●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-22.II.8:1 ~ T-22.II.9:6

8. There is no part of Heaven you can take and weave into illusions.

  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • take [téik] : 「〜を取る、取り込む」
  • weave [wíːv] : 「織る、作る、編む、作る」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
❖ "There is no part of ~ "「あなたが、取り出して幻想に織り込むことの出来る天の王国の部分はない」。実相世界の実在する部分を切り取って、存在もしない幻想の世界に持ち込み、それを幻想世界の中に織り込むことなど、誰にも出来ない。



Nor is there one illusion you can enter Heaven with. A savior cannot be a judge, nor mercy condemnation.
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • savior[séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「審査員、審判、判定者、裁判官、判事」
  • mercy [mə́ːrsi] : 「慈悲、情け、寛大な措置、優しい心根」
  • condemnation [kὰndemnéiʃən] : 「有罪宣告、激しい非難、糾弾」
❖ "Nor is there one ~ "「また、手に持って、天の王国へ入ることの出来る幻想もない」。実相世界に、幻想を持ち込むことは出来ない。実相世界では、幻想は存在出来ないのだ。"A savior cannot ~ "「救い主は、審判官なれないし、慈悲深い有罪宣言など存在するわけがない」。救い主は実相世界の存在であり、審判官は幻想世界のものだから、両者が同時に両立することは不可能だ。同様に、慈悲であることは実相世界のこと、有罪宣言は幻想世界のこと、両者が混じり合うことは不可能だ。



And vision cannot damn, but only bless. Whose function is to save, will save.
  • vision [víʒən] : 「視覚、視力、洞察力、想像力、展望、構想」
  • damn [dǽm] : 「のろう、ののしる、けなす、非難する、破滅させる」
  • bless [blés] : 「祝福する、〜を賛美する、〜を神聖にする」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
❖ "And vision cannot ~ "「ヴィジョンは非難することはなく、ただ、祝福するのみだ」。心の最も純粋で神聖な部分に宿る正気さが、心の目で見た光景、それがヴィジョンである。ヴィジョンは実相であり、幻想である非難という行為をすることはない。祝福は実相であり、ヴィジョンは祝福するのである。"Whose function is ~ "「救うことが役割である者が、救ってくれるのだ」。"Whose function is to save"「救うことが役割である者」とは、あなたは同胞に対して救い主なくてはならないし、ホーリー・スピリットがあなたの救い主になってくるだろう。ホーリー・スピリットが現象化したキリストが、あなたの救い主になってくれると考えても言い。ただし、この場合、十字架上の血を流したキリストを連想してしまっては、救いの真意を把握損ねてしまうだろう。キリストは、決して誰の犠牲にもならない。そもそも、実相世界には犠牲という概念がないのだ。



How he will do it is beyond your understanding, but when must be your choice.
  • beyond [bijάnd] : 「〜を越えて、〜の域を越えて、〜を超越して」
  • understanding [ʌ̀ndərstǽndiŋ] : 「理解、理解力、知力」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
❖ "How he will do it ~ "「ホーリー・スピリットがどのようにして救うか、それは、あなたの理解を越えている」。まだまだ幻想世界に浸かりきったあなたには、実相世界のホーリー・スピリットがどう救うのか理解出来ないのだ。しかし、理解出来なくてもいい。とにかく救ってくれるのだから。"but when must ~ "「しかし、いつ救ってもらうかは、あなたの選択である」。あなたが救いを求める、そのタイミングは、あなたの自由意思による選択、あなたの意思にかかっている。



For time you made, and time you can command. You are no more a slave to time than to the world you made.
  • command [kəmǽnd] : 「〜しろと命令する、〜を指揮する、支配する」
  • no more A than B : 「Aでないのは Bでないのと同じ」
  • slave [sléiv] : 「奴隷、捕らわれている人」
❖ "For time you ~ "「なぜなら、時間はあなたの作ったものであり、あなたは時間に命令出来るからだ」。つまり、スイッチを握っているのは、時間を作ったあなたである。救いのスイッチをもっているのは、ホーリー・スピリットではなく、あなたなのだ。"You are no more ~ "「あなたは、決して、時間の奴隷ではないし、それは、あなたが作った幻想世界の奴隷でもないことと同じである」。時間の奴隷だと思っているのは、時間を作ったあなたであり、世界の奴隷だと思っているもの、世界を投射によって偽創造したあなたである。しかし、実相から見れば、それは錯覚であり、幻想であり、あなたは、時間の、あるいは世界の奴隷などではない。



9. Let us look closer at the whole illusion that what you made has power to enslave its maker.
  • close [klóus] : 「近くに、接して、密接して、ぴったりと」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • enslave [ensléiv] : 「〜をとりこにする、奴隷にする」
❖ "Let us look closer ~ "「あなたが作ったものが、作り主のあなたを奴隷にするパワーをもっているという幻想全体を、もっと近づいて見てみることにしよう」。前段落を引き継いで、時間や世界があなたを奴隷にしていること、そうあなたが錯覚していることを子細に検討しようというわけだ。



This is the same belief that caused the separation. It is the meaningless idea that thoughts can leave the thinker's mind, be different from it and in opposition to it.
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • cause [kɔ́ːz] : 「 〜を引き起こす、招く、〜の原因になる」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な」
  • idea [aidíːə] : 「考え、着想、アイデア、発想、見解、意見」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考え、思考、思索、熟考」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜から離れる」
  • thinker [θíŋkər] : 「考える人、思想家」
  • different [dífərənt] : 「違する、違っている、異なる」
  • different from : 「〜と異なる、〜と違う」
  • opposition [ὰpəzíʃən] : 「反対、敵対、対立」
  • in opposition to : 「〜に反対で」
❖ "This is the same ~ "「これは、分離を引き起こす信念と同じものである」。自分が作ったものが、自分から離れて独り歩きし、次には、自分自身に対抗して向かってくるのだから、この現象はもう、完全に分離を象徴している。"It is the meaningless idea ~ "「それは、思考が、思いを抱く者の心を離れることが出来、思考する者の心と異なっており、さらに、その心と反対の立場をとれるという、意味のない考えである」。時間もこの世界も、神の子が心に描いた思考を心の外部に投射して作り上げた幻想である。ところが、神の子が作った時間も世界も、神の子の元を離れて独り歩きを始めたのである。もはや時間も世界も、当初の神の子の思惑から外れて、今では、神の子と対立し、神の子自身を苦しめる存在となったのである。幻想を抱くということは、こういうことであり、それは意味のない考え(meaningless idea)なのである。



If this were true, thoughts would not be the mind's extensions, but its enemies.
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • extension [iksténʃən] : 「拡張、伸長、延長、伸展」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
❖ "If this were true ~ "仮定法過去、「もしこんなことが真実ならば、」"thoughts would not ~ "「思考は、心の拡張ではなく、敵そのものになってしまうだろう」。思考が心を離れて、心と対立するようになることが真実なら、心の拡張として、心と調和共鳴する思考が存在することは不可能であり、思考は心を蝕む単なる敵ということになってしまう。もちろん、これは仮定法の発言であるから、事実はそれと異なる。



And here we see again another form of the same fundamental illusion we have seen many times before.
  • again [əgén] : 「再び、かさねて、この場合もやはり」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、現れ」
  • fundamental [fʌ̀ndəméntl] : 「基本となる、基本の、基礎の、基本的な、根本的な」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • before [bifɔ́ːr] : 「以前に、前に、早く、先に」
❖ "And here we see again ~ "「ここに再び、私たちは、以前に何度も見てきた同じ基本的な幻想の、また別の形を見ることになる」。幻想とは、基本的に、実相とはまったく別の場所に仮想を打立てることだから、実相から自らを引き離すこと、つまり分離することを意味している。一元論世界から分離して、二元論世界を仮想することなのだ。今まで何度もACIMが言ってきたように、たとえばエゴにしてみても、あなたがエゴを仮想し、あなたという本質から自己を分離した結果のなのだ。乖離とはそういうことである。そのエゴは、それを仮想したあなたの心を離れ、あなたを攻撃し、あなたを苦しめる存在となるのだ。では、これもACIMが何度も繰り返し述べていることだが、神の元を離れ、神から分離した神の子のはどうなのか? 神が神の子を仮想したのではない。神の子が、神からの分離を仮想したのだ。その結果はどうであったか? 今のあなたを見れば、その結果が分かろうというものだ。



Only if it were possible the Son of God could leave his Father's Mind, make himself different and oppose his will, would it be possible that the self he made, and all it made, should be his master.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
  • make [méik] : 「 〜の状態を作り出す、〜にする」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する、対抗する、敵対する」
  • will [wíl] : 「意志、願望、意欲」
  • master [mǽstər] : 「主人、所有者、親方、指導者」
❖ "Only if it were ~ "ここも仮定法過去、しかも"Only"で強調している、「もしも、本当にもしも、神の子が父なる神の心を離れ、神の子を神と違ったものに、それどころか、神の意思に反するものにすることが出来たとしたら、」 "would it be possible that ~ "ここは"it ~ that ~ "の構文、「神の子が作り出した自分自身、その自分自身が作り出したすべては、神の子の支配者になってしまうに違いないことは、可能性のあることである」。非常に難解な部分である。ゆっくり考えよう。神の子が神から分離するとは、簡単に言えば、神の実相を拒絶し、神の真実を否定したことにほかならない。実相と真実を拒絶し否定したのだから、必然的に、神の子は幻想と虚偽を受け入れたのだ。それ以外に何を受け入れられたろう? だから、神の子は、真実の創造をする能力を失い、偽創造という形で、せいぜい幻想を抱くことしか出来なくなったのだ。あたかも、現実逃避のために白昼夢にのめり込む愛なき子供のように、である。しかも、その虚偽の世界で生きる自分自身も、虚偽と幻想を受け入れた自分として、再創造しなくてはならなくなった。もちろん、それも偽りの再創造であり、そこで神の子は、エゴという偽りの自己を作り上げたのである。これが、別人格を作り上げたという、神の子の乖離である。では、この乖離した先の別人格のエゴは、真実を持てる存在となり得るだろうか? 否、である。神の子が実相と真実を捨て、幻想と虚偽を受け入れて作り上げたエゴであるから、当然、必然的に、エゴは幻想と虚偽しか持ち得ないのだ。実相の真実である愛、喜び、平和、慈しみ、美、等々を、エゴは原理的に、決して持ち得ないのである。もし、エゴがそれを持ち得たなら、エゴはエゴではなく神であり、神の子は神から分離する必要などなかったではないか。しかし、エゴは、神の逆の概念から仮想されたものなのだ。だから、エゴが持ち得るのは、憎悪であり、悲嘆、戦争、嫌悪、醜さ、攻撃、破壊、堕落、腐敗、病、死、奪い合い、殺し合い、盗み合い、けなし合い、貪欲とむさぼり、飽食と絶望、数え上げればきりがない。これが、幻想世界の姿そのものとなるのは、当然の結末なのである。今、この世界がこういう光景で満たされていることを必然と思わなくてはいけない。神の子が神から分離する、その一瞬に、すべてはもう決まっていたと言ってもいいのだ。神からの分離とは、それほど大きな意味を持っていたのである。しかし、逆に、神への回帰は、それに匹敵するほど、大きな意味があることになる。それを信じて疑わない者を、いったい誰が愚か者呼ばわり出来ようか。
 
 
 

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