8. There is no question but one you should ever ask of yourself;--"Do I want to know my Father's Will for me? "
- ask of : 「〜に要求する」
❖ "There is no ~ "「自分自身に問いかけてみるべき質問が一つだけある」。"Do I want to ~ "「私は、私のためを思う父なる神の意志を知りたいと思うか」。
He will not hide it. He has revealed it to me because I asked it of him, and learned of what he had already given.
- hide [háid] : 「隠す、秘密にする」
- reveal [rivíːl] : 「明らかにする、暴露する」
- learn [lə́ːrn] of : 「〜を知る」
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、もう」
❖ "He will not ~ "「神は神の意志を隠したりしない」。"He has revealed ~ "「神は、既に神の意志を私に明かしている」。ここの"I"はイエス自身だと考えていい。"because I asked ~ "「なぜなら、私が神にそれを要求したからであるし、」"and learned of ~ "「そして、神が何を既に与えてくれたか知っていたからだ」。イエスが神の子として同胞をこの世から救い出すことを神は意志した。それが神の計画であり、イエスはそれを知っていた。前段落の十字架刑に絡んで言うなら、十字架刑によるイエスの犠牲は、神の意志ではないことを暗に示している。
Our function is to work together, because apart from each other we cannot function at all.
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、役割」
- together [təgéðər] : 「一緒に、同時に」
- apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
- each other : 「お互いに 」
- function : 「働く、機能する」
- at all : 「全く〜ない、全然〜ない」
❖ "Our function is ~ "「私たちの機能は、共に活動することである」。"because apart from ~ "「なぜなら、互いにバラバラだと、私たちはまったく機能することが出来ないからだ」。共に活動することが、分かち合いにつながる。
The whole power of God's Son lies in all of us, but not in any of us alone. God would not have us be alone because he does not will to be alone.
- whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
- lie [lái] : 「横になる、ある、位置する」
- lie in : 「〜にある」
- alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで」
❖ "The whole power ~ "「神の子のパワー全体は、私たちみんなのうちにあり、」"but not in ~ "「私たちの何人かの中に単独にあるのではない」。選ばれた少数の者だけが、神のパワーを有しているわけではない。"God would not ~ "「神は、私たちを一人にさせようとは思っていない」。"because he does ~ "「なぜなら、神は一人になることを意志していないからだ」。神は独りぼっちを好まない。そこで、神は神の子を創造し、神の子も独りぼっちにならないように意図した。神の子と真実を分かち合って、真実を拡張する喜びを神は求めている。もちろん、その喜びも神の子と分かち合うのだ。
That is why he created his son, and gave him the power to create with him. Our creations are as holy as we are, and we are the sons of God himself, as holy as he is.
- holy [hóuli] : 「神聖な」
❖ "That is why ~ "「それが、神が神の子を創造した理由であり、」"and gave him ~ "「神の子が神と共に創造できるためのパワーを授けた理由である」。"Our creations are ~ "「私たちが創造したものは、私たちと同じくらい神聖である」。"and we are ~ "「そして、私たちは神みずからの子であり、神と同じくらい神聖なのだ」。
Through our creations we extend our love, and thus increase the joy of the Holy Trinity.
- extend [iksténd] : 「広げる、拡張する、拡大する」
- thus [ðʌ́s] : 「このようにして」
- increase [inkríːs] : 「 〜を増大させる、増加させる」
- the Holy Trinity [trínəti] : 「三位一体」
❖ "Through our creations ~ "「私たちの創造したものを通して、私たちは愛を拡張する」。"and thus increase ~ "「そして、このようにして、ホーリー・トリニティの喜びを増大させるのである」。神と神の子とホーリー・スピリットの三位が一体となり、真実を分かち合い、喜びを分かち合い、愛を分かち合って、真実を拡張する。ACIMの最終目的である。
You do not understand this, because you who are God's Own treasure do not regard yourself as valuable.
- treasure [tréʒər] : 「宝、富、宝物、財宝」
- regard [rigɑ́ːrd] : 「〜を〜と見なす」
- regard A as B : 「AをBとみなす」
- valuable [vǽljəbl] : 「役立つ、有益な、貴重な」
❖ "You do not ~ "「あなたはこのことを理解していない」。"because you who ~ "「なぜなら、神自身の宝物であるあなたは、自分自身を価値あるものと見なしていないからだ」。あなたはエゴを信奉し、エゴの奴隷になっている。神聖な神の子であるという誇りを失っている。
Given this belief, you cannot understand anything.
- given : 「〜と仮定すると、〜を前提として」
❖ "Given this ~ "「このようなことを信じるとすれば、」"you cannot understand ~ "「あなたは何も理解することは出来ないことになる」。あなたが神の創造した価値ある宝物であると認識しない限り、どんな真実も理解することは出来ない。
9. I share with God the knowledge of the value he puts upon you.
- share [ʃέər] : 「〜を分かち合う、共有する」
- knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、知恵、知見」
- value [vǽljuː] : 「価値、値打ち」
- put on : 「〜を…の上に置く」
❖ "I share with ~ "直訳すると、「私(イエス)は神と、神があなたの上に置いた価値に対する叡智を分かち合っている」。イエスと神は共に、あなたの真価を、叡智をもって知っている、という意味合いだろう。叡智をもって知ることで、あなたの真価を分かち合うことが出来る。あなたは神にとってもイエスにとっても宝物なのだ。だから、あなた自身も自分の真価を叡智をもって知るべきである。
My devotion to you is of him, being born of my knowledge of myself and him. We cannot be separated.
- devotion [divóuʃən] : 「献身、熱愛、専念」
- separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、切り離す」
❖ "My devotion to ~ "「私があなたに対して抱く熱愛は、神から出たものである」。"being born of my ~ "分詞構文、理由、「なぜなら、私のあなたに対する熱愛は、私自身、および神の叡智から生まれたものであるからだ」。"We cannot be ~ "「私たちは切り離されてはいられない」。イエスがあなたに対して抱く献身的な愛は、『特別な関係性』から生まれる愛ではなく、『神聖な関係性』から自然発生する愛である。子に対して抱く親の愛に近いものだ。したがって、イエスの、その献身的な愛はイエス個人から発せられるにとどまらず、神からの愛でもある。父たる神が、その子である神の子を献身的愛で満たすのは極自然なことだ。圧倒的に自然な愛だからこそ、それは真実である。では、イエスの、あるいは神の、その献身的愛は何から生まれるのかと言うと、それはイエスと神の叡智だと言っている。叡智は理性的な理解を超越した悟りであり、真実の総体であることを考えれば、叡智という真実が愛を生み出しているわけだ。叡智が愛を生み、したがって、献身的愛は叡智の結晶なのだ。
Whom God has joined cannot be separated, and God has joined all his sons with himself.
- join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する」
❖ "Whom God has ~ "「神が結びつけたものは、切り離すことは出来ない」。"and God has ~ "「そして、神は、すべての神の子を神自身に結びつけている」。したがって、私達神の子は神から切り離されることはない。原理的に不可能なのだ。神は、神の子を切り離して創造したのではなく、神の延長上に創造したからだ。神の愛の延長上にのみ、神の子は存在可能なのであって、それ以外の場所に神の子が存在することは不可能だ。
Can you be separated from your life and your being? The journey to God is merely the reawakening of the knowledge of where you are always, and what you are forever.
- life [láif] : 「生命、人生」
- being [bíːiŋ] : 「存在、実在、生存、生命」
- journey [dʒə́ːrni] : 「旅、道のり、道程」
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- reawakening : 「再び目を覚ますこと、復活すること」
- always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、常に」
- forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Can you be ~ "「あなたは、あなたの命、あなたの存在から切り離されることが可能であろうか」。それが不可能なのは、神の子が神から切り離されることが不可能なことに等しい。"The journey to ~ "「神への(回帰の)旅は、ただ単に、あなたが常にどこにいるのか、あなたは永遠に何なのか、という(問いに答える)叡智に再び目覚める旅なのだ」。
It is a journey without distance to a goal that has never changed. Truth can only be experienced.
- distance [dístəns] : 「距離、間隔、隔たり」
- goal [góul] : 「目標、目的」
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する」
- truth [trúːθ] : 「真実、真相、真理」
- experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
❖ "It is a journey ~ "「その旅は、決して変化しない目的地への距離のない旅である」。時空のあるこの世界の尺度で見れば、神への回帰の旅はとても長い旅のように見えるだろうが、真実の世界には時空がないのだから、目的地はすぐそこにある。それは理性で理解されるものではなく、経験してみなくてはわからない。"Truth can only ~ "「真実は経験され得るのみである」。
It cannot be described and it cannot be explained. I can make you aware of the conditions of truth, but the experience is of God.
- describe [diskráib] : 「〜を表現する、述べる」
- explain [ikspléin] : 「〜を説明する、明らかにする」
- aware [əwéər] : 「気付いている、承知して」
- aware of : 「〜を承知している、〜に気付いている」
- condition [kəndíʃən] : 「状態、状況、条件」
- experience [ikspíəriəns] : 「経験、体験」
❖ "It cannot be ~ "「真実は記述できるものでもないし、説明され得るものでもない」。"I can make ~ "「私はあなたを、真実を知る条件に目覚めさせることは出来るが、」"but the experience ~ "「真実を経験することは、神からやって来るものなのだ」。ここも難解である。イエス(ホーリー・スピリット)はあなたの旅に同伴し、神の王国の門までは道案内してくれる。それが、『真実を知る条件に目覚めさせること』であろう。しかし、その後、神は天の王国の門を開け、あなたを王国の中に導き入れてくれる。それに続く真実の経験は、あなたと神の直接の関わりあい、つまり、神との直接のコミュニケーションを通して体験されることである。それが、『神からやって来るもの』なのであろう。
ACIMは、啓示(revelation)は神から直接与えられるものであって、イエス(ホーリー・スピリット)が与えるものではないと言っている。啓示は、神との直接体験なのだ。したがって、イエスは、あなたを啓示へと導く役割をもっているが、イエスがあなたに啓示を与えることはない。
Together we can meet its conditions, but truth will dawn upon you of itself.
- together [təgéðər] : 「一緒に、同時に」
- meet the conditions : 「条件を満たす」
- dawn [dɔ́ːn] on : 「〜に理解され始める」
- of itself : 「独りでに」
❖ "Together we can ~ "「私たちは一緒になって、真実を知る条件を満たすことが出来る」。つまり、神への回帰の旅を共にし、神の王国にたどり着くことが出来る。"but truth will ~ "「しかし、真実は、おのずからあなたの上で開示するだろう」。王国に入り、神との直接なコミュニケーションが出来るようになれば、真実は自然に理解され始めるようになる。それが、神からの啓示(revelation)であり、悟り(enlightenment)であり、涅槃(nirvana)であり、叡智(knowledge)の再生である。