3. You were in darkness until God's Will was done completely by any part of the Sonship.
- darkness [dɑ́ːrknəs] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
- completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、徹底的に」
❖ "You were in darkness ~ "「神の子のいかなる一部の者によってでも神の意志が完全に実行されるまで、あなたは暗闇の中にいた」。過去形になっていることに注意。イエスを含めた何人かの先人によって神の意志が完全に果たされるまで、私達は闇の中を彷徨(さまよ)っていた。しかし、神の世界では時間が存在しないから、過去で語られたこの部分は、私達の世界においては未来の出来事かもしれない。
When this was done, it was perfectly accomplished by all. How else could it be perfectly accomplished?
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
- accomplish [əkάmpliʃ] : 「成し遂げる、成就する、達成する」
❖ "When this was ~ "「これ(神の意志)がなされた時、」神の子の一部によって神の意志が果たされた時、"it was perfectly ~ "「それはすべての神の子によって完璧に成就されたのである」。"How else could ~ "「他の方法によって、どうしてそれが完璧に成就されたであろうか」。前文では神の子の一部、ここでは神の子すべてとあり、矛盾しているよう見えるのだが、神の意志は神の子全体で分かち合われ、拡張増大し、すべての神の子によって神の意志が果たされると考えていいだろう。イエスがまず第一に神の意志を神の子の一部に伝え、イエスの弟子達が神の意志を他の同胞に伝える。神の意志はすべての神の子に分かち合われ、神の意志は成就する。
しかし、問題は時間である。ここでは過去形で語られているので、一見、神の意志はイエスの時代に神の子全体で分かち合われ、既に成就したかに思われるかもしれない。しかし、この世の現実を見ると、そうではない。過去形で語られているが、本当は、事が成就するのは未来である。未来を過去形で語る予言的な言い回しなのだ。無時間無空間の実相世界においては、起こり得るすべての事象は既に起こり、そのすべてがホログラフィック的に記録されていると思えばいい。実際そうだというのではなく、そういうイメージをもてば理解しやすいという意味である。
私達は、この幻想世界において、ホログラフィック的に記録されたすべての事象の中からある事象を選択し、時間軸を設けてそれを再現し、追体験する。夢を見るのである。簡単に言えば、無数のビデオの中から好きなビデオを選び、それを再生して見ているわけだ。いわば、時間がビデオの再生装置である。ただし、この夢を展開するビデオは、あなた自身がその中に入り込んで主人公になれる不思議なビデオである。あなた自身を投影しながら映画に参加し、そのスクリーンを見ているようなものだ。
したがって、ホログラフィック的な見方をすれば、イエスが主導した神の意志の成就という仕事は神の子全体によって既に完成しているのだが、時間の存在する幻想世界にあっては未来に体験されるものとなる。そこでイエスは、神の意志を神の子全体で分かち合い拡張増大させていくことは既に起きたことだと認識し、それをスクリーンに映し出してあなた自身がその映画に参加し追体験せよ、と呼びかけているわけである。それがあなたの実相的な役割なのだ。
My mission was simply to unite the will of the Sonship with the Will of the Father by being aware of the Father's Will myself.
- mission [míʃən] : 「任務、特命、使命」
- simply [símpli] : 「単に、簡単に、造作なく」
- unite [junáit] : 「〜を結合させる、結び付ける」
- be aware of : 「〜を承知している、〜に気付いている」
❖ "My mission was ~ "「私の使命は、単に、神の子の意志と父なる神の意志とを結合することであった」。"by being aware ~ "「私自身が、父なる神の意志を知ることで」。イエスは、父なる神が、分離した神の子の心と再び一つとなることを意志したことを知って、その再結合を使命にしたのである。したがって、ここの"will"は"mind"とほぼ重なってくる。神は分離した心と再び一つとなることを意志し、神の子は神の心と再び一つになることを意志するようにと、イエスは働き掛けるのである。あるいは、働き掛けたのである。
This is the awareness I came to give you, and your problem in accepting it is the problem of this world.
- awareness [əwéərnəs] : 「認識、意識性」
- problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題」
- accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
❖ "This is the awareness ~ "「これは、私がやって来てあなたに与える自覚である」。ここは意訳しないと意味が通じないだろう、つまり、「私がやって来たのは、あなたに、あなたの意志と神の意志を結合する自覚を促すためであった」となる。"and your problem ~ "「そして、あなたがそれを受け入れる問題は、この世界の問題でもある」。神の意志と神の子の意志を結合することを受け入れることがなかなか出来ないという問題は、この幻想の世界の問題でもある。つまり、世界は神を受け入れることが出来ないのだ。
The world must therefore despise and reject me, because the world is the belief that love is impossible.
- despise [dispáiz] : 「軽蔑する、侮蔑する、嫌がる」
- reject [ridʒékt] : 「拒絶する、拒否する、拒む」
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、あり得ない」
❖ "The world must ~ "「そこで、世界は、私を侮蔑し拒絶しなくてはならない」。"because the world ~ "「なぜなら、世界は、愛は不可能だと信じているからだ」。ここは現在形で述べられているが、イエスの生前を考えると過去形で記述されてもおかしくない。ところで、神が私達の心と意志を神の心と意志に結びつけたいと思うその心は、愛をおいて外にない。その神の愛を世界は理解できない。また、イエスが神の望みを使命としてこの世界にやってきたその心は、愛をおいて外にない。その愛さえ、この世界は受け入れることが出来なかった。
If you will accept the fact that I am with you, you are denying the world and accepting God.
- accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
- fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実」
- deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む、拒絶する」
❖ "If you will accept ~" 「もし、あなたが、私があなたと共にいるという事実を受け入れるなら、」"you are denying ~ "「あなたは世界を拒絶し、神を受け入れるだろう」。あなたの心の中にホーリー・スピリット(イエス)が宿っているという真実を受け入れるなら、それは幻想世界を拒絶し神の住まう実相世界を受け入れることにつながる。
My will is his, and your decision to hear me is the decision to hear his voice and abide in his will.
- decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意」
- abide [əbáid] : 「居住する、とどまる」
❖ "My will is his ~ "「私の意志は神の意志であり、私に耳を傾けようというあなたの決定は、神に耳を傾けようという決定であり、神の意志の中に住もうという決定である」。
As God sent me to you so will I send you to others. And I will go to them with you, so we can teach them peace and union.
- sent [sént] : 「send の過去・過去分詞形」
- send [sénd] : 「送る、派遣する、送り出す」
- union [júːnjən] : 「結合、合併、融合」
❖ "As God sent me ~ "「神が私をあなたに送ったように、私はあなたを他の人たちに送る」。ホーリー・スピリットを神の子に遣わしたのは神であり、今イエスは、あなたをあなたの同胞に遣わす。"And I will go ~ "「そして、私はあなたと共に、彼らの元へ行こうと思う」。"so we can teach ~ "「そうすれば、私たちは、彼らに平和と結合を教えることが出来る」。もちろん、ここの"union"「結合」は、神と神の子の心の結合であり、意志の結合。当然神の子同士の結合も含まれる。なぜなら、神の子は単一存在だからだ。
4. Do you not think the world needs peace as much as you do?
- need [níːd] : 「〜を必要とする」
- as much as : 「〜と同じ程度に、〜と同じ量のもの」
❖ "Do you not think ~ "「あなたが平和を必要とするのと同じくらい、世界も平和を必要としていると、あなたは思わないだろうか」。
Do you not want to give it to the world as much as you want to receive it?
- receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る」
❖ "Do you not want ~ "「あなたが手に入れたいと思うのと同じくらい、世界にそれをあげたいと、あなたは思わないだろうか」。
For unless you do, you will not receive it. If you want to have it of me, you must give it.
- unless [ənlés] : 「〜でない限り、もし〜でなければ」
❖ "For unless you ~ "「なぜなら、あなたがそうしない限り、あなたは受けとることが出来ないからだ」。"If you want to ~ "「もし、あなたが私からそれを受け取りたいと思うなら、」"you must give ~ "「あなたは、(私に)それを与えなくてはならない」。ここは、神の法を思い出せばいい。得るためには与えよ、これが神の法。得るためには奪え、これはエゴの法。
Healing does not come from anyone else. You must accept guidance from within.
- guidance [gáidns] : 「助言、アドバイス」
- within [wiðín] : 「内部、内側」
❖ "Healing does not ~ "「ヒーリングは、外の誰かからやって来るのではない」。"You must accept ~ "「あなたは、(心の)内部からの助言を受け入れなければならない」。もちろん、助言を与えてくれるのは、心の中のホーリー・スピリットである。イエス自身と考えてもいい。
The guidance must be what you want, or it will be meaningless to you. That is why healing is a collaborative venture.
- meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無意味な」
- collaborative [kəlǽbərèitiv] : 「協力的な、合作の」
- venture [véntʃər] : 「冒険的企て、危険、思惑」
- collaborative venture : 「協同事業」
❖ "The guidance must ~ "「助言はあなたの望むものでなくてはならない」。"or it will be ~ "「さもなければ、それはあなたにとって意味がないであろう」。"That is why healing ~ "「それが、ヒーリングが共同事業だと言われる所以(ゆえん)である」。あなたの心の内部に助言を求めるのはいいとして、エゴにそれを求めてしまうのでは意味がない。それは、あなたの欲している助言ではないからだ。助言はホーリー・スピリットから得なければならない。ホーリー・スピリットは、あなたの欲する助言を与えてくれるからだ。したがって、ヒーリングはあなたとホーリー・スピリットの共同事業と見なすべきものだ。
I can tell you what to do, but you must collaborate by believing that I know what you should do. Only then will your mind choose to follow me.
- what to do : 「すべきこと、なすべきこと」
- collaborate [kəlǽbərèit] : 「協力する、共同する」
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
- follow [fɑ́lou] : 「〜について行く、〜に従う」
❖ "I can tell you ~ "「私はあなたに、何をするべきか、それを教えることが出来る」。"but you must ~ "「しかし、あなたはthat以下を信じることで協力しなくてはならない」。"that I know ~ "「私は、あなたがなすべきことを知っている」と信じることで協力しなくてはならない。したがって、ここでの協力はイエスを信じること。"Only then will ~ "「その時に限って、あなたの心は私のあとについて来ることを選択するであろう」。
Without this choice you could not be healed because you would have decided against healing, and this rejection of my decision for you makes healing impossible.
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
- rejection [ridʒékʃən] : 「拒絶、断ること、拒否」
- decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心」
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、あり得ない」
❖ "Without this choice ~ "「イエスについて行くという選択なしには、あなたがヒールされることは叶わない」。"because you would ~ "「なぜならば、あなたはヒールされることを拒絶する決定をしたことになるからだ」。イエスについて行く決定は、幻想から目覚めるという決定であって、自分をヒールする決断である。したがって、イエスについて行かない決定は自己をヒールすることの拒絶である。"and this rejection of ~ "「そして、あなたのための私の決定の拒絶は、あなたをヒール不可能なものとする」。あなたを幻想から救い出そうというイエスの決定をあなたが拒絶したなら、それはあなた自身がヒールされることを拒んだことになる。