10. All your relationships are blessed in the holy instant, because the blessing is not limited.
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- bless [blés] : 「祝福する、〜を神聖にする、清める、〜を賛美する」
- holy [hóuli] : 「神聖な」
- instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
- blessing [blésiŋ] : 「祝福、恩恵、幸運」
- limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
❖ "All your relationships ~ "「あなたのすべての関係性は、聖なる瞬間において、祝福されるのだ」。"because the blessing ~ "「なぜなら、祝福は制限されないからだ」。関係性が祝福されるとは、神から承認される、と考えていい。あなたが幻想世界で作った関係は、ホーリー・スピリットによって浄化され、本物の関係へと昇華した。その聖なる瞬間に、真の関係性は神によって承認され、祝福されるのである。ところで、神が真実なるものを承認し、祝福を与えるのに、何かの制限を設けているだろうか? 神は制限しない。神は常に無限であり、それが真実である限り、無制限である。
In the holy instant the Sonship gains as one, and united in your blessing it becomes one to you. - gain [géin] : 「得る、獲得する」
- unite [junáit] : 「〜を結合させる、一つにする、結び付ける、接合する」
- become [bikʌ́m] : 「〜になる」
❖ "In the holy instant ~ "「聖なる瞬間に、神の子は一なる状態を獲得し、」"and united in your ~ "「あなたの祝福のうちに結合するので、神の子はあなたにとっても(あなたを巻き込んで)単一なるものとなる」。神からの分離後、神の子はその心を散り散りに分裂させ、あたかも多数の神の子が存在しているように錯覚してきたが、幻想から目覚める聖なる瞬間にあって、それが単なる夢であったことに気づく。そして、神の子は再統一され、心は一なる心(Mind)に結実する。もちろん、あなたも神の子としてその再結合に参加し、それゆえに神に承認され、祝福されるのである。
The meaning of love is the meaning God gave to it. Give to it any meaning apart from His, and it is impossible to understand it. - meaning [míːniŋ] : 「意味、意義」
- gave [géiv] : 「give の過去形」
- apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない、無理な」
- understand [ʌ̀ndə(r)stǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
❖ "The meaning of love ~ "「愛の意味とは、神が愛に与えた意味のことである」。"Give to it any meaning ~ "「神の与えた愛の意味から離れて、愛に何らかの意味を与えてごらんなさい」。"and it is impossible to ~ "「そうすれば、たちまち愛を理解することは不可能になるのだ」。愛は神によって創造された。神が愛に与えた意味とは、実相世界の愛の姿のことである。簡単に言えば、実相世界の愛は、嫌悪とか憎悪とかいう対極概念をもたない純粋な愛であり、完全完璧な平等性を有した愛である。幻想世界に住む我々には想像すら出来ない愛の意味である。それは、我々の肉体的感覚や頭脳的理性を遥かに超越した意味であり、実相世界の叡智をもってして初めて全的に理解しうる意味なのである。したがって、愛の意味を理性で判断しようとしてはいけない。それはちょうど、巨大な象を爪楊枝でつつくようなものだ。
God loves every brother as He loves you; neither less nor more. He needs them all equally, and so do you. - neither A nor B : 「AもBも〜ない」
- less [lés] : 「より少ない、より少数の、より小さい」
- more [mɔ́ː(r)] : 「り大きい・多い、もっと、より多くの」
- equally [íːkw(ə)li] : 「等しく、同様に、平等に、同等に」
❖ "God loves every brother ~ "「神があなたを愛するように、すべての同胞を神は愛す」。神の愛の完全平等性。"neither less ~ "「それ以上でもそれ以下でもない」。完全、完璧に平等だ。"He needs them ~ "「神は同胞全てを平等に必要としている」。"and so do ~ "「そして、あなたも同胞を必要としているのだ」。あなた一人が神の子なのではない。同胞を含めて、幻想世界のすべての神の子が、実相世界の単一の神の子を構成するのである。したがって、あなたは同胞を必要とするのである。
In time, you have been told to offer miracles as I direct, and let the Holy Spirit bring to you those who are seeking you. - told [tóuld] : 「tell の過去・過去分詞形」
- offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
- direct [dərékt] : 「命令する、指図する」
- bring [bríŋ] : 「〜を連れて来る、〜を持って来る」
- seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
❖ "In time, you have ~ "「時間という枠組みの中では、あなたは私の指示に従って奇跡を差し出すように言われてきたし、」"and let the Holy Spirit bring ~ "「ホーリー・スピリットに、あなたを求めている同胞をあなたの元へ連れて来てもらうように、と言われてきた」。同胞たちに先駆けて、まずあなたが聖なる瞬間を体験する奇跡を起こすように言われている。もちろん、一人で奇跡を起こす必要はなく、ホーリー・スピリットやキリストの指示に従って奇跡を起こせばいいのだ。その後、聖なる瞬間を同胞たちを分かち合うために、心の解放を願ってあなたを求める同胞たちを呼び寄せて、あなたの奇跡を彼らに分け与えるのである。同胞を呼び寄せるには、大声を出して呼ぶ必要はない。あなたの心の中のホーリー・スピリットを通じて、同胞たちの心の中のホーリー・スピリットに呼びかけてもらえばいいのだ。つまり、ホーリー・スピリットに、同胞達を連れてきてもらうのである。
Yet in the holy instant you unite directly with God, and all your brothers join in Christ. - unite [junáit] : 「結合する、一体となる、一体化する、合体する」
- directly [dəréktli] : 「直接に、真っすぐに、そのまま」
- join [dʒɔ́in] : 「加わる、加入する、参加する、交わる、一緒になる」
- join in : 「〜に加わる、〜に参加する」
❖ "Yet in the holy instant ~ "「しかし、聖なる瞬間においては、あなたは神と直接結合する」。幻想世界にあったときは、あなたはホーリー・スピリットを媒介役として神と接触してきたが、実相世界に入ったあなたは、今では、ホーリー・スピリットなしで神と接触出来るのである。"and all your brothers ~ "「そして、すべての同胞たちはキリストに加わるのである」。さて、キリストに加わるとはどういうことだろう? 神の子を救済するキリストの計画に参画するという意味合いに捉えることも出来るが、今や、救済は成功したわけだから、むしろ、神の子が、自らがキリストであることに目覚める、と捉えた方がいいのではないだろうか。つまり、キリスト、あるいはホーリー・スピリットと一体になるのである。それは、とりも直さず神と一体になることであり、神と神の子とホーリー・スピリットの三位(さんみ)が一体となることを意味するわけである。
Those who are joined in Christ are in no way separate. - in no way : 「少しも〜ない、全く〜ない」
- separate [sépərèit] : 「分かれる、分離する、別居する」
❖ "Those who are joined ~ "「キリストに加わった神の子は、どんなことがあっても分離しない」。キリストと一体になったのだから、そこに分離は起きない。
For Christ is the Self the Sonship shares, as God shares His Self with Christ.- self [sélf] : 「自己、自分、自分自身、本人、そのもの」
- share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "For Christ is the Self ~ "「なぜなら、キリストとは神の子が分かち合う自己のことである」。"as God shares His Self ~ "「ちょうど、神が自身の自己をキリストと分かち合っているのと同じである」。神の子はキリストと自己同一化するのである。もちろん、神はキリストと自己同一化し、三位(さんみ)が、一体となった完成形が出現するのである。つまり、三位一体となって、調和共鳴し合うのである。
11. Think you that you can judge the Self of God? - judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁く」
❖ "Think you that ~ "「あなたは、神の自己なるものを判断出来ると思っているのだろうか」。ここは簡単に考えて、神のアイデンティティーを、理性的判断で評価出来ると思っているのだろうか、という意味合いに捉えておこう。神は判断評価を超絶した存在であるはずだ。神は全体であり、存在のすべてであり、無限である。では、無限を入れる器は存在出来るか? 原理的に不可能ではないか。先に、象を爪楊枝でつつくと言ってみたが、ここでは次のように言おう。海全体を一個の杯の中に入れることが出来るか、と。
God has created It beyond judgment, out of His need to extend His Love. - create [kriéit] : 「〜を創造する、〜を生み出す、〜を創り出す」
- beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「〜を越えて、 〜の域を越えて、〜を超越して」
- judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
- out of : 「〜から、〜によって、〜のために」
- need [níːd] : 「必要性、必要なもの、必要物」
- extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
❖ "God has created It ~ "「神は、神の自己なるものを、判断を超越して創造したのである」。"out of His need ~ "「それは、神の愛を拡張する必要性からである」。神は拡張し続ける無限の愛である。そのように、神が自己を創造した。しかし、もちろん神は、そのように言葉で表現してしまうことを超越している。では、我々はどうすればいいのか? 大海原を目撃した小さな杯である我々は何をすればいいのか。答えは一つしかない。沈黙すればいいのだ。ただ静かに、神の愛を浴びるだけでいい。
With love in you, you have no need except to extend it. In the holy instant there is no conflict of needs, for there is only one. - except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
- conflict [kɑ́nflikt] : 「葛藤、軋轢、争い、紛争、コンフリクト」
❖ "With love in you ~ "「あなたの心に愛があれば、」"you have no need ~ "「その愛を拡張すること以外に、あなたには何の必要性もない」。神と共に、愛を無限に拡張することがあなたの必要性であって、それ以外ない。そのように、神は創造したのである。つまり、それが神の法である。"In the holy instant there ~ "「聖なる瞬間にあって、必要性がコンフリクトを起こすことはない」。"for there is ~ "「なぜなら、必要性はただ一つしかないからだ」。聖なる瞬間には、もはやエゴは存在しない。コンフリクトをさんざん生み出してきたエゴが消滅してしまったのである。神は無矛盾であり、必要性もまた矛盾を起こさない。あなたは、コンフリクトからも開放されたのである。
For the holy instant reaches to eternity, and to the Mind of God. - reach [ríːt∫] : 「〜に達する、〜に至る」
- eternity [itə́ː(r)nəti] : 「永遠、無限」
❖ "For the holy instant ~ "「なぜなら、聖なる瞬間は永遠へとつながり、神の心へと達するのだから」。聖なる瞬間の拡張に調和するように、愛が拡張していくのである。そして、神の心、つまり、神の愛の中心へと、聖なる瞬間とあなたの愛は達するのである。
And it is only there love has meaning, and only there can it be understood.- meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、目的、意図」
❖ "And it is only there ~ "「そして、愛が意味を持つのは、ただ神の心において他にない」。"and only there can ~ "「神の心においてのみ、愛は理解され得るのだ」。ここは理屈を追わず、言葉の美しさを味わうだけで十分だと思う。ACIMの文章の美しさに接することが出来るのは、当然ながら、原書を読む者の特権である。真実とは美であることが、あなたの体の中に染み込んで来はしないか。