●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-22.III.5:1 ~ T-22.III.6:8

5. Reason will tell you that the form of error is not what makes it a mistake.

  • reason [ríːzn] : 「理性、理知、良識、分別、正気」
  • tell [tél] : 「〜に話す、言う、告げる、教える、伝える」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、現れ」
  • error [érər] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
  • make [méik] [SVOC] : 「 〜の状態を作り出す、〜にする」
  • mistake [mistéik] : 「誤り、判断上の間違い、ミス、過ち、手違い」
❖ "Reason will tell you ~ "「正気さはあなたに、that以下を告げるだろう」。"reason"「正気さ」とは、あなたの心の最も純粋で神聖な部分に住んでいる、真実を見抜く心の目である。ホーリー・スピリットと同一であると考えてもよい。正気さが見せてくれる光景がヴィジョンである。"that the form of ~ "「誤りの外形は、誤りを誤りたるものにしているものではない」と、正気さは告げてくれる。過ちは、その外見が過ちだから、過ちであると断定することは出来ない。ところで、"reason"を「理性」と訳さない理由を説明しておこう。ACIMの"reason"は、肉体の頭脳による善悪判断、真偽判断という理性的活動を意味してはいないのだ。むしろ、心の正しい働き、という意味合いが強く、その意味で、理性という訳語は誤解を招くだろうと考えている。あなたが、道端に咲いた名もない花を目にしたとき、はっとしてその美しさに打たれる、その心の動きが"reason"である。偉い画家の絵を見て、これはすごいものに違いないのだから感動することが必要だと考えることは"reason"ではない。



If what the form conceals is a mistake, the form cannot prevent correction.
  • conceal [kənsíːl] : 「隠す、隠匿する、秘密にする」
  • prevent [privént] : 「防ぐ、妨げる、防止する、阻む、阻止する」
  • correction [kərékʃən] : 「訂正、訂正個所、矯正、修正、是正、補正」
❖ "If what the form ~ "「もし、外形が隠しているものが誤りであるなら、」"the form cannot ~ "「外形は、修正を阻止することは出来ない」。正気さ(ホーリー・スピリット)は、誤りを速やかに修正してくれる。それが、神の与えた一つの使命でもあるからだ。修正とは、つまり、その誤りは幻想であり、幻想であると認識することで取り消しにすることである。誤りの外形が、どんなに誤りではないという顔をしても、ホーリー・スピリットはその誤りを見抜いて、それを取り消しにしてくれるのである。誤りは、ホーリー・スピリットによる修正を拒むことは出来ない。



The body's eyes see only form. They cannot see beyond what they were made to see.
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜の域を越えて、〜を超越して」
❖ "The body's eyes ~ "「肉体の目は、外形だけを見る」。肉体的感覚器官の目は、過ちも間違いも誤りも、その外見だけしか見ることが出来ない。過ちの内側に入り込んで、その内容を見ることは出来ないのだ。"They cannot see ~ "直訳すると、「肉体的な目は、その目が見るために作られたことを越えて見ることは出来ない」。目は、対象の表面だけを観測出来るように作られている。対象の表面という限界を越えて、肉体の目は、対象の内部を見ることは出来ないのだ。



And they were made to look on error and not see past it.
  • look on : 「〜を見る」
  • past [pǽst] : 「越えて、過ぎて」
❖ "And they were ~ "「しかも、肉体の目は、誤りを見つけられるように作られたのだ」。"and not see ~ "「決して、誤りを見過ごすことはない」。簡単に言えば、肉体の目は、他者のあら探しに長けているのだ。もちろん、表面的な誤りだけを、あれこれ、探し出してくるのである。いかに、肉体の目は、エゴの手先に成り下がっているかがわかるだろう。他者の行いの表面だけを捉えて、誤りをほじくり出し、それを攻撃の口実として、他者を攻め立てるのである。他者に誤りを見い出せないときは、自分の誤りを攻め立てる。



Theirs is indeed a strange perception, for they can see only illusions, unable to look beyond the granite block of sin, and stopping at the outside form of nothing.
  • theirs [ðέərz] : 「彼らのもの」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • strange [stréindʒ] : 「奇妙な、変わった、変な」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • unable [ʌnéibl] to : 「〜することができない」
  • granite [grǽnit] : 「花崗岩、御影石、堅固なもの」
  • block [blάk] : 「障害物、妨害物」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • stop at : 「〜の所で止まる、〜に立ち寄る、〜にとどまる」
  • outside [outside] : 「外側の、屋外の、外部の、局外の」
❖ "Theirs is indeed ~ "「まったくもって、肉体の目のもつ知覚とは、奇妙な知覚である」。"for they can see ~ "「なぜなら、それは、幻想しか見ることが出来ないからだ」。この幻想世界の事象だけはしっかり知覚するが、実在する実相世界の事象を、露ほども知覚することは出来ないのだ。なんとも不思議な知覚である。"unable to look beyond ~ "「罪の意識という御影石のブロックを透過して見ることは出来ないし、」"stopping at the outside ~ "「無なるものの外形の外で立ち止まってしまうのだ」。罪の意識は幻想であり、実体を持たない。つまり、一言で言って、無である。その無を必死に守っているのが、御影石のように頑丈な障害物であるブロックだ。肉体の目は幻想に容易に騙されるので、御影石の前で立ち止まり、それを本物と思い、それ以上内側を見ようとはしないのだ。したがって、御影石に守られた罪の意識は幻想であり、無であることを、肉体の目は知覚することはない。知らないのである。



To this distorted form of vision the outside of everything, the wall that stands between you and the truth, is wholly true.
  • distorted [distɔ́ːrtid] : 「ゆがめられた、ゆがんだ、曲げた、ひずんだ」
  • vision [víʒən] : 「視覚、視力、洞察力、想像力、考え方」
  • wall [wɔ́ːl] : 「障壁、城壁、内壁、塀、壁」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "To this distorted form ~ "「この、あらゆるものの外面だけを捉える、歪んだ視力の形にとって、あなたと真実との間に立っている壁は、完全に真実に見えるのだ」。非常に硬い言い回しをしているが、要するに、肉体の目は、あらゆる事象の表面だけしか知覚出来ないという、いわば歪められた、不具なる知覚であって、対象の内容を隠す表面という壁を通してその内容のもつ真実を見抜くことは出来ない。そこで、肉体の目は、事象の表面こそが真実の実在であると、勘違いしてしまうのだ。その表面が幻想であっても、おかまいなしである。



Yet how can sight that stops at nothingness, as if it were a solid wall, see truly?
  • sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
  • nothingness [nʌ́θiŋnis] : 「存在しないこと、無、非実在、無価値」
  • as if : 「あたかも〜かのように」
  • solid [sάlid] : 「硬い、頑丈な、固体の、固形の、固形化した」
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に、正確に、忠実に」
❖ "Yet how can sight ~ "「しかし、無なるものの前で立ち止まってしまう視力は、」"as if it were ~ "「あたかも、その無が硬い壁ででもあるかのように知覚してしまうので、」"see truly ~ "「いったいどうやって正しく見ることが出来るだろうか」。硬い壁の向こう側には何もない。幻想であり、無なのだ。壁自体も幻想である。その幻想の壁の前で立ち止まってしまう肉体的な目の視力に、壁の内側を見抜く視力はない。易々と、幻想に騙されてしまうのだ。そんな、頼りない肉体の目に、正しく見ることを要求する方が間違いであろう。



It is held back by form, having been made to guarantee that nothing else but form will be perceived.
  • held [héld] : 「hold の過去形」
  • hold back : 「隠す、抑える、押しとどめる、引き下がる、尻込みする」
  • guarantee [ɡæ̀rəntíː] : 「保証する、請け合う、約束する」
  • else [éls] : 「そのほかの」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
❖ "It is held back ~ "直訳すると、「肉体の目は、外形によってし尻込みさせられる」。つまり、幻想の壁という外形を見ただけで、その壁の厚さに怖じ気づいてしまい、それ以上前に進めないのだ。"having been made ~ "分詞構文、理由、「肉体の目は、外形だけ、それ以外は知覚しないように保証されて作られているからだ」。幻想を捉えるには、実は、それで十分なのだ。真実を捉える必要のない知覚が、事象の内部に潜入する必要があるだろうか? 



6. These eyes, made not to see, will never see. For the idea they represent left not its maker, and it is their maker that sees through them.
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、〜の代理人になる、はっきりと述べる」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜から撤退する、〜を残す」
  • maker [méikər] : 「 作る人、製造業者、作り手」
❖ "These eyes, made ~ "「これらの肉体の目は、(真実を)見るようには作られてはいないので、決して、(真実を)見ることはない」。"For the idea they ~ "「なぜなら、そうした目が描く想念は、想念の作り手を離れておらず、想念を通して見ているのが、その作り手だからである」。意味の取りにくい箇所である。肉体の目は、要するに、厳密な意味で、客体を捉えているのではないのだ。神の子が深い眠りに陥って見ている夢が、この幻想世界である。その幻想を、これまた幻想である肉体の目で見ているわけだから、目が捉えたという対象は、心が描いた想念に過ぎない。想念が想念を追いかけているわけで、つまり、それは、想念を抱いた当人を離れていないのだ(he idea they represent left not its maker)。その当人は、想念を通して見た気になっているが(it is their maker that sees through them)、幻想の中で、対象を幻想し、さらに幻想の対象を肉体の目で見るという幻想を抱いている、つまり、独り芝居をしていることになるである。したがって、見たいと心が想念するものだけしか、肉体の目は見る、つまり、見たつもりになる、ことしか出来ないのだ。簡単に言えば、実在してもいないものを、実在もしていない感覚で見ることは出来ないので、もし当人が見ていると主張するなら、それは幻想を見ているだけの話しであり、幻想は当人の心の中だけで展開しているだけなのだ。理屈を言えばそうなるが、要するに、簡単に言えば、肉体の目は、「見たつもり」になっているだけ。しかも、その対象も、そこに「あるつもり」であり、目が見たつもりになっているだけ。そういうことである。



What was its maker's goal but not to see? For this the body's eyes are perfect means, but not for seeing.
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
❖ そうであるなら、"What was its maker's ~ "「肉体の目を作った者の目的は、見ないこと、以外の何であろうか」。真実を見ないために、つまり、幻想しか目に入らないようにするために、肉体の目を作ったようなものなのだ。"For this the body's ~ "「なぜなら、この肉体の目は、(その目的にそった)完璧な手段であり、(真実を)見ることための手段ではないからだ」。肉体の目は、幻想を見るという手段として、完璧な役割を果たしている。しかし、真実を見ることの出来ない、単なるおもちゃである。この世界が、どんなに実在に見えようとも、どんなに堅固な物質で出来ているように見えようとも、それは肉体の目に騙されている結果であって、この世界は実相的に実在はしていない。



See how the body's eyes rest on externals and cannot go beyond.
  • rest on : 「〜を当てにする、〜に頼る、〜に基づく、〜にある」
  • external [ikstə́ːrnl] : 「外部、外観、外見、社外、外面」
❖ "See how the body's eyes ~ "「いかに肉体の目が、外見に重きを置き、そこを越えられないのか、よく見なさい」。肉体の目が、心の目と異なって、心の内側へ入り込むことが出来ないことを、十分に認識しなさい。心の内側に入れないということは、実在を見抜くことが出来ないことを意味しているのだ。



Watch how they stop at nothingness, unable to go beyond the form to meaning.
  • watch [wάtʃ] : 「じっと見る、観察する、〜を見張る、見守る」
  • stop at : 「〜の所で止まる、〜に立ち寄る、〜にとどまる」
  • nothingness [nʌ́θiŋnis] : 「存在しないこと、無、非実在、無価値」
  • unable to : 「〜することができない」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
❖ "Watch how they ~ "「いかに肉体の目が、無なるものの前に立ち止まり、」"unable to go beyond ~ "「外形を越えて(内奥の)意味へと進めないのか、よく見なさい」。"nothingness"「無なるもの」とは、幻想のこと。そこにあるように見えるが、本当は何もない、それが幻想である。仏教でいうところの「空」である。"meaning"「意味」とは、内奥の意味のことで、心の奥に存在する意味、つまり、実相的な真実のこと。幻想を払拭した後に見えてくる、真実の実在性のことだ。実相世界そのもの考えてもいい。



Nothing so blinding as perception of form. For sight of form means understanding has been obscured.
  • blinding [bláindiŋ] : 「目をくらます、目がくらむような」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • understanding [ʌ̀ndərstǽndiŋ] : 「理解、納得」
  • obscure [əbskjúər] : 「〜を曖昧にする、〜を分かりにくくする」
❖ "Nothing so blinding ~ "「形を知覚することほど、盲目的なものはない」。事象の外形だけを知覚する肉体の目は、実相世界から見れば、盲目に等しい。幻想しか目に入らず、実在の真実が見えないから、盲目同然なのだ。"For sight of form ~ "「なぜなら、形ばかりを捉える視力は、理解が曖昧にされてきたことを意味するからだ」。事象の表面ばかりを捉える肉体の視力は、真実を理解する必要性をまったく感じなかった。その結果、肉体の視力は進化せずに、実相的な理解ということを曖昧にしたまま、いつまでも幻想で留まっていたのだ。だから、今こそ、その肉体の目による知覚を実相的に進化させ、真実を見抜く心の目へと質転換させる必要があるのだ。そのとき、幻想は幻想として捉えることが出来るようになり、あなたは幻想から救われる。同時に、心の目へと質転換することで、実在の真実がヴィジョンによって捉えるようになるのである。そこへ導いてくれるのが、このACIMである。
 
 
 

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