●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-9.I.9:1 ~ T-9.I.10:8

9. Ultimately everyone must remember the Will of God, because ultimately everyone must recognize himself. 
  • ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「結局、最後に、ついに」
  • remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる」
❖ "Ultimately everyone ~ "「ついには、誰でも神の意志を思い出すに違いない」。"because ultimately ~ "「なぜな、結局いつかは、誰でも自分自身を認識しなくてはならないからだ」。神の意志と神の子の意志は同一であるから、自己認識、すなわち自分自身の意志を認識することは神の意志を認識することにつながる。自分を失って夢を見ている状態が永遠に続くはずはない。いつかは夢から覚める日がやって来る。



This recognition is the recognition that his will and God's are one. In the presence of truth, there are no unbelievers and no sacrifices. 
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在」
  • in the presence of : 「〜の存在下で、〜のいるところで」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真理」
  • unbeliever : 「信じない人、不信心者」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
❖ "This recognition is ~ "「この認識は、自分の意志と神の意志が一つであるという認識である」。"In the presence ~ "「真実のあるところ、不信心者も犠牲者もいない」。つまり、真実の下(もと)では、無神論者(atheist)も殉教者(martyr)もいない、ということ。逆に言えば、無神論者と殉教者を容認する思考、思想には、何らかの偽りが紛れ込んでいる、ということになる。



In the security of reality, fear is totally meaningless. To deny what is can only seem to be fearful. 
  • security [sikjúərəti] : 「安全、安心、無事」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、実相」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • totally [tóutəli] : 「全く、完全に、全体的に」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、価値のない」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む、拒絶する」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
❖ "In the security ~ "直訳すると、「実相の安全性の中では、」つまり、「実相の中にいることは安全であり、」"fear is totally ~ "「恐れは完全に意味を失う」。"To deny what ~ "直訳すると、「あり得ることを否定することだけが、恐ろしいように思えるのだ」。つまり、実相としてそこに存在する可能性のあるものを、存在しないのだと否定することが、心に恐怖を生み出す、ということ。あるがままに見て、あるがままに受け入れることが出来ないところに恐怖が生み出される。



Fear cannot be real without a cause, and God is the only Cause. God is Love and you do want him. 
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、理由」
❖ "Fear cannot be ~ "「原因なくして、恐れが現実化されることは不可能だ」。"and God is ~ "「そして、神こそが原因である」。"God is Love ~ "「神は愛であり、あなたは神を求めている」。したがって、あなたには恐れる要因は何もない。ただ、愛し愛されるのみ。



This is your will. Ask for this and you will be answered, because you will be asking only for what belongs to you.
  • ask for : 「 〜を求める、〜を要求する」
  • answer [ǽnsər] : 「答える、返事する」
  • belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
  • belong to : 「〜に属する、〜の所有物である」
❖ "This is your ~ "「これはあなたの意志である」。神(の愛)を求めることはあなたの意志だ。"Ask for this"「これを求めなさい」。"and you will ~ "「そうすれば、あなたは答えられるだろう」。"because you will ~ "「なぜならば、あなたは、あなたに属しているものだけを求めることになるからだ」。あなたは神に属し、神はあなたに属している。したがって、あなたに属している神を求めることは理にかなったことであり、あなたは答えてもらえるだろう。くどくなるが、ここの属しているという意味は、包含関係を意図して言われた言葉ではなく、神の意志とあなたの意志は同一なのだ、ということ。



10. When you ask the Holy Spirit for what would hurt you he cannot answer because nothing can hurt you, and so you are asking for nothing. 
  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
❖ "When you ask ~ "「あなたがホーリー・スピリットに、あなたを傷つけかねないものを要求したときは、」"he cannot answer"「ホーリー・スピリットはそれに応えることが出来ない」。"because nothing ~ "「なぜなら、何ものもあなたを傷つけ得ないのであり、」"and so you are ~ "「よって、あなたは、(傷つける可能性のあるものである限り、)何も要求できないからだ」。傷つける可能性のあるものとは、攻撃性を有しているものであって、それは実相の世界には存在できない。実相に存在できないのだから、あなたがそれを要求することも、ホーリー・スピリットがその要求に応えることも出来ないのだ。



Any wish that stems from the ego is a wish for nothing, and to ask for it is not a request. 
  • wish [wíʃ] : 「 願い、願望、希望」
  • stem [stém] : 「始まる、起因する」
  • stem from : 「〜から生じる、〜に由来する」
  • request [rikwést] : 「頼むこと、依頼、要求」
❖ "Any wish that ~ "「エゴに起因する望みはどれでも、無い物ねだりである」。存在しないものを求めているだけだ。"and to ask ~ "「無い物ねだりは、要求でも何でもない」。



It is merely a denial in the form of a request. The Holy Spirit is not concerned with form, being aware only of meaning. 
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • denial [dináiəl] : 「否定、拒否、拒絶」
  • in the form of : 「〜の形で、〜の形をしてとって」
  • concern [kənsə́ːrn] : 「〜に関係する、〜と関係がある」
  • be concerned with : 「〜に関係している、〜に関心がある 」
  • aware [əwéər] : 「気付いている、気が付いて」
  • be aware of : 「〜を承知している、〜に気付いている」
❖ "It is merely ~ "「エゴの要求は、要求の形をとった単なる否定である」。エゴは無いものを要求するのだから、初めから要求が叶わないことを知っている。それでも要求し、要求が叶わないことに文句をつけるのである。つまり、攻撃材料にするわけだ。そういったことを、要求の形をとった否定、と表現したのだろう。"The Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットは形には関心がない」。"being aware only ~ "分詞構文、理由、「意味というものだけを承知しているので」。ここの形とは形態をとったもののことで、幻想世界の事象。意味とは、意味のある真実のこと。ホーリー・スピリットは真実を与えることは出来るが、幻想に幻想で応えることはしない。



The ego cannot ask the Holy Spirit for anything, because there is complete communication failure between them. Yet you can ask for everything of the Holy Spirit, because your requests to him are real, being of your right mind.
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、全部の」
  • failure [féiljər] : 「失敗、不成功、故障、障害」
  • between [bitwíːn] : 「間で、〜の合間に」
❖ "The ego cannot ~ "「エゴはホーリー・スピリットに、何事もものを頼むことは出来ない」。"because there is ~ "「なぜなら、両者の間では、コミュニケーションが完全に出来ないからだ」。"Yet you can ~ "「しかし、あなたはホーリー・スピリットに何でも要求できる」。"because your requests ~ "「なぜなら、あなたの要求はホーリー・スピリットにとって現実であるからだ」。"being of your ~ "分詞構文、理由、「あなたの正しい心から出たものであるから」。あなたの正しい心が要求したものが真実なら、あなたの要求はホーリー・スピリットにとって現実である。現実であるから、ホーリー・スピリットはその要求を満たす。要するに、誤った要求には応えないが、正しい要求には必ず応えてくれる、ということ。



Would the Holy Spirit deny the Will of God? And could he fail to recognize it in his Son?
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
  • fail to do : 「〜しない、〜しそこなう、〜できない」
❖ "Would the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは、神の意志を否定しようとするだろうか」。"And could he ~ "「また、ホーリー・スピリットは神の子の心の中に、その神の意志を認識し損なうことが出来だろうか」。ホーリー・スピリットは、あなたの心の中に神の意志を認識しているので、それが要求したことに応えないではいられない。






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