3. Nothing survives its purpose. If it be conceived to die, then die it must unless it does not take this purpose as its own.
- survive [sərváiv] : 「切り抜けて生き残る、乗り切る」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- conceive [kənsíːv] : 「心に描く、思い付く、着想する」
- die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
- unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
❖ "Nothing survives ~ "「何ものも、その目的を越えて生き残ることはない」。何ものも、その目的を達成すればそこでストップし、それ以上に進むことはない。"If it be conceived ~ "「もし、死ぬことが思い描かれていれば、」"then die it must ~ "「この目的を自分自身のと考える限り、それは必ず死ぬ」。"unless it does not ~ "この部分が二重否定になっていることに注意すること。あなたが、肉体は死ぬものであると考えている限り、肉体は死という目的にそって進行し、そして、必ず死ぬ。
Change is the only thing that can be made a blessing here, where purpose is not fixed, however changeless it appears to be.
- change [tʃéindʒ] : 「変化、変更、移行、交換」
- blessing [blésiŋ] : 「祝福、有り難いもの、恩恵、幸運」
- fix [fíks] : 「固定する、取り付ける、決定する、確定する」
- however [hauévər] : 「どんなに〜でも、いかに〜であろうとも」
- changeless [tʃéindʒlis] : 「変化のない、不変の、無変化の」
- appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる」
❖ "Change is the only thing ~ "「変化は、ここでは唯一の恩恵あるものと言うことが出来る」。目的が固定化されず、変化出来るものであれば、目的を選択する心を変えればいいだけの話であって、それは恩恵だと言える。"where purpose is ~ "「変化する状況下では、目的は固定化されていない」。"however changeless ~ "「たとえ、それが変化しようのないものに見えようとも」。たとえば、死は、変化することなく固定化されているように見えるだろうが(changeless it appears to be)、肉体のもつ目的を変化させれば、死のもつ必然性も変化して、死を消し去ることが出来るのだ。
Think not that you can set a goal unlike God's purpose for you, and establish it as changeless and eternal.
- set a goal : 「目標を設定する」
- unlike [ʌnláik] : 「〜とは違って」
- establish [istǽbliʃ] : 「確立する、設置する、設立する」
- eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
❖ "Think not that you ~ "「神があなたのために設定した目的とは異なったものをあなたが設定し、それを変化することなく永遠なものに確立することが出来るなどと、考えてはいけない」。神があなたのために設定した実相的な目的と異なって、あるいはそれを真似て、この幻想世界で、幻想的な目的を設定し、それを永遠不変なものにしようとしてはいけない。そんなことは不可能だからだ。
You can give yourself a purpose that you do not have. But you can not remove the power to change your mind, and see another purpose there.
- remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
- power [páuər] : 「力、能力、勢力」
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
- another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
❖ "You can give yourself ~ "「あなたは、あなたがもってはいない目的を、自分自身に与えることは出来る」。"But you can not remove ~ "「しかし、あなたは、あなたの心を変えて、そこにまた別の目的を見るというパワーを除去することは出来ないのだ」。幻想に耽溺している心ではあるが、その心の持つ目的を変えるパワーを、つまり、実相を見るという目的に変えるパワーを否定することは出来ない。心のもつ実相的パワーを否定することは出来ないのだ。なぜなら、それは神から継承した神の属性であって、神の子に生来備わっているパワーだからだ。ならば、そのパワーを最大限に活用して、幻想から実相へ目覚めることを、あなたの目的と出来るはずなのだ。心を幻想から実相へ向かわせることが出来るはずなのだ。
4. Change is the greatest gift God gave to all that you would make eternal, to ensure that only Heaven would not pass away.
- great [ɡréit] : 「偉大な、卓越した、すてきな、素晴らしい」
- gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
- gave [géiv] : 「give の過去形」
- eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
- ensure [inʃúər] : 「〜を確かにする、保証する、請け合う」
- pass away : 「過ぎ去る、去る、廃れる、なくなる」
❖ "Change is the greatest ~ "「変化は、あなたが永遠なるものに変えたいと思うものすべてに対して神が与えた最大の贈り物である」。たとえば、あなたは愛を永遠なものにしたいと望んだとしよう。しかし、今のままの心、つまり、幻想に浸ったままの心では、愛を永遠な愛に変えることは出来ない。そこで、神が神の子に与えた最大の贈り物である、心を変えるというパワーを使うのである。幻想的な心を、実相的な心に、つまり、心からエゴを駆逐して、ホーリー・スピリットの導きに従う心に変えるのである。こうすることで、あなたの愛を、永遠な実相的愛に変化させることが出来るのである。"to ensure that ~ "「その結果、ただ天の王国だけが、過ぎ去ってしまうことのないものだと確信することになる」。心が実相的な心に変化すれば、天の王国、つまり、実相世界だけが実在であって、永遠不変だと知ることが出来るのである。" ~ would not pass away"「過ぎ去ってしまうことのない」とは、永遠不変だということ。変化し、崩壊してしまう幻想世界とは異なるのだ。たとえば愛も、過ぎ去ってしまうことなく、つまり、崩壊することなく、永遠に生き続けるのである。
You were not born to die. You cannot change, because your function has been fixed by God.
- born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する、産声を上げる」
- die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
❖ "You were not ~ "「あなたは、死ぬために生まれてきたのではない」。"You cannot change ~ "「あなたの役割は、神によって設定さられたものなので、あなたは、変化することは出来ないのだ」。あなたは、神の子として、その命を永遠に生きるという役割を神から与えられたのだ。それを変えることは出来ない。
All other goals are set in time and change that time might be preserved, excepting one.
- other [ʌ́ðər] : 「ほかの、そのほかの、残りの」
- goal [goal] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
- preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保つ、保存する、守る、順守する」
- excepting [ikséptiŋ] : 「〜を除いて、〜を例外として」
❖ "All other goals are set ~ "「それ以外のあらゆる目的は、〜するために、時間と変化の中にセットされる」。"that time might ~ "「たった一つのものを除いて、時間を保持するために、」あらゆる目的は、時間と変化の中にセットされる。時間という枠組みの中で変化が進行するように、すべての目的は時間と空間の中にセットされ、変化のスイッチが入れられたのだ。例外が一つだけある。つまり、時間を保持しないものが一つある。それは、次項。
Forgiveness does not aim at keeping time, but at its ending, when it has no use.
- forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
- aim [éim] : 「狙う、目指す、目的とする」
- aim at : 「〜を目指す、〜を得ようとする」
- keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する、〜を守る」
- ending [éndiŋ] : 「終わり、終了、終点、末期、死」
- have no use [júːs] : 「必要がない、不要である」
❖ "Forgiveness does not ~ "「赦しは、時間を保持することを目的としていない」。"but at its ending ~ "「そうではなく、時間が不要となったとき、時間を終わらせることを目的にしているのだ」。幻想世界に居座(いすわ)るならば、当然時間は必要とされるが、一旦、実相に目覚めたならば、もはや時間は必要でない。なぜなら、実相世界は無時間の世界だからだ。その実相へ目覚めるには、幻想を幻想として認識し、受け入れ受け流し、赦して、幻想を消滅させればいいのだ。つまり、幻想を赦して消滅させることによって、時間も同時に消滅する。言い換えれば、赦しの目的の一つは、時間を消滅させることなのである。
Its purpose ended, it is gone. And where it once held seeming sway is now restored the function God established for His Son in full awareness.
- gone [gone] : 「go の過去分詞形」
- held [héld] : 「hold の過去形」
- seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの、うわべの」
- sway [swéi] : 「支配、統治」
- restore [ristɔ́ːr] : 「回復させる、修復する、復活させる、復帰させる」
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
- establish [istǽbliʃ] : 「確立する、設立する、開設する、達成する」
- full [fúl] : 「全部の、全面的な、徹底した、完全な」
- awareness [əwέərnis] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
❖ "Its purpose ended ~ "「時間の目的が尽きるとき、時間は消滅する」。"And where it once ~ "「かつて時間が支配していたかに見えたところに、今や、完全に目覚めた神の子のために神が確立した役割が復活するのである」。神の子が幻想を赦して、幻想が消滅するとき、時間の存在意義は失われ(Its purpose ended)、幻想世界を支配していたかに見えた(it once held seeming sway)時間も消滅する(it is gone)。幻想を赦した神の子は、完全に実相に目覚め(in full awareness)、神から与えられた神の子の使命(the function God established for His Son)、すなわち、実相の命を生きるという役割を思い出すのだ。神の子は、ホーリー・スピリットと共に神と融合し、三位が一体となって、純粋一元論世界である天の王国が完結する。あらゆる存在が、神という一点に収斂するのである。
Time can set no end to its fulfillment nor its changelessness.
- end [énd] : 「終わり、端、最後、終局、終焉、終点、終了」
- fulfillment [fulfílmənt] : 「実現、成就、達成」
- changelessness [tʃéindʒlisnis] : 「変化のなさ、不変性」
❖ "Time can set no ~ "「時間は、神の子の役割の達成に終わりを設定することは出来ないし、不変性に終止符を打つことも出来ない」。ここの"its fulfillment"は、非常に微妙なのだが、ここでは「神の子の役割の達成」と解釈してみた。「時間の達成」と読み取っても意味は通じる。つまり、幻想世界における時間の役割の達成という意味に解釈することも出来る。しかし、時間の役割が達成されたらどうなるか、と問えば、答えに詰まる。ここは、時間は幻想であり、実相の事象に終止符を打つことは出来ないという内容なので、この"its fulfillment"も実相の事象に違いなく、「神の子の役割の達成」と解釈する方が妥当だろう。
There is no death because the living share the function their Creator gave to them.
- death [déθ] : 「死、消滅、死亡破滅、終わり、終焉」
- living [líviŋ] : 「生きている、活気のある、生命のある」
- share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
- creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "There is no death ~ "「生けるものは、神が与えた役割を分かち合うので、死は存在しない」。神が創造したものには、永遠の命が与えられる。生けるものは、その命を生きるという役割があるのだ。生きることが使命であり、死は存在しない。そもそも、実相世界には死という概念自体が存在しないのだ。永遠不変の世界に、死という大変化が存在出来るわけがない。
Life's function cannot be to die. It must be life's extension, that it be as one forever and forever, without end.
- extension [iksténʃən] : 「拡張、伸長、延長、伸展」
- forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
- without end : 「限りなく、果てしなく、際限なく」
❖ "Life's function cannot ~ "「命の役割が、死ぬことであるはずがない」。"It must be life's ~ "「命の役割は、命の拡張なのだ」。生けるものは、互いに命を生きるという役割を分かち合い、分かち合うことで命は拡張増大する。実相世界の法である。"that it be as one ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために、その結果」、「その結果、命は、永遠に限りなく、一つとして存在し、終わることはない」。生けるものが分かち合う命は、分離などしておらず、神の命を芯として収斂するのだ。一元論世界の必然である。命は一つなのである。そして、その命は永遠不変に生き続けるのだ。