6. Rejoice, then, that of yourself you can do nothing. You are not of yourself.
- rejoice [ridʒɔ́is] : 「うれしがる、喜ぶ」
- of oneself : 「独りでに、それ自体で」
❖ "Rejoice, then, that ~ "「そこで、あなたが一人では何も出来ないことを喜びとしなさい」。"You are not ~ "「あなたは一人ではないのだ」。私達は何から何まで一人でする必要はない。より厳密に言えば、一人では何も出来ないし、一人で自己完結することは不可能なのだ。なぜなら、私達は単独で存在することは出来ないからだ。私達の心には、常にホーリー・スピリットがいる。気付いてはいないが、ホーリー・スピリットは常に私達を助けてくれている。
He of whom you are has willed your power and glory for you, with which you can perfectly accomplish his holy will for you when you accept it for yourself.
- of : 「〜に所属する」
- glory [glɔ́ːri] : 「栄光、称賛、名誉」
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
- accomplish [əkάmpliʃ] : 「成し遂げる、果たす」
- holy [hóuli] : 「神聖な」
- accept [əksépt] : 「承認する、受け入れる」
❖ "He of whom ~ "「あなたが所属している神は、あなたのために、あなたのパワーと栄光を意志した」。神の属性のすべて、そのパワーと栄光を神の子であるあなたが継承することを神は意志した。"with which you ~ "「そのパワーと栄光をもって、あなたは、あなたのための神の神聖な意志を完璧に達成することが出来る」。"when you accept ~ "「あなた自身のために、あなたが神の意志を受け入れた時には」。
He has not withdrawn his gifts from you, but you believe you have withdrawn them from him.
- withdrawn [wiðdrɔ́ːn] : 「withdraw の過去分詞形」
- withdraw [wiðdrɔ́ː] : 「引っ込める、取り消す、撤回する」
❖ "He has not ~ "「神はあなたから、神の贈り物であるパワーと栄光を取り返すことはなかったが、」"but you believe ~ "「しかし、あなたは、神からパワーと栄光を取り上げてしまったと信じている」。神から分離したことで、神からパワーと栄光を奪い、神を裏切ったと信じ込んでいる。神の子は神の属性のすべてを神に投げ返してしまったが、それもまた、神の子の思い込みに過ぎない。夢の中の出来事だ。
Let no son of God remain hidden for his name's sake, because his name is yours.
- remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
- hidden [hídn] : 「隠された、秘密の」
- for the sake of : 「〜のために、〜の利益のために、〜の目的で」
❖ "Let no son ~ "「神の名において、神の子を隠れたままにしておかないようにしよう」。"because his name ~ "「なぜなら、神の名こそあなたの名なのだから」。神から分離したことで、神からパワーと栄光を奪い、神を裏切ったと信じ込んでいるあなたであるが、神の名において、決してそんなことはない。神の名にかけて、そんなことは決して起きなかった。だから、見え隠れせず、神の前に堂々と姿を現すようにすべきだ。神の名と、神の子の名は、親と子の関係を示す名前であって、神はあなたを表しているのだから。
7. The Bible says, "The Word (or thought) was made flesh." Strictly speaking this is impossible, since it seems to involve the translation of one order of reality into another.
- flesh [fléʃ] : 「肉、肉体」
- strictly [stríktli] : 「厳重に、正確に、厳しく」
- strictly speaking : 「厳密に言えば 」
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、あり得ない」
- involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う」
- translation [trænsléiʃən] : 「翻訳、通訳、変形」
- order [ɔ́ːrdər] : 「順、順序、順位、序列、系列」
- reality [riǽləti] : 「現実、実在、現実のこと」
- another [ənʌ́ðər] : 「もう一つ、もう一人」
❖ "The Bible says ~ "「聖書に曰く、『言葉が(思いが)肉となった』」。"Strictly speaking ~ "「厳密に言って、これは不可能である」。"since it seems ~ "ここは"it ~ to ~ "の構文、「なぜなら、(この言葉には)、実相の一つの階層から別の階層への変換が含まれているように見えるからだ」。言葉、あるいは思いという無形のもの(抽象的現実)が、肉という有形のもの(具象的現実)を生むことは厳密に言ってない、ということ。抽象的想念の世界(実相)に住む心はこの具象世界を投影という形で作り出しているのだが、『厳密に言うと』創り出しているわけではない。つまり、幻想を描いているだけで、実在する物を創り出しているわけではない。ところで、"The Word was made flesh" はヨハネによる福音書1:14に登場する言葉である。参考までに載せておく。
[John 1:14 from King James Bible]
And the Word was made flesh, and dwelt among us, (and we beheld his glory, the glory as of the only begotten of the Father,) full of grace and truth.
言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。(新共同訳)
Different orders of reality merely appear to exist, just as different orders of miracles do.
- different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる」
- exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
❖ "Different orders of ~ "「実相の異なる階層は単に存在しているように見えるだけだ」。"just as different ~ "「ちょうど、奇跡に異なる階層があように見えるのと同じである」。奇跡には、難しさの序列はない。したがって、実相には異なる階層はない。また、肉体という有形の具象的実相があるように見えるが、本当は幻想であり、錯覚である。
Thought cannot be made into flesh except by belief, since thought is not physical.
- thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、思想」
- physical [fízikəl] : 「物質の、肉体の」
❖ "Thought cannot ~ "「信じることがなければ、思考が肉に転ずることは不可能だ」。"since thought is ~ "「なぜなら、思考は物質ではないからだ」。非物質の思考が物質の肉を生むことはない。可能とすれば、そこに信じる気持ちがあるときに限る。信じる気持ちが、幻想として、そこに物質を作る。あるいは物質があると信じるのは、幻想を信じていることになる。
思いは現実化する。しかし、現実化には二通りあって、虚偽の現実を生むか、真実を具現化するか、である。前者が幻想であり、後者が奇跡である。
Yet thought is communication, for which the body can be used. This is the only natural use to which it can be put.
- natural [nǽtʃərəl] : 「自然の、普通の、ありのままの」
- put A to use : 「Aを使う」
❖ "Yet thought is ~ "「しかし、思考とはコミュニケーションである」。ここは素朴に、思考を分かち合うことがコミュニケーションである、ととらえておこう。"for which the body ~ "「そして、そのために肉体は使われる」。肉体はコミュニケーションの手段である。"This is the only ~ "「これが、肉体が使われる、唯一の自然な使い方である」。意思疎通の手段として肉体を使うことは自然なこと。幻想に過ぎない肉体ではあるが、利用価値はある。ちょうど、時間が学びのための補助装置として利用する価値があるのと等しい。
To use the body unnaturally is to lose the Holy Spirit's purpose, and thus to confuse the goal of his curriculum.
- unnaturally [ʌ̀nnǽtʃərəli]: 「異常に、不自然に」
- lose [lúːz] : 「〜を失う、喪失する」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、意向」
- confuse [kənfjúːz] : 「混同する、混乱させる」
- goal [góul] : 「目標、目的」
- curriculum [kəríkjələm] : 「教科課程、履修過程 」
❖ "To use the body ~ "「肉体を不自然に使用することは、ホーリー・スピリットの目的を失ってしまうことになる」。肉体を不自然に使うとは、たとえば他者への攻撃のために肉体を使うこと。"and thus to ~ "「そして、このようにすれば、ホーリー・スピリットのカリキュラムの目的を混乱させることになる」。肉体的攻撃は心と心のコミュニケーションを破壊するからだ。
8. There is nothing so frustrating to a learner as a curriculum he cannot learn.
- frustrating [frʌ́streitiŋ] : 「がっかりするような、失望させるような」
- learner [lə́ːrnər] : 「学習者、初学者」
❖ "There is nothing ~ "「学ぶ者にとって、学ぶことの出来ないカリキュラムほど、失望を与えるものはない」。エゴの思考システムを学ぶカリキュラムは、あなたを失望させるだけだ。
His sense of adequacy suffers, and he must become depressed.
- sense [séns] : 「感覚、知覚、良識」
- adequacy [ǽdikwəsi] : 「適切さ、妥当性、適性」
- suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
- depressed [diprést] : 「意気消沈した、元気のない」
❖ "His sense of adequacy ~ "「(カリキュラムが)自分に適しているという感じは苦痛へと変わり、」"and he must becom ~ "「彼は憂鬱な気分になってしまうに違いない」。
Being faced with an impossible learning situation is the most depressing thing in the world.
- be faced with : 「〜に直面している」
- situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、状態、立場、事情」
- depressing [diprésiŋ] : 「憂鬱な、意気消沈させる」
❖ "Being faced with ~ "「学ぶことが不可能な状況に直面することは、この世界で一番憂鬱なことである」。真実が隠されてしまうからだ。
In fact, it is ultimately why the world itself is depressing. The Holy Spirit's curriculum is never depressing, because it is a curriculum of joy.
- in fact : 「実は、内実は、実際に」
- ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「結局、ついに、最終的に」
❖ "In fact, it is ~ "「事実、それは、究極この世界自体が憂鬱になっている理由である」。学習不能なカリキュラムは喜びも平和も与えない。気分は落ち込むほかない。"The Holy Spirit's ~ "「ホーリー・スピリットのカリキュラムは憂鬱になることは決してない」。"because it is ~ "「なぜなら、それは喜びのカリキュラムだからだ」。
Whenever the reaction to learning is depression, it is because the true goal of the curriculum has been lost sight of.
- whenever [hwènévər] : 「〜するときはいつでも」
- reaction [riǽkʃən] : 「反応、反作用、反発」
- lost [lɔ́st] : 「lose の過去・過去分詞形」
- lose sight of : 「〜を見失う」
❖ "Whenever the reaction ~ "「学んだときの反応が憂鬱だったときはいつでも、」"it is because ~ "「それは、カリキュラムの真の目的が見失われているからである」。人は真実を学んだときに喜びを感じる。何かを学んで喜びを感じなかったら、あなたは真実を学んではいない。虚偽を教えられているのだ。虚偽があなたを憂鬱にする。