VI. The Vision of Christ
キリストのヴィジョン
1. The ego is trying to teach you how to gain the whole world
- try [trái] to do : 「〜しようと試みる」
- how to : 「〜するための方法、〜のやり方、〜の仕方」
- gain [géin] : 「得る、獲得する」
- whole [hóul] : 「 全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
- lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
- soul [sóul] : 「魂、霊魂」
❖ "The ego is trying to ~ "「エゴはあなたに、世界全体を獲得し、同時にあなた自身の魂を失う方法を教えようと試みている」。世界全体を獲得する方法と言うと、少々大袈裟かも知れない。物質的世界で成功する方法と考えていいだろう。ここで用いられている"soul"「魂」であるが、改めて「魂」とは何か、と訊かれれば答えに窮する。ACIMで用いられる時は「精神性」という意味合いが強いように、個人的には感じている。意味が曖昧なときは、黙って「ソール」とカタカナ書きにしておいてもいいだろう。
The Holy Spirit teaches that you cannot lose your soul and there is no gain in the world, for of itself it profits nothing.
- gain [géin] : 「利益、得ること、獲得、利得」
- of oneself : 「独りでに、それ自体では」
- profit [prɑ́fət] : 「益する、利益を得る、もうける、恩恵を受ける、得をする、役に立つ」
❖ "The Holy Spirit teaches that ~ "「ホーリー・スピリットはthat以下のように教えている」。"that you cannot lose ~ "「あなたがあなたのソールを失うことなど不可能であるし、この世界で獲得するなどということはない」。"for of itself it profits ~ "「なぜなら、世界それ自体では、何の得にもならないからだ」。この世界は幻想の世界である。あなたは単にこの世の夢を見ているだけである。夢でお金を儲けたとして、それが何になるだろう? 夢で名誉を得たとして、それが何になるだろう? この世界で何かを得るということは、夢で何かを得たと同じようにはかないことであり、意味もなければ、したがって無である。しかし、決してACIMは、この世での成功を投げ捨てよ、などとは言っていない。ACIMは、この世で成功しても成功しなくても、どっちでもいいことであって、それはどちらも夢なのだから、こだわる必要はない、と言っているだけなのだ。肉体も同様で、肉体は幻想であるから、自ら肉体を痛めつけ滅びへ導けなどとは決して言っていない。肉体は幻想であるから、その幻想に捕らわれてはいけない、と言っているに過ぎない。そこを間違えると、ACIMはとんでもないカルト教に変身してしまう。心して読み進まなくてはいけない。
To invest without profit is surely to impoverish yourself, and the overhead is high.
- invest [invést] : 「投資する、出資する」
- profit [prɑ́fət] : 「利益、収益、利潤、得」
- surely [∫úə(r)li] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に」
- impoverish [impɑ́v(ə)ri∫] : 「〜を貧しくする、〜を貧困化する」
- overhead [óuvə(r)hèd] : 「諸経費、間接費」
- high [hái] : 「高い、高いところにある」
❖ "To invest without profit ~ "「利益なき投資は、確かにあなたを貧しくし、経費だけがかさむ」。だから、この世界に投資するのは止めなさい、ということ。
Not only is there no profit in the investment, but the cost to you is enormous.
- Not only : 「単に〜のみならず」
- investment [invés(t)mənt] : 「投資、投下資本、出資、投資金 」
- cost [kɔ́(ː)st] : 「費用、経費、犠牲、代償、損失 」
- enormous [inɔ́ː(r)məs] : 「莫大な、非常に大きい、巨大な、甚大な」
❖ "Not only is there ~ "「(この世界への)投資は利益がないばかりでなく、」"but the cost to ~ "「あなたにかかるコストは甚大である」。物質的、金銭的コストにとどまらず、精神的、心的コストが甚大である。
For this investment costs you the world's reality by denying yours, and gives you nothing in return.
- cost [kɔ́(ː)st] : 「〜に負担をかける、犠牲を払わせる、〜に…を失わせる」
- deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
- in return : 「返礼として、お返しに、見返りに」
❖ "For this investment ~ "「なぜなら、この投資はあなたに、あなたの実在性を否定してこの世界の実在性を支払わせることになり、」"and gives you ~ "「しかも、見返りにあなたに何も与えないのであるからだ」。難しい言い回してあるが、要するに、本当に存在するあなたの実在性を犠牲にして、幻想のこの世界をあたかも実在するかのようにあなたに思わせて投資を促すのだが、得るものは何もない、ということ。
You cannot sell your soul, but you can sell your awareness of it.
- sell [sél] : 「〜を売る、販売する、売却する」
- awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
❖ "You cannot sell ~ "「あなたはあなたのソールを売りとばすことはできないが、」"but you can sell ~ "「あなたは、ソールの意識性は売ることができる」。ソールの存在を忘れたふりをすることはできる。あるいは、ソールなどないと宣言することは出来るが、しかし、ソールが消滅することはない。なぜなら、ソールは実相の存在であるからだ。実相の存在であるソールは永遠不変である。
You cannot perceive your soul, but you will not know it while you perceive something else as more valuable
- perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を把握する
- valuable [vǽljəbl] : 「役立つ、有益な、重要な、貴重な」
❖ "You cannot perceive ~ "「あなたはあなたのソールを知覚することは出来ないが、」"but you will not know ~ "「あなたが他のものをより価値があると知覚しているうちは、ソールの存在を知ることはないであろう」。
2. The Holy Spirit is your strength because he knows nothing but the spirit as you.
- strength [stréŋ(k)θ] : 「力、強さ、体力、強み、長所」
- spirit [spírət] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神、気分、気迫、気力、心」
❖ "The Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットはあなたの強さである」。"because he knows ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットは、あなたがスピリットそのものだと知っているのだから」。ホーリー・スピリットは、あなたを肉体としてではなく、霊的なスピリットとしてとらえてくれる。幻想ではなく、実相としてのあなたをとらえてくれるのだから、あなたの力となる。なぜなら、真のあなたを知ってくれるのだから。
He is perfectly aware that you do not know yourself, and perfectly aware of how to teach you to remember what you are.
- perfectly [pə́ː(r)fik(t)li] : 「完全に、完ぺきに、申し分なく」
- aware [əwéə(r)] : 「気付いている、気が付いて、承知して、知って」
- remember [rimémbə(r)] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
❖ "He is perfectly aware that ~ "「ホーリー・スピリットは完璧に、あなたが自分自身を知っていないと、気がついている」。"and perfectly aware of ~ "「そして、あなたが本当のあなたを思い出すための教え方を、完璧に承知している」。
Because he loves you, he will gladly teach you what he loves, for he wills to share it. Remembering you always, he cannot let you forget your worth.
- gladly [ɡlǽdli] : 「喜んで」
- share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
- forget [fə(r)gét] : 「〜を忘れる、見落とす」
- worth [wə́ː(r)θ] : 「価値、財産」
❖ "Because he loves ~ "「ホーリー・スピリットはあなたを愛しているので、」"he will gladly ~ "「ホーリー・スピリットは喜んで何を愛しているか、あなたに教えるだろう」。"for he wills to ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットはそれを分かち合うだろうからだ」。ホーリー・スピリットは、神から継承したものを愛し、それをあなたと分かち合いたちと望んでいる。それは愛であり、喜びであり、平和、創造性、拡張性、慈しむ心、清らかな笑い、静謐、美、等々である。"Remembering you ~ "分詞構文、理由、「あなたをいつも覚えているので、」"he cannot let ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたに、あなたの価値を忘れさせるようなことは出来ないのだ」。つまり、神の子として神から継承したあなたの価値を、あなたが忘れてしまわないように常にあなたに働き掛けている、ということ。
For the Father never ceases to remind him of his Son, and he never ceases to remind his Son of the Father. God is in your memory because of him.
- cease [síːs] : 「〜をやめる、よす、中止する」
- remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる」
- remind A of B : 「AにBのことを思い出させる」
- memory [mém(ə)ri] : 「記憶、思い出」
❖ "For the Father never ~ "「なぜなら、父なる神は、ホーリー・スピリットに神の子を思い出させることを決して止めさせたりしないからであり、」"and he never ceases to ~ "「それによって、神は神の子に、父なる神を思い出させることを止めたりしないからである」。"God is in your memory ~ "「ホーリー・スピリットのおかげで、神はあなたの記憶の中に存在している」。ホーリー・スピリットは、神の子であるあなたと神の間を取り持つ媒介役である。
You chose to forget your Father but you do not really want to do so, and therefore you can decide otherwise. As it was my decision, so is it yours.
- chose [t∫óuzn] : 「choose の過去形」
- choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
- decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
- otherwise [ʌ́ðə(r)wàiz] : 「別に、別な方法で」
- decision [disíʒ(ə)n] : 「解決、決定、決意、決心、決議」
❖ "You chose to forget ~ "「あなたは、あなたの父なる神を忘れるという選択をした」。神から分離したことを言っている。"but you do not ~ "「しかし、あなたは本当にそう望んだのではない」。"and therefore you can ~ "「したがって、あなたは別の決定も出来るのである」。神に回帰する決定も出来るのだ。"As it was my decision, so is ~ "「それは、私(イエス)の決定であったので、あなたの決定でもあるのだ」。神の子として、イエスは神に回帰する決定をした。したがって、同じ神の子であるあなたも同じ決定をしていると言える。なぜなら、実相では神の子はただ一人なのであるから。