VI. The Treasure of God
神の宝物
1. We are the joint will of the Sonship, whose Wholeness is for all.
- joint [dʒɔ́int] : 「共有の、共同の」
- wholeness [hóulnis] : 「全体、完全」
❖ "We are the joint ~ "「私たちは、神の子の共有された意志である」。"whose Wholeness ~ "「そして、その全体性は万人のためである」。神への回帰という目的に向かって、私達の意志とイエスの意志、ホーリー・スピリットの意志が結合された。私達はその結合の総体であり、欠けるところはない。全体性は完璧だ。結合した意志は分かち合われるので、それは増大し拡張する。こうして、意志は万人に広がり、万人のために結合していくのである。
We begin the journey back by setting out together, and gather in our brothers as we continue together.
- set out : 「出発する、乗り出す」
- gather [gǽðər] : 「集める、拾い集める」
- gather in : 「寄せ集める、収穫する」
- continue [kəntínjuː] : 「続く、進み続ける」
❖ "We begin the journey ~ "「私たちは、共に出発点に立ち、(神への回帰という)戻り旅を始める」。"and gather in ~ "「そして、私たちは共に歩み続けながら、私たちの同胞を集めていく」。結合した意志を分かち合うことで、意志は拡張増大していく。
Every gain in our strength is offered for all, so they too can lay aside their weakness and add their strength to us.
- gain [géin] : 「利益、得ること、獲得」
- strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
- offer [ɔ́fər] : 「差し出す、ささげる、提供する」
- lay [léi] aside : 「やめる、捨てる、放棄する」
- weakness [wíːknis] : 「弱さ、弱いこと」
- add [ǽd] : 「加える、足す」
❖ "Every gain in ~ "「私たちが力を得るたびに、それはみんなに差し出され、」"so they too ~ "「それゆえ、彼らもまた、彼らの弱さを捨てて、彼らの強さを私たちに加えることが出来る」。実相的な強さ(力)の分かち合いである。
God's welcome waits for us all, and he will welcome us as I am welcoming you.
- welcome [wélkəm] : 「歓迎、歓待」
- wait for : 「〜を待つ」
- welcome : 「温かく迎え入れる、歓迎する」
❖ "God's welcome ~ "「神が私たちみんなを歓迎しようと待っている」。"and he will ~ "「私があなたを歓迎しているように、神は私たちを歓迎してくれる」。父なる神はあなたを子として迎え入れようとする。それは、イエスがあなたを同胞として迎え入れることと同様である。
Forget not the Kingdom of God for anything the world has to offer.
- forget [fərgét] : 「〜を忘れる、見落とす」
- for anything : 「[交換条件として何をもらえるにせよ] 絶対に」
❖ "Forget not ~ "「たとえこの世界が何を差し出したとしても、神の王国を忘れないようにしなさい」。
2. The world can add nothing to the power and the glory of God and his holy sons, but it can blind the sons to the Father if they behold it.
- add [ǽd] to : 「〜を増加させる、〜を加える」
- glory [glɔ́ːri] : 「栄光、名誉、誇り、壮観」
- blind [bláind] : 「〜を見えなくさせる」
- behold [bihóuld] : 「注視する、見守る、見る」
❖ "The world can ~ "「この世界は、神と神聖な神の子のパワーと栄光に何も付け加えることは出来ない」。"but it can blind ~ "「しかし、もし、神の子がこの世界ばかりを眺めていると、神が見えなくなる可能性がある」。この世界は幻想であるから、幻想に過ぎないものが真実のパワーと栄光に何かを付け加えることなど出来ない。しかし、幻想に目を奪われていると、真実が見えなくなってしまう可能性はある。
You cannot behold the world and know God. Only one is true. I am come to tell you that the choice of which is true is not yours to make. If it were, you would have destroyed yourself.
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- destroy [distrɔ́i] : 「〜を滅ぼす、破壊する」
❖ "You cannot behold ~ "「あなたは、この世界を見て、そこから神を知ることは出来ない」。幻想しか見えない眼鏡を通して真実の神を見ようとしてもそれは不可能だ。"Only one ~ "「どちらか一つだけが真実である」。" I am come to tell ~ "「私はあなたにthat以下を伝えるためにやって来た」。ここの"be + (自動詞の過去分詞)"は状態を表す。ここでは、「やって来て、今ここにいる」といったニュアンスになる。"that the choice of ~ "「どちらが真実かという選択は、あなたがする仕事ではない」。あなたの選択によって真実か幻想かが決まるわけではない。神が真実でこの世界は幻想であることは、あなたの選択とは無関係だ。"If it were, you ~ "仮定法過去完了形、意訳すると、「もし、真実を決定する選択権があなたにあったなら、あなたはあなた自身を破滅させていただろう」。あらゆるものが分裂し対立する世界は変化流動して混沌と化し、やがて崩壊と死へ向かう。もしあなたが、そんな世界を真実だと決定できたなら、それは現実化してあなた自身も崩壊へ向かう。しかし、真実はそうではない。崩壊へ向かう世界は幻想世界であり、実相世界に生きるあなたの命は永遠に不変である。簡単に言えば、あなたがこの世界と肉体を選択したら、それは世界の破壊と自己破壊を自ら選択したことになる、ということ。
Yet God did not will the destruction of his creations, having created them for eternity.
- destruction [distrʌ́kʃən] : 「破壊、破滅」
- creation [kriéiʃən] : 「創作物、創造、創作」
- eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限」
- for eternity : 「未来永劫に、永遠に」
❖ "Yet God did not ~ "「しかし、神は、神が創造したものの破壊は意図していなかった」。"having created ~ "分詞構文、単純接続、「そして、神は、それが永遠であるように創造した」。これが、あなたの選択にかかわらず永遠に変わらない真実である。
His will has saved you, not from yourself but from your illusion of yourself. He has saved you for yourself.
- save [séiv] : 「救う、助ける」
- illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
❖ "His will has ~ "「神の意志は、あなたを救った」。"not from yourself ~ "「あなた自身からではなく、あなた自身の幻想から、あなたを救ったのだ」。"He has saved ~ "「神はあなたを、あなた自身のために、救ったのだ」。神はあなたの命を死から救ったのではない。神は、死は幻想だと知っているから、命を死から救い出す必要などない。神は、あなたの命を死という幻想から救おうと意志しているだけなのだ。本文が完了形になっているは、時間の存在しない実相世界では、すべてがすでに完了しているから。この幻想世界では、すでに完了している事象を時間を軸にして追体験する。
3. Let us glorify him whom the world denies, for over his Kingdom the world has no power.
- glorify [glɔ́ːrəfài] : 「〜の栄光をたたえる、賛美する」
- deny [dinái] : 「〜を否定する、拒絶する」
❖ "Let us glorify ~ "「この世界が否定した神の栄光を讃えようではないか」。"for over his ~ "「なぜなら、この世界には、神の王国を凌ぐようなパワーなどないのだから」。この幻想世界には、実相世界の永遠不変性はない。
No one created by God can find joy in anything except the eternal; not because he is deprived of anything else, but because nothing else is worthy of him.
- find [fáind] : 「見つける、発見する」
- joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
- except [iksépt] : 「ただし、〜を除いて」
- eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、不滅の」
- deprive [dipráiv] : 「奪う、剥奪する」
- worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、〜するに足りる」
- be worthy of : 「〜に値する、〜にふさわしい」
❖ "No one created ~ "「神によって創造されたものは、永遠なるもの以外の何ものにも、喜びを見出すことは出来ない」。"not because he ~ "「それは、彼が何かを奪われたためではない、」"but because nothing ~ "「彼に値するようなものがないからだ」。永遠なるものを除いて、喜びを見出すことが出来ないのは、永遠なるもの以外の何かが不足しているからではなく、永遠なるもの以上の価値あるものがないからだ。つまり、永遠なるものとして自己を認識することなく、真の喜びはない、ということ。この世界で、どんなに富を蓄えようが権力を得ようが、それは『春の夜の夢』に過ぎない。諸行無常のこの世界に本当の喜びを求めることは不可能なのだ。
What God and his sons create is eternal, and in this and this only is their joy.
- create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
❖ "What God and ~ "「神と神の子が創造するものは、永遠である」。"and in this ~ "「そして、この中にあって、これこそが、彼らの喜びである」。創造は喜びであり、愛である。神と神の子が、喜びや愛を分かち合ってその真実を拡張増大させていく。それが実相的創造である。