●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-15.V.8:1 ~ T-15.V.9:7

8. Everyone on earth has formed special relationships, and although this is not so in Heaven, the Holy Spirit knows how to bring a touch of Heaven to them here.

  • earth [ə́ː(r)θ] : 「地球、地上、全世界」
  • form [fɔ́ː(r)m] : 「〜を形づくる、形成する、整形する」
  • special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • although [ɔː(l)ðóu] : 「〜だけれども、〜ではあるが、〜とはいえ」
  • how to do : 「〜するための方法、〜のやり方、〜の仕方」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持ってくる、〜を連れてくる」
  • touch [tʌ́t∫] : 「少量、少し、触ること、接触、手触り、触覚」
  • a touch of : 「少量の〜、わずかの〜」
❖ "Everyone on earth ~ "「地上の誰もが、特別な関係を形作っている」。"and although this ~ "「そして、そんなことは天の王国ではないのだが、」天の王国は実相世界であり、完全、完璧な平等性があり、誰が誰を特別に愛しているとか、誰を特に嫌っているとかいうことはない。そもそも、嫌うという概念が存在しないのだから。"the Holy Spirit knows ~ "「ホーリー・スピリットは、この地上において、誰にでも、天の王国(の感触)を少しだけもたらしてくれる」。地上の幻想世界に住む我々には、天の王国は想像もつかないのだが、ホーリー・スピリットは我々に、天の王国の雰囲気をちょっとだけ味あわせてくれるらしい。



In the holy instant no one is special, for your personal needs intrude on no one to make your brothers seem different.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
  • personal [pə́ː(r)s(ə)nl] : 「個人的な、個人の、人の、人的な」
  • need [níːd] : 「必要なもの、必要物」
  • intrude [intrúːd] : 「侵入する、入り込む、立ち入る」
  • make [SVOC] : 「〜の状態にする」
  • seem [síːm] : 「〜のように見える、〜するように思われる、〜と思われる」
  • different [díf(ə)r(ə)nt] : 「相違する、違っている、異なる」
❖ "In the holy instant ~ "「聖なる瞬間にあっては、誰も特別ではない」。"for your personal ~ "「なぜなら、あなたの同胞を(あなたと)違って見えるような、あなたの個人的な必要性が誰に対しても侵入することはないからだ」。難しい言い回しをしているが、簡単に言えば、聖なる瞬間にあれば、誰も同じに見え、特別誰かが必要だなどという思いは起きないのだ、ということ。聖なる瞬間は、喜びの絶頂である。ちょうど、ひいきのスポーツチームが試合に勝って、老若男女、互いに抱き合って喜びを分かち合っている光景を思い浮かべれば、言わんとしていることが想像出来るだろう。



Without the values from the past, you would see them all the same and like yourself.
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに、〜がなければ」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価、評価」
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
  • all the same : 「全く同じで、全く同様に」
  • like [láik] : 「〜に似た、〜のような、〜のように」
❖ "Without the values ~ "仮定法現在、「過去からの価値観を引きずって来ないならば、」"you would see them ~ "「あなたは同胞達を、まったく同じように、あなた自身と似ているものと見るであろう」。過去からの価値観を引きずって来ないとは、たとえば、同胞を過去の経歴から理性的に判断評価しない、ということ。今、共に喜びを分かち合っているなら、過去の価値など意味があるだろうか? 



Nor would you see any separation between yourself and them.
  • nor [nɔː(r)] : 「そしてまた〜ない、〜もまた〜でない」
  • separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "Nor would you see ~ "「また、あなたは、あなた自身と同胞の間に、いかなる分離も見ることはないだろう」。他者が一心同体に見えるのである。本来神の子は単一の存在であり、自他一如である。したがって、他者が一心同体にに見えるのは、実に自然なことであって、実相世界に目覚めつつある証拠でもあるのだ。



In the holy instant, you see in each relationship what it will be when you perceive only the present.
  • each [íːt∫] : 「それぞれの、一つ一つの、めいめいの」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • present [préznt] : 「今、現在」
❖ "In the holy instant ~ "「聖なる瞬間において、あなたは個々の関係の中に、あなたが現在という時の中だけでしか知覚し得ない、本来そうあるべき、関係性の姿を見るのである」。なんとも下手な訳で申し訳ない。聖なる瞬間の喜びの中にあって、あなたは、あなたの関係性の中に過去の価値観など持ち込まず、今現在のあなたの知覚、すなわち、すべての人達が同等で同一だという感覚をもって、あなたの関係性を見るようになるのである。このとき、それまでの、あなたの特別な関係は質転換するのだ。すなわち、実相世界の真の関係へ昇華するのである。



9. God knows you now. He remembers nothing, having always known you exactly as He knows you now.
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、記憶している、記憶にとどめる」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • known [nóun] : 「know の過去分詞形」
  • exactly [igzǽk(t)li] : 「正確に、厳密に、正しく」
❖ "God knows you ~ "「神は、今のあなただけを知る」。"He remembers ~ "「神は、(過去など、それ以外の)何ものも記憶してはいない」。"having always known ~ "分詞構文、理由、「神が今のあなたを知っている、まさにその通りのあなたを、常に知っているからだ」。神は無時間の世界に住んでいる。あなたの過去は神にとって無である。今現在のあなただけを愛しているのだ。神にとって知ることと愛することは同じことだからである。



The holy instant reflects His knowing by bringing all perception out of the past, thus removing the frame of reference you have built by which to judge your brothers.
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
  • knowing [nóuiŋ] : 「知ること、 知識、 理解、 認識」
  • bring [bríŋ] : 「〜を連れて行く、〜を持って来る」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
  • frame [fréim] : 「骨組み、支持構造体、フレーム」
  • reference [réf(ə)r(ə)ns] : 「参照、参考、照会、問い合わせ」
  • frame of reference : 「関係枠、基準系、準拠枠、理論構成の枠組み、視点」
  • built [bílt] : 「build の過去形」
  • build [bíld] : 「建てる、建造する、構築する、架設する」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁く」
❖ "The holy instant reflects ~ "「聖なる瞬間は、〜することで、神の知識を反映している」。"by bringing all perception ~ "「過去からすべての知覚を持ち出し、そうすることで、あなたが同胞を判断するためにあなたが作った判断基準を除去する」ことで、神の知識を反映している。聖なる瞬間に、あなたはそれまで慣れ親しんだ幻想世界から目覚めるのである。その時、同胞を判断していた判断基準、それはエゴの思考システムに則った判断基準であるが、それが崩壊するのだ。同時に、あれほど頼りにしていた過去の経験、過去に知覚したすべてが、あなたの眼前から消滅する。なぜなら、実相世界には過去などという時間は存在しないからだ。こうして、すべてのしがらみから開放されたあなたに示されるのは、神の知識、神の叡智である。聖なる瞬間とは、そういう一瞬なのである。



Once this is gone, the Holy Spirit substitutes His frame of reference for it.
  • once [once] : 「いったん〜すると、ひとたび〜すれば」
  • gone [gɔ́(ː)n] : 「go の過去分詞形」
  • substitute [sʌ́bstət(j)ùːt] : 「〜を代わりにする、代用する、置き換える、代入する」
❖ "Once this is ~ "「ひとたび、(エゴの)判断基準が去ってしまえば、」"the Holy Spirit substitutes ~ "「その代わりに、ホーリー・スピリットは、ホーリー・スピリットの判断基準を置き換えるのである」。つまり、あなたはエゴの思考システムを捨て、ホーリー・スピリットの思考システムを採用したことになる。神の元への回帰の準備が整うわけである。



His frame of reference is simply God. The Holy Spirit's timelessness lies only here.
  • simply [símpli] : 「簡単に、絶対に、全く、とても、単に」
  • timelessness [táimlisnis] : 「無時間、時間がないこと」
  • lie [lái] : 「ある、存在する、横たわる、寝る」
❖ "His frame of reference ~ "「ホーリー・スピリットの判断基準は、間違いなく、神の基準である」。"The Holy Spirit's ~ "「ホーリー・スピリットの無時間性は、そこにのみ存在する」。ホーリー・スピリットの判断基準、あるいは思考システムは、神の判断基準、神の思考システムであるから、それは実相世界の判断基準であり思考システムである。つまり、無時間性に基づいたシステムなのだ。ホーリー・スピリットが時間を超越していることは、実に自然で当たり前のことなのである。一方、エゴの思考システム、判断基準は過去に基づいたものであるから、完全に時間依存であり、したがって、時間を超越することは不可能だ。



For in the holy instant, free of the past, you see that love is in you, and you have no need to look without and snatch love guiltily from where you thought it was.
  • without [wiðáut] : 「外に、外側に」
  • snatch [snǽt∫] : 「素早くつかむ、急いで取る、ひったくる、強奪する」
  • guiltily [gíltili] : 「罪を犯して、やましい様子で」
  • thought [θɔ́ːt] : 「think の過去・過去分詞形」
❖ "For in the holy instant ~ "「なぜなら、聖なる瞬間においては、」"free of ~ "ここは"being free of ~ "として、「過去から自由であるので、」"you see that love ~ "「あなたは、愛があなた自身の中にあることがわかる」。"and you have no need ~ "「そして、あなたは、〜する必要がまったくなくなるのである」。"to look without and ~ "「あなたの外に目をやって、愛が存在していると思ったところから罪を犯してまで愛を奪う」必要がまったくなくなるのである。過去から自由になるとは、神との分離が解けることを意味する。もはや、あなたは神から分離した孤独な存在ではなく、あなたの心の中にホーリー・スピリットの、そして神の愛を感じる。愛で満たされたあなたが、どうしてわざわざ、幻想世界のあなたの外部に虚偽の愛を求める必要があろうだろうか。ましてや、エゴの思考システムに従って、愛は奪い取るものだ、などと信じる必要も全くない。
 
 
 

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