●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-9.V.8:1 ~ T-9.V.9:6

8. A therapist does not heal; he lets healing be. He can point to darkness but he cannot bring light of himself, for light is not of him. 
  • therapist [θérəpìst] : 「セラピスト、療法士」
  • point to : 「〜を指し示す、〜を指摘する」
  • darkness [dɑ́ːrknəs] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
❖ "A therapist does ~ "「セラピストはヒーリングを行わない」。"he lets healing ~ "「彼はヒーリングをあるがままにさせておく」。ここでのセラピストは、癒されたヒーラーのこと。真のヒーラーである。彼は病を治そうと意志するのではない。癒しを自然に任せるのだ。つまり、心を自然に回帰させるだけだ。"He can point ~ "「彼は、闇を指摘することは出来るが、彼自身の光を(その闇の中に)もって来ることは出来ない」。"for light is ~ "「なぜなら、光は彼のものではないからだ」。どうやら、真実の光はやったり取ったり出来るものではないらしい。誰でもすぐに見えるものでもないし、眠りこけていて手に入るものでもない。



Yet, being for him, it must also be for his patient. The Holy Spirit is the only Therapist. 
  • patient [péiʃənt] : 「病人、患者」
❖ "Yet, being for ~ "分詞構文、理由、「しかし、光はセラピストのためにあるから、」"it must also ~ "「光は、彼の患者のためにもあるに違いない」。"The Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットこそは、まさに唯一のセラピストである」。やっと真のセラピストの正体(実体)が明かされた。ホーリー・スピリット自体もセラピストなら、ホーリー・スピリットと一体となった人も本当のセラピスト。



He makes healing clear in any situation in which he is the Guide. You can only let him fulfill his function. 
  • clear [klíər] : 「明らかな、明瞭な」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、状態、立場、事情」
  • fulfill [fulfíl] : 「実行する、遂行する、実現させる」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き、役割」
❖ "He makes healing ~ "「ホーリー・スピリットは、ガイドを務めるいかなる状況においても、ヒーリングを明確なものにする」。ホーリー・スピリットはあなたを目覚めへとガイドするのだが、それは、あなたの真実を明白にし闇を払拭するというヒーリングに徹するということ。"You can only ~ "「あなたは、ホーリー・スピリットが機能(役割)を実行できるようにしてやることだけが出来る」。「してやることだけが出来る」と言うと限定された感じがするが、「してやるだけで十分だ」というニュアンス。ホーリー・スピリットの機能(役割)とは、ここではヒーリング。本文は、どんな状況においてもホーリー・スピリットがヒーリングの機能を十分に果たせるように、あなたはホーリー・スピリットの語ることに耳を傾け、ガイドの言うことに従いなさい、ということ。



He needs no help for this. He will tell you exactly what to do to help anyone he sends to you for help, and will speak to him through you if you do not interfere. 
  • need [níːd] : 「〜する必要がある」
  • exactly [igzǽktli] : 「正確に、厳密に」
  • what to do : 「すべきこと」
  • send [sénd] : 「送る、行かせる、向かわせる」
  • interfere [ìntərfíər] : 「邪魔をする、妨げる」
❖ "He needs no ~ "「ホーリー・スピリットはこの機能(役割)を果たすための助けは必要としない」。あなたはホーリー・スピリットの指示に従うだけでいい。ホーリー・スピリットと同じレベルに立って、ホーリー・スピリットを助けようと意図しなくていいのだ。そうすれば、"He will tell ~ "「手助けを求めてあなたの下(もと)に送った誰かを助けるために、何をしたらいいのか、ホーリー・スピリットは正確にあなたに伝えるだろう」。あなたは他者を手助けすることで、つまり、他者をヒーリングすることで自らもヒーリングされる。その他者を、ホーリー・スピリットはあなたの下に送る。"and will speak to ~ "「そして、その(助けを必要とする)誰かに、あなたを通して話しかけるだろう」。その他者の心に住まうホーリー・スピリットが、他者の言葉を借りてあなたに話しかける。それに耳を傾ければいい。"if you do ~ "「もし、あなたが邪魔をしなかったら」。



Remember that you choose the guide for helping, and the wrong choice will not help. 
  • remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • choose [t∫úːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
  • wrong [rɔ́ːŋ] : 「不適切な、間違った、誤っている」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
❖ "Remember that ~ "「あなたは、助けを求めてガイドを選ぶのだということを忘れないように」。"and the wrong ~ "「そして、誤った選択は役に立たないと覚えておきなさい」。ガイドを選択するにあたり、エゴを選んではいけない。何の役にも立たないからだ。かならず、ホーリー・スピリットを選ばなくてならない。



But remember also that the right one will. Trust him, for help is his function, and he is of God. 
  • trust [trʌ́st] : 「信用する、信頼する」
❖ "But remember also ~ "ここの"will"の後に"help"を補う、「しかし、正しい選択は助けとなることも覚えておきなさい」。"Trust him"「ホーリー・スピリットを信頼しなさい」。" for help is ~ "「なぜなら、助けることはホーリー・スピリットの機能(役割)であり、ホーリー・スピリットは神のものだからだ」。"he is of God"を「神のもの」と訳したが、「神の領域に所属するもの」といったニュアンス。ホーリー・スピリットは、私達の心と神とを結ぶ媒介役であったことを思い出そう。ホーリー・スピリットを信頼することは、神を信頼することと同じ。ホーリー・スピリットがあなたを救おうとしているのは、神があなたを救おうとしているからだ。



As you awaken other minds to the Holy Spirit through him, and not yourself, you will understand that you are not obeying the laws of this world. 
  • awaken [əwéikn] : 「目を覚まさせる、目覚める」
  • obey [oubéi] : 「 〜に従う、服従する」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規」
❖ "As you awaken ~ "「あなたが他者の心を、あなた自身を通じてではなく、ホーリー・スピリットを通じて、ホーリー・スピリットに目覚めさせるにしたがい、」"you will understand ~ "「あなたは、that以下を理解するだろう」。"that you are ~ "「あなたは、この世界の法則に従ってはいない」と理解するだろう。あなたの心にも、また他者の心にもホーリー・スピリットは住んでおり、互いにコミュニケーションを取り合っている。したがって、あなたがホーリー・スピリットに目覚めることで、ホーリー・スピリットを通じて他者もホーリー・スピリットに目覚めることが出来る。ホーリー・スピリットに目覚めるとは、真実の実在世界(神の世界)に目覚めることであって、幻想の世界(この世)の法則から解放されることを意味する。この世の法則を超越した自分を発見できる。



But the laws you are obeying work. "The good is what works" is a sound though insufficient statement. Only the good can work. Nothing else works at all.
  • work [wə́ːrk] : 「正しく機能する、役に立つ」
  • sound [sáund] : 「健全な、健康な、正常な」
  • insufficient [ìnsəfíʃənt] : 「不十分な、不足して、足りない」
  • statement [stéitmənt] : 「声明、発言、供述、記述」
❖ "But the laws ~ "「しかし、あなたが従っている法は機能している」。この世の法から解放されたあなたは、この世の法を超越する神の法に従う。その法は正しく機能し、もちろんあなたの役に立つ。 "The good is ~ "「『良きものは機能する』という言葉は、正しいが十分とは言えない発言である」。"Only the good ~ "「良きのものだけが機能するのである」。" Nothing else ~ "「他のものはすべて、まったく機能しない」。"The good is what works"という文章は聖書からの直接の引用ではないが、強いて言えば、エフェソの信徒への手紙2:10にその出所があるように思われる。参考までに載せておく。

[Ephesians 2:10 from King James Bible]
For we are his workmanship, created in Christ Jesus unto good works, which God hath before ordained that we should walk in them.
なぜなら、わたしたちは神に造られたものであり、しかも、神が前もって準備してくださった善い業のために、キリスト・イエスにおいて造られたからです。わたしたちは、その善い業を行って歩むのです。(新共同訳)



9. This course offers a very direct and a very simple learning situation, and provides the Guide Who tells you what to do. 
  • offer [ɔ́ːfər] : 「提供する、用意する」
  • direct [dáirekt] : 「率直な、遠慮のない」
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、容易な」
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、状態、立場、事情」
  • provide [prəváid] : 「提供する、供給する、与える」
  • what to do : 「すべきこと」
❖ "This course offers ~ "「このコース(ACIM)は、とても直接的で、とても簡潔な学習環境を提供する」。"and provides ~ "「そして、何をなすべきかをあなたに語るガイドを提供してくれる」。もちろん、ホーリー・スピリットのこと。



If you do it, you will see that it works. Its results are more convincing than its words. They will convince you that the words are true. 
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、効果、成果」
  • convincing [kənvínsiŋ] : 「説得力のある、人を納得させる」
  • convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる」
❖ "If you do it ~ "「もし、あなたがコースを学習すれば、あなたはACIMが機能すると分かるだろう」。"Its results are ~ "「コースの結果は、その言葉よりもずっと確信できるものである」。ACIMを学習した成果は、コースの言葉以上に納得できるものである。"They will convince ~ "「コースの結果はあなたに、コースの言葉が真実であると納得させるだろう」。ACIMの学習成果はすごいので、やっぱり書いてあることは真実だと納得できる。



By following the right Guide, you will learn the simplest of all lessons:

        By their fruits ye shall know them,
        and they shall know themselves.
  • follow [fɑ́lou] : 「ついて行く、〜に従う」
  • fruit [frúːt] : 「果物、果実」
  • ye [jéi] : 「なんじら、あなたがた」
❖ "By following the right ~ "「正しいガイドに従うことで、」"you will learn ~ "「あなたは、すべてのレッスンの中で一番シンプルな次のレッスンを学ぶだろう」。"By their fruits ~ "「あなたは、果実を見ることで、その木が何であるか知るだろう」。"and they shall ~ "「そして、その木も、自分が何の木なのか知るだろう」。ACIM学習の成果を果物に例えている。ACIMを学んだ成果が何であるか知れば、ACIM自体が何であるか知ることが出来る。そして、それを学んだあなた自身も何であるか知ることが出来る。ホーリー・スピリットに従ってACIMを学んだ結果を見れば、自分が神に愛される神の子であると知ることが出来る。罪も汚れもなく、傷つくこともない完璧な存在だと気付くのだ。






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