5. This world will bind your feet and tie your hands and kill your body only if you think that it was made to crucify God's Son.
- bind [báind] : 「〜を縛る、〜を束縛する、拘束する」
- tie [tái] : 「〜を結ぶ、結合する、縛る、くくる」
- crucify [krúːsifài] : 「〜を十字架に張り付けにする、磔刑に処す」
❖ "This world will bind ~ "「この世界は、〜であるときに限って、あなたの足を拘束し、あなたの手を縛り、あなたの肉体を殺す」。"only if you think ~ "「あなたが、この世界は、神の子を磔刑に処するために作られたのだと考えるときに限って、」あなたの足を拘束し、あなたの手を縛り、あなたの肉体を殺す。神の子を磔刑に処するとは、実相的な存在を抹殺する、ということ。この世界の、幻想の生活を脅(おびや)かすよるな存在を抹殺することが、幻想世界を守ることになるわけだ。しかし、そのための代償は少なくない。手足を束縛され、肉体的な死を受け入れなくてはならない。
For even though it was a dream of death, you need not let it stand for this to you.
- even though : 「〜であるけれども、〜であるにしても、〜にもかかわらず」
- death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
- stand for : 「〜を表す、象徴する」
❖ "For even though it ~ "「なぜなら、たとえこの世界が死の夢に過ぎないとしても、」"you need not let ~ "「あなたは、この世界をこのように、あなたに対して表す必要はないからだ」。あなたは、この幻想世界に住み、肉体的な死を受け入れている。しかし、たとえそうだとしても、その実情を、神の子の磔刑を求めるという形で表現する必要はないではないか、ということ。なぜなら、その結果として、あなたは、幻想世界によって手足を縛られた存在、つまり、幻想に支配された存在になってしまうからだ。お気付きと思うが、神の子の磔刑を求めるということは、他者の犠牲を求めるという意味合いだけではなく、あなたが自分自身を神の子として認めない、つまり自己否定という意味合いも含まれている。あなたが、自分を神の子と認めないことは、結局、神の否定に異ならないのだ。
Let this be changed, and nothing in the world but must be changed as well.
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
- as well : 「おまけに、その上、なお」
❖ "Let this be ~ "「これを変えようではないか」。"and nothing in ~ "「そうすれば、この世界のあらゆるものは、同様に変えられるはずなのだ」。幻想の中に耽溺して生きるのではなく、その幻想を変化させて、実相に向かうように、つまり、実相に目覚めるように意思しようではないか。あなたの心を変えれば、この世界は変わるのだ。
For nothing here but is defined as what you see it for.
- define [difáin] : 「〜を定義する、〜を特徴づける、決める」
❖ "For nothing here ~ "「なぜなら、この世界のあらゆるものは、あなたが、それは何のために存在しているのかと見る通りに、定義されるからだ」。難しい言い回しをしているが、要するに、この世界は、あなたが見たいように見える、ということ。幻想とは、あなたの心が夢を見て、作り出されているものなのだ。だから、この世界は、あなたの心の反映なのである。あなたの心が、このような世界を定義しているのだ。あなたの心が変われば、世界も変わるのである。
6. How lovely is the world whose purpose is forgiveness of God's Son!
- lovely [lʌ́vli] : 「愛らしい、かわいらしい、美しい、素晴らしい」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
❖ "How lovely is ~ "「神の子が赦しを実行することを目的としたこの世界は、何と愛らしいことか」。この幻想世界は、神の子がその幻想性を認識し、受け入れ受け流し、赦すことで消滅する運命にある。いわば、この世界は、神の子の赦しと、その結果としての消滅を目的としているのだ。そういう捉え方をすると、この苦と痛みの幻想世界も、案外、愛らしく見えてくる。
How free from fear, how filled with blessing and with happiness!
- free [fríː] : 「捕らわれていない、束縛を受けていない」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
- fill [fíl] : 「満たす、〜を補充する」
- blessing [blésiŋ] : 「祝福、恵み、恩恵、幸運」
- happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
❖ "How free from ~ "「この世界は、いかに恐れに捕らわれないですむことか、」"how filled with ~ "「いかに、祝福と幸せに満ちていることか」。あなたの心を実相的な心に変えることで、この幻想世界は、祝福と幸せに満ち溢れ、恐れさえも消滅したかに見えるのだ。心が幸せに満ちあふれれば、世界も幸せに見えてくる。
And what a joyous thing it is to dwell a little while in such a happy place!
- joyous [dʒɔ́iəs] : 「れしい、喜びに満ちた、楽しい、楽しげな」
- dwell [dwél] : 「住む、居住する、存在する」
- a little while : 「しばらく、ちょっとの間」
- place [pléis] : 「場所、個所、住所、地域、土地」
❖ "And what a joyous thing ~ "「ほんのしばらくではあるが、こんな幸福な場所に住むことが出来るのは、何と喜ばしいことであろうか」。幻想世界は消滅する運命にあるが、しかし、心を実相的な心に変えることで、しばらくの間ではあるが、世界は幸福に溢れた場所に見えてくる。それは、あなたにとって、喜ばしいことなのだ。
Nor can it be forgot, in such a world, it is a little while till timelessness comes quietly to take the place of time.
- forgot [fərɡάt] : 「forget の過去・過去分詞形」
- forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、見落とす」
- till [tíl] : 「〜まで、〜するまで」
- timelessness [táimlisnis] : 「無時間、時間が存在しないこと」
- quietly [kwáiətli] : 「静かに、音もなく」
- take the place of : 「〜の代わりをする、〜に取って代わる」
❖ "Nor can it be ~ "「しかし、こんな世界にあっても、無時間が時間に速やかに取って代わるまでに、ほんのしばらくの間であることを忘れることは出来まい」。心を実相的な心に変えて見えてくる世界は幸福なのだが、それもつかの間のことである。幻想世界は消滅し、したがって、時間も消滅し、実相世界が立ち現れてくる。そこは、無時間の世界であり、永遠不変の天の王国なのだ。その事を忘れてはいけない。つまり、神の子の、この世界での役割を忘れてはいけない。