3. All separation vanishes as holiness is shared. For holiness is power, and by sharing it, it gains in strength.
- separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
- vanish [vǽni∫] : 「消える、消えてなくなる、姿を消す、去る」
- holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
- share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
- power [páuə(r)] : 「力、能力、勢力」
- gain [géin] : 「得る、獲得する」
- strength [stréŋ(k)θ] : 「力、強さ、体力、強み、長所」
If you seek for satisfaction in gratifying your needs as you perceive them, you must believe that strength comes from another, and what you gain he loses.
- seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
- seek for : 「〜を探し求める」
- satisfaction [sæ̀tisfǽk∫n] : 「満足、充足、喜び」
- gratify [grǽtəfài] : 「〜を満足させる、楽しませる、喜ばせる」
- need [níːd] : 「必要性、必要なもの、必要物」
- perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
ここに、エゴの思考システムが入り込む。得るためには奪い取れ、というものである。弱肉強食の世界にあって、強い者、力のある者が、弱い者、力のない者から奪い取るのである。あなたが力で得たとき、誰かがそれを失っている。しかし、それが正当である世の中だとあなたは信じている。この世界の力とは金力であり、権力である。それを手に入れれば何でも出来る。その力を得たのは自分であり、自分の力を自分の幸せのために使って何が悪かろう。必要であり、欲しいものを手に入れて満足を得るには、自分の力で獲得する以外にないではないか、と主張する。たとえそれによって弱者が何かを失うとしても、それは自分の責任ではない、と主張する。しかし、その時、あなたは大きなものを失っていることに気づかない。力で奪い取っているとき、あなたは、実は奪われていることに気づいていないのだ。金力や権力が幻想の力であり、本当の力が何であるか、どこから来るのかも気づかない。本当の安心、本当の満足とは何なのかも、気づくチャンスを失っている。真実に近づくチャンスを完全に失っているのだ。
Someone must always lose if you perceive yourself as weak.
- always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
- weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
Yet there is another interpretation of relationships that transcends the concept of loss of power completely.
- another [ənʌ́ðə(r)] : 「もう一つの、別の、ほかの」
- interpretation [intə̀ː(r)prətéi∫n] : 「解釈、説明、解説」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- transcend [trænsénd] : 「超える、〜を超越する、しのぐ、〜に勝る」
- concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、考え方、構想、考え」
- loss [lɔ́(ː)s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
- completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に」
4. You do not find it difficult to believe that when another calls on God for love, your call remains as strong.
- find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす、〜であることが分かる、〜に気付く」
- difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
- another [ənʌ́ðə(r)] : 「もう一つ、もう一人」
- call on : 「求める、要求する、所望する、頼む」
- remain [riméin] : 「残る、残存する、依然として〜のままである」
Nor do you think that when God answers him, your hope of answer is diminished.
- nor [nɔː(r)] : 「そしてまた〜ない、〜もまた〜でない」
- answer [ǽnsə(r)] : 「〜に答える、応答する、〜に応じる」
- hope [hóup] : 「希望、見込み、期待、希み」
- answer [ǽnsə(r)] : 「答え、回答、返事、応答」
- diminish [dimíni∫] : 「小さくなる、減少する、縮小する、下落する」
On the contrary, you are more inclined to regard his success as witness to the possibility of yours.
- contrary [kɑ́ntrèri] : 「正反対の、相いれない、逆の、反して、反対の」
- on the contrary : 「それどころか」
- incline [inkláin] : 「傾ける、傾斜させる」
- be inclined to : 「〜したいと思う、〜する傾向がある」
- regard [rigɑ́ː(r)d] : 「〜を〜と見なす、考慮する、考える」
- success [səksés] : 「成功、幸運」
- witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
- possibility [pɑ̀səbíləti] : 「可能性、見込み、将来性、実現性」
That is because you recognize, however dimly, that God is an idea, and so your faith in Him is strengthened by sharing.
- recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
- however [hauévə(r)] : 「けれども、しかしながら、どんなに〜でも、いかに〜であろうとも」
- dimly [dímli] : 「薄暗く、ぼんやりとして」
- idea [aidíːə] : 「考え、着想、アイデア、発想、イデア」
- strengthen [stréŋ(k)θn] : 「〜を強くする、強化する、増強する、増加させる」
What you find difficult to accept is the fact that, like your Father, you are an idea.
- difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
しかし、ACIMは繰り返し、それは間違っていると言う。この世界も、あなたの肉体も幻想であり、錯覚であり、夢なのだと断言する。これを信じることが、あなたには一番難しいのだ。あなたは物質的存在ではなく、想念なのだと信じ得ることは非常に難しいのである。そこで、こう考えてみてはどうだろうか。3次元世界に住む我々が夜見る夢は、網膜に映し出された2次元の世界である。つまり、夢は、実在する世界の次元を一つ落とした世界なのである。では、真に実在する想念の実相世界が4次元であると仮定してみよう。そうすれば、4次元の実相世界で見る夢は、次元を一つ落とした3次元の世界になるではないか。
現代物理学では、この世界が3次元でなければならない理由は何もないと言う。実際、ハーバード大学の女流物理学者のリサ・ランドール博士は、この現象世界が5次元であることを提唱している。その真偽はともかくとして、3次元世界であるから実在で、それ以上の次元世界は存在しないなどと断言出来ないことは物理学の常識になりつつあるのだ。実際、物理学の極微の世界を理論化する超弦理論では、11次元、あるいはそれ以上の次元を想定している。何を言いたいのかというと、この3次元の現象世界がどんなに確実に存在しているように見えても、それ以上の次元世界が存在してない証拠にはならない、ということである。だから、もし4次元5次元、それ以上の次元の世界が存在しているなら、その高次元の世界の存在体が、この3次元の世界を夢に見ているかもしれないという可能性を簡単に笑い飛ばすことは出来まい、とうことである。そういう柔軟な頭でもう一度考え直してみると、ACIMがこの3次元の現象世界が幻想に過ぎないと主張することも、まんざら、気の遠くなるような世迷い事などではないのである。
お気づきのように、このACIMは宗教ではない。真実を知りなさい、ただそれだけを主張しているのである。盲目的に偶像を信ぜよとか、宗教的教義を信ぜよなどと一言も言っていない。これは新しい宗教であるとも言っていない。繰り返しになるが、真実を知りなさい、それだけなのだ。その真実に目覚める方法を教えてくれる実践論なのである。では、ACIMを学ぶ我々がとるべき唯一の態度は、この世界が幻想に過ぎないことを、真偽はともかく、一旦受け入れて、実践論ACIMを実際に実践してみることではないだろうか。理性的判断で真偽を追い求めるのではなく、真偽判断はひとまずどこかに預けて、ASCIMを素直に受け入れることから始めるべきではないだろうか。そうすれば、やがて、叡智が我々に直覚を与えてくれる日が来ようというものだ。たとえそれが死んだ後だとしても、それが何だというのだろう。ACIMは、死さえも幻想だと言っているではないか。
And like Him, you can give yourself completely, wholly without loss and only with gain.
- completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に」
- wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
- loss [lɔ́(ː)s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
- gain [géin] : 「利益、得ること、獲得、利得」
Herein lies peace, for here there is no conflict.
- Herein [hì(ə)rín] : 「ここに、この中に、この点で」
- lie [lái] : 「ある、存在する」
- conflict [kɑ́nflikt] : 「衝突、対立、論争、摩擦、葛藤、争い、紛争」