9. The ego literally lives on borrowed time, and its days are numbered.
- literally [lítərəli] : 「文字どおり、そっくりそのまま」
- borrow [bάrou] : 「借りる、借用する」
- live on borrowed time : 「余分の人生を生きる、余生を過ごす」
- number [nʌ́mbər] : 「〜を数える」
❖ "The ego literally ~ "「エゴは文字通り、余分な人生を生きており、」"and its days ~ "「生きている日も、数えられる程度しかない」。幻想のエゴが生き延び得る日々はもうわずかだ。エゴなき後は、ホーリー・スピリットの時代となる。
Do not fear the Last Judgment, but welcome it and do not wait, for the ego's time is "borrowed" from your eternity.
- fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
- the Last Judgment : 「最後の審判」
- welcome [wélkəm] : 「喜んで受け入れる、歓迎する」
- wait [wéit] : 「じっとしている、待つ 」
- eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限」
❖ "Do not fear ~ "「最後の審判を恐れてはならない」。"but welcome it ~ "「むしろそれを歓迎し、待つことなどないのだ」。"for the ego's ~ "「なぜならば、エゴの時間とは、あなたの永遠性から『借りて』きたものなのだから」。実相の神の世界では時間も空間もない。永遠性があるだけだ。あなたは神の属性を継承しているから、あなたの実相は永遠であるはずだ。エゴ、時間、空間はあなたが作り出した幻想であり、実相ではない。したがって、エゴの時間はあなたの永遠性からの借り物である(作り物である)。
ところで、神の世界である実相には時間がなく、現象はリニアに展開されず、あたかもホログラムのように観察される。つまり、リニア的な言い方をすれば、始めも終わりもなく、すべての出来事が一瞬に起き、一瞬に終焉し、すべてが記録された。ホログラム的な言い方をすれば、すべては今起きており、それは永遠に続く。そこで、最後の審判。最後という時間的な修飾語がついているから、これはリニア的な見方がされている。あたかも、未来に待ち受けている審判のように受け止められる。しかし、それはリニアな見方であって、ホログラム的な見方をすれば、審判は今ここに起きており、永遠に続く。したがって、イエスは今、審判を恐れずに歓迎して受け入れよ、と言う。待つことなどないのだ。
This is the Second Coming that was made for you as the First was created.
- the Second Coming : 「キリストの再臨」
❖ "This is the Second Coming ~ "「これはキリストの再臨であり、」"that was made ~ "「それは、キリストの最初の降臨が創造されたように、あなたのためになされたのである」。最後の審判とキリストの再臨がイコールで結ばれている。しかも、どちらも、あなたのための出来事として表現されている。
The Second Coming is merely the return of sense. Can this possibly be fearful?
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- return [ritə́ːrn] : 「帰ること、返すこと、帰還」
- sense [séns] : 「感覚、知覚、道理、思慮」
- possibly [pɑ́səbli] : 「場合により、たぶん」
- fearful [fíərfl] : 「恐ろしい、怖い」
❖ "The Second Coming ~ "「キリストの再臨は、単に思慮分別への回帰である」。"Can this possibly ~ "「それが恐ろしいということがあり得ようか」。ここまで読み進むと、最後の審判も、キリストの再臨も、ともにエゴの思考システムから解放されてホーリー・スピリットの思考システムに移行する変革を意味していることがわかる。あるいは深い眠りからの目覚め、幻想の世界と肉体の夢から覚めることを意味している。あるいは、神の世界への帰還。神の子としての自己確立。喜びと平和の受諾。
10. What can be fearful but fantasy, and who turns to fantasy unless he despairs of finding satisfaction in reality?
- fantasy [fǽntəsi] : 「幻想、白日夢、ファンタジー」
- turn to : 「〜の方を向く、〜に頼る」
- despair [dispéər] : 「絶望する、失望する」
- despair of : 「〜に失望、〜に絶望する」
- satisfaction [satisfaction] : 「満足、充足、喜び」
- reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実相」
❖ "What can be ~ "「恐ろしいのはファンタジーであって、他に恐ろしいものがあろうか」。"and who turns ~ "「そして、いったい誰が、実相に満足感を見出すことに失望することなく、ファンタジーに頼ったりするだろうか」。"fantasy"という言葉であるが、エゴの描く想像図、空想図といったニュアンス。"illusion"であり、"magic"である。まさに夢の世界(幻想世界)。
Yet it is certain that you will never find satisfaction in fantasy, so that your only hope is to change your mind about reality.
- certain [sə́ːrtn] : 「確実な、確かな、確信して」
- hope [hóup] : 「希望、期待」
- so that : 「その結果」
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する」
❖ "Yet it is certain ~ " ここは"it ~ that ~ "の構文、「しかし、あなたがファンタジーに満足感を見出せないであろうことは確かだ」。"so that your ~ "「そこで、あなたの唯一の希望は、実相に対してあなたの心を変えることである」。この世は混乱したファンタジーであり、苦と痛みの世界に満足できるはずはない。物とお金に満たされても、心の平和は得られない。そこで、あなたは自分の心を実相に向けて方向転換しなくてはいけない。
Only if the decision that reality is fearful is wrong can God be right. And I assure you that God is right.
- decision [disíʒən] : 「決定、決意、決心」
- wrong [rɔ́ːŋ] : 「間違った、誤っている」
- assure [əʃúər] : 「保証する、〜を確実にする」
❖ "Only if the decision ~ "「実相は恐ろしいという決定が誤っているなら、それだけで」"can God be ~ "「神は正しいことになる」。"And I assure ~ "「神は正しいと、私はあなたに保証する」。正しいこと(真実)は喜びであり、そこに恐れはない。実相は恐ろしいという決定が誤っているなら、実相は恐ろしくないのだからそれは正しく、真実だ。実相に住まう正しい神は決して恐ろしいものではなく、喜びそのものである。
Be glad, then, that you have been wrong, but this was only because you did not know who you were. Had you known, you could no more have been wrong than God can.
- glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
- no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
❖ "Be glad, then ~ "「そこで、あなたは誤っていたのだと知って、喜びなさい」。"but this was ~ "「しかし、これは、ただあなたが本当の自分を知らないから、そうなったのである」。"Had you known ~ " 仮定法過去完了形、「もし、あなたが本当のあなたを知っていたら、神が間違いを犯さないように、あなたも誤ったりしなかったであろう」。あなたは本当のあなたを知らなかった。そのために誤りを犯した。しかし、誤りはホーリー・スピリットによって取り消すことが出来るので、心配するには及ばない。しかも、ホーリー・スピリットに耳を傾けることで本当の自分を知ることが出来るのだから、自分の犯した誤りはチャンスだと思えばいい。
11. The impossible can happen only in fantasy. When you search for reality in fantasies you will not find it.
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、あり得ない」
- happen [hǽpn] : 「起こる、発生する」
- search [sə́ːrtʃ] : 「捜す、捜索する、探索する」
❖ "The impossible can ~ "「不可能なことは、ファンタジーの中だけで起き得る」。実在(実現)不可能なことは幻想の中だけで起こる。"When you search ~ "「あなたが、ファンタジーの中に実相を捜しているなら、」"you will not ~ "「あなたはそれを見つけることは出来ないだろう」。なぜなら、ファンタジーの中に実相は存在しないから。
The symbols of fantasy are of the ego, and of these you will find many. But do not look for meaning in them.
- symbol [símbl] : 「象徴、記号、表象」
- look for : 「〜を探す、〜を予期する、〜を期待する」
❖ "The symbols of ~ "「ファンタジーのシンボルはエゴのものである」。幻想に登場する様々な象徴はエゴが作ったものである。"and of these ~ "「あなたは、その多くのシンボルを見つけることが出来るであろう」。たとえば、エゴが作り出す憎悪や攻撃性もファンタジーの中のシンボルであろうし、この宇宙そのものも実在しない幻想であるから、シンボルであろう。具象的な物、形象として知覚される物はすべてシンボルであると考えていい。"But do not look for ~ "「しかし、シンボルの中に意味を見つけようとしてはいけない」。初めから意味がないのだから。
They have no more meaning than the fantasies into which they are woven. Fairy tales can be pleasant or fearful, but no one calls them true.
- no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
- woven [wóuvn] : 「weave の過去分詞形」
- weave [wíːv] : 「織る、編む、組み上げる」
- fairy [féəri] : 「妖精の」
- tale [téil] : 「話、物語」
- Fairy tale : 「おとぎ話」
- pleasant [pléznt] : 「気持ちの良い、愉快な、楽しい」
- fearful [fíərfl] : 「恐ろしい、こわい」
❖ "They have no ~ "「シンボルが意味がないのは、シンボルの織り込まれたファンタジーが意味がないのと同じである」。ファンタジー自体が幻想なので、そこに登場するシンボルもまた幻想に過ぎない。"Fairy tales can ~ "「お伽話は、楽しいものもあれば怖いものもあるが、」"but no one ~ "「しかし、誰も本当のことだとは思わない」。
Children may believe them, and so, for a while, the tales are true for them.
- and so : 「そこで、それだから、それで」
- for a while : 「しばらくの間、少しの間」
❖ "Children may ~ "「子供たちはお伽話を信じるだろう」。"and so, for ~ "「そこで、しばらくは、お話は子供たちにとって真実となる」。
Yet when reality dawns, the fantasies are gone. Reality has not gone in the meanwhile.
- dawn [dɔ́ːn] : 「明るくなる、分かり始める、見え出す」
- in the meanwhile : 「当座は、とりあえず、差し当たり」
❖ "Yet when reality ~ "「しかし、現実が分かり始めると、ファンタジーは消えてしまう」。"Reality has not ~ "「実相は一時も消えはしない」。
The Second Coming is the awareness of reality, not its return.
- awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、意識性 」
- return [ritə́ːrn] : 「帰ること、帰還」
❖ "The Second Coming ~ "「キリストの再臨は、実相に気が付くことである」。"not its return"「実相が戻って来ることではない」。実相は、今、ここにある。キリストの再臨はホーリー・スピリットの思考システムを選択することであり、今ここにある実相に目覚めることである。実相は、何処からか帰って来るわけではない。あくまでも、今ここにある。それを見るか、見ないか、選択するのはあなたである。そして、見るために、ホーリー・スピリットを選択せよ、ということになる。
12. Behold, my child, reality is here. It belongs to you and me and God, and is perfectly satisfying to all of Us.
- behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
- belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
- belong to : 「〜に属する、〜の所有物である」
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
- satisfying [sǽtisfàiiŋ] : 「満足な、十分な」
❖ "Behold, my child, ~ "「我が子よ、よく見なさい、実相はここにある」。"It belongs to you ~ "「実相はあなたに、私に、そして神に属している」。"and is perfectly ~ "「そして実相は、私たちみんなを完璧に満足させている」。
Only this awareness heals, because it is the awareness of truth.
- awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、意識性」
❖ "Only this awareness ~ "「これを意識することだけが、癒すのである」。"because it is ~ "「なぜならば、それは真実を意識することだからだ」。ACIMの癒し、ヒーリングは、真実に目覚め、実相に返り咲くことである。病が癒えるのは、その結果に過ぎない。