●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-25.VIII.12:1 ~ T-25.VIII.13:10

12. You can be perfect witness to the power of love and justice, if you understand it is impossible the Son of God could merit vengeance.
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、立会人、証拠、証言」
  • justice [dʒʌ́stis] : 「正義、公正、正当性」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • merit [mérət] : 「〜に値する、〜の必要がある」
  • vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
❖ "You can be perfect ~ "「もし、〜なら、あなたは、愛と正当性のもつパワーの完璧な証人になれる」。実相的な真実の愛と正当性をもって、他の同胞を幻想世界から救い出すことが出来る、ということ。証人になれるとは、実証出来るということ。そのパワーを身に付けることが出来るのだ。"if you understand ~ "「もしあなたが、神の子は復讐に値することなど不可能なのだと理解したとき、」愛と正当性のもつパワーの完璧な証人になれる。神の子は、神の創造した完璧な創造体であって、完全な無辜であり、したがって、復讐に値する何もののもってはいないと、あなたが信じられたとき、あなたは、実相的な真実の愛と正当性のもつパワーを身に付け、同胞を幻想世界から救い出すことが出来るのだ。それを証言し、実証して見せることが出来るのである。



You need not perceive, in every circumstance, that this is true.
  • need [níːd] : 「〜する必要がある」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • circumstance [sə́ːrkəmstæ̀ns] : 「周囲の事情、環境、状況、事情」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "You need not perceive ~ "「いかなる状況下にあっても、あなたは、このことが真実であると知覚する必要はない」。正しいことは、それを証言すればいいのであって、正しいと知覚する必要はない。人を愛するときも、愛せばいいのであって、愛していると自覚する必要がないことと似たようなものである。母親が子を愛する、その愛し方を見ればわかるだろう。



Nor need you look to your experience within the world, which is but shadows of all that is really happening within yourself.
  • look to: 「〜に目を向ける、〜に目をやる、〜を当てにする」
  • experience [ikspíəriəns] : 「経験、体験」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側に」
  • shadow [ʃǽdou] : 「影、暗がり、人影、陰」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに」
  • happen [hǽpən] : 「起こる、発生する、降り懸かる」
❖ "Nor need you look to ~ "「また、あなたは、この世界の中にあって、あなたが経験することに目を向けている必要もない」。なぜなら、"which is but shadows of ~ "「この世界の経験とは、あなた自身の心の中で実際に起きているすべての事柄の影に過ぎない」からだ。この世界は、あなたの心が映し出している投影に過ぎず、幻想である。実際に存在することのすべては、あなたの心の中にあるのだ。実相世界は、あなたの心の中にある。その心が、この世界を夢見ているに過ぎないのだ。その夢の一つ一つに、目を向ける必要はない、と言っている。前文も、この文章も、もしかしたら、おや?っと、首をかしげた人もあろう。次の文章を読めば、その真意がわかる。



The understanding that you need comes not of you, but from a larger Self, so great and holy that He could not doubt His innocence.
  • come of : 「〜から生じる、〜の結果として生じる、〜の結果である、〜の出である」
  • large [lάːrdʒ] : 「大きい、広い」
  • larger : 「より大きい」
  • great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な、偉大な、卓越した、素晴らしい」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • doubt [dáut] : 「〜を疑う、〜を疑問に思う」
  • innocence [ínəsəns] :「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔、純真」
❖ "The understanding that ~ "「あなたが必要な理解は、あなたから生じるのではなく、より大きなあなた自身から生まれてくるのだ」。"so great and holy ~ "「その、より大きな自己は、あまりにも大きく神聖であるので、自らの無辜性を疑うことは出来ないのである」。さて、"larger Self"「より大きな自己」とは何か? 英語圏で"Great Self"、"Super Self"と言われているもの、仏教の『大我』『真我』、ヴェーダの『アートマン』、そういったものに非常に近い。あなたが自分自身であると知覚している自分は、夢の中の自分であって、肉体的な頭脳が理性的に判断した小さな自己である。しかし、実相的には、本当のあなたは、幻想に制限された、そんなちっぽけな自己ではなく、より大きな、レベルの高い存在である。ACIMでは、"Great Self"や"Super Self"という呼称は出てこないが、"Holy Spirit"「ホーリー・スピリット」とほぼ同一の存在と考えていいだろう。あなたの心の中に住む、あなたに固有のホーリー・スピリットと、あなた自身が融合したとき、つまり、あなたがホーリー・スピリットに同化して、あなた自身がホーリー・スピリットになったとき、そこに、"larger Self"「より大きな自己」が出現してくると見ていいだろう。いずれ、当座は、"larger Self"「より大きな自己」を、ホーリー・スピリットと同一だと捉えておこう。あらゆる事象に目を向け、真実を知覚している本体は、夢見るあなたではなく、ホーリー・スピリットと同化したより大きなあなた自身である。その実相的なあなた自身が、あらゆる事象の真実に目を向け、その真実を理解している本体である。それは、あまりにも巨大な存在であり、神聖であり、完全な無辜なる存在なのだ。神聖すぎて、罪などというちっぽけな幻想など、近づきさえ出来ないのである。自らの無辜性を疑うことなど、決して出来ないのだ。



Your special function is a call to Him, that He may smile on you whose sinlessness He shares.
  • special [spéʃəl] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • call to : 「〜への呼びかけ」
  • smile [smáil] on : 「〜にほほ笑みかける」
  • sinlessness [sínlisnis] : 「罪のないこと、無辜性」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "Your special function ~ "「あなたの特別な役割は、ホーリー・スピリットへの呼びかけである」。ここの"Him"は、本当は"larger Self"であるから、「ホーリー・スピリットと同化したあなた自身への呼びかけである」と訳した方が正確であろう。あるいは、「ホーリー・スピリットであるあなた自身への呼びかけである」と解釈すればいいか。ここでは、「ホーリー・スピリット」と単純化しておく。"that He may smile on ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために、その結果」、「ホーリー・スピリットがあなたに微笑むことが出来るためであり、あなたの無辜性をホーリー・スピリットは分かち合うためである」。あなたの特別な役割は、具体的には、同胞を幻想世界から救い出すことではあるが、それは同時に、あなたが本当のあなた自身であるホーリー・スピリットに呼びかけている事でもあるのだ。より大きな自分自身に気付くという役割でもある。そして、あなたがより大きな実相的な自分自身に気付いたとき、ホーリー・スピリットは、あなたに微笑みかけ、祝福し、あなたの完全な無辜性を、あなたと分かち合って共に喜ぶのである。



His understanding will be yours. And so the Holy Spirit's special function has been fulfilled.
  • fulfill [fulfíl] : 「果たす、全うする、成就する」
❖ "His understanding ~ "「ホーリー・スピリットの理解が、あなたの理解にもなるだろう」。"And so the Holy Spirit's ~ "「こうして、ホーリー・スピリットの特別な役割が成就されることになる」。もちろん、ホーリー・スピリットの役割が成就されたとき、あなたの特別な役割も成就されるのだ。この世でのあなたの仕事は終わり、あなたは天の王国へアセンションすることになる。神の元への回帰である。



God's Son has found a witness unto his sinlessness and not his sins.
  • found [fáund] : 「find の過去・過去分詞形」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、立会人、証拠、証言」
  • sin [sín] :「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
❖ "God's Son has found ~ "「神の子は、無辜を証言してくれる証言者を見つけたのであって、罪を証言する証言者を見つけたのではない」。ホーリー・スピリットは、あなたが神の子として、完全に無辜であることを証言してくれる。証言するとは、あなたに、確実に教えてくれる、ということ。



How little need you give the Holy Spirit that simple justice may be given you.
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な、質素な、素朴な」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "How little need you ~ "ここの"that"は"so that"、「簡素な正当性があなたに与えられるために、あなたは、ホーリー・スピリットに、ほんの少しのものを与えるだけでいいのだ」。つまり、あなたのささやかな意思だけをホーリー・スピリットに示せばいい。後は、ホーリー・スピリットがすべてやってくれるのである。ACIMの絶対他力性である。ところで、"simple justice"「簡素な正当性、単純な正義」であるが、"simple"は、お粗末でちっぽけな、という意味ではない。本当の真実が簡素で単純であるという意味での、簡素であり単純という意味だ。



13. Without impartiality there is no justice. How can specialness be just?
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • impartiality [impɑ̀ːrʃiǽləti] : 「偏らないこと、公平」
  • just [dʒʌ́st] : 「正しい、公正な、当然の、もっともな」
❖ "Without impartiality ~ "「平等性を欠いたところに、正当性はない」。ならば、"How can specialness ~ "「どうして、特別性は公正だと言えるだろうか」。特別性は差別化であって、他者より自分が優れていて、優位に立っていることを信じ込む行為である。特別性を求める心に、平等性はないのだから、正当性もない。



Judge not because you cannot, not because you are a miserable sinner too.
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁く」
  • miserable [mízərəbl] : 「めな、わずかな、悲惨な、不幸な、哀れな」
  • sinner [sínər] : 「罪人、罪を犯した人」
❖ "Judge not because ~ "「判断などあなたに出来ないのだから、判断してはいけない」。優劣の判断など出来ないのだから、判断してはいけない。差別化の判断など出来ないのだから、判断してはいけない。"not because you ~ "「(判断するなと言ったのは、) あなたが惨めな罪人だからなのではない」。罪ある者が判断してはいけない、という意味で言ったのではない。完全平等な神の子達を差別化するような判断は不可能だから、判断するなと言っただけだ、という意味合い。



How can the special really understand that justice is the same for everyone?
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
❖ "How can the special ~ "「特別である者が、どうやって、本当にthat以下を理解出来るだろうか」。"that justice is ~ "「すべての人達にとって、正当性はすべて同じであること」を、特別である者は、どうやって理解出来るだろうか。神の子はすべて、完全に平等に、正当性を保持している。それを理解出来ない者だけが、自分の特別性を求めるのだ。



To take from one to give another must be an injustice to them both, since they are equal in the Holy Spirit's sight.
  • take from : 「〜から取る」
  • injustice [indʒʌ́stis] : 「不公平、不正、不法、不当」
  • both [bóuθ] : 「両方の、双方の、二つともの、両方、双方」
  • since [síns] : 「〜なので、〜だから」
  • equal [íːkwəl] : 「〜と等しい、同等の、程度が等しい、平等な」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、光景、見解、視覚、視力」
❖ "To take from one ~ "「誰かに与えるために、何かを取り上げるということは、両者にとって、決して正当ではない」。"since they are equal ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットの視点に立てば、両者は平等なのだから」。誰かが奪われ、誰かが得をするというのはエゴの思考システムだけで成立することであって、そんなことは、完全平等なホーリー・スピリットの思考システムではあり得ない。与えることと得ることとは、ホーリー・スピリットの思考システムではまったく同一である。



Their Father gave the same inheritance to both. Who would have more or less is not aware that he has everything.
  • inheritance [inhérətəns] : 「受け継いだもの、継承物、相続、相続財産」
  • aware [əwέər] : 「気付いている、気が付いて、承知して、知って」
❖ "Their Father gave ~ "「父なる神は、両者に、同一の継承物を与えたのだ」。神は、神の子に、完全平等に、神の属性のすべてを継承した。"Who would have more ~ "意訳する、「持ち物の多い少ないを言う者には、神の子はすべてを持っていることがわからないのだ」。神の属性のすべてを継承したことが分からない者だけが、多い少ないの不平を漏らす。



He is no judge of what must be another's due, because he thinks he is deprived.
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する者、裁判官、判事、審判、判定者」
  • due [djúː] : 「当然支払われるべきもの」
  • deprived [dipráivd] : 「貧しい、困窮した」
❖ "He is no judge of ~ "「彼は、他者の当然支払われるべきものがどれくらいなのか、まったく判断がつかない」。"because he thinks ~ "「なぜなら、彼は、自分が貧しいと思っているからだ」。困窮している者は、受け取ることだけを考えているので、他者が当然受け取るべきものが何であり、どれだけ受け取るべきか、思いも寄らないのだ。本当は、彼はすべてを持っているので、貧しくはない。貧しいと思っているのは、そう思う心が貧しいだけなのだ。



And so must he be envious, and try to take away from whom he judges.
  • envious [énviəs] : 「うらやましそうな、ねたんでいる、羨望する」
  • try [trái] to : 「〜しようと試みる」
  • take away : 「取り上げる、持ち去る」
❖ "And so must he ~ "「そこで、彼は羨むことになる」。持たぬ者が、持ている者を羨むのである。"and try to take away ~ "「そして、(持っているに違いないと)判断した者から、奪い取ろうとするのである」。得るためには奪え、エゴの思考システム、そのものである。



He is not impartial, and cannot fairly see another's rights because his own have been obscured to him.
  • impartial [impάːrʃəl] : 「偏らない、公平な」
  • fairly [fέərli] : 「公平に、平等に、正しく、適正に」
  • right [ráit] : 「正当な要求、当然の権利、権益、所有権、版権」
  • obscure [əbskjúər] : 「〜を曖昧にする、〜を暗くする、見えなくする、覆い隠す」
❖ "He is not impartial ~ "「彼は、公平とは言えないし、他者の権利を正しく見ることが出来ないのだ」。"because his own have ~ "「なぜなら、彼自身の権利が、彼には見えていないからだ」。自分は神の子として、あらゆるものを持つ権利があり、あらゆる神の属性が与えられたのだと認識出来ないので、自分が持たぬ者、貧しい者と判断して、他者から奪い取ることばかり考えている。その他者も神の子であるから、あらゆる神の属性を継承しており、自分と同様なのだと知る由もないのである。
 
 
 



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