●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-25.VII.13:1 ~ T-25.VIII.1:8

13. Remember all temptation is but this; a mad belief that God's insanity would make you sane and give you what you want; that either God or you must lose to madness because your aims can not be reconciled.
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動、誘惑物」
  • mad [mǽd] : 「気が狂って、怒って、頭にきて、発狂して」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • insanity [insǽnəti] : 「狂気、精神病、精神異常」
  • make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • sane [séin] : 「正気の、分別ある、良識のある、健全な」
  • either [íːðər] A or B : 「AかそれともB」
  • lose [lúːz] to : 「〜に負ける」
  • madness [mǽdnəs] : 「狂気、熱狂、熱中」
  • aim [éim] : 「目標、目的、照準、見当」
  • reconcile [rékənsàil] : 「調和させる、調整する、和解させる」
❖ "Remember all temptation ~ "「あらゆる誘惑は、次に述べるものだと覚えておきなさい」。"a mad belief that ~ "「神の狂気は、あなたを正気にし、あなたの欲しいものをあなたに与えてくれるという狂った信念」。神は狂気だから神を信じるには足らず、エゴの思考システムを信じることで、自分の正気さを維持し、得るためには奪うことで、すべてを手に入れることが出来ると信じること。"that either God or you ~ "「あなたの目的は(神の目的と)調和させることが不可能のなので、神かあなたのどちらかが、狂気に屈してしまうという狂った信念」。この二つの信念が、常にあなたを誘惑している、ということ。



Death demands life, but life is not maintained at any cost. No one can suffer for the Will of God to be fulfilled.
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ、堅持する」
  • at any cost : 「金をいくら出しても、費用がいくらかかっても、いかなる代価を払っても」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、被る」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
  • fulfill [fulfíl] : 「果たす、成就する、実行する、遂行する」
❖ "Death demands ~ "「死は命を求める」。死は、命を犠牲にする。"but life is not ~ "「しかし、命は、何も犠牲にせずとも維持される」。"No one can suffer ~ "「誰も、神の意思が成就させられるために、犠牲を被ることはない」。神の意思は、実相的な真実の命を復活、維持することである。命の分かち合いである。命は何も犠牲にしないので、神の意思の成就のために何かが犠牲にされることはない。



Salvation is His Will because you share it. Not for you alone, but for the Self that is the Son of God.
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • alone [əlóun] : 「一人で、単独で」
❖ "Salvation is His Will ~ "「あなたは神の意思を分かち合っているので、救いとは神の意思なのだ」。『神の意思』を『命』に置き換えてみると理解しやすい。すなわち、「あなたは命を分かち合っているので、救いとは命なのだ」。実相的な命の回復と、分かち合いによる命の拡張増大、その維持が救いなのだ。"Not for you ~ "「それは、あなた一人だけのものではない」。"but for the Self that ~ "「神の子であるという、(真実の)自己のためなのだ」。肉体的に分離独立したあなた個人のためだけに救いがあるのではない。実相的に単一である、つまり、自他一如である神の子のために、救いはあるのだ。あなたも同胞も包含した、神の子全体のために、救いはある。



He cannot lose, for if he could the loss would be his Father's, and in Him no loss is possible. And this is sane because it is the truth.
  • lose [lúːz] : 「負ける、損害を受ける、損をする」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • sane [séin] : 「正気の、分別ある、良識のある」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "He cannot lose"「神の子は、失うことはない」。"for if he could ~ "「なぜなら、もし神の子が失うならば、それは父なる神が失うことになるからだ」。"and in Him no loss ~ "「神の中にあっては、失うことは不可能である」。実相世界には、喪失という概念はない。与えることで失うことはないのだ。与えることは分かち合うことであって、拡張増大することはあっても、減少することは決してない。"And this is sane ~ "「これは真実であるから、これは、正気なのである」。
 
 
 
 
 
VIII. Justice Returned to Love
愛に回帰した正義
 
 
1. The Holy Spirit can use all that you give to Him for your salvation.
  • use [júːz] : 「使う、利用する」
❖ "The Holy Spirit can ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたがホーリー・スピリットに与えたすべてのものを、あなたの救いのために利用する」。たとえば、この幻想世界であなたが築いた特別な関係性をホーリー・スピリットに委ねることで、ホーリー・スピリットはその特別な関係性を利用して、それを神聖な関係性に変え、あなたとパートナーを幻想世界から救い出してくれるのである。



But He cannot use what you withhold, for He cannot take it from you without your willingness.
  • withhold [wiðhóuld] : 「与えないでおく、控える、引き留める」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること」
❖ "But He cannot use ~ "「しかし、あなたがホーリー・スピリットに与えないなら、ホーリー・スピリットはそれを利用することは出来ないのだ」。"for He cannot take ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットは、あなたの快い同意なしに、あなたからそれを奪い取ることは出来ないからだ」。あなたが、自由意思をもって、自ら救いを求めない限り、ホーリー・スピリットはあなたを救い出す使命を果たすことは不可能である。あなたが自由意思をもって、ホーリー・スピリットにすべてを委ねる選択をしない限り、ホーリー・スピリットは、救いへの導きをスタート出来ないのだ。



For if He did, you would believe He wrested it from you against your will.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • wrest [rést] : 「ねじり取る、もぎ取る、奪い取る」
  • against [əɡéinst] : 「〜に逆らって、〜にそむいて、反抗して」
❖ "For if He did, you ~ "「なぜなら、もしホーリー・スピリットがそんなことをしてしまったら、あなたは、ホーリー・スピリットが、あなたの意思に反して、あなたからそれをもぎ取ってしまったと信じてしまうことになるからだ」。神もホーリー・スピリットも、救いを強制することは決してない。いつ、どこで、あなたが救いを求めるか、完全に、あなたの自由意思と選択に任せているのである。言い換えれば、幻想世界から実相世界へと救われるチャンスを見失ってしまうと、あなたの救いは来世に回されることになる。天の王国へのアセンションは、次の生に委ねられてしまうのだ。だからこそ、いま、ここで、が非常に大切なのである。昔、『Someday never comes』という歌が流行したが、確かに、『いつか』は、決してやって来ない。



And so you would not learn it is your will to be without it. You need not give it to Him wholly willingly, for if you could you had no need of Him.
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • willingly [wíliŋli] : 「喜んで、進んで、積極的に、快く」
  • have no need of : 「〜に事欠かない、〜が十分にある、〜に用がない」
❖ "And so you would ~ "「そんなことになれば、あなたは、それなしでいることがあなたの意思であると、学ぶことが出来ないであろう」。たとえば、ホーリー・スピリットが、あなたの特別な関係性を無理やり奪ってしまったなら、あなたは、特別な関係性なしで生きることがあなたの意思であると知ることがなくなってしまうのだ。" You need not give ~ "「あなたは、心から喜んで、それをホーリー・スピリットに与える必要はない」。自由意思でホーリー・スピリットに委ねる必要はあるが、心から喜んでそうする必要はない。少しの不安は、あっていい。"for if you could you ~ "「なぜなら、もしあなたが、心からそうすることが出来るなら、あなたにはホーリー・スピリットは必要ないであろうからだ」。ホーリー・スピリットに委ねる前に、易々(やすやす)と、自ら手放してしまうだろうから。たとえば、ホーリー・スピリットに委ねるまでもなく、特別な関係性を放棄するであろう。しかし、心から喜んでそう出来ないのであれば、ホーリー・スピリットに委ねてしまうことが、一番簡単で、確実である。



But this He needs; that you prefer He take it than that you keep it for yourself alone, and recognize that what brings loss to no one you would not know.
  • prefer [prifə́ːr] : 「〜を好む、むしろ〜の方を好む、〜の方を選ぶ」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
❖ "But this He ~ "「しかし、ホーリー・スピリットには、次に述べることは必要なのだ」。"that you prefer He take ~ "「あなたがそれを自分一人で維持するよりも、ホーリー・スピリットがそれを持っていた方がいいと、あなたが思い、」あなたの特別な関係性を、あなたが維持するよりも、それをホーリー・スピリットに委ねてしまった方がいいと思い、"and recognize that ~ "「誰に対しても損失をもたらすことはないと、(今は)あなたは知らないのだと認めること」。つまり、実相世界には喪失という概念がないと、今はあなたに理解出来ないのだと認識すること。それは、ホーリー・スピリットに必要なのだ。結局、あなたは自力で救われる必要はないのだ。自分の非力を素直に認め、ホーリー・スピリットのパワーに他力することが必要なのだ。ACIMの絶対他力性である。



This much is necessary to add to the idea no one can lose for you to gain. And nothing more.
  • this much : 「このくらい、これぐらい」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • add [ǽd] : 「加える、合計する、足す、追加する」
  • gain [géin] : 「得る、獲得する」
❖ "This much is necessary ~ "「これくらいのことを、あなたが得るために誰も失うことはないとう考えに付け加える必要がある」。つまり、ホーリー・スピリットに委ねるということを付け加える必要がある。"And nothing ~ "「それ以上に、付け加える必要なことはない」。得るために奪う必要はないし、得たからといって誰かが失うこともない、そういう実相世界の法を知ることは必要であるが、それに加えて、ホーリー・スピリットにすべてを委ねることを選択するば、それで十分なのだ。ホーリー・スピリットが、適切に対処してくれるのである。ホーリー・スピリットが、適切にあなたを導いてくれるのだ。
 
 
 


Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

アクセスカウンター