●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-2.V.6:1 ~ T-2.V.7:8

6. It should be emphasized again that the body does not learn any more than it creates.
  • emphasize [émfəsàiz] : 「〜を強調する、重視する、力説する」
  • again [əɡéin] : 「再び、かさねて、この場合もやはり」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜であると分かる、〜を覚える、知る」
  • not A any more than B : 「AでないのはBでないのと同じ、Bでないのと同様にAでない」
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
❖ "It should be ~ "「that以下は再び強調されてしかるべきだ」。"that the body does not ~ "「肉体が学ばないのは、肉体が創造しないのと同じである」ということは再び強調されてしかるべきだ。簡単に言えば、肉体は学びもしなければ創造もしない、ということ。肉体は学びのための補助装置であって、学ぶ本体ではない。
しかし、ここで当然、肉体はりっぱに創造するではないか、という反論が出るに違いない。たとえば、バレエは肉体の芸術であって、芸術は創造そのものであると。しかし、これが、ACIMの言う"level confusion"「レベルの混乱」を生み出す要因である。心のレベルから見れば肉体は幻想であるから、肉体を使うバレエは夢の中のパフォーマンスであり、その意味では幻想である。肉体レベルのバレエは真の創造ではない。しかし、バレエによって表現されたものが、肉体という範疇を越えたとき、つまり、心のレベルに昇華されたとき、バレエは真の芸術として実相的な創造となるのだ。
バレエに限らず、あらゆる芸術は肉体のレベルを超越して心のレベルに到達しない限り単なる幻想であり、いわゆる疑似芸術に過ぎない。その意味で、真の芸術は神へ至る崇高な道程だと言えるかもしれない。



As a learning device it merely follows the learner, but if it is falsely endowed with self-initiative, it becomes a serious obstruction to the very learning it should facilitate.
  • learning device [diváis] : 「学びの装置、学びのための道具」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • follow [fάlou] : 「〜の後について行く、〜に従う、追随する」
  • learner [lə́ːrnər] : 「学習者、初学者」
  • falsely [fɔ́ːlsli] : 「偽って、不誠実に、不当に」
  • endow [endáu] : 「授ける、与える」
  • self-initiative[iníʃiətiv] : 「自主性、自己先導」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • serious [síəriəs] : 「重大な、重篤な、真面目な、厳粛な」
  • obstruction [əbstrʌ́kən] : 「障害(物)、妨害(物)、邪魔」
  • facilitate [fəsílətèit] : 「容易にする、手助けする、促進する」
❖ "As a learning ~ "「学びのための補助装置として、肉体は学ぶ者に従う」。"but if it is ~ "「しかし、肉体が誤って自主性を与えられたら、それは、まさに肉体が手助けすべき学びにとっての深刻な障害となる」。幻想の肉体が実在だと信じて、心がそれに付き従うというレベル・コンフュージョンを諌(いさ)めているわけだ。主客転倒はいけない。
健全な肉体に健全な精神が宿るという肉体至上主義的な発想は危険過ぎる。これが正しいなら、病や障害をもった肉体的な弱者はすべて精神的な弱者になってしまうではないか。
あくまでも、実在の心が主導しなくてはいけない。幻想の肉体は心の学びの補助装置であって、命の主体ではない。肉体が心の制御を無視して暴走してはいけないのだ。深刻な障害(serious obstruction)が発生する。



Only the mind is capable of illumination. Spirit is already illuminated and the body in itself is too dense.
  • be capable [kéipəbl] of : 「〜ができる」
  • illumination [ilùːmənéiʃən] : 「照明、明るくすること」
  • spirit [spírit] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神、気分、気迫」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • illuminate [ilúːmənèit] : 「明るくする、〜に光を当てる、〜を明らかにする」
  • in itself : 「それ自体では、本質的に」
  • dense [déns] : 「濃密な、密度の高い、濃い」
❖ "Only the mind ~ "「心のみが光り輝くことが出来る」。肉体ではなく心が真の創造を行うことが出来、命として光り輝くことが出来る。"Spirit is already ~ "「スピリットはすでに光り輝いているが、肉体自体は密度が濃過ぎて輝くことは出来ない」。エゴの支配から解放され、肉体を脱した心がスピリットである。このスピリットが実相的な命の光を放つ。
実相世界は純粋な想念の世界であり、時間も空間も存在しない。したがって、時空間に依存した電磁波としての、この世界の光は存在出来ない。つまり、実相世界には振動するエネルギー体は存在しないのだ。しかし、実相を説明するには、比喩的に振動数という概念を用いれば理解が深まる。たとえば、気体としての水蒸気は水分子が激しく振動しており、その振動数が減衰してくると、液体の水になる。さらに水分子が振動数を減らすと、氷という個体に層転換する。密度が濃くなるのだ(dense)。これと同じように、比喩として、想念の振動数を考えればいい。非常に振動数の高い想念が真の心であるスピリットであり(いわゆる水分子の気体状態)、この高振動が光を発する。スピリットが振動数を減衰させると一般的な心となり(いわゆる液体状態)、その心がさらに振動数を減らすと密度が高くなって肉体になる(いわゆる固体状態)。もはや光を発する振動数をもつことは出来ない。
ACIMは、心が肉体という幻想から目覚める過程で、『光のエピソード』に遭遇すると言う。物理科学では説明出来ない光を見たり光を発したりすると言う。俗に言うオーラという光現象と関連があるのかどうかはわからない。しかし、関連性は不明ではあるが、もしオーラが存在するとしたなら、オーラは肉体から発するととらえるべきではなく、スピリットがオーラという光を発しているととらえるべきだろう。



The mind, however, can bring its illumination to the body by recognizing that it is not the learner, and is therefore un-amenable to learning.
  • however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • un-amenable [əmíːnəbl]: 「素直に従わない、手に負えない、扱いにくい」
❖ "The mind, however ~ "「しかし、心は、that以下を認識することで肉体に光をもたらすことが出来る」。"that it is not ~ "「肉体は学ぶ者ではなく、したがって学びにとっては扱いにくいものだ」と認識することで、肉体に光をもたらすことが出来る。肉体は学びのための補助装置なのだが、それを認識しないと、肉体は単に学びの邪魔になってしまう。その点をしっかり認識すれば、肉体を学びの補助装置として有意義に利用することが出来、したがって、肉体の存在価値に光を当てることが出来るわけだ。
肉体が学びのための補助装置であることを説明しよう。肉体に代表されるようなこの世界の存在の後ろには、神の意思が隠されている。その存在が幻想であることを見抜いて、実相に目覚めて欲しいという神の願いがある。神のそういう意思を感じ取って、肉体が幻想であることを認識し、幻想として赦してしまうのである。こうして肉体は消滅し、実相が目の前に立ち現れる。学びとは、実相に回帰する学びのことであり、肉体の幻想性を消滅させることでそれを達成するのだ。したがって、肉体は学びのための補助的な装置というわけである。そこで、幻想に過ぎない肉体は自ら実相の光を放って光り輝くことは出来ないが、心の光で、すなわち神の意思という光でその肉体を満たすことは出来るのである。



The body is, however, easily brought into alignment with a mind that has learned to look beyond it toward the light.
  • easily [íːzili] : 「気楽に、安易に、簡単に、楽に」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • alignment [əláinmənt] : 「位置合わせ、整列、配置、配列」
  • into alignment with : 「〜と1列に並んで」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • toward [təwɔ́ːd] : 「〜の方へ、〜に向かって」
  • light [láit] : 「光、光源、ライト、明かり」
❖ 肉体は学びのための補助装置に過ぎないとは言え、"The body is, however ~ "「しかし、肉体は容易に、肉体を越えて光を見ることを学んだ心と並列させることが出来る」。肉体を心と並列させるとは、肉体を心とシンクロさせること、同調させること。実相的な光を受けた肉体は心と同調する。スピリットは肉体を単なる肉の塊(かたまり)とは見ない。肉体を透過して、光を受けて輝く肉体の、その光を見るのだ。



7. Corrective learning always begins with the awakening of spirit, and the turning away from the belief in physical sight.
  • corrective [kəréktiv] : 「訂正の、修正の」
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
  • begin with : 「〜から始める」
  • awaken [əwéikn] : 「目を覚まさせる、目覚める、呼び起こす」
  • spirit [spírit] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神、気分、気迫」
  • turn away from : 「〜から目を背ける、〜から目を離す」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • physical [fízikl] : 「物質の、物質的な、身体の、肉体の」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、見解、視覚、視力」
❖ "Corrective learning ~ "「修正にかかわる学びは、常に、スピリットに目覚め、肉体的な視覚で見ることを止めることから始まる」。ACIMのWorkbookを見るとわかるのだが、レッスンは知覚の修正から始まる。肉体的な視覚は、圧倒的にリアルなこの世界を実在だと知覚するのだが、それは誤りであり、知覚を修正し、真実を正しく見抜くヴィジョンを獲得することを目指す。



This often entails fear, because you are afraid of what your spiritual sight will show you.
  • often [ɔ́fən] : 「しばしば、たびたび、ちょくちょく」
  • entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
  • be afraid of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • spiritual [spíritʃuəl] : 「精神の、霊的な、崇高な、精神的な」
  • show [ʃóu] : 「示す、表す、表示する」
❖ "This often entails ~ "「これはしばしば恐れを伴う」。"because you are ~ "「なぜなら、あなたは、あなたのスピリチュアルな視覚があなたに見せるものを恐れるからだ」。前文に引き続き、エゴの思考システムからホーリー・スピリットの思考システムに移行する際の人々の戸惑い、恐れについて述べている。下手に真実を知ってしまうより、幻想の中で無知のまま生活していった方が安全だと思うのだ。たとえば、それまでの物質至上主義から精神主義的な生活に移行すれば、金銭や食物に対する欲望(物欲)が確実に減少し、生活はどんどん質素に、簡素になっていく。こんな少ないお金で本当に生活出来るだろうかとか、高価なおしゃれをしなくなった自分を周りの者はどう思うだろうかと、いろいろ心配してしまうのである。
"spiritual sight"「スピリチュアルな視覚」とは、形あるものを見る力ではない。形あるものの根底にある心性、霊性、すなわち真実を見抜く視力である。したがって、形あるものは単なる象徴であり、偶像で、幻想であると認識する力なのだ。



I said before that the Holy Spirit cannot see error, and is capable only of looking beyond it to the defense of Atonement.
  • error [érər] : 「誤り、間違い」
  • be capable [kéipəbl] of : 「〜ができる」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • defense [diféns] : 「防衛、防御」
❖ "I said before ~ "「私は、前にもthat以下を言った」。"that the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは、誤りを(実在として)見ることはせず、贖罪を守るために、その誤りを越えて見ることが出来るだけだ」。エゴは誤りを探し出し、誤りを我々に見せつけて罪の意識を増大させ、罰への恐れを抱かせる。しかし、ホーリー・スピリットは我々の誤りのあら探しはしない。我々が幻想を赦して幻想を消滅させるという贖罪を果たせるように、誤りの幻想性を利用するのだ。



There is no doubt that this may produce discomfort, yet the discomfort is not the final outcome of the perception.
  • doubt [dáut] : 「疑い、疑念、疑惑 」
  • produce [prədjúːs] : 「〜を作り出す、生産する、産む」
  • discomfort [diskʌ́mfərt] : 「不快感、不快症状、戸惑い、不安感」
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
❖ "There is no ~ "「that以下は疑いない」。"that this may produce ~ "「このことは不快を生み出すかも知れない」ということは疑いない。"yet the discomfort is ~ "「しかし、不快さは知覚の最終結果ではない」。罪を罰せられた方が、罪が帳消しにされて不快さは残らないと人は思うのである。罪を幻想と認めて赦し、罪が消滅するのを待つ方が不安なのだ。贖罪に不快感を抱く。しかし、それは初めだけであって、知覚が修正されヴィジョンに生まれ変わった最終結果は不快ではなく、恐れも消え、クリアーな視野が広がって爽快そのものである。



When the Holy Spirit is permitted to look upon the defilement of the altar, he also looks immediately toward the Atonement.
  • permit [pərmít] : 「許可する、許す、認める、容認する」
  • look upon : 「〜を見る」
  • defilement [difáilmənt] : 「汚すこと」
  • altar [ɔ́ːltər] : 「祭壇、聖餐台」
  • immediately [imíːdiətli] : 「すぐに、直ちに、早急に、即座に」
❖ "When the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットが汚された祭壇を見ることを許可されたとき、ホーリー・スピリットはすぐに贖罪の方を振り返る」。心の最も純粋で神聖な部分に神の祭壇が祭られている。しかし、神の子はその存在さえ忘れ去って、神の祭壇は荒れ放題に荒れている。しかし、あなたがエゴを捨て、ホーリー・スピリットに身を委ねる決心をしたとき、すなわち、神への回帰をホーリー・スピリットに願ったとき、ホーリー・スピリットはあなたから神の祭壇の修復を許可されるのだ。その修復とは、あなたの罪の意識を消滅させることであり、すなわち贖罪である。ホーリー・スピリットはすぐに贖罪の準備にとりかかるのだ。



Nothing he perceives can induce fear. Everything that results from spiritual awareness is merely channelized toward correction.
  • induce [indjúːs] : 「〜を生じさせる、引き起こす、誘導する、誘発する」
  • result [rizʌ́lt] : 「生じる、起こる」
  • spiritual [spíritʃuəl] : 「精神の、霊的な、崇高な、精神的な」
  • awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性 」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • channelize [tʃǽnəlàiz] = channel [tʃǽnl] : 「道を開く、〜を導く 」
  • toward [təwɔ́ːd] : 「〜の方へ、〜に向かって」
  • correction [kərékʃən] : 「訂正、矯正、修正、是正」
❖ "Nothing he perceives ~ "「ホーリー・スピリットが知覚するものが恐れを生み出す可能性はない」。恐れという悪夢から我々を目覚めさせてくれるのがホーリー・スピリットの役割であり、恐れを抱かせるようなことは決してしない。恐れを利用して我々を支配しようとするのがエゴである。"Everything that results ~ "「スピリチュアルな意思性から生じるものはすべては、ただ単に修正へと導かれる」。ホーリー・スピリットが知覚するものが、スピリチュアルな意識性から生じるものである。つまり、スピリットがヴィジョンをもって自覚的に知覚するものは、もしそれが誤りであったら、決して放棄されることはなく、必ず、修正されることになる。だから、恐れることはないのだ。誤りは取り消しにされるのだから。



Discomfort is aroused only to bring the need for correction into awareness.
  • discomfort [diskʌ́mfərt] : 「不快感、不快症状、戸惑い、不安感」
  • arouse [əráuz] : 「誘発する、喚起する」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • need [níːd] : 「必要、必要性」
❖ "Discomfort is aroused ~ "「不快さは、修正の必要性を意思の中に持ち込むために、生じるだけである」。罪や誤りは正さなくてはいけないと意識的に思うことで、恐れや不安や不快さが生じている。ACIMの言う修正は、罪や誤りを正すのではなく、赦して消滅させることである。それが贖罪であって、不快を感じる種類のものではない。恐れや不安を消滅させるものだからだ。
 
 
 

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