●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-25.IX.4:1 ~ T-25.IX.5:6

4. The sight of innocence makes punishment impossible, and justice sure.
  • sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
  • innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔、純真」
  • make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • punishment [pʌ́niʃmənt] : 「罰すること、罰、刑罰、処罰、懲罰」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • justice [dʒʌ́stis] : 「正義、公正、正当性」
  • sure [ʃúər] : 「信頼できる、当てになる、確信して、自信がある、確かな」
❖ "The sight of innocence ~ "意訳する、「無辜なる者の視界に、罰という光景が入ってくることは不可能であるし、」"and justice sure"「正当性だけが確実に映し出されるのだ」。罪という幻想に惑わされず、無辜であることだけを捉える光景に、罰が映し出されることはなく、見えてくる光景は正当な真実ばかりである。肉体的知覚から離れて、実相的知覚に近づきつつあるのだ。叡智(knowledge)の完成も近い。



The Holy Spirit's perception leaves no ground for an attack.
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • ground [ɡráund] : 「根拠、原因、理由、地面、地べた、地盤」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
❖ "The Holy Spirit's perception ~ "「ホーリー・スピリットの知覚は、攻撃に都合のいい理由を与えることはない」。ホーリー・スピリットが正当な知覚でものを見るとき、攻撃を正当化するようなエゴに都合のいいものは見えてこない。ホーリー・スピリットの知覚、すなわち叡智は、真実だけを捉えるのだ。



Only a loss could justify attack, and loss of any kind He cannot see. The world solves problems in another way.
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当だと説明する、弁明する、正当化する」
  • of any kind : 「いかなる種類の」
  • solve [sɑ́lv] : 「解く、解決する」
  • problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの、違った」
❖ "Only a loss could ~ "「喪失だけが、攻撃を正当化するのだ」。奪われたので、奪い返すために攻撃しても正当だと主張するのである。しかし、"and loss of any ~ "「ホーリー・スピリットは、いかなる種類の喪失も、目にすることはない」。実相世界には、喪失という概念がないのだ。与えることは得ることであり、奪うということ自体が存在しないので、当然、喪失も存在しない。"The world solves ~ "「この世界は、まったく別の方法で、問題を解決する」。ホーリー・スピリットは、奪うことや喪失することを念頭に置かずに、事を解決に導こうとするが、この世界の常識はそうではない。まったく、別の見方をしている。



It sees a resolution as a state in which it is decided who shall win and who shall lose; how much the one shall take, and how much can the loser still defend.
  • resolution [rèzəlúːʃən] : 「解決、決意、決断、決定、決心」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • decide [disáid] : 「〜を解決する、〜しようと決心する、〜と決める」
  • win [wín] : 「勝つ、成功する」
  • lose [lúːz] : 「負ける、損害を受ける、損をする」
  • loser [lúːzər] : 「敗者、負けた人」
  • defend [difénd] : 「〜を守る、防衛する、〜を弁護する」
❖ "It sees a resolution ~ "「この世界は、〜という状態を解決だと見なす」。"a state in which it is ~ "「誰かが勝ち、誰かが負けたと決定した状態」を解決だと見なす。"how much the one ~ "「勝った者はどれだけ多くを手に入れることが出来るか、」"and how much can ~ "「負けたものは、どれだけ多くを守りきれるか、」そういう状態に達したとき、それを解決状態だと見なすのだ。もちろん、この勝敗が社会的な法を犯すものであるなら、法をもって奪った者を罰し、奪ったものに見合うだけのものを弁償させることになる。しかし、法を犯していない限り、どんなに奪っても、どんなに搾取しても、誰をけ落とそうが、誰を踏み台にしてのし上がろうが、まったく正当であると見なされるのだ。この世界の性(さが)である。



Yet does the problem still remain unsolved, for only justice can set up a state in which there is no loser; no one left unfairly treated and deprived, and thus with grounds for vengeance.
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
  • unsolved [ʌ̀nsάlvd]: 「未解決の、解かれていない」
  • set up : 「築く、設ける、打ち立てる、提示する、提起する」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜をそのままにしておく、ほっておく、ある状態のままにしておくunfairly [ʌ̀nfέərli] : 「不当に」
  • treat [tríːt] : 「扱う、取り扱う、処理する、待遇する」
  • deprive [dipráiv] : 「奪う、取り上げる、剥奪する、与えない」
  • thus [ðʌ́s] : 「故に、従って、このようにして、こんなふうに」
  • vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
❖ この世界の正当性はそれで良しとしても、実相的な真実の正当性はそうはいかない。"Yet does the problem ~ "「しかし、問題はまだ解かれずに残ることになる」。"for only justice can ~ "「なぜなら、(実相的な真実の)正当性は、敗者が存在しない状態を築くものだからである」。奪われ、失った者が存在する限り、真実の正当性が成就したとは言えないのだ。たとえ、社会的な法が犯されていなくても、神の正義は達成されない。"no one left unfairly ~ "「誰一人、不公正に取り扱われることはなく、奪われることもなく、復讐の理由など存在しない状態、」それが、問題が解決された時なのだ。



Problem solving cannot be vengeance, which at best can bring another problem added to the first, in which the murder is not obvious.
  • at best : 「よくても、せいぜい」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • add [ǽd] : 「加える、合計する、足す、追加する」
  • murder [mə́ːrdər] : 「殺人、謀殺 」
  • obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、明白な、分かりきった」
❖ "Problem solving ~ "「問題解決が、復讐であるわけがない」。"which at best can ~ "「そんな解決法は、せいぜい、最初の問題に別の問題を持ち込むようなものであり、」"in which the murder ~ "「そんな状況では、殺人さえも曖昧にされてしまうのだ」。"the murder"「殺人」という言葉が出てきてびっくりだが、たとえば、巧妙な騙しによってお金を奪われた人が自殺をしたなら、法的には、自殺は殺人ではないが、現実的には殺人と何ら変わりはない。殺人が曖昧化されたものなのだ。また、たとえば、復讐のために殺人を犯したなら、法的には殺人罪であるが、罪人の心の中では正当な行為であろう。殺人が、道義的に曖昧にされるのだ。こうして、曖昧化された殺人がまかり通る世界ができ上がってしまうのである。



5. The Holy Spirit's problem solving is the way in which the problem ends. It has been solved because it has been met with justice.
  • end [énd] : 「終わる」
  • met [mét] : 「meet の過去・過去分詞形」
  • meet [míːt] : 「合う、満足させる、かなえる、満たす、かなう」
❖ "The Holy Spirit's problem ~ "「ホーリー・スピリットの問題解決法は、問題を終わらせるという方法をとる」。"It has been solved ~ "「問題解決が、(真実の)正当性と合致したとき、問題は解決したと言えるのである」。つまり、誰も奪わず、誰も奪われず、誰も勝たず、誰も負けない、そういう正当な状態を生み出す解決方法を、ホーリー・スピリットはとるのである。具体的に言えば、奪い合いが発生する幻想世界から解放し、真実の正当性が存在する実相世界へ昇るという解決策を、ホーリー・スピリットは与えてくれるのである。それ以外に、正しい方法はないのである。



Until it has it will recur, because it has not yet been solved.
  • until [ʌntíl] : 「〜する時まで」
  • recur [rikə́ːr] : 「再発する、繰り返される」
❖ "Until it has it ~ "「問題が終わるまで、(不完全な)解決は繰り返されるのだ」。"because it has not ~ "「なぜなら、問題が解決していないからだ」。当たり前といえば、当たり前。しかし、この当たり前が、この世界で繰り返されているわけだ。



The principle that justice means no one can lose is crucial to this course. For miracles depend on justice.
  • principle [prínsəpl] : 「原則、原理、公理、原論、法則」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す
  • lose [lúːz] : 「負ける、損害を受ける、損をする」
  • crucial [krúːʃəl] : 「重大な、決定的な、重大な、不可欠な」
  • course [kɔ́ːrs] : 「課程、講座、科目、コース、進路」
  • depend [dipénd] on : 「〜に頼る、〜によって決まる、〜次第である」
❖ "The principle that justice ~ "「正当性とは、誰も失わないことを意味するという原理原則は、このACIMにとってとても重要である」。"For miracles depend ~ "「なぜなら、奇跡は正当性に依存するからだ」。真実の正当性が存在しない場所に、奇跡は存在しない。



Not as it is seen through this world's eyes, but as God knows it and as knowledge is reflected in the sight the Holy Spirit gives.
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、経て」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見」
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
❖ "Not as it is seen through ~ "意訳する、「(真実の)正当性は、この世界の目を通して見られるものではなく、」"but as God knows ~ "「それは、神の知る正当性なのだ」。"and as knowledge is ~ "「そして、(真実の)正当性は、ホーリー・スピリットの与える光景の中に、叡智が反映したものなのである」。さて、難解な部分である。どういう意味であろうか? ホーリー・スピリットが見せてくれる実相世界の光景の中に、叡智に満たされた正当性がある、という意味合いであろう。"knowledge"「叡智」とは、直覚による全的把握のことだ。理性的、頭脳的判断を一切伴わない。小賢しい計算をせず、理屈をこねない、真実の直接的把握である。仏教で言う『般若(はんにゃ)』である。超越的知覚、超越的智慧とでも言おうか。したがって、本文の意味は、真実の正当性は、この世界の頭脳的な理性が作り上げたようなへ理屈に合った正当性などではなく、実相世界の叡智によって直覚的に把握された正当性、いわゆる神の知る正当性なのだ、ということになる。その、神の知る叡知に満ちた正当性は、ホーリー・スピリットが垣間見せてくれる実相世界の光景に充満しているものであって、愛や慈悲や喜び、平和、美、等々の真実と同一の真実なのである。そこには差も違いもない。渾然一体となって、神という一点に収斂する、正当性であり、慈悲であり、愛であり、喜び、平和、美、真理、なのだ。
 
 
 

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