V. The Changeless Dwelling Place
変わることのない住み家
1. There is a place in you where this whole world has been forgotten; where no memory of sin and of illusion lingers still.
- place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
- whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
- forgotten [fərɡάtn] : 「forget の過去分詞形」
- forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、見落とす」
- memory [méməri] : 「記憶、思い出」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」 linger [líŋɡər] : 「長居する、居残る、残存する」
❖ "There is a place ~ "「あなたの心の中に、この世界全体が忘れられた場所がある」。あなたの心の中に、この幻想世界とまったく関わりを持たない実相的な場所がある。心の中の最も純粋で神聖な部分であり、そこに神の祭壇がある。この祭壇が、幻想世界と実相世界を結ぶチャンネルになっている。"where no memory ~ "「そこには、罪や幻想の記憶は、もう残存していない」。
There is a place in you which time has left, and echoes of eternity are heard.
- left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
- leave [líːv] : 「去る、退く、出発する」
- echo [ékou] : 「反響、こだま、山びこ現象、残響」
- eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限」
- heard [hə́ːrd] : 「hear の過去・過去分詞形」
❖ "There is a place ~ "「あなたの心の中に、時間が過ぎ去り、永遠性のこだまが聞こえる場所がある」。あなたの心の最も純粋で神聖な部分は実相的であり、無時間の空間である(実は、空間さえもない)。時間は存在出来ず、比喩的に言うなら、永遠性だけがこだまする空間である。
There is a resting place so still no sound except a hymn to Heaven rises up to gladden God the Father and the Son.
- resting [réstiŋ] place : 「休憩所、休める場所」
- sound [sáund] : 「音、音声」
- except [iksépt] : 「ただし、〜ということを除いて」
- hymn [hím] : 「賛美歌、聖歌」
- rise [ráiz] up : 「立ち上がる、起こる」
- gladden [ɡlǽdn] : 「〜を喜ばせる」
❖ "There is a resting place ~ "「父なる神や神の子を喜ばせるために、天の王国への聖歌が聞こえる以外に、まったく音のしない休める場所がある」。ここも、比喩的表現ととらえていいだろう。
Where Both abide are They remembered, Both. And where They are is Heaven and is peace.
- abide [əbáid] : 「とどまる、居住する」
- remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
- both [bóuθ] : 「両方ともに、双方ともに」
- peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "Where Both abide ~ "「神と神の子が住むところでは、両者ともに、覚えられている」。忘れられることはない、という意味合い。"And where They ~ "「そして、神と神の子が存在しているところに、天の王国が存在し、平和が存在する」。神と神の子が存在する場所が天の王国であり、実相世界である。無時間、無空間であり、永遠不変の世界である。一元論世界であり、あらゆる真実は、その対立概念をもたない。したがって、たとえば、実相的な愛は存在するが、対立概念の憎悪は存在しない。平和は存在するが、争いは存在しない。
2. Think not that you can change Their dwelling place. For your Identity abides in Them, and where They are, forever must you be.
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
- dwelling [dwéliŋ] : 「住居、居住施設」
- dwelling place : 「居所、住居」
- identity [aidéntəti] : 「自我同一性、固有性、正体、身元」
- forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Think not that you can ~ "「神と神の子が住む場所を変えることが出来るなどと考えてはいけない」。神と神の子は実相世界に住んでいるのであって、この幻想世界に住むことは出来ない。あなたが、夜見る夢の中に入り込んで、そこに住むことが出来ないのと同じである。"For your Identity ~ "「なぜなら、あなたのアイデンティティは、神と神の子の内にあるのであって、神と神の子が住む場所に、あなたも永遠に住んでいるに違いないからだ」。あなたは、この世界に住んでいると思っているが、それは、単に夢を見ているだけである。本当のあなたは神の子であって、神と共に実相世界に住んでいるのだ。
The changelessness of Heaven is in you, so deep within that nothing in this world but passes by, unnoticed and unseen.
- changelessness [tʃéindʒlisnis] : 「不変性、変化のないこと」
- deep [díːp] : 「深い、深さがある」
- within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
- pass by : 「〜のそばを通る、〜を通り過ぎる」
- unnoticed [ʌnnóutist] : 「気付かれない、注目されない」
- unseen [ʌnsíːn] : 「目に見えない」
❖ "The changelessness ~ "「天の王国の不変性は、あなたの心の中にある」。あなたの心の最も純粋で神聖な部分は実相的であって、実相世界と同様に、永遠不変性を有している。あなたの心の最も純粋で神聖な部分は幻想ではないのだ。実在である。"so deep within that ~ "「それは、心の内側深くに存在するので、この世界の何ものも通り過ぎても、気付かれもせず、見られることもない」。つまり、幻想世界に住んでいると思っているあなたは、あなたの心の中には最も純粋で神聖な部分が存在することに気付くこともなければ、見ることも出来ない。
The still infinity of endless peace surrounds you gently in its soft embrace, so strong and quiet, tranquil in the might of its Creator, nothing can intrude upon the sacred Son of God within.
- infinity [infínəti] : 「無限であること、無限性」
- endless [éndləs] : 「終わりのない、永遠の、絶え間のない」
- surround [səráund] : 「包囲する、取り囲む」
- gently [dʒéntli] : 「親切に、静かに、優しく、穏やかに」
- soft [sɔ́ft] : 「柔らかい、穏やかな、優しい」
- embrace [embréis] : 「抱擁、取り囲むこと、受諾」
- strong [strɔ́ŋ] : 「強い、力がある、力強い、強力な」
- quiet [kwáiət] : 「静かな、静粛な、平穏な、穏やかな」
- tranquil [trǽŋkwil] : 「落ち着いた、平静な、平穏な、穏やかな」
- might [máit] : 「力、権力、勢力」
- creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
- intrude [intrúːd] : 「侵入する、入り込む、立ち入る」
- sacred [séikrid] : 「神聖な、宗教的な」
❖ "The still infinity of ~ "「尽きることのない平和の無限性が、あなたを優しく抱きかかえてるように取り囲んでいる」。"so strong and quiet ~ "「それは、永遠の平和の創り主(である神)の力の中で、あまりにも強く、静かで穏やかなので、」"nothing can intrude upon ~ "「何ものも、平和の内にある神聖な神の子を犯すことは出来ない」。ここは理屈を考えずに、状況をイメージするだけでいい。声に出して朗読してみれば、なおさらいい。