15. Joy is unified purpose, and unified purpose is only God's. When yours is unified it is his.
- unified [júːnəfàıd] : 「統一された、統合された 」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、意向」
❖ "Joy is unified ~ "「喜びとは、統一された目的である」。"and unified purpose ~ "「そして、統一された目的は、神の目的だけである」。"When yours is ~ "「あなたの目的が統一されているなら、それは神の目的である」。"unified"「統一された」という言葉は、心の目的と肉体の目的が統一されたという意味合いがあるが、それだけに止(とど)まらず、あらゆる目的のもつ方向性が単一であるということ。たとえば、喜び、平和、愛、慈悲、創造、拡張、増大、等々、すべてが同じ方向を向いている。つまり、真実という方向である。あなたが心身共に真実という統一された目的に向かっているとき、あなたは神の目的に沿って生きていることになる。
Believe you can interfere with his purpose, and you need salvation.
- interfere [ìntərfíər] : 「邪魔をする、妨げる」
- interfere with : 「〜の邪魔をする」
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い」
❖ "Believe you can ~ "「神の目的に干渉できると信じてごらんなさい」。"and you need ~ "「それは、あなたが救いを必要としている表れである」。神の目的を妨害できると信じることは、幻想から実相への目覚めを自ら妨げていることを示している。だから、あなたこそが救いを必要としている。
You have condemned yourself, but condemnation is not of God. Therefore it is not true. No more are any of its seeming results.
- condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める」
- condemnation [kὰndemnéiʃən] : 「有罪宣告、激しい非難」
- seeming [síːmiŋ] : 「見せかけの、うわべの」
- no more : 「…もまた…でない (neither)」
- result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成果」
❖ "You have condemned ~ "「あなたはあなた自身に対して有罪を宣告した」。" but condemnation ~ "「しかし、有罪の宣告は神の業(わざ)ではない」。"Therefore it is ~ "「したがって、有罪の宣告は真実ではない」。"No more are any of ~ "「有罪判決のうわべだけの結果がどうであっても、それは真実ではない」。あなたはなぜあなた自身に有罪を宣告したのだろうか? 神の目的に干渉できると思ったからか。ここは、根本に立ち返って、神から分離したことに関して自分を責めている、と考えておこう。神の愛を裏切り、神から独立して生きて行けると思った浅はかさに対して、自らに有罪を宣告した。しかし、神はあなたを非難したり責めたりしない。神は判決を下さいないのだ。なぜなら、それは真実でないからだ。怒れる神、嫉妬する神、裁く神、復讐する神、それは旧約聖書の神であって、ACIMの神ではない。同様に、自らを裁き、他者を裁き、有罪を宣告するあなたは本当のあなたではない。
When you see a brother as a body, you are condemning him because you have condemned yourself.
- brother [brʌ́ðər] : 「同胞、仲間、同僚」
❖ "When you see ~ "「あなたが同胞を肉体として見るとき、」"you are condemning ~ "「あなたは彼に有罪の宣告をしている」。"because you have ~ "「なぜなら、あなたはあなた自身に有罪を宣告してしまったからだ」。ACIMは自他一如の世界であるから、あなたが同胞を肉体と見ることはあなた自身を肉体と見ていることを意味している。あなたがあなた自身を肉体と見れば、同胞をも肉体と見ていることになる。では、肉体と見ることと有罪の宣告はどのように結びつくのだろうか? 神の子である私達の一(いつ)なる心が神から分離したとき、私達はいつかは神から罰せられるだろうと恐れた。罪の意識が無意識の世界に深く根付いてしまった。罪と罰への恐れを知るとは、とりもなおさず、自分自身に有罪を宣告したことになる。私達はその恐れに耐えきれなくなり、自己を乖離する。別人を仕立て上げ、幻想の世界を外部に投影してその別人に肉体を着せた。別人も幻想なら、肉体も幻想である。よって、私達が幻想の肉体を信じる限りにおいて、幻想から脱出できず、有罪判決の罪と罰を恐れ続ける結果になる。同胞を肉体と見ることは、罪と罰の幻想から逃れられないでいる証拠であり、有罪の判決を背負ったままの存在だということになる。自分も有罪なら他者も有罪であらねばならないのだ。私達が救いを必要としているとは、このようなことなのだ。
Yet if all condemnation is unreal, and it must be unreal since it is a form of attack, then it can have no results.
- unreal [ʌnríəl] : 「実在しない、非現実的な」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、現れ」
❖ "Yet if all ~ "「しかし、すべての有罪の宣告が非現実なものであったら、」"and it must ~ "「確かにそれは、攻撃の形をもっているので非現実なのであるが、」"then it can ~ "「有罪の宣告は何の結果ももち得ない」。私達神の子が神を裏切り、神の復讐を恐れているのは、実はそれ自体が幻想であり、非現実的である。そもそも、神の子は神を裏切って神から分離したのでもなければ、第一、神が復讐することもない。有罪の宣告は結果を持とうにも持ちようがないのだ。
16. Do not allow yourself to suffer from imagined results of what is not true.
- allow [əláu] : 「〜を許す、許可する」
- suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
- suffer from : 「〜に苦しむ、〜に悩まされる」
- imagine [imǽdʒin] : 「想像する、思う、心に描く」
- result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成果」
- true [trúː] : 「真の、真実の、本当の」
❖ "Do not allow ~ "「真実ではないものの想像された結果に苦痛を感じることを、自分自身に許してはいけない」。幻想の結果に苦しむ必要はない。神を裏切って神から分離したことも、この世界を投影したことも、乖離した人格に肉体を着せたことも、すべては夢である。私達は深い深い眠りに陥り、夢を見続けているだけである。苦しむ必要はない。悪夢から醒めてしまえばいいだけだ。それが唯一の救いの道である。簡単な道理である。悪夢から逃れるには目を覚ませばいいだけの話しなのだ。
Free your mind from the belief that this is possible. In its complete impossibility lies your only hope for release.
- possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、あり得る」
- complete [kəmplíːt] : 「完全な、全くの、徹底的な」
- impossibility [impɑ̀səbíləti] : 「不可能、不能」
- lie [lái] : 「ある、横たわる」
- hope [hóup] : 「希望、見込み、期待」
- release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと」
❖ "Free your mind ~ "「(真実ではないことの結果を想像して苦しむことは)あり得ることなのだと信じることから、あなたの心を解放しなさい」。"In its complete ~ "「そんなことは絶対不可能なのだということの中に、あなたの解放への希望がある」。幻想を完全に払拭することの中にこそ解放への希望がある。幻想の結果である苦しみと闘う中には解放はない。そんな信念から心を解放してやるのだ。
But what other hope would you want? Freedom from illusions lies only in not believing them.
- illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
❖ "But what other ~ "「しかし、あなたはそれ以外の何を希望したいというのか」。"Freedom from illusions ~ "「幻想からの解放は、幻想を信じないことの中にこそ存在する」。
There is no attack, but there is unlimited communication and therefore unlimited power and wholeness.
- unlimited : 「制限のない、無制限の、無条件の」
- wholeness : 「全体、完全」
❖ 幻想から解放されれば、そこには、"There is no ~ "「攻撃は一つもなく、」"there is unlimited ~ "「制限なきコミュニケーションがあるだけだ」。"and therefore ~ "「したがって、そこには、制限なきパワーと制限なき完全性がある」。これが、実相に目覚めたあなたの本当の姿である。
The power of wholeness is extension. Do not arrest your thought in this world, and you will open your mind to creation in God.
- extension [iksténʃən] : 「拡張、延長」
- arrest [ərést] : 「捕まえる、拘束する、阻む」
❖ "The power of ~ "「完全性に伴うパワーを拡張することが肝要だ」。"Do not arrest ~ "「あなたの思考をこの世界に中に拘束してはいけない」。"and you will ~ "「そうすれば、あなたは、神の中における創造性へと、あなたの心を解放することが出来るだろう」。何度も言うようだが、だからと言って、ACIMはあなたに世捨て人になれ、と言っているのではない。肉体を軽んじろとも言っていない。変えなくてはならないのは、その考え方なのだ。感じ方、とらえ方、判断の仕方、つまり、真実を真実として、虚偽を虚偽として、目覚めた目でしかり見極めなさい、と言っているのである。そこを誤解すると、ACIMはとんでもないカルト宗教になってしまうだろう。