●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-22.II.10:1 ~ T-22.II.11:9

10. Behold the great projection, but look on it with the decision that it must be healed, and not with fear.

  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な」
  • projection [prədʒékʃən] : 「投射、投影、射影、映写」
  • look on : 「〜を見る」
  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
  • heal [híːl] : 「癒やす、救う、治す、治癒する、治療する」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "Behold the great ~ "「巨大な投射を見てみなさい」。"the great projection"「巨大な投射」とは、神の子がその心を外部に投射して作ったこの幻想世界のこと。"but look on it with ~ "「ただし、この投射は必ず癒されねばならないのだという決断をもって、そして、恐れを抱くことなく、その巨大な投射に目を向けてみなさい」。投射という幻想に埋没することなく、それは実相へと目覚めねばならないものだと確信をもって、恐れることなく観察しないさい。幻想世界から実相世界への目覚めのために、まず第一歩として、臆することなく、幻想世界を観察せよ、ということ。



Nothing you made has any power over you unless you still would be apart from your Creator, and with a will opposed to his.
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて、ただし〜の場合を除く」
  • still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
  • will [wíl] : 「意志、精神力、願望、意欲」
  • oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する、対抗する、敵対する」
  • opposed : 「反対した、対抗した、対立した、向かい合った」
❖ "Nothing you made ~ "「〜でない限り、あなたが作ったものは、あなたに対してどんなパワーも持たないのだ」。あなたが幻想として仮想したものは何でも、それは単なる錯覚であるから、実相的存在であるあなたに実質的な影響力をもつことはない。"unless you still would ~ "「あなたが、創造主である神から離れていたいと思わず、神の意思と反する意思を持とうとしない限りにおいて、」あなたが作ったものは、あなたに対してどんなパワーも持たないのだ。つまり、あなたが幻想に飲み込まれずに、ちゃんと神と共に、実相的存在として、あなた自身でいる限りは、あなたが幻想として作ったものは、あなたに対してどんなパワーも持たないのだ。



For only if you would believe his Son could be his enemy does it seem possible that what you made is yours.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
❖ "For only if you would ~ "「なぜなら、もし万が一、あなたが、神の子は神の敵になり得ると信じているならば、」"does it seem possible ~ "ここは"it ~ that ~ "の構文、「あなたが作ったものは、あなたのものである可能性があるように見えるだろうからだ」。あなたが実相にとどまっている限りは、幻想はあなたに実質的な影響を及ぼすパワーは持ち得ない。しかし、あなたが、神の敵になり得ると信じると、つまり、真実から乖離してエゴという幻想の存在になり得ると信じるなら、あなたは実相から転落して幻想の存在となり、幻想の実質的な影響を受けることになるのだ。"does it seem possible that what you made is yours"「あなたが作ったものは、あなたのものである可能性があるように見える」とは、あなたの作った幻想が、あなたの存在そのものに思える、ということで、エゴがあなた自身であるかのように思える、という意味合いである。エゴに対してあなたが自己同一性を感じた瞬間、エゴはあなたに多大な影響力をもつようになるのだ。



You would condemn his joy to misery, and make him different. And all the misery you made has been your own.
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める、罵倒する、糾弾する」
  • condemn A to B : 「AにBを宣告する、AにBを強いる」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
  • misery [mízəri] : 「悲惨、不幸、苦痛、惨めさ、悲嘆」
  • make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
❖ "You would condemn ~ "「あなたは、神の喜びに惨めさを宣告したいと思うだろうし、」神の喜びを否定して、神が自分に悲嘆を与えていると非難する、という意味合い。"and make him ~ "「神を異なったものに変えてしまいたいと思うだろう」。本当の神の姿をねじ曲げて、異形の神をでっち上げてしまう、ということ。旧約聖書に描かれている、怒れる神、嫉妬する神、復讐する神、殺戮する神、は、まさにそういう異形の神である。つまり、本当の神ではない。"And all the misery ~ "「そして、あなたが作った惨めさのすべては、あなた自身のものであり続けたのだ」。神の子が神から分離してからずっと、神の子が感じてきた惨めさは、神が神の子に与えたものではなく、神の子が勝手に錯覚して自分のものだと信じてきたものなのだ。



Are you not glad to learn it is not true? Is it not welcome news to hear not one of the illusions that you made replaced the truth?
  • glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
  • be glad to : 「~してうれしい」
  • learn [lə́ːrn] : 「~を学ぶ、~を知る、分かる」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • welcome [wélkəm] : 「有り難い、うれしい、歓迎される、願ってもない、耳よりな」
  • welcome news : 「耳寄りな話、歓迎すべき知らせ」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • replace [ripléis] : 「~を取り換える、交換する、差し替える、置き換える」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "Are you not glad ~ "「それは本当に起きたことではないと知って、あなたは嬉しくないだろうか」。今まで述べてきたことは、神の子の幻想、単なる夢の出来事だったのだと知って、あなたは安心と喜びを感じないだろうか。"Is it not welcome news ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「あなたが作った幻想のどの一つも、真実と置き換わることはなかったと耳にすることは、朗報ではないだろうか」。幻想が実相に置き換わる可能性はないのだ。存在のレベルがあまりにも違うからだ。むしろ、幻想は非存在、実相は実在だから、非存在が実在に置き換わるわけはない、と言った方が正しい。



11. Only your thoughts have been impossible. Salvation cannot be. It is impossible to look upon your savior as your enemy and recognize him.
  • thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、熟考、考え」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • look upon : 「〜を見る」
  • savior [séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「~を認識する、~を認証する、認める、受け入れる」
❖ "Only your thoughts ~ "「ただあなたの思考だけが不可能であったのだ」。唐突な表現ではあるが、あなたが頭脳の中で思い、幻想として抱いたことは、実相と置き換わった例はない、現実のものとなった例はない、という意味合いであろう。"Salvation cannot ~ "「救いは、不可能であったわけではない」。あなたが救いを求める思い、頭脳ではなく心に抱くその思考は、実相的であるがゆえに実現可能であり、実際、実現されてきた、ということであろう。"It is impossible ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「あなたの救い主を敵と見なし、同時に、彼(の本当の姿)を認識することなど、不可能なのだ」。あなたの救い主であるあなたの同胞を、あるいはホーリー・スピリットを、あなたの敵だと見なして、つまり、実相的な真実の姿を見損なって、しかも、彼を本当に認識したなどと言うことは出来ない。実相の姿を歪めて、幻想的に解釈しておきながら、それが本当の認識だなどと思ってはいけない。



Yet it is possible to recognize him for what he is, if God would have it so.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
  • have : 「~を~の状態にする」
❖ "Yet it is possible to ~ "「しかし、救い主をあるがままに認識することは可能なのだ」。"if God would ~ "「もし、神が、それをそうさせたいと思うならば」。神が、救い主の本当の姿を認識可能とさせたいならば、それは可能となる。まるで、神の自由意思で、神が可能と不可能を与えているような意味に取られるかもしれないが、そういうことではない。救い主をあるがままに認識することは可能だということは、神の意思である、という意味合いである。つまり、救い主の真の姿は認識可能であることは、神の法に準じている、ということ。ところで、"what he is"は、「彼のあるがままの姿」というニュアンス。ここでは、彼の実相的存在という意味合い。救い主を敵だと見なすことは幻想であり、それは正しい認識ではないが、救い主を実相的存在として、あるがままに正しく認識することは、もちろん、可能なのだ。なぜなら、実相であり、真実であることに、神は不可能性を与えていないからだ。真実を認識することは、神の意思である。



What God has given to your holy relationship is there. For what he gave the Holy Spirit to give to you he gave.
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
❖ "What God has given ~ "「神があなたの聖なる関係性に与えたものが、そこにある」。あなたが幻想世界で築く、偽りの特別な関係性を、ホーリー・スピリットの目的を達成することで、神聖な関係性に質転換したとき、あなたは同胞の実相的存在が認識出来るようになり、同胞もあなたの真の姿が認識出来るのである。こういう真実の認識は、神が意図したことであり、神の贈り物だと思っていい。"For what he gave ~ "「なぜなら、神がホーリー・スピリットに対して、あなたに与えるようにとホーリー・スピリットに与えたものを、ホーリー・スピリットは与えたのだから」。神は、神の贈り物をホーリー・スピリットに委ね、ホーリー・スピリットが、それを目的として、あなたに与えたのだ。理屈ではそうなるが、ここは、ヘレンにACIMを語って聞かせるイエスが、"give"と"gave"の言葉を使って、リズミカルな言葉遊びを楽しんでいるのであろう。声に出して読んで見よう。ACIMを原書で読む楽しさの一つだ。



Would you not look upon the savior that has been given you?
  • look upon : 「〜を見る」
  • savior [séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
❖ "Would you not ~ "「あなたは、あなたに与えられた救い主を見たいとは思わないだろうか」。神聖なる関係性の中で、あなたは同胞の真の姿、その実相的存在を、正しく認識出来るようになった。それは神からの贈り物であり、ホーリー・スピリットから手渡されたものである。その正しい認識によって、つまり、ヴィジョンによって、あなたの目に同胞はどう写るであろうか? 同胞が、あなたの救い主であると、あなたの目には見えないだろうか? そう見るつもりはないのか、ということ。



And would you not exchange, in gratitude, the function of an executioner you gave him for the one he has in truth?
  • exchange [ikstʃéindʒ] : 「~を交換する、~を両替する」
  • exchange A for B : 「AをBに変える、AをBと交換する」
  • in gratitude [ɡrǽtətjùːd] : 「感謝して、感謝の念から、恩返しに」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • executioner [èksikjúːʃənər] : 「死刑執行人、実行者」
  • in truth : 「実のところ、実際には」
❖ "And would you not ~ "「そしてあなたは、喜びをもって、あなたが救い主に与えた死刑執行人という役割を、救い主が本当にもっている役割と交換したいと思わないだろうか」。幻想世界の特別な関係性の中にあっては、あなたは同胞を、あなたの罪を断罪する死刑執行人であるかのように思っていたが、神聖なる関係性を築いた今、あなたは同胞を、あなたの罪の意識を取り消してくれる救い主、実相世界へとあなたをすくい上げてくれる救い主と見なせるようになったのだ。



Receive of him what God has given him for you, not what you tried to give yourself.
  • receive [risíːv] : 「~を受ける、受け取る、受領する、入手する」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
❖ "Receive of him what ~ "「神があなたのために、〜ではなく、救い主に与えたものを、彼から受け取りなさい」。 "not what you ~ "「あなたがあなた自身に与えようとするものではなく、」神が救い主に与えたものを、彼から受け取りなさい。あなたは自分自身に対して罪の意識を与え続けてきたが、神は救い主に、その罪の意識を取り消しにする実相的パワーを与えたのだ。つまり、幻想をきれいに晴らすことの出来る心のパワーである。その罪の取り消しを、喜びをもって、救い主から受け取りなさい。それが、神の意思なのだから。それを、ホーリー・スピリットは導いてくれるのだから。それが、神聖なる関係性の礎になるのだから。
 
 
 

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