反であって、肉体と心を同時に現実的実在として選択することは出来ない。"What you decide ~ "「この決定に際して、あなたが見たり考えたりするものを決定したものが現実となり、それを真実だとして心に抱く」。あなたが肉体を選択したなら、あなたの現実は肉体的な現実となり、肉体は真実であって、心は幻想となる。逆に、あなたが心を選択したなら、心はあなたの現実となり、肉体は幻想となる。誤解してはいけないのは、あなたの選択によって真実が決まる、という意味ではない。真実はどちらか一方であって、もし虚偽なるものを選択したとしたら、その虚偽があなたの現実となって、虚偽を生きることになる、ということなのだ。



On this one choice does all your world depend, for here have you established what you are, as flesh or spirit in your own belief. 

  • depend [dipénd] : 「〜によって決まる、左右される」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、制定する、成立させる」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」

❖ "On this one choice ~ "「あなたの世界は、この一つを選択するということに依存している」。あなたが肉体を選択したなら、虚偽なるこの幻想世界があなたの現実となって、幻想を生きることとなり、心(スピリット)を選択したなら、まだ見ぬ実相世界があなたの現実となって、実相があなたの目の前に立ち現れる。"for here have ~ "「なぜなら、選択した世界において、あなたは、自分が何であるか確立するからである」。"as flesh or spirit ~ "「つまり、あなた自身の信念として、肉体かスピリットか、(そのどちらかを自分自身だと)確立するからだ」。あなたが幻想を選択するか実相を選択するかによって、あなたは幻想世界に生きるか実相世界に生きるかが決定し、幻想世界に生きるなら、あなたは肉体として、実相世界に生きるならスピリットとして、あなたは自己を確立する。



If you choose flesh, you never will escape the body as your own reality, for you have chosen that you want it so. 

  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • escape [iskéip] : 「〜から逃げる、ずらかる、脱出する」
  • reality [riǽləti] : 「現実性、実在性」
  • chosen [tʃóuzn] : 「chooseの過去分詞形」

❖ "If you choose flesh ~ "「もしあなたが、肉体を選択したなら、あなたの現実としての肉体から逃れることは決して出来ない」。幻想の肉体を現実と信じて生きるのだから、その現実から逃れることは出来ず、肉体の死をもって生を完結することになる。"for you have chosen ~ "「なぜなら、あなたはそうあって欲しいと選択してしまったからだ」。あなたは肉体が現実であって欲しいと想念したのだから、その想念が現実化して、あなたは肉体の現実を生き、そして、肉体として死んでいくのである。肉体から逃れることなど思いもよらず、したがって、死から逃れることも出来ない。そのように、あなたが願ったからだ。



But choose the spirit, and all Heaven bends to touch your eyes and bless your holy sight, that you may see the world of flesh no more except to heal and comfort and to bless.

  • bend [bénd] : 「曲がる、カーブする、たわむ」
  • touch [tʌ́tʃ] : 「〜に触る、触る」
  • bless [blés] : 「〜を神聖にする、〜を祝福する、〜を賛美する、あがめる」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • sight [sáit] : 「視力、視覚、見る能力、視野、視界、景色、眺め」
  • no more : 「もはや〜しない」
  • heal [híːl] : 「癒やす、救う、治す、治癒する」
  • comfort [kʌ́mfərt] : 「慰める、安心させる、楽にする」

❖ "But choose the spirit ~ "「しかし、スピリットを選択したなら、天の王国のすべてが、身をかがめてあなたの目に触れ、あなたが目にする神聖な光景を祝福するのだ」。あなたが実相のスピリットを選択したなら、あたかも目に触れんばかりに、あなたの目の前に天の王国のすべての実在が展開し、神聖な光景を見ることの出来たあなたを祝福してくれるだろう。"that you may see ~ "「その結果、あなたは、肉体の世界を、癒したり慰めたり祝福したりする以外のものとして、見ることはもうなくなるだろう」。肉体の幻想世界を幻想として見ることはあっても、現実の実在として見ることはなくなるのだ。「癒したり慰めたり祝福したりする以外のものとして」とあるが、いわば、あなたが娯楽で映画を見るような感覚で、この世界を眺めるようになる、という意味合い。実相的な、本物の癒しや慰めや祝福とは異なることに注意すべき。



2. Salvation is undoing. If you choose to see the body, you behold a world of separation, unrelated things, and happenings that make no sense at all. 

  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • undoing [ʌndúiŋ] : 「ほどくこと、解くこと、取り消し」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • unrelated [ʌnriléitid] : 「関係のない、無関係の」
  • happening [hǽpniŋ] : 「出来事、事件」
  • make no sense : 「意味をなさない、理にかなわない」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」

❖ "Salvation is ~ "「救いは、取り消し作業である」。実在の現実だと思っている幻想を取り消す作業が救い。つまり、幻想からの救いである。"If you choose ~ "「もしあなたが、肉体を見ることを選択したなら、あなたは、分離や、関係性のない物事、まったく意味のない出来事などで出来上がった世界を目撃することになる」。まさに、二元論幻想世界を目撃することになる。そもそも、この世界は、神からの分離を象徴して、神の子が心の外部に投射して作った幻想なのだ。



This one appears and disappears in death; that one is doomed to suffering and loss. 

  • appear [əpíər] : 「現れる、出現する、登場する」
  • disappear [dìsəpíər] : 「存在しなくなる、なくなる、消滅する、消失する」
  • death [déθ] : 「死、死亡、破滅、消滅」
  • doom [dúːm] : 「運命づける」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しみ、苦痛、悩み」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、喪失、紛失」

❖ "This one appears ~ "「この世界の肉体は、現れたかと思うと死によって消え去る」。"that one is doomed ~ "「また肉体は、苦しみ、失うように運命づけられている」。幻想の特質は、変化流動性である。二元論世界の必然であって、対立する二つの概念が、その力をせめぎ合って力学的に変化していくのだ。肉体も、生と死の力のせめぎ合いによって老いて死に至る。変化流動は、崩壊と死に向かうのである。そこに、苦と痛みと喪失のドラマが展開する。



And no one is exactly as he was an instant previous, nor will he be the same as he is now an instant hence. 

  • exactly [iɡzǽktli] : 「正確に、厳密に、ぴったり、きっちり」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • previous [príːviəs] : 「前の、以前の」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • hence [héns] : 「今から、今から先、今後」

❖ "And no one is ~ "「誰一人として、一瞬前の彼、そのままではない」。"nor will he be ~ "「また、今の一瞬が過ぎれば、彼は今の彼と同一ではない」。変化とは、時間と空間の関数である。この幻想世界が、時間と空間に支配されている限り、変化流動は尽きることなく続く。対して、実相世界は、無時間、無空間の世界であり、したがって、永遠不変の世界である。無時間、無空間と言うと、そんなものが存在するわけがないと反論されそうだが、そうではない。時間の関数を積分変換することで、時間のない関数を作り出し、それをまた逆変換してやることで、時間のない関数から時間の関数を作り出せるように、実相世界は、いわば、時間と空間をその内部に畳み込んでいると考えればいいだろう。ちょうど、ホログラムのように、余分な次元を畳み込んで内部に保持し、必要とあれば、それを再生するようなものなのだ。



Who could have trust where so much change is seen, for who is worthy if he be but dust? Salvation is undoing of all this. 

  • trust [trʌ́st] : 「信用する、信頼する」
  • so much : 「それほどたくさんの」
  • change [tʃéindʒ] : 「変化、変更、移行、交換」
  • seen [síːn] : 「seeの過去分詞形」
  • worthy [wə́ːrði] : 「尊敬すべき、立派な、価値ある」
  • dust [dʌ́st] : 「ちり、ほこり、遺骸、亡骸」

❖ "Who could have trust ~ "「いったい誰が、それほど多くの変化が見て取れる世界を信用出来るだろうか」。"for who is worthy ~ "「なぜなら、いったい誰が、塵(ちり)にも等しいものであるなら、価値などあるだろうか」。変化流動し、崩壊と死に向かい、ついには塵となって地に埋もれてしまう肉体など、価値もなければ信頼さえ出来まい。"Salvation is undoing ~ "「救いは、そのすべてを取り消しにしてくれるのだ」。変化流動も、崩壊も死も、すべて幻想であると認識して、その幻想性を消滅させることが、救いの目的である。もちろん死も、救いによって消滅する。死は幻想に過ぎないからだ。



For constancy arises in the sight of those whose eyes salvation has released from looking at the cost of keeping guilt, because they chose to let it go instead.

  • constancy [kάnstənsi] : 「不変性、恒常性」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする」
  • cost [kɔ́st] : 「犠牲、代償、損失」
  • keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、そうしないで」

❖ "For constancy arises ~ "「なぜなら、不変性が、〜の視野に立ち上がってくるからだ」。"those whose eyes ~ "「救いが、罪の意識を保持する代償を見てばかりいたことから解放してやった目の持ち主」の視野に立ち上がってくるからだ。"because they chose ~ "「なぜなら、彼らは、救いを得る代わりに罪の意識を保持する代償を放棄しすることを選んだからだ」。あなたは肉体を選択し、変化流動する幻想世界に生きて、その代償として苦と痛みと罪の意識に苦しみ、死を受け入れることにしたのだが、その無意味さに気付いて、幻想を放棄する選択をし、救いを受け入れたなら、救いはすべての幻想を取り消しにしてくれ、あなたの眼前に、不変性をもつ実相世界が立ち上がってくる。
 
 
 


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