●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-26.III.1:1 ~ T-26.III.2:6

 
III. The Borderland
ボーダーランド
 
 
1. Complexity is not of God. How could it be, when all He knows is One?
  • complexity [kəmpléksəti] : 「複雑さ、複雑性、複雑度、複雑なもの」
❖ "Complexity is not ~ "「複雑さは、神のものではない」。複雑さは、神には無用である。"How could it ~ "「神の知るあらゆるものが単一であるとき、複雑さがどうして存在出来るだろうか」。一言で言うと、一元論世界に複雑さはない、ということ。究極的に、神のみの世界であるからだ。単一の存在のどこに、複雑さが必要だろう。



He knows of one creation, one reality, one truth and but one Son.
  • know of : 「〜について知っている」
  • creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造、創作」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "He knows of one ~ "「神は、一つの創造、一つの実相、一つの真実、そして、神の子について知っているだけなのだ」。神は、分離分裂を支持して多様な実相世界を創造したのではない。調和融合の単一世界、一元論世界を創造したのである。天の王国は、神という一元に収斂する世界なのだ。それが、"God is"という言葉の意味である。



Nothing conflicts with oneness. How, then, could there be complexity in Him?
  • conflict [kənflíkt] : 「衝突する、争う、抵触する、対立する」
  • conflict with : 「〜と衝突する、〜にぶつかる、〜と対立する、〜に抵触する」
  • oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性、統一性」
❖ "Nothing conflicts ~ "「何ものも、単一性とコンフリクトを起こすことなない」。"How, then, could ~ "「ならば、どうして、神の中に複雑さが存在出来ようか」。複雑さとコンフリクトは表裏一体の関係にある。複雑さがコンフリクトを生み、コンフリクトがますます複雑さを増長する。神にはコンフリクトがない。だから、神には複雑さもないのだ。



What is there to decide? For it is conflict that makes choice possible.
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
  • make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
❖ "What is there to ~ "「(どちらをとるか)決定する必要性があるだろうか」。単一なものを選択する必要などない。"For it is conflict that ~ "「なぜなら、選択を可能にするものこそ、複雑性なのだから」。あれかこれかの選択に迷うところに複雑さが生まれてくる。



The truth is simple; it is one, without an opposite. And how could strife enter in its simple presence, and bring complexity where oneness is?
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対、正反対のもの」
  • strife [stráif] : 「敵対、けんか、口論、争い、闘争」
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、 〜を持って来る」
❖ "The truth is ~ "「真実はシンプルである」。"it is one, without ~ "「それは単一であり、対立するものをもたない」。真実には虚偽という対立するものがあるではないか、と言われるかもしれない。しかし、真実は実相であり、虚偽は幻想である。実相世界には、真実だけが存在し、虚偽は存在しない。したがって、実相的に見れば、真実に対立するものはないのだ。実相世界では、愛は憎悪という対立概念をもたず、喜びは悲しみという対立概念をもたない。完全、完璧な、純粋な真実の世界なのだ。おそらく、プラトンが夢見たイデアの世界に近いものだろう。"And how could strife ~ "「どうして、真実のシンプルな存在の中に対立が入り込み、単一なるものだけが存在している場所に複雑さを持ち込むことが出来るだろうか」。



The truth makes no decisions, for there is nothing to decide between.
  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
  • make a decision : 「決定する、決心する」
  • between [bitwíːn] : 「中間に、両者間に」
❖ "The truth makes ~ "「真実が決定を促すことはない」。真実は単一であり、二者択一の選択を強いるものではない。二者なるものが存在しないからだ。"for there is nothing ~ "「なぜなら、二者間において決定すべきものがないからだ」。真か偽か、嘘か真か、愛か憎悪か、喜びか悲しみか、等々、選択を迫られて、物事を複雑にしていく世界は、この幻想世界だけである。実相世界は、あれかこれかの哲学的遊びをしない。これしかないからだ。



And only if there were could choosing be a necessary step in the advance toward oneness.
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • step [stép] : 「階段、段、階、段差、歩み、一歩」
  • advance [ədvǽns] : 「前進、進展、進歩、躍進、進出」
  • toward [təwɔ́ːd] : 「〜のために、〜の方へ、〜に向かって」
❖ "And only if there ~ "「もし、二者間において決定すべきものがあったとき、その場合に限って、選択は、単一性に向かうための必須なステップになり得るだろう」。選択しなくてはならない場面に遭遇したとしても、それは、複雑さを増長するものではなく、単一性に向かうためのものでなければならない。その意味では、幻想と実相を天秤にかけて選択しなければならない場面もあり得るだろう。



What is everything leaves room for nothing else. Yet is this magnitude beyond the scope of this curriculum.
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • room [rúːm] : 「場所、空間、余地、スペース」
  • leave room for : 「〜の余地を残す」
  • magnitude [mǽɡnətjùːd] : 「規模、等級、大きいこと、重要さ、重要性」
  • beyond [bijάnd] : 「〜を越えて、〜を過ぎて、〜のかなたに」
  • scope [skóup] of : 「〜の範囲」
  • curriculum [kəríkjələm] : 「カリキュラム、教育課程、教科課程」
❖ "What is everything ~ "「すべてであるというものは、他のものに余地を残すことはない」。すべてがあるなら、他に何もないのだ。"Yet is this magnitude ~ "「しかし、このことは、このACIMの課程の範囲を超えた重要性をもつものである」。すべてがあるなら、他に何もない、ということは、このACIMでは説明しきれないほど重大なことだ。この重要性は、実相的な経験や体験を通して知るべきこと、学ぶべきことであって、文字を通して学び取れるものではない。



Nor is it necessary we dwell on anything that cannot be immediately grasped.
  • dwell on : 「〜を長々と話す、〜について深く論じる、こだわる」
  • immediately [imíːdiətli] : 「すぐに、すぐさま、早急に、即座に、即刻」
  • grasp [grǽsp] : 「〜を握る、つかむ」
❖ "Nor is it necessary ~ "「しかし、すぐにもつかみ取れる可能性のないことに、いつまでもこだわっている必要もないのだ」。言葉で把握出来ないことに、いつまでも言葉でこだわっている必要はない。仏教的に言えば、不立文字(ふりゅうもんじ)である。言葉や理知には限界があるのだ。その限界を越えることは、言葉や理知には不可能である。一旦、言葉と理知を停止して、まったく次元の異なった叡智に委ねなくてはならない。つまり、実相世界に入らなくては、つかみ取れるものではないのだ。



2. There is a borderland of thought that stands between this world and Heaven.
  • borderland [bɔ́ːrdərlæ̀nd] : 「国境地方、境界地、どっちつかずの領域」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考え、思考、思索、熟考」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "There is a borderland ~ "「この世界と天の王国の間には、想念の境界領域、ボーダーランドが存在する」。臨死体験でよく言われる、天の王国へ入る前の一時休息をするような領域のことだろう。この世での体験や経験を、すべて洗いざらい検証して、想念の浄化を図る領域である。



It is not a place, and when you reach it is apart from time.
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所」
  • reach [ríːtʃ] : 「〜に達する、〜に至る」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "It is not a place ~ "「それは、場所というものではなく、そして、あなたがそこに達すれば、時間から離れることになる」。あなたがボーダーランドに達したとき、時空の制限から解放される。場所でもなく時間もなく、もちろん物質の存在しない想念だけの世界となる。もう少し読み進めば分かるのだが、ボーダーランドに達すれば、すぐにでも、時空間から解放されるというものではない。想念が浄化されて初めて、つまり、幻想が洗い流されて初めて、時空間とう知覚、想念は消滅する。



Here is the meeting place where thoughts are brought together; where conflicting values meet and all illusions are laid down beside the truth, where they are judged to be untrue.
  • meeting place : 「出会いの場、会合場所、集会所」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • together [təɡéðər] : 「一緒に、同時に」
  • conflicting [kənflíktiŋ] : 「相反する、矛盾する、相いれない」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価」
  • meet [míːt] : 「集まる、落ち合う、触れる、接触する、交わる」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
  • lay [léi] down : 「横にする、横たえる、寝かせる、寝かす」
  • beside [bisáid] : 「〜の側に、〜の傍らに」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁定する」
  • untrue [ʌntrúː] : 「虚偽の、忠実でない、真実でない、不誠実な」
❖ "Here is the meeting place ~ "「ここは、数々の想念が一緒に持ち込まれる集合場所のような所である」。物理的な場所ではないのだが、あえて言えば、想念の集合場所のようなものである。幻想も実相も、あらゆる雑多な想念が流れ込んでくる。"where conflicting values ~ "「そこでは、コンフリクトを起こした価値観が寄り集まり、あらゆる幻想が真実の傍らに置かれ、真実ではないと判断されるのである」。いわば、数々の想念の浄化場所のような所である。天の王国へ持ち込む必要のない、コンフリクトを起こした想念や、幻想の数々が洗い流され、想念自体がどんどん浄化されるのである。もちろん、時空間という知覚も浄化され、消滅していく。



This borderland is just beyond the gate of Heaven. Here is every thought made pure and wholly simple.
  • gate [géit] : 「入り口、門扉、ゲート、門」
  • pure [pjúər] : 「純粋な、混じりけのない、清潔な、清らかな、きれいな」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的にs」
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な、質素な、素朴な」
❖ "This borderland is ~ "「このボーダーランドは、天の王国の扉を少し越したところにある」。天の王国の扉の少し先に、この清めの場所がある。"Here is every ~ "「ここで、あらゆる想念が浄化され、完全にシンプルにされるのである」。



Here is sin denied, and everything that is received instead.
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ」
❖ "Here is sin denied ~ "意訳する、「ここでは、罪は否定され、代わって、受け入れられるべきあらゆるものが、肯定され存在しているのだ」。罪や攻撃や特別性などといった幻想のすべてが洗い流され、後に残ったもの、愛や慈しみや喜びだけが、つまり、真実のすべてが幻想に代わって受け入れられ、天の王国への入場を許されるのである。
 
 
 


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