●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-5.VI.9:1 ~ T-5.VI.10:8

9. "The wicked shall perish" becomes a statement of Atonement, if the word "perish" is understood as "be undone." 
  • wicked [wíkid] : 「悪い、意地の悪い、邪悪な」
  • perish [périʃ] : 「滅びる、自滅する、消える、消滅する」
  • statement [stéitmənt] : 「述べたこと、発言、供述、記述」
  • atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
❖ "The wicked shall ~ "「『邪悪な者は滅ぶであろう』という言葉は贖罪の記述になる」。"if the word ~ "「もし、『滅びる』という言葉を『取り消される』として理解されるなら」。前者がエゴの解釈。後者がホーリー・スピリットの解釈。邪悪な思いを生み出す罪の意識は、贖罪によって取り消すことが出来る。なお、"The wicked shall perish"は詩編37:20に登場する。参考までに載せておく。

[Psalm 37:19~37:21 from King James Bible]
They shall not be ashamed in the evil time: and in the days of famine they shall be satisfied.
But the wicked shall perish, and the enemies of the LORD shall be as the fat of lambs: they shall consume; into smoke shall they consume away.
The wicked borroweth, and payeth not again: but the righteous sheweth mercy, and giveth.
災いがふりかかっても、うろたえることなく、飢饉が起こっても飽き足りていられる。
しかし、主に逆らい敵対する者は必ず滅びる。献げ物の小羊が焼き尽くされて煙となるように。
主に逆らう者は、借りたものも返さない。主に従う人は憐れんで施す。(新共同訳)



Every loveless thought must be undone, a word the ego cannot even understand. To the ego, to be undone means to be destroyed. 
  • loveless [lʌ́vlis] : 「愛のない、愛されない」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考え、思考」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する」
  • destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、〜を滅ぼす」
❖ "Every loveless ~ "「愛なき思考のすべては取り消されなければならない」。"a word the ego ~ "「(取り消すという)言葉はエゴには理解も及ばない」。"To the ego ~ "「エゴにとって、取り消されるとは破壊されることを意味するだ」。



The ego will not be destroyed because it is part of your thought, but because it is uncreative and therefore unsharing, it will be reinterpreted to release you from fear. 
  • uncreative [ʌ̀nkriéitiv] : 「創造的でない」
  • reinterpret [riintə́ːrprit] : 「〜を再解釈する」
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ」
❖ "The ego will ~ "「エゴはあなたの思考の一部なので、破壊されることはない」。"but because it ~ "「しかし、エゴは非創造的であり、それゆえ分かち合うことがないので、」"it will be ~ "「エゴは、あなたを恐れから開放するために再解釈されるだろう」。エゴは、あなたの心が生みだした幻想であるから、破壊はされない。もし破壊され得るなら、あなたの思考自体も破壊されてしまうからだ。しかし、エゴが幻想である以上、それは取り消されて消滅され得る。エゴは消滅するが、あなたの思考自体は消滅されず、かえって正気さを取り戻す。かくして、あなたは恐れから解放される。



The part of your mind that you have given to the ego will merely return to the Kingdom, where your whole mind belongs. 
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
  • belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
❖ "The part of ~ "「あなたの心の一部は」"that you have ~ " 関係代名詞thatを使ってmindを説明し、「あなたがエゴに与えてしまった」心の一部は、"will merely return ~ "「王国に回帰するのみである」。"where your whole ~ "「そここそは、あなたの完全な心が属するところである」。あなたの心の大半はエゴに支配されていた。あなたがそれを許したからだ。しかし、贖罪によってエゴが消滅してしてしまえば、あなたの心は幻想から解放されて、あなたの完全な心は、神によって創造された故郷、天の王国へ回帰することが出来る。



You can delay the completion of the Kingdom, but you cannot introduce the concept of fear into it.
  • delay [diléi] : 「〜を遅らせる、延期する」
  • completion [kəmplíːʃən] : 「完成、完了、終了」
  • introduce [intrədjúːs] : 「導入する、取り入れる」
  • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、考え方」
❖ "You can delay ~ "「あなたは王国の完成を遅らせることは出来るが、」"but you cannot~ "「王国の中に恐れという概念を持ち込むことは出来ない」。天の王国には、真実だけが存在する。幻想の恐れという概念は存在し得ない。なお、王国の完成とは、神の子が神の下(もと)に回帰し、神と神の子とホーリー・スピリットの三位が一体となること。純粋一元論世界の完成である。つまり、"God is"のみの世界となる。



10. You need not fear the higher court will condemn you. It will merely dismiss the case against you. 
  • condemn [kəndém] : 「〜に有罪の判決を下す」
  • dismiss [dismís] : 「却下する、棄却する」
  • case [kéis] : 「訴訟、件、事件」
❖ "You need not ~ "「あなたは、上級裁判所があなたに有罪を宣告するであろうことを恐れる必要はない」。ホーリー・スピリットが、あなたに罪があるなどと宣告することは決してない。"It will merely ~ "「上級裁判所はただ単に、あなたに対する訴訟を却下するだけだ」。ホーリー・スピリットは、あなたは単に悪い夢を見ているだけだとして、訴えそのものを却下する。つまり、取り消しにしてくれる。



There can be no case against a child of God, and every witness to guilt in God's creations is bearing false witness to God himself. 
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • bear [béər] : 「〜を身につける、持つ、有する、抱く」
❖ "There can be ~ "「神の子に対する訴訟など一つもない」。本来の神の子は完璧な無辜(むこ)であり、訴えられることなどない。神の子を訴えることは、神を訴えることに等しいからだ。"and every witness ~ "「神が創造したものに罪ありとする証言者は、ことごとく、神自身に対する偽りの証言をしているのである」。



Appeal everything you believe gladly to God's own higher court, because it speaks for him and therefore speaks truly. 
  • appeal [əpíːl] : 「上訴する、抗告する」
  • gladly : 「喜んで」
  • speak for : 「〜の代弁をする、〜を代表する」
  • truly [trúːli] : 「正確に、忠実に、偽りなく」
❖ "Appeal everything ~ "「あなたの信じることのすべてを、喜んで、神自身の上級裁判所に上訴しなさい」。"because it speaks ~ "「なぜなら、上級裁判所は神の代弁者であり、偽りなく語るからである」。ここでは、ホーリー・スピリットを上級裁判所に例えている。エゴは、あなたに罪があると宣告したが、あなたは、ホーリー・スピリットに上告すればいい。



It will dismiss the case against you, however carefully you have built it up. The case may be fool-proof, but it is not God-proof. 
  • dismiss [dismís] : 「退ける、却下する、棄却する」
  • however : 「どんなに〜でも、いかに〜であろうとも」
  • carefully [kéərfəli] : 「注意深く、丁寧に、入念に」
  • build up : 「築き上げる、作り上げる、組み立てる」
  • fool-proof : 「間違えようのない」
  • proof [prúːf] : 「証拠、証明、証し」
❖ "It will dismiss ~ "「神の上級裁判所は、あなたに対する訴訟を却下するであろう」。エゴはあなたに罪があるとして訴訟を起こしたが、ホーリー・スピリットはそれを却下する。"however carefully you ~ "「あなたがどんなに入念に訴訟を組み立てたとしても」。ここのあなたは、エゴに支配されたあなたのことで、エゴに置き換えてみるといい。"The case may ~ "「訴訟は簡単確実に見えるかも知れないが、神の目はごまかせない」。あなたが罪を犯したことは既成事実であって取り消しようがないから、あなたは罰せられて当然だと、エゴはいとも単純明快な訴えをする。しかし、神の目はごまかせない。あなたは、夜見る夢の中で罪を犯したかもしれない。しかし、夢から目覚めたあたなたは、夢に見た罪によって罰せられる必要があるだろうか?



The Holy Spirit will not hear it, because he can only witness truly. His verdict will always be "thine is the Kingdom," because he was given to you to remind you of what you are.
  • witness [wítnəs] : 「証言する、証明する」
  • verdict [və́ːrdikt] : 「評決、判決、決定、裁定」
  • thine [ðáin] : 「汝のもの」
❖ "The Holy Spirit will ~ "「ホーリー・スピリットはそれを聞き入れはしないだろう」。神の裁判官たるホーリー・スピリットはあなたに対する訴訟を却下する。"because he can ~ "「なぜならば、ホーリー・スピリットは偽りなく証言することしかできないからである」。ホーリー・スピリットは、あなたの罪は幻想なのだと正しい証言をする。"His verdict will ~ "「ホーリー・スピリットの判決はいつも『王国は汝のもの』である」。"because he was ~ "「なぜならば、ホーリー・スピリットは、あなたが何者なのか思い出させるために、あなたに与えられたからである」。ホーリー・スピリットは、あなたは神に創造された神の子であって、完全な無辜であると知っている。王国は汝のものとは、あなたの故郷は神の住まう天の王国であって、その他ではない、ということ。なお、"Thine is the Kingdom"という言葉は歴代誌上29:11とマタイによる福音書6:13に登場する。(ただし、マタイの新共同訳では、肝心な部分の訳はなされていない。英文の方を読んでいただきたい。)

[1 Chronicles 29:11 from King James Bible]
Thine, O LORD is the greatness, and the power, and the glory, and the victory, and the majesty: for all that is in the heaven and in the earth is thine; thine is the kingdom, O LORD, and thou art exalted as head above all. 
偉大さ、力、光輝、威光、栄光は、主よ、あなたのもの。まことに天と地にあるすべてのものはあなたのもの。主よ、国もあなたのもの。あなたはすべてのものの上に頭として高く立っておられる。(新共同訳)

[Matthew 6:13~6:15 from King James Bible]
And lead us not into temptation, but deliver us from evil: For thine is the kingdom, and the power, and the glory, for ever. Amen. For if ye forgive men their trespasses, your heavenly Father will also forgive you: But if ye forgive not men their trespasses, neither will your Father forgive your trespasses.
わたしたちを誘惑に遭わせず、悪い者から救ってください。もし人の過ちを赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたの過ちをお赦しになる。しかし、もし人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しにならない。(新共同訳)
 
 
 



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