●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-9.V.3:1 ~ T-9.V.4:6

3. There is an advantage to bringing nightmares into awareness, but only to teach that they are not real, and that anything they contain is meaningless. 
  • advantage [ədvǽntidʒ] : 「有利な点、利点」
  • advantage to : 「〜の利点」
  • bring [bríŋ] into : 「〜に持ち込む、〜に連れてくる」
  • nightmare [náitmὲər] : 「恐ろしい夢、悪夢」
  • awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、意識性」
  • only to : 「結局ただ〜する結果となる」
  • contain [kəntéin] : 「〜を含む、包含する」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「無益な、無意味な」
❖ "There is an advantage ~ "「悪夢を自覚へもって行くことには利点がある」。悪夢をしっかり意識することには価値がある。"but only to teach ~ "「ただし、その結果、that以下を教えることに過ぎないのだが」。"that they are ~ "「悪夢は現実ではなく、悪夢が含んでいるものは何でも、意味がない」と教えることになるに過ぎないのだが。悪夢は、要するに単なる夢に過ぎないと知ることになるのだが。"only to ~ "は副詞不定詞の慣用形で、「その結果〜したにすぎない、〜するために・・・したようなものだ」という意味。



The unhealed healer cannot do this because he does not believe it. 
  • unhealed : 「治癒していない、未治癒の」
❖ "The unhealed healer ~ "「癒されていないヒーラーはこのことが出来ない」。このこととは、悪夢を意識の下(もと)にさらすこと。"because he does ~ "「なぜなら、彼はそれを信じていないからだ」。悪夢を意識の下にさらすことで、悪夢が現実ではなく意味がないと自覚することがヒーリングに役立つと信じていない。逆に、悪夢が実在する現実であると信じている。



All unhealed healers follow the ego's plan for forgiveness in one form or another. 
  • follow [fɑ́lou] : 「ついて行く、〜に従う、追随する」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦」
  • in one form or another : 「あれやこれやの、どのような形にせよ」
❖ "All unhealed healers ~ "「癒されていないヒーラーのすべては、いろんな形で、赦しのためのエゴのプランに追随している」。赦しのためのエゴのプランとは、エゴは罪を断罪し、あなたが罪を認めて悔悛したとき、エゴは罰をもってあなたを赦す、というもの。エゴはあなたの罪を現実化(実在化)させ、エゴの温情によってあなたは罰による贖罪が与えられるわけだ。癒されていないヒーラーは、病という罰を加えられた肉体を現実化し、物理的な手法をもってそれを治そうとする。



If they are theologians they are likely to condemn themselves, teach condemnation and advocate a fearful solution. 
  • theologian [θìːəlóudʒən] : 「神学者」
  • be likely to : 「〜しそうである」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める」
  • condemnation [kɑ̀ndemnéi∫n] : 「激しい非難」
  • advocate [ǽdvəkèit] : 「主張する、支持する」
  • fearful [fíərfl] : 「恐ろしい、こわい」
  • solution [səlúː∫n] : 「解決、解決策」
❖ "If they are ~ "「もし、癒されていないヒーラーが神学者なら、」"they are likely ~ "「彼らは、彼ら自身を非難し、激しい非難を教え、恐ろしい解決策を主張するだろう」。自分を罪の深い罪人と信じているので、激しく自己を非難するのだ。恐ろしい解決策とは、たとえば、自己懲罰や自己犠牲。蛇足になるが、ここで言う神学者とは、神を研究する学者という意味合いではなく、物事を既存の宗教で考え処理しようとする者達、といった意味合い。



Projecting condemnation onto God, they make him appear retaliative, and fear his retribution. 
  • project [prədʒékt] : 「〜を投影する、投射する」
  • appear [əpíər] : 「〜のうように見える」
  • retaliative [ritǽlièitiv] = retaliatory
  • retaliatory [ritǽliətɔ̀ːri] : 「報復的な、仕返しの」
  • retribution [rètrəbjúːʃən] : 「懲罰、仕返し、報復」
❖ "Projecting condemnation ~ "「激しい非難を神の上に投影することで、」自分が非難しているにもかかわらず、神が非難しているかのように錯覚し、"they make him ~ "「神学者たちは、神が報復的であるかのように見せ、」"and fear his ~ "「神の懲罰を恐れる」。激しい非難を投影された神々は、旧約聖書的な怒れる神、報復する神となる。この神は、神学者たちが勝手に作り出した神の幻影である。エゴの化身を神と見立てているだけだ。



What they have done is merely to identify with the ego, and by perceiving what it does, condemn themselves because of this confusion. 
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • identify [aidéntəfài] : 「同一視する」
  • identify with : 「〜と同一であると見なす」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める」
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、当惑、混同」
❖ "What they have ~ "「神学者たちがしたことは、単に、エゴと同一化しただけである」。"and by perceiving ~ "「そして、エゴがやることを知覚した上で、」"condemn themselves ~ "「この混同の故に、神学者たちは自己を非難する」。神学者たちが神の上に投影した像は、怒れる神、報復する神であった。それは攻撃を最優先するエゴの思考システムと同じ発想であり、言葉を変えれば、神学者たちが自己をエゴと同一化した結果である。ところが、そこに混同が生じる。はたしてそれは自分なのかエゴなのか区別がつけられなくなってしまうのだ。そこで、神学者たちは怒れる神に代わって自らを罰する行為に出る。罪深い人間は神に罰せられると宣言するのだが、単なる自虐行為である。



It is understandable that there have been revolts against this concept, but to revolt against it is still to believe in it.
  • understandable [ʌ̀ndərstǽndəbl] : 「理解できる、無理からぬ」
  • revolt [rivóult] : 「反抗、反発、反感」
  • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、考え方」
  • revolt [rivóult] : 「反抗する、反発する」
❖ "It is understandable ~ "「この神学者たちの考えに反感を覚えるのは無理からぬことだ」。"but to revolt ~ "「しかし、この考えに反感を抱くのは、まだそれを信じているからだ」。神学者は、私達は罪深く、改悛しないなら神が罰するぞ、と脅かすのだが、そんな恐ろしことに対して理不尽さを感じ、反感を抱く者が現れる。しかし、反感を抱いたところで、自己の無意識下にある罪悪感は消えない。反感を抱きながらも同時に、神の罰を恐れてしまう。結果、神学者の言うことを信じてしまうのだ。反感を抱いたなら、さらに一歩を進め、心の中に罪はないという贖罪を果たさなくてはならない。それがACIMの主要テーマである。



4. Some newer forms of the ego's plan are as unhelpful as the older ones, because form does not matter and the content has not changed. 
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • unhelpful [ʌ̀nhélpfəl] : 「助けにならない、役に立たない」
  • matter [mǽtər] : 「重要である、重要になる」
  • content [kɑ́ntent] : 「入っているもの、内容、中身」
  • change [tʃéindʒ] : 「変わる、変化する」
❖ "Some newer forms ~ "「エゴのプランのより新しい形のものも、古いものと同様助けにはならない」。"because form does ~ "「なぜなら、形は重要ではなく、その中身が変化していないからだ」。従来の神学者をエゴの古いプランに従う者とし、次の文章に登場するサイコセラピストをエゴの新しいプランに従う者として扱っている。新旧の違いこそあれ、内容は変わらない。簡単に言うと、罪の意識性と攻撃性の表面的な形態は時と場所でいろいろ変化するだろうが、その根本にあるエゴの罪の意識性と攻撃性は何も変わらない。しかも、罪と攻撃からは建設的なものは何も生み出されない。せいぜい、更なる憎しみが発生するだけで、何の助けにもならない。



In one of the newer forms, for example, a psychotherapist may interpret the ego's symbols in a nightmare, and then use them to prove that the nightmare is real. 
  • for example [igzǽmpl] : 「例えば、例として」
  • psychotherapist [sàikouθérəpist] : 「心理療法師、精神療法」
  • interpret [intə́ːrprət] : 「解釈する、説明する」
  • symbol [símbl] : 「象徴、シンボル、表象」
  • nightmare [náitmὲər] : 「恐ろしい夢、悪夢」
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜であると分かる」
❖ "In one of ~ "「たとえば、新しい形の一つとして、」"a psychotherapist may ~ "「サイコセラピストは、悪夢の中のエゴのシンボルを解釈し、」"and then use ~ "「悪夢が現実であると証明するためにそれを使うかもしれない」。安易な夢判断を批判している箇所として読み解けばいいだろう。たとえば、恐ろしい夢の中にヘビが出てきたとしよう。サイコセラピストは、それは心の中の罪悪感のシンボルだと解釈するだろう。ところが、そう認識することで、つまりヘビが出てきたから心には確実に罪悪感があると決定してしまい、その罪悪感を現実化してしまうのだ。



Having made it real, he then attempts to dispel its effects by depreciating the importance of the dreamer. 
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • dispel [dispél] : 「〜を追い払う、払拭する」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、効果、効力」
  • depreciate [dipríːʃièit] : 「見くびる、軽視する」
  • importance [impɔ́ːrtəns] : 「重要性、大切さ、重大さ」
  • dreamer [dríːmər] : 「夢を見る人、夢想家」
❖ "Having made it~ "「悪夢を現実化しておいて、サイコセラピストは、悪夢を見た人の重要性を軽視することで、悪夢の影響を払拭しようと試みる」。悪夢の中でヘビを見た者は、サイコセラピストから、ヘビは無意識の中の罪悪感のシンボルだと告げられる。そこで、悪夢を見たものは自分の中に罪悪感があると信じ、信じることで罪悪感を現実化する。つまり、ヘビは単なる夢、単なる幻想であったにも関わらず、今や悪夢を見た者にとっては、ヘビというシンボルは現実化してしまった。ところが、サイコセラピストは、幻想を現実化してしまう心の重要性(あるいはパワー)に気が付いていない。悪夢を見た者にとっては、悪夢もヘビも非常に重要な意味を持つことになってしまったのに、サイコセラピストはそれを軽視し、単に、ヘビがもつ悪影響を払拭しようとして、罪悪感から意識をそらせようとするだけだ。ヘビも罪悪感もでっち上げられたものだと教えることが出来ないのだ。これでは、悪夢から本当に解放されることはないだろう。
 ヘビは罪悪感の象徴であり、それを夢に見たあなたには確実に罪があるとサイコセラピストは言う。これは、古いタイプの神学者と内容は同じだ。あなたはサイコセラピストの言葉を信じ、自分を罰する。赦しを求めて、病をもって自己を罰するのだ。



This would be a healing approach if the dreamer were also identified as unreal. 
  • approach [əpróutʃ] : 「扱い方、姿勢、取り組み」
  • identify [aidéntəfài] : 「〜を同一に扱う、同一視する」
❖ "This would be ~ " 仮定法過去、現在の事実と反することを仮定し、「もし、悪夢を見た者が非実在であるものと同一視されたなら、このことはヒーリングへのアプローチとなることだろう」。現実はそうなっていない。ここの非実在であるものと同一視するとは、肉体が実在しない幻想だと見なすということ。サイコセラピストは、悪夢に出てきたヘビは罪悪感の象徴であると告げる。悪夢を見た者は、それを現実化してしまい、決して悪夢から解放されない。ここまでが前文章で述べられていることだ。ここでは、さらに加えて、もしサイコセラピストが、実は悪夢を見ている本人も夢同様に実在しないと告げたらどうだろう。すると、夢を見ていた本人が非現実であるので、非現実な本人の夢もまた非現実だ、ということになる。あたかも、夢の中でさらに夢を見ているのである。そうであれば、悪夢もヘビも現実化されることなく非現実のままなので、悪夢を見た者は悪夢から解放される。よって、ヒーリングが成立する、というわけだ。肉体をもって夢を見ていること自体が夢であると気付くこと、それがヒーリングへの重要な一歩だ。



Yet if the dreamer is equated with the mind, the mind's corrective power through the Holy Spirit is denied. 
  • equate [ikwéit] : 「〜を同等と見なす、〜と同一視する」
  • equate with : 「〜と同一視する、同等に扱う」
  • corrective [kəréktiv] : 「矯正する、正す」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む」
❖ "Yet if the dreamer ~ "「しかし、夢見る者が心と同一視されると、」幻想に溺れる者が実在する心と同一だと信じられると、"he mind's corrective ~ "「ホーリー・スピリットを通して心がもつ修正するパワーが否定されてしまう」。前文と逆なケースを述べている。悪夢を見た者が非現実と同定されずに、逆に真に存在する心と同じだとされれば、悪夢を見た者は現実に存在することになる。同時に、ヘビは罪悪感のシンボルだと告げられたことが現実化されてしまい、悪夢から解放されることなく、悪夢を見た者はヒーリングされない。つまり、ホーリー・スピリットを通した心の修正するパワー、すなわち、ヒーリングのパワーが否定されたことになる。



This is a contradiction even in the ego's terms, and one which it usually notes even in its confusion.
  • contradiction [kὰntrədíkʃən] : 「矛盾、不両立」
  • term [tə́ːrm] : 「語、言葉、用語、術語、表現」
  • in one's terms : 「〜の言葉で、〜の点から」
  • usually [júːʒuəli] : 「通常、いつもは、大抵」
  • note [nóut] : 「〜に気付く、〜に気が付く」
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、当惑、混同」
❖ "This is a contradiction ~ "「これは、エゴの目から見ても、矛盾である」。"and one which ~ " ここの"one"は"contradiction"であり、"it"は"ego"である、「その矛盾は、エゴが混乱状態にあるとはいっても、エゴでさえ普通に気が付くことである」。単なる悪夢に過ぎないものが、サイコセラピストから罪悪感の象徴だと告げられることによって、幻想が現実化してしまい、その悪夢から解放されることが出来なくなってしまうことは、全くの矛盾だ。なぜなら、サイコセラピストは悪夢を見る者を悪夢から救うために夢の分析をしたにも関わらず、結果は、悪夢を見る者はその悪夢にがんじがらめにされてしまうからだ。こんな矛盾した方法は、混乱しているエゴにも分かることだ。ましてや、ホーリー・スピリットはすべてを見通している。蛇足ながら、この話はサイコセラピストと悪夢を見る者のたとえ話に終わらない。私達が無意識の中に隠し持っている罪悪感から解放されるには、私達の身体的存在が、実は非現実なのだと知ることが必要なのだ。この世界、この肉体が幻想であることをはっきり認識できれば、その非現実の肉体が無意識の中にもつ罪悪感も非現実と認識される。こうして、贖罪(Atonement)が成就され、私達は救済(Salvation)されるのである。ACIMの主要テーマがここにある。






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