3. Your peace lies in its limitlessness. Limit the peace you share, and your self must be unknown to you.
- lie [lái] : 「ある、横たわる」
- limitlessness [límitlisnis] : 「無限性」
- limit [límit] : 「限定する、制限する」
- share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
- unknown [ʌnnóun] : 「知られていない、未知の」
❖ "Your peace lies ~ "「あなたの平和は、その無限性の中にある」。"Limit the peace ~ "「あなたが分かち合う平和を制限してみなさい」。"and your self ~ "「そうすれば、本当のあなた自身は、あなたに決して知られることはなくなってしまう」。ここの『平和』を『自由』に置き換えても意味は完全に通じる。つまり、平和と自由が一つの真実として重なってくる。また、"your self"は単なる自分自身ではなく、真の自分自身、実相的なハイヤー・セルフ(高我)と考えていい。ホーリー・スピリットと一体化したあなたのことだ。さて、平和を制限するとはどういう意味だろうか? 実相的な平和は分かち合うことで無限に拡張する。したがって、平和を分かち合うことなく独占しようとしたり、平和と引き換えに何かを得ようとしたりすることが平和を制限することにつながる。それは実相世界の神の法に反することだから、あなたは真実を知り得るポジションから吐き出され、実相を知ることが出来なくなる。したがって、実相に存在する真のあなた自身、ハイヤー・セルフを知ることも出来なくなる。
Every altar to God is part of you, because the light he created is one with him.
- altar [ɔ́ːltər] : 「祭壇、聖餐台」
❖ "Every altar to ~ "「神へのあらゆる祭壇は、あなたの一部である」。"because the light ~ "「なぜなら、神が創造した光は神と一つだからだ」。あなたの心の中の一番神聖な部分、神との直接的なコミュニケーションを司る部分、そこが神の祭壇である。そこには小さな火花(spark)が灯っており、心と心がその火花を分かち合うことで火花の光は拡大していく。その火花の源をたどれば、当然神の子を創造した神にたどり着くわけで、いわば、その火花には神が宿っているととらえていい。真実は光を発し、神は光である。実相の世界には光の対極概念である闇はない。それまで暗かったあなたの心の祭壇に光が差してきたなら、それは神の息吹だと思えばいい。
Would you cut off a brother from the light that is yours? You would not do so if you realized that you can darken only your own mind.
- cut off : 「遮断する、分離する」
- realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、自覚する」
- darken [dάːrkən] : 「〜を暗くする」
❖ "Would you cut ~ "「あなたは、あなたのものである光から、同胞を切り離してしまいたいと思うだろうか」。"You would not ~ "「もしあなたが、(そんなことをしても)ただあなた自身の心を暗くするだけだと知っていたなら、あなたはそんなことをしようとは思うまい」。ここは仮定法過去で書かれているので、残念ながら、あなたは同胞をあなたの光から切り離し、あなた自身の心を暗くしている。
As you bring him back, so will you return. That is the law of God, for the protection of the wholeness of his Son.
- bring [bríŋ] back : 「連れ戻す、連れて帰る」
- return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る」
- law [lɔ́ː] : 「法、法律」
- protection [prətékʃən] : 「保護、防御」
- wholeness [hóulnis] : 「全体、全体性」
❖ "As you bring ~ "「同胞を連れ戻すにしたがい、」"so will you ~ "「あなたも帰還することになるだろう」。実相の世界から離れた同胞を呼び戻すことで、あなたも実相の世界に回帰できる。あなたと同胞は自他一如だからだ。"That is the law ~ "「それが神の法である」。"for the protection ~ "「そして、神の法は、神の子の全体性を守るためにある」。あなた独りが神の世界に回帰してもダメなのだ。神の世界では、神の子の心はただ一つである。それが神の子の全体性であり、単一性である。そのためには、あなたは同胞を含めて共に神の下(もと)へ回帰しなくてはならない。そうでなければ、心の全体性は失われてしまう。
4. Only you can deprive yourself of anything. Do not oppose this realization, for it is truly the beginning of the dawn of light.
- deprive [dipráiv] : 「奪う、剥奪する」
- deprive A of B : 「AからBを奪う」
- oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する」
- realization [rìːəlizéiʃən] : 「理解、認識」
- truly [trúːli] : 「全く、本当に」
- beginning [bigíniŋ] : 「開始、始まり」
- dawn [dɔ́ːn] : 「夜明け、始まり」
❖ "Only you can ~ "「あなただけが、あなた自身から何かを奪うことが出来る」。言い換えれば、他者はあなたから何も奪うことは出来ない。おやっと思われるかもしれないが、実相の世界では、これは真実だ。"Do not oppose ~ "「この認識に反抗してはいけない」。" for it is truly ~ "「なぜなら、それは、光が出現する本当の兆(きざ)しだからだ」。つまり、実相に目覚める第一歩だということ。幻想世界でこそ、他者はあなたを攻撃し、あなたから何かを奪っているかのように見えるが、それは単なる悪夢に過ぎない。実相的には何も起こっていない。
Remember also that the denial of this simple fact takes many forms, and these you must learn to recognize and to oppose steadfastly, without exception.
- remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
- also [ɔ́ːlsou] : 「〜もまた、同様に」
- denial [dináiəl] : 「否定、拒否、拒絶」
- simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な」
- fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、姿」
- take many forms : 「さまざまな形態をとる」
- learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、習う」
- recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる」
- steadfastly [stédfæ̀stli] : 「断固として、しっかりと」
- exception [iksépʃən] : 「例外、除外」
- without exception : 「例外なく、残らず」
❖ "Remember also ~ "「また、that以下も覚えておくようにしなさい」。"that the denial ~ "「この単純な真実の否定はさまざまな形態をとること」も覚えておきなさい。この単純な真実とは、あなただけがあなた自身から何かを奪うことが可能だという真実。つまり、他者はあなたから何も奪うことは出来ないという真実。"and these you ~ "「そして、(さまざまな形態とは、)あなたが認識することを学び、例外なく断固として反対しなくてはならない(さまざまな形態である)」。
This is a crucial step in the reawakening. The beginning phases of this reversal are often quite painful, for as blame is withdrawn from without, there is a strong tendency to harbor it within.
- crucial [krúːʃəl] : 「重大な、決定的な」
- reawaken [riəwéikən] : 「再び目を覚ます」
- beginning [bigíniŋ] : 「最初の、初歩の」
- phase [féiz] : 「段階、局面、相」
- reversal [rivə́ːrsl] : 「逆転、逆戻り、反転」
- often [ɔ́fn] : 「しばしば、たびたび」
- quite [kwáit] : 「かなり、非常に」
- painful [péinfl] : 「痛い、苦痛の」
- blame [bléim] : 「非難、責め」
- withdrawn [wiðdrɔ́ːn] : 「withdraw の過去分詞形」
- withdraw [wiðdrɔ́ː] : 「引っ込める、取り下げる」
- without [wiðáut] : 「外、外部、外側」
- from without : 「外から、外側から、外部から」
- tendency [téndənsi] : 「傾向、性向、性癖」
- harbor [hɑ́ːrbər] : 「心に抱く、〜をかくまう」
- within [wiðín] : 「〜の中に、〜の心の中に」
❖ "This is a crucial ~ "「これは、再び目覚めるための重要なステップである」。"The beginning ~ "「この(思考の)逆転の初期段階は、しばしばかなりの苦痛を伴うものだ」。他者があなたから奪うものだと思っていたのに、他者はあなたから奪えないと思考を逆転させることは、思考の混乱を招くと同時に苦痛である。しかし、その思考の逆転は、再び実相に目覚めるためには絶対必要なステップだ。"for as blame ~ "「なぜなら、責任を外部から引っ込めるにしたがい、」"here is a strong ~ "「その責任を内側に囲い込んでしまう強い傾向があるからだ」。以前は、奪った他者が悪い、奪おうとした他者に責任がある、というように、原因と責任を外部に求めていたのだが、思考の逆転の結果、外部に求めた責任を自分の責任として自分の内側に引き戻すのである。ところが、自分の内側に引き込んだ責任を、今度はいつまでも心の中にかくまってしまう傾向が出てくる。
It is difficult at first to realize that this is exactly the same thing, for there is no distinction between within and without.
- difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な」
- at first : 「最初は、初めは」
- realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、自覚する」
- exactly [igzǽktli] : 「正確に、厳密に、まさしく」
- distinction [distíŋkʃən] : 「区別、差異、違い」
- between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "It is difficult ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「これはまったく同じことだと気付くのは、初めは難しいことだ」。これとは、外部に責任を求めることと自分の内部に責任を抱え込むこと。"for there is ~ "「なぜなら、内と外の間に区別はないからだ」。内と外の区別がないという解釈であるが、実相の世界には時間というものがないと同時に、空間という概念も存在しないので、内と外の区別がない、ととらえることは可能だ。しかし、単純に自他一如であるから、同胞とあなた自身は同一なので、彼を責めるのも自分を責めるのも、実は同じことだと考えていいだろう。いずれにせよ、責任を振りかざして責めるのはいいことではない。では、どうするのがいいのか? ACIMは、ただただ赦せばいいと言う。奪い奪われることで苦と痛みを感じることは幻想だと達観し、その幻想を赦し、そして手放してやる。これがACIMの教える目覚めるための秘策だ。