●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-9.III.5:1 ~ T-9.III.6:8

5. When a brother behaves insanely, you can heal him only by perceiving the sanity in him. 
  • behave [bihéiv] : 「〜の態度を取る、振る舞う」
  • insanely [inséinli] : 「正気とは思えないほど」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」
❖ "When a brother ~ "「同胞が正気とは思えない行動をとったなら、」"you can heal ~ "「あなたは、彼の中の正気さを知覚することによってのみ、彼をヒーリングすることが出来る」。これが誤りに対する正しい修正の仕方。正気とは思えない行動、つまり誤った行動を同胞がとったなら、それは幻想としてこの世に現れた現象に過ぎないのだから、同胞の心の中に隠されている正気さ(真実)にあなたも気付き、また同胞にも気付いてもらうことが一番だ。それがヒーリングにつながる。同胞に気付いてもらうには、あなたが最初に気付かなくてはいけない。なぜなら、同胞は鏡に映ったあなた自身だからだ。



If you perceive his errors and accept them, you are accepting yours. 

  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
❖ "If you perceive ~ "「もし、あなたが、同胞の誤りを知覚し、それを受け入れたなら、」"you are accepting ~ "「あなたは、あなたの誤りを受け入れたことになる」。同胞の誤りは、鏡に映ったあなたの誤りでもある。したがって、誤り(errors)を受け入れるのではなく、正気さ(sanity)を再確認することが必要。誤りを受け入れると、誤りは現実化してしまう。そうではなく、誤りを幻想として赦してしまうのだ。赦された幻想は消滅するしかない。



If you want to give yours over to the Holy Spirit, you must do this with his. 
  • give over : 「明け渡す、引き渡す、〜に任せる」
❖ "If you want ~ "「もし、あなたが、あなたの誤りをホーリー・スピリットに託してしまうことを望むならば、」"you must do ~ "「あなたは、同胞の誤りと共にあなたの誤りをホーリー・スピリットに託さなくてはならない」。あなたは、自分の心の中の正気さを認識すると同時に、幻想の誤りをホーリー・スピリットに託してしまえばいい。誤りを自分で無理に処理する必要はない。むしろ、積極的にホーリー・スピリットに委ねてしまう。ここにACIMの絶対他力性が見える。さらに、自他一如によって、他者の誤りを自分の誤りの投影と見て取って、2つの誤りを同時にホーリー・スピリットに委ねてしまうのである。



Unless this becomes the one way in which you handle all errors, you cannot understand how all errors are undone. 
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り」
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段」
  • handle [hǽndl] : 「〜を処理する、対処する」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
  • undo [ʌndú] : 「 〜を元に戻す、取り消す」
❖ "Unless this becomes ~ "「これが、あなたがすべての誤りに対処するただ一つの方法とならない限り、」これとは、自分の誤りも他者の誤りも共にホーリー・スピリットに委ねてしまうこと。"you cannot understand ~ "「あなたは、どのようにしてすべての誤りが取り消されるか、理解することは出来ない」。



How is this different from telling you that what you teach you learn? 
  • different [dífərənt] : 「相違する、異なる 」
  • different from : 「〜と異なる、〜と違う」
❖ "How is this ~ "「このことは、あなたが教えることをあなたは学ぶのだとあなたに言うのと、いったいどう違うのだろう」。与えることと得ることは実相的に同じ。教えることと学ぶことも実相的に同じ。他者をヒーリングすることと自分がヒーリングされることも同じ。



Your brother is as right as you are, and if you think he is wrong you are condemning yourself.
  • right [ráit] : 「正しい、正当な」
  • wrong [rɔ́ːŋ] : 「間違った、誤っている」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める」
❖ "Your brother is ~ "「あなたの同胞はあなたと同様に正しい」。"and if you  ~ "「そして、もし、あなたが彼は間違っていると思ったら、それは、あなたが自分自身を非難していることになる」。あなたと同胞の実相的な側面は誤りを犯す可能性はなく、共に正しい。誤っているのは幻想的な側面だけだ。あなたが幻想に惑わされて、幻想を映し出す鏡の中の同胞の誤りを非難するなら、それはあなた自身を非難したことになる。



6. You cannot correct yourself. Is it possible, then, for you to correct another? 
  • correct [kərékt] : 「〜を修正する、正す」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、あり得る」
❖ "You cannot ~ "「あなたはあなた自身を正すことは出来ない」。"Is it possible ~ "「そこで、あなたにとって他者を正すことは出来るだろうか」。この世の考え方から見れば、自分の誤りを自分で正すのが正当だ。自分の犯した誤りを認め、深く反省し、今後再び同じ誤りを犯さないと誓う。しかし、これは実相的に正しい誤りの修正のし方ではない。誤りを犯したことを、変えようのない歴史的事実として認めてしまうことは、幻想に過ぎない誤りを現実化させてしまうのだ。幻想レベルで自分の誤りに深く関わってしまうと、誤りから抜けることが出来なくなってしまう。同様に、他者の誤りを幻想レベルで非難しているうちは、他者の誤りを歴史的事実として現実化してしまい、決して他者をヒーリングすることは出来ない。そこで、どうすればいいのか? 自分の誤りであれ、他者の誤りであれ、あなたが誤りだと知覚したものは自分で処理しようとはせずに、すべてをホーリー・スピリットに委ねてしまうのだ。幻想の誤りを現実的な事実だと勘違いしたあなたの知覚を赦し、同時に幻想の誤りも赦してしまい、その後のことはホーリー・スピリットに任せてしまう。こうすることで、誤りを現実化することなく、誤りを消滅させてしまう。幻想のすべてをホーリー・スピリットの智慧に委ねて、いわば自然治癒、自然消滅させるのだ。実相的なヒーリングの極意がここにある。



Yet you can see him truly, because it is possible for you to see yourself truly. 
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に」
❖ "Yet you can ~ "「しかし、あなたは同胞を正しく見ることが出来る」。"because it is ~ "「なぜならば、あなたはあなた自身を正しく見ることが出来るからだ」。誤りをホーリー・スピリットに託してしまうと、あなたに残ったものは誤りのない真実の自分だけだ。その姿を見ることが、自分を見る正しい見方であって、同じ目で同胞を見ればいい。



It is not up to you to change your brother, but merely to accept him as he is. 
  • up to : 「〜次第で、〜の責任で」
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
❖ "It is not up ~ "「あなたの同胞を変えれることは、あなたの責任ではない」。"but merely to ~ "「そうではなく、単に、あるがままの彼を受け入れることがあなたの出来ることである」。幻想で潤色した同胞を見るのではなく、真実のままの同胞を受け入れること。それが出来れば、わざわざ同胞の誤りを正して同胞を変えようなどと思う必要はない。



His errors do not come from the truth that is in him, and only this truth is yours. 
  • come from : 「〜から来る、〜に由来する」
❖ "His errors do ~ "「同胞の誤りは、彼の中の真実から派生するものではない」。"and only this ~ "「そして、この真実こそ、あなたのものである」。誤りはエゴに端を発していることであって、ホーリー・スピリットの教える真実から発生するものではない。ホーリー・スピリットの真実は、あなたの真実でもある。なぜなら、彼の中のホーリー・スピリットも、あなたの中のホーリー・スピリットも同一であって、真実を共有し、分かち合っているからだ。



His errors cannot change this, and can have no effect at all on the truth in you. 
  • effect [ifékt] : 「効果、効力、結果」
  • have no effect on : 「〜には影響がない」
❖ "His errors cannot ~ "「彼の誤りはこれを変えることは出来ない」。これとは、彼の中の真実。"and can have ~ "「そして、あなたの中の真実に全く影響を与えることは出来ない」。エゴとホーリー・スピリットはコミュニケーションが出来ないことを思い出そう。エゴの誤りはホーリー・スピリットの真実に影響を与えることは出来ない。誤りは幻想の産物であり、真実は実在の結果であるからだ。



To perceive errors in anyone, and to react to them as if they were real, is to make them real to you. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • react [riǽkt] : 「反応する、反応を示す」
  • as if : 「あたかも〜のように」
❖ "To perceive errors ~ "「誰の中にも誤りを知覚することは、そして、あたかも実在するかのように誤りに反応することは、あなたにとって誤りを現実化することになる」。誤りに深く関わることは誤りを修正することにつながるのではなく、逆に、誤りを現実化してしまう危険性がある。たとえば、罪の意識に深く関わり過ぎると、罪が現実化してしまう。罪を幻想と認識して赦し、消滅させること(贖罪)が必要なのであって、罪を現実化させては元も子もない。



You will not escape paying the price for this, not because you are being punished for it, but because you are following the wrong guide and will therefore lose your way.
  • escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する」
  • pay the price : 「代償を払う、犠牲を払う」
  • punish [pʌ́niʃ] : 「〜を罰する、〜を懲らしめる」
  • follow [fɑ́lou] : 「追う、ついて行く、〜に従う」
  • wrong [rɔ́ːŋ] : 「間違った、不適切な」
  • guide [gáid] : 「指導者、案内人、ガイド」
  • lose one's way : 「道に迷う、迷子になる」
❖ "You will not ~ "「これには代償を払わずには済まされない」。これとは、誤りに執着して現実化してしまうこと。こうなれば、代償を払わなくてはならない。"not because you ~ "「あなたがそのために罰せられるからではなく、」"but because you ~ "「あなたが間違ったガイドに従ったために、道に迷ってしまうからだ」。誤りに執着するのは、誤りが実在すると信じているからだ。それは、エゴの思考システムに従った結果であり、エゴをガイド役に選んだ結果である。したがって、神への回帰の旅を続けるあなたは、エゴをガイドにしたことで道に迷い、旅の時間が大幅に延長されるのだ。時間の損失、それが支払わなくてはならない最大の代償であろう。






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