●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-9.VI.7:1 ~ T-9.VII.1:10

7. Eternity is one time, its only dimension being "always. "
  • eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限」
  • dimension [diménʃən ] : 「側面、様相、次元」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、常にいつでも」
❖ "Eternity is ~ "「永遠は一つの時間」。"its only dimension ~ "分詞構文、単純接続、「その唯一の次元は『常』である」。時間をリニアに連続するものととらえると、永遠は理解できない。時空をホログラム的にとらえる感覚が必要だ。つまり、時間がダラダラと無限に続く状態が永遠だと理解してはいけない。永遠は、『常』という一つの実体としてホログラム的な実相の属性を表している。



This cannot mean anything to you until you remember God's open Arms, and finally know his open Mind. 
  • open [óupn] : 「開いた、偏見のない」
  • remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • arm [ɑ́ːrm] : 「腕」
  • finally [fáinəli] : 「ついに、最終的に」
❖ "This cannot mean ~ "「このことは、あなたが神の開かれた腕を思い出し、最後に神の開かれた心を知るまでは、あなたにとって何の意味もなさないだろう」。神の下(もと)に回帰するまでは、永遠を知ることは出来ない。頭脳による理解は不可能だ。



Like him, you are "always"; in his mind and with a mind like his. In your open mind are your creations, in perfect communication born of perfect understanding. 
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「申完全な、完璧な」
  • communication [kəmjùːnəkéiʃən] : 「通信、連絡、伝達」
  • born [bɔ́ːrn] : 「bearの過去分詞形」
  • bear [béər] : 「産む、生む、生み出す」
  • born of : 「〜から生まれる、〜のもとに生まれる」
  • understanding [ʌ̀ndərstǽndiŋ] : 「理解、理解力」
❖ "Like him, you ~ "「神と同様、あなたも『常』である」。あなたも神同様に永遠の存在だ。"in his mind ~ "「神の心の中で、神の心のような(開かれた)心をもって」。"In your open ~ "「あなたの開かれた心の中に、あなたが創造したものが存在する」。あなたが真実に対して心を解放したとき、そこに、真実を分かち合うという実相的な創造性が復活する。"in perfect communication ~ "「完璧な理解から生じた完璧なコミュニケーションを取りながら」。ホーリー・スピリットととの完璧な心の交流を通して、実相的な創造性が確立するのだ。"your creations"は形のあるものだととらえてはいけない。神の世界は抽象であり想念の世界であるから、あなたが創造したものも抽象的である。たとえば、喜びであり、愛であり、いたわり、思いやり、慈悲、平和、等々、そういったものがあなたによって創造され、分かち合われて拡張するのだ。そう考えると、神や同胞に対する完璧な理解が愛や喜びを生み、互いの愛や喜びがやり取りされるというイメージが湧いてくる。これがコミュニケーション(perfect communication)である。



Could you but accept one of them you would not want anything the world has to offer. 
  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
  • offer [ɔ́ːfər] : 「ささげる、提供する」
❖ "Could you but ~ "ここは条件と考えて、つまり"If you could but accept ~ "として、「あなたが創造したものの一つでも受け入れることが出来たら、」"you would not ~ "「あなたはこの世が提供する物など何も欲しいと思わないだろう」。ここは仮定法過去なので、現状はそうなっていない。あなたはまだ、この世の提供するものを欲しがっている。しかし、もし本当に実在するものを得たなら、幻想の世界が提供する錯覚の物など欲しいと思わなくなるだろう。



Everything else would be totally meaningless. God's meaning is incomplete without you, and you are incomplete without your creations. 
  • else [éls] : 「そのほかの」
  • totally [tóutəli] : 「何から何まで、全く、完全に」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、価値のない」
  • incomplete [ìnkəmplíːt] : 「不完全な、不十分な」
❖ "Everything else ~ "「(あなたが創造したもの)以外のすべてのものは、まったく意味がないだろう」。なぜなら、存在しないからだ。"God's meaning is ~ "「神の意義はあなたなしでは不完全であり、」"and you are incomplete ~ "「あなたも、あなたの創造したものがなくては、不完全である」。全知全能の神があなたなしでは不完全で、存在の意義が薄れるとは不思議に思われるかもしれない。しかし、ACIMの神は、三位一体で完成される。神と神の子とホーリー・スピリットの三者がそろって初めて、喜びも平和も愛も完成される。それと同様の関係が、あなたとあなたの創造したものの間に結ばれている。あなたは、あなたの創造したものが存在して初めて完成される。簡単に言えば、喜びも愛も慈しみも生み出さないあなたは不完全なのだ。そして、意味があるのはそれだけである。なぜなら、それしか実相的に存在し得ないからである。



Accept your brother in this world and accept nothing else, for in him you will find your creations because he created them with you. 
  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する」
❖ "Accept your brother ~ "「この世界で、あなたの同胞を受け入れなさい」。"and accept nothing ~ "「その他は受け入れなくてよい」。"for in him you ~ "「なぜなら、同胞の中にこそ、あなたが創造したものを見出せるからだ」。"because he created ~ "「なぜなら、同胞が、あなたと共に、あなたの創造したものを創造したのであるから」。自他一如によって、あなたが創造したことは同胞が創造したことになる、と解釈してもいいし、創造することは愛であり喜びであるから、愛や喜びを同胞と分かち合うことで創造できる、つまり、同胞があって初めてあなたは創造できると考えてもいいだろう。いずれにしても、同胞を自分自身として受け入れることが肝要。



You will never know that you are co-creator with God until you learn that your brother is co-creator with you.
  • co-creator [kriéitər] : 「共同製作者」
  • until [ʌntíl] : 「〜する時までは」
❖ "You will never ~ "「あなたの同胞が、あなたの共同創造者であるとあなたが学ぶ時まで、あなたが神の共同創造者であると、あなたは知ることがないだろう」。愛や喜びを同胞と分かち合うことを学んだ時、あなたは愛や喜びを神と分かち合えるのだ。





VII. The Two Evaluations
二つの評価



1. God's Will is your salvation. Would he not have given you the means to find it? 
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い」
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する」
❖ "God's Will is ~ "「神の意志はあなたの救いである」。"Would he not ~ "「その救いを見出すための方法を、神はあなたに与えなかったなどということはあり得ようか」。あなたは罪と罰を恐れてこの世界を偽創造した。苦と痛みの世界である。しかし神は、あなたがこの幻想世界から救われることを意志している。愛する子が苦しむ姿を見て、それを放っておく親はいない。とは言っても、神が直接的に幻想と関わりを持つことはない。あなた自身が幻想から自らを解放しなくてはならない。あなたが安全に目を覚ますことが出来るように、神はホーリー・スピリットをあなたに遣わした。



If he wills you to have it, he must have made it possible and easy to obtain it. Your brothers are everywhere. 
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、あり得る」
  • easy [íːzi] : 「容易な、簡単な」
  • obtain [əbtéin] : 「手に入れる、得る」
❖ "If he wills ~ "「もし神が、あなたが救いを見出す方法をもつことを意志したなら、」"he must have ~ "ここは"it ~ to ~ "の構文、「神は、それを手に入れることを可能にし、また簡単に手に入れることが出来るようにしたはずだ」。"Your brothers are ~ "「あなたの同胞はどこにでもいる」。あなたが単独で救済されるのではない。分離分裂したかに見える同胞をあなたがどう見るか、そこに救いの方法が隠されている。あなたは同胞と共に救済されなければならず、その同胞はすぐ目の前にいる。



You do not have to seek far for salvation. Every minute and every second gives you a chance to save yourself. 
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す」
  • far [fɑ́ːr] : 「遠く離れて、遠くへ」
  • minute [mínət] : 「分、わずかな時間」
  • second [sékənd] : 「秒、瞬間、ちょっとの間」
  • chance [tʃǽns] : 「チャンス、好機、機会」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
❖ "You do not ~ "「あなたは、救いを求めて遠くを探す必要はない」。"Every minute and ~ "「一分ごと一秒ごとが、あなたにあなた自身を救う好機を与えている」。あなたの救いのチャンスは目の前の同胞が握っている。



Do not lose these chances, not because they will not return, but because delay of joy is needless. God wills you perfect happiness now. 
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、喪失する」
  • return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」
  • delay [diléi] : 「遅延、遅れ」
  • needless [níːdləs] : 「不必要な、無用の」
❖ "Do not lose ~ "「このチャンスを逃してはいけない」。"not because they ~ "「チャンスが二度と戻って来ないからではなく、」 "but because delay ~ "「喜びが遅くなる必要はないからだ」。"God wills you ~ "「神は、あなたが今、完璧に幸福であることを意図している」。幸福を遅延させる必要はない。目の前の同胞とともに、今すぐに救いを体験し、幸せをつかむべきだ。



Is it possible that this is not also your will? And is it possible that this is not also the will of your brothers?
  • also [ɔ́ːlsou] : 「〜もまた、同様に」
❖ "Is it possible ~ "ここは"it ~ that ~ "の構文、「これもまたあなたの意図でないという可能性があろうか」。あなたの、喜びと幸福を今享受したいという思いは、神の思いと同じではないのか。"And is it possible that ~ "「そして、あなたの同胞の意図でないことも可能であろうか」。同胞もまた同じ思いであるはずだ。






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