4. You, then, have two conflicting evaluations of yourself in your mind, and they cannot both be true.
- conflicting [kənflíktiŋ] : 「相反する、対立する」
- evaluation [ivæ̀ljuéiʃən] : 「評価、見積もり」
- both [bóuθ] : 「両方とも、双方とも」
❖ "You, then, have ~ "「したがって、あなたはあなたの心の中に、あなた自身の対立する二つの評価をもっていることになる」。もちろん、エゴによる評価とホーリー・スピリットによる評価の二つ。
You do not yet realize how completely different these evaluations are, because you do not understand how lofty the Holy Spirit's perception of you really is.
- realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、自覚する」
- completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全く」
- different [dífərənt] : 「相違する、異なる」
- understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、納得する」
- lofty [lɔ́ːfti] : 「高尚な、気高い」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、感じ方」
❖ "You do not ~ "「あなたはまだ、これらの評価がどのように完全に異なっているか、自覚してはいないだろう」。"because you do ~ "「なぜなら、あなたは、ホーリー・スピリットの知覚するあなたが、いかに気高いものか理解していないからだ」。ホーリー・スピリットの知覚するあなたは、完全な姿の神の子である。しかし、あなたはまだ、自分をそのように見ることは出来ない。
He is not deceived by anything you do, because he never forgets what you are.
- deceive [disíːv] : 「欺く、だます、裏切る」
- forget [fərgét] : 「〜を忘れる、見落とす」
❖ "He is not ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたがどんなことをしても騙されない」。あなたがこの幻想世界でどんなに悪い夢を見ているとしても、ホーリー・スピリットはそれに騙されることはない。あなたが神の子であるという見極めにぶれはない。"because he never ~ "「なぜならば、ホーリー・スピリットは決して本当のあなたを忘れることはないからだ」。ホーリー・スピリットは常に、神の子であるあなたを気高く評価している。たとえ、あなたが愚かなことをしても、それに騙されることはない。愚かな行いの陰に、本当のあなたがいることをちゃんと知っているからだ。
The ego is deceived by everything you do, especially when you respond to the Holy Spirit, because at such times its confusion increases.
- especially [ispéʃəli] : 「特に、著しく、とりわけ」
- respond [rispɑ́nd] : 「反応する、答える」
- respond to : 「〜に反応する、〜に答える」
- at such times : 「こうした時に」
- confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、混同、混乱状態」
- increase [inkríːs] : 「増える、増大する」
❖ "The ego is deceived ~ "「エゴは、あなたの成すことすべてに騙される」。ここでは、騙されると言うよりも異常反応を示す、と言った方が理解しやすいだろう。"especially when you ~ "「特に、あなたがホーリー・スピリットに反応したとき(は著しい)」。"because at such ~ "「なぜなら、こんな時、エゴの混乱は増大するからだ」。あなたがホーリー・スピリットに反応して真実に目覚めようとするとき、エゴは自身の幻想性を暴かれるかもしれないと思って混乱する。あなたが幻想と錯覚から完全に解放された時エゴも同時に消滅してしまうので、エゴはそれを一番に恐れている。
The ego is, therefore, particularly likely to attack you when you react lovingly, because it has evaluated you as unloving and you are going against its judgment.
- particularly [pərtíkjələrli] : 「特に、とりわけ」
- be likely to : 「〜しそうである」
- attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する」
- react [riǽkt] : 「反応する、反応を示す」
- lovingly [lʌ́viŋli] : 「愛情を込めて、優しく」
- evaluate [ivǽljuèit] : 「評価する、判断する」
- unloving : 「愛情がない、愛情を表さない」
- go against : 「逆らう、従わない、反対する」
- judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、分別」
❖ "The ego is ~ "「したがって、エゴは、あなたが(ホーリー・スピリットに対して)愛情をもって反応する時、ことさら、あなたを攻撃しようとするだろう」。"because it has ~ "「なぜならば、エゴはあなたを愛情の薄い者だと評価したのであり、あなたがその判断に逆らっているからだ」。あなたが愛情深くなれば、他者への攻撃をあなたに勧めるエゴの思惑は大きく狂ってくる。あなたが不安と恐れを抱き、他者に対して攻撃的であることがエゴの理想である。なぜなら、そんな状態のあなたは、幻想から目覚めようなどとは思わないからだ。エゴの理想とする分離は維持される。
The ego will attack your motives as soon as they become clearly out of accord with its perception of you.
- motive [móutiv] : 「動機、真意、目的」
- as soon as : 「〜するとすぐに、〜するや否や」
- out of accord [əkɔ́ːrd] with : 「〜と調和しない」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
❖ "The ego will ~ "「エゴは、〜とすぐに、あなたの動機を攻撃するだろう」。"as soon as they ~ "「その動機が、エゴがあなたを知覚したことに調和しないとすぐに、」あなたの動機を攻撃するだろう。エゴがあなたに仕向けたあなたの姿は、罪の意識と恐れを抱き、他者と自己とを完全に分離し、機会があれば他者を攻撃しようとしている姿である。エゴはあなたをそのように知覚している。ところが、もしあなたが真実を見ようとする動機を抱き、他者を赦すことを学び始めると、それはエゴの知覚と完全に調和しないので、エゴはそんなことを考えているあなたを攻撃するのである。あいつが悪いんだから許す必要はない。そんなヤワな考えだからおまえは騙されるのだ。赦したって、あいつはおまえを許さない。かえって、あいつはおまえを攻撃してくるに違いない。嘘をついているのはホーリー・スピリットの方だ。神だって? 神なんか存在しない。バカはおまえだ。・・・等々。エゴによるあなたへの攻撃は尽きない。したがって、あなたがこのACIMを学ぶに当たって、エゴの抵抗に遭うのは必至である。それを乗り越えられるかどうか、一つの大きな試金石となる。
This is when it will shift abruptly from suspiciousness to viciousness, since its uncertainty is increased.
- shift [ʃíft] : 「変わる、移る」
- abruptly [əbrʌ́ptli] : 「不意に、突然、唐突に」
- suspiciousness [səspíʃəsnis] : 「疑わしさ、不信感」
- viciousness [víʃəsnis] : 「意地の悪さ、敵意」
- uncertainty [ʌnsə́ːrtnti] : 「確信のなさ、不確かさ」
- increase [inkríːs] : 「増える、増大する」
❖ "This is when ~ "エゴがあなたを攻撃するようになる「この時、エゴは突然、不信感から悪意に変わる」。"since its uncertainty ~ "「なぜなら、エゴの疑いが大きくなるからだ」。疑いが増大し、不信感が限界を超えると、攻撃性をもった悪意に変わる。
Yet it is surely pointless to attack in return. What can this mean except that you are agreeing with the ego's evaluation of what you are?
- surely [ʃúərli] : 「疑いなく、確かに」
- pointless [pɔ́intlis] : 「無意味な、よく分からない」
- in return : 「お返しに、見返りとして」
- except [iksépt] : 「ただし、除いて」
- agree [əgríː] : 「同意する、合意する」
- agree with : 「〜に同意する」
- evaluation [ivæ̀ljuéiʃən] : 「評価、評定」
❖ "Yet it is surely ~ "「しかし、(エゴの攻撃に対して)お返しに攻撃し返すということは、確かに意味がない」。"What can this ~ "「これはthat以下を除いて何を意味することが出来ようか」。"that you are ~ "「あなたが、本当のあなたは何かということに関するエゴの評価に合意している」ということ以外に何を意味することが出来ようか。それしか意味しない。あなたがエゴの攻撃に対して、攻撃でお返ししたら、あなたの本性は攻撃性であるというエゴの評価を証明したことになる。
5. If you choose to see yourself as unloving you will not be happy.
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
- unloving [ʌ̀nlʌ́viŋ] : 「愛情がない、愛情を表さない」
❖ "If you choose ~ "「もし、あなたが、あなた自身を愛のない者と見ることを選んだら、」"you will not be ~ "「あなたは幸福にはなれないだろう」。
You are condemning yourself and must therefore regard yourself as inadequate.
- condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める」
- regard [rigɑ́ːrd] : 「〜を〜と見なす」
- regard A as B : 「AをBと見なす」
- inadequate [inǽdəkwət] : 「不十分な、不適切な」
❖ "You are condemning ~ "「あなたはあなた自身を非難し、」"and must therefore ~ "「そして、あなた自身を不適切な人間と見なすに違いない」。何が不適切なのか書いていないが、敵意をもって攻撃するあなたは神から愛されるのに不適切だと見なしてしまうだろう。つまり、神の子にふさわしくないと自分を評価するわけだ。
Would you look to the ego to help you escape from a sense of inadequacy it has produced, and must maintain for its existence?
- look to : 「〜を当てにする、〜に頼る」
- escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する」
- sense [séns] : 「感覚、感触」
- inadequacy [inǽdikwəsi] : 「不適切、不十分」
- produce [prədjúːs] : 「〜を作り出す、生産する」
- maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する」
- existence [igzístns] : 「存在、実存、実在」
❖ "Would you look ~ "意訳する、「あなたは、不適切だというエゴが生み出した感覚からあなたを救い出して欲しいとエゴに頼み、エゴの存在を維持するに違いないようなことを、あなたは望むのか」。あなたは神の子にふさわしくなく、神の愛に値しない(inadequacy)とあなたは自分で評価しているが、それはエゴの思考システムに毒されているからだ。それはエゴが生み出している感覚だから、、その感覚から救い出してほしいとエゴに求めることは矛盾だ。
Can you escape from its evaluation of you by using its methods for keeping this picture intact?
- method [méθəd] : 「方法、方式、手法」
- picture [píktʃər] : 「絵、イメージ、光景」
- intact [intǽkt] : 「損なわれていない、無傷の」
❖ "Can you escape ~ "「あなたは、エゴの評価から逃れられるだろうか」。神の子として不適格だという評価から逃れされるだろうか。"by using its ~ "「このイメージを手付かずのまま温存しておこうというエゴの手段を使って、」逃れられるだろうか。"this picture"「このイメージ」とは" its evaluation of you"「エゴがあなたを評価したもの」つまり、神の子に値しないというレッテル。エゴはあなたに対する評価を変えようとはせず、むしろ温存しておこうとする。なぜなら、そうすることでエゴ自体が自分を温存できるからだ。そんなエゴに頼って、あなた自身のエゴの評価から逃れられるはずはない。要するに、救いを求める相手を間違えているのだ。正しくは、ホーリー・スピリットにそれを取り消してくれるよう求めなくてはならない。