9. The ego can and does allow you to regard yourself as supercilious, unbelieving, "lighthearted," distant, emotionally shallow, callous, uninvolved and even desperate, but not really afraid.
- allow [əláu] : 「〜を許す、許可する」
- regard [rigɑ́ːrd] : 「〜を〜と見なす、考える」
- supercilious [sùːpərsíliəs] : 「傲慢な、他人を見下した」
- unbelieving : 「疑い深い、懐疑的な」
- lighthearted : 「陽気な、楽天的な、気軽な」
- distant [dístənt] : 「よそよそしい、冷ややかな」
- emotionally [imóuʃənli] : 「感情的に、情緒的に」
- shallow [ʃǽlou] : 「浅い、浅はかな、浅薄な」
- callous [kǽləs] : 「無神経な、冷淡な、思いやりのない」
- uninvolved : 「単純な、複雑でない、関与しない」
- desperate [déspərət] : 「自暴自棄の、捨て身の」
- afraid [əfréid] : 「恐れて、怖がって」
❖ "The ego can ~ "「エゴは、あなたがあなた自身を as以下のように見なすのを許すことが出来るし、また許してもいる」。"as supercilious, ~ "「傲慢で、疑い深く、『能天気で』、冷ややかであり、情緒的に浅薄で、無神経な、単純で、自暴自棄でさえあり、しかし、実際は何も怖がってはいない、」とあなた自身を見なすことをエゴは許している。エゴ自身がそうだからだ。
Minimizing fear, but not its undoing, is the ego's constant effort, and is indeed a skill at which it is very ingenious.
- minimize [mínəmàiz] : 「最小限に抑える、最小化する」
- undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、取り消す」
- constant [kɑ́nstənt] : 「持続する、絶えず続く」
- effort [éfərt] : 「努力、尽力、試み」
- indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに」
- skill [skíl] : 「技能、手腕、スキル、技」
- ingenious [indʒíːnjəs] : 「巧妙な、独創的な」
❖ "Minimizing fear, ~ "ここは単なる動名詞、「恐れを取り消すのではなく、最小限に抑えることは、エゴのたゆまぬ努力であり、それはいかにも、エゴが非常に長けている技術である」。エゴはその場その場で恐れをごまかして、しのいでいる。そのごまかしの技量は天才肌だ。しかし、恐れを取り消すことはしない。
How can it preach separation without upholding it through fear, and would you listen to it if you recognized this is what it is doing?
- preach [príːtʃ] : 「〜に説教する、〜を説き勧める」
- separation [sèpəréiʃən] : 「分離、離脱」
- uphold [ʌphóuld] : 「支える、維持する」
- would [wúd] : 「〜したいと思う」
- listen [lísn] to : 「耳を傾ける、聴く」
- recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる」
❖ "How can it ~ "「恐れを利用して分離を維持することなく、エゴは分離を説き勧めることがどうやって出来るだろうか」。エゴは恐れを利用して、神の子の分離を維持しようとする。エゴは、神はあなたを罰しようとしているし、他者はあなたから何かを奪おうとしていると、あなたに吹聴してあなたの恐怖心を煽る。こうして、神からの分離、同胞との分裂を説き勧めるのだ。"and would you ~ "「もしあなたが、これがエゴのやっていることだと認識したなら、いったいエゴの説き勧める話に耳を傾けたいと思うだろうか」。
10. Your recognition that whatever seems to separate you from God is only fear, regardless of the form it takes and quite apart from how the ego wants you to experience it, is therefore the basic ego threat.
- recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証」
- whatever [hwʌtévər] : 「〜するのは何でも」
- seem [síːm] to : 「〜するように見える」
- separate [sépərèit] : 「分離する、切り離す」
- separate A from B : 「BからA を切り離す」
- regardless [rigɑ́ːrdləs] : 「〜にかかわらず、〜に関係なく」
- regardless of : 「〜にかかわらず」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、外見」
- quite [kwáit] : 「とても、非常に」
- apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
- experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
- therefore [ðéərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って」
- basic [béisik] : 「基礎の、基本的な」
- threat [θrét] : 「脅迫、脅し」
❖ "Your recognition ~ "「that以下というあなたの認識は、」"that whatever ~ "「あなたを神から切り離しているように見えることなら何でも、それは単なる恐れである」というあなたの認識は。神からの分離は神に対する恐れが原因であるとあなたが認識していることは、ということ。"regardless of ~ "「その恐れがどんな形をとったとしても、また、エゴがあなたにその恐れをどのように経験させたいのかとは全く関係なく、」あなたの認識は、"is therefore the ~ "「したがって、基本的なエゴの恐れである」。つまり、エゴはあなたがそういう認識をすることを恐れている。どういうことかと言うと、神からの分離が恐れの原因であるとあなたが正しく認識すれば、あなたは神と和解し神に回帰してしまうに違いないと、エゴは恐れているのだ。エゴは何としてでも、あなたが神に対抗して欲しいわけだ。あなたが神と和解し神に回帰すれば、あなたは実相に目覚め、同時に幻想は消え、したがってエゴは消滅するからだ。
Its dream of autonomy is shaken to its foundation by this awareness.
- dream [dríːm] : 「夢、夢現象」
- autonomy [ɔːtɑ́nəmi] : 「自治、自律、自主」
- shake [ʃéik] : 「、揺るがす、〜を動揺させる」
- foundation [faundéiʃən] : 「土台、礎、基盤」
- awareness [əwéərnəs] : 「認識、意識性」
❖ "Its dream of ~ "「エゴの自律への夢は、あなたがこのように意識することで、根底から揺るがされる」。エゴの自律の夢とは、エゴが神のように自律的に活動し、さらに人間の心を完全に独裁すること。しかし、実際は、エゴはあなたが幻想を夢に見ていることに完全に依存している。したがって、あなたが神と和解して実相に目覚めようと意識することは、エゴの生存の根底を揺るがすことになる。
For though you may countenance a false idea of independence, you will not accept the cost of fear if you recognize it.
- though [ðóu] : 「〜にもかかわらず、たとえ〜でも」
- countenance [káuntənəns] : 「〜を支持する、〜に賛同する」
- false [fɔ́ːls] : 「偽りの、虚偽の、誤った」
- independence [ìndipéndəns] : 「独立、自活、自立」
- accept [əksépt] : 「認める受け入れる」
- cost [kɔ́st] : 「犠牲、代償」
- recognize [rékəgnàiz] : 「認める、〜を認識する」
❖ "For though you ~ "「なぜなら、たとえあなたが、独立に対する誤った考えを支持したとしても、」"you will not ~ "「もしあなたが、それ(神からの分離が恐れの原因だということ)を認識しているなら、恐れによって支払われる代償を、あなたは受け入れることはないだろうからだ」。非常に難解だが、同時に非常に重要な箇所でもある。遠い昔、神と共にあった神の子は、ひょっとしたら神なしで自立し、神のように生きていけるのではないかと思った。確かにこれは誤った独立の考え(a false idea of independence)ではあった。神の子が自立(神からの独立)を考えた瞬間、その思いは現実化し、神の子は神から分離した。その結果、いったい何が生じたか? 心の無意識の奥底には、神を裏切ったという罪の意識が生じ、いつかは神から罰せられるに違いないという恐れが生じた。その恐れに対して、神の子の心はいったいどれだけの代償(cost)を支払ったことだろう。恐れから逃避するために自己を乖離し、幻想の世界を投影によってでっち上げ、飢え、病、憎しみ、苦しみ、痛み、死、等々の幻想を飽くことなく偽創造してきた。もしあなたが、神からの分離がそもそも恐れの原因であると認識していたなら(if you recognize it)、いったい、こんな恐れへの代償を容認したであろうか? そんなことはあるまい(you will not accept the cost of fear)。
Yet this is the cost, and the ego cannot minimize it. If you overlook love you are overlooking yourself, and you must fear unreality because you have denied yourself.
- minimize [mínəmàiz] : 「最小限に抑える、最小化する」
- overlook [òuvərlúk] : 「見落とす、見過ごす」
- unreality : 「非現実性、実在しないもの」
- deny [dinái] : 「〜を否定する、拒絶する」
❖ "Yet this is ~ "「しかし、これが(恐れに対する)代償であり、エゴはそれを最小限に抑えることも出来ない」。恐れの代償としてあなたはこの幻想世界の苦を背負った。そんなあなたに取りついたエゴは、果たしてあなたの苦を減じてくれたただろうか? "If you overlook ~ "「もしあなたが愛を見過ごしてしまったなら、」"you are overlooking ~ "「あなたは自分自身を見過ごしていることになる」。"and you must ~ "「そして、あなたは自己を否定したので、非実在を恐れざるを得ないのだ」。ここの"love(愛)"は実相を象徴するものなので、『神の愛』あるいは『神』という言葉に置き換えてもいい。あなたが神の愛を見過ごしてしまうようであれば、それは真実の実相を見逃してしまったことであり、本当の自分自身にさえも気付きはしない。本当の自分自身を見過ごすことは自己否定そのものであって、実相世界は遠ざかり、非実相(unreality)であるこの幻想世界の中に閉じこもってしまうことになる。その非実相の中で、あなたは恐れを抱いて生きていかねばならなくなったのだ。
By believing that you have successfully attacked truth, you are believing that attack has power.
- successfully [səksésfəli] : 「首尾よく、うまく」
- attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する」
- truth [trúːθ] : 「現実、真理」
❖ "By believing ~ "「あなたが首尾よく真実を攻撃したと信じることで、」"you are believing ~ "「あなたは攻撃がパワーをもつと信じている」。恐れを隠し持ったあなたは、エゴの唆(そそのか)しに乗って、攻撃こそは最大の防御だと言わんばかりに、実相の真実を攻撃する。神が何をしてくれるというのか、金と権力こそがこの世の実存そのものだ、と主張する。そして、その金と権力こそが最大のパワーをもっていると信じている。金と権力を得るには、もちろん攻撃によって奪い取らねばならない。エゴの思考システムである。
Very simply, then, you have become afraid of yourself. And no one wants to find what he believes would destroy him.
- simply [símpli] : 「簡単に、単に」
- be afraid [əfréid] of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
- destroy [distrɔ́i] : 「〜を滅ぼす、破滅させる」
❖ "Very simply, ~ "「そこで、非常に簡単に言えば、あなたはあなた自身を恐れるようになってしまったのだ」。神や他者を攻撃するパワーをもっていると信じている自分が、実は一番恐ろしい。なぜなら、そのパワーは幻想のパワーであって、錯覚、幻、そのものだからだ。あなたはそれに薄々気付いている。金や権力のパワーを信じているが、それが幻であり、いつかは自分に牙(きば)を向けて来ることを知っている。幻想のパワーを信じている自分が一番恐ろしい。"And no one ~ "「そして誰も、信じているものが自分を破滅させることなど見たくもない」。幻想のパワーが自分を破滅させる姿など見たくない。だから、心の奥底で自分を恐れるのである。言い換えれば、金や権力の幻想のパワーを捨てない限り、あなたの恐れは解消しない。そして、本当のパワーが神と共にあることを認識しなくてはならない。それは実相のパワーであり、言い換えれば『愛のパワー』ということになるだろうか。