●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-26.VII.13:1 ~ T-26.VII.14:8

13. Cause and effect are one, not separate. God wills you learn what always has been true: that He created you as part of Him, and this must still be true because ideas leave not their source.
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • separate [sép(ə)rət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • always [ɔ́ːlweiz] :「いつも、常に」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • create [kriéit] : 「〜を創造する、〜を創り出す」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • idea [aidíə] : 「考え、着想、知識、見解」
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜と別れる、〜を残す」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起点、原因」
❖ "Cause and effect ~ "「原因と結果は一つであり、分離などしていない」。"God wills you learn ~ "「神は、あなたが、常に真実であり続けるものを学んで欲しいと意思しているのだ」。"that He created ~ "「たとえば、神はあなたを、神の一部として創造したこと」。"and this must still ~ "「それは、今でも真実であるに違いないのだ」。"because ideas leave ~ "「なぜなら、想念は、その源から離れることはないからだ」。神はあなたを神の一部として創造したということは、神はそれを想念し、意思し、望んだのであり、無時間の天の王国においては、今もなお神はそれを想念し、意思し、望んでいるのである。神の想念や意思や望みは、神の心を決して離れることはないし、離れたこともない。常に、途切れることなく、神の想念は現実化し続けるのである。だから、実相世界では、「原因と結果は一つであり、分離などしていない」のである。



Such is creation's law; that each idea the mind conceives but adds to its abundance, never takes away.
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
  • each [íːtʃ] : 「それぞれの、一つ一つの、めいめいの」
  • conceive [kənsíːv] : 「抱く、心に描く、思い付く、着想する」
  • add to : 「〜を増加させる、〜を加える、〜を増大させる」
  • abundance [əbʌ́ndəns] : 「多量、豊富、多数、潤沢、裕福」
  • take away : 「取り上げる、取り除く、持ち去る」
❖ "Such is creation's ~ "「創造の法とは、そういうものなのだ」。"that each idea ~ "「つまり、心が抱いた想念は、豊かにすることはあれ、決して減らしたりするものではないのだ」。神の想念、実相世界の想念は、一方向を向いたまま、無限に拡大し続ける。その永遠不変の想念が、永遠不変に現実化し、どんどん増大して豊かになっていくのである。たとえば、愛を想念すれば愛は現実化し、その愛はどんどん増大して豊かになっていく。喜びも、増大することこそあれ、減少することはない。真の創造とはそういうものであり、それが創造の法である。



This is as true of what is idly wished as what is truly willed, because the mind can wish to be deceived, but cannot make it be what it is not.
  • be true of : 「〜についてもいえる、〜に当てはまる」
  • idly [áidli] : 「何もしないで、怠けて、無為に、ぼんやり」
  • wish [wíʃ] : 「望む、祈る、祈念する 」
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に、心から、誠実に」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
  • deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます、裏切る」
❖ "This is as true of ~ "「このことは、心から意思したことと同様に、何となく願ったことについても当てはまる」。実相的に明確な想念についても、幻想的な曖昧な思いについても、まったく同様に、想念は現実化し、どんどん増加するものなのだ。だだし、実相的想念の現実化は実在性をもって実現されるのだが、幻想的想念は、増加するといっても、それはいつまでも幻想に留まることになる。妄想が誇大化するのだ。"because the mind can ~ "「なぜならば、心は騙されたいと望むことも可能であるが、しかし、それが本来そうではないものに仕立て上げることは不可能だからだ」。心は、幻想という想念によって騙され得るが、そして、それを誇大妄想的に増大させることは出来るのだが、幻想という本来持っている性質を変化させて、その想念を実在する実相に変えることは不可能なのだ。したがって、神の子が神から分離して以来、神の子は幻想的な想念を現実化し増大させて、今日の幻想世界、幻想宇宙を疑似創造してきたのだが、それがどんなにリアルに見えようが、実体を持たない幻想、幻覚に過ぎないことは変わりない。幻想は実相になり得ないのである。



And to believe ideas can leave their source is to invite illusions to be true, without success.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • invite [inváit] : 「招待する、招く、〜を勧誘する、勧める」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • success [səksés] : 「成功、上出来」
❖ "And to believe ideas ~ "「想念が想念の源を離れ得ると信じることは、幻想を真実なるものとして招き入れることである」。"without success"「しかし、成功することはない」。心が源となって生み出される想念は心を離れて現実化すると信じることは、たとえそれが虚偽なるものでも現実化され得ると信じることであって、結果的に、誇大な幻想を作り上げてしまうことに繋がるのだ。そして、虚偽なる想念を現実化しても、幻想が実在の実相に変化することはない。試みは必ず、失敗するのである。それに対して、心が真実の想念を持つとき、真実の想念自体が実在であるから、実在する心を離れることなく、瞬間にして、実体をもった実在として現実化される。現実化された想念自体が、その源の心を形作り、心を増大させていくのである。原因と結果が一体なのである。これが、真の創造である。



For never will success be possible in trying to deceive the Son of God.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
❖ 成功することはないと言ったのは、"For never will success ~ "「なぜなら、神の子を騙そうと試みることに、成功の見込みはないからだ」。嘘のペンキは、いつか必ず剥がれるのだ。この幻想世界がどんなにリアルに見えようが、虚偽であり嘘であり幻覚である以上、いつか必ず、神の子はその幻想性、虚偽性に気付き、そのペンキを剥がし落とす時が来るのだ。その時が今でないと、誰が言えるだろうか。



14. The miracle is possible when cause and consequence are brought together, not kept separate.
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因」
  • consequence [kɑ́nsəkwèns] : 「結果、結論、結末、成り行き、帰結」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • together [təɡéðər] : 「一緒に、同時に」
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • keep : 「〜の状態にしておく、〜の状態を保つ、〜にしておく」
separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の」 ❖ "The miracle is possible ~ "「奇跡は、原因と結果が離れたままにされずに、一緒に持ち込まれたとき、可能となるのだ」。原因と結果が融合するとき、奇跡は起きる。たとえば、心が原因となって愛を想念し、愛が生み出され、その結果である愛が心そのものとなったとき、それが、奇跡なのだ。一元論世界は、時間の存在しない世界であるから、原因から結果に移る時間自体が存在しない。原因がそのまま結果として出現するのである。そこに、原因と結果の融合が生まれるのである。原因と結果が、まさに一元論的に、一元になってしまうのだ。



The healing of effect without the cause can merely shift effects to other forms. And this is not release.
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に、たかが〜にすぎない」
  • shift [ʃíft] : 「移す、入れ替える、切り替える」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
❖ "The healing of effect ~ "「原因を考えずに、結果だけをヒーリングすることは、単に、結果を他の結果に移し替えることに過ぎない」。"And this is not ~ "「これは、解放とは言い難い」。病を、その表面的な症状だけを治療しただけでは、真のヒーリングではない。症状の様相が別の症状に移し替えられるだけなのだ。真のヒーリングは、病を幻想している心自体をヒーリングすることである。心を幻想から解放することで、病という症状を消すことがヒーリングである。



God's Son could never be content with less than full salvation and escape from guilt.
  • content [kɑ́ntent] : 「満足している」
  • be content with : 「〜に満足している」
  • less than : 「〜未満の、〜に満たない」
  • full [fúl] : 「いっぱいの、いっぱいになる、充満する」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、逃避、回避」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "God's Son could never ~ "「神の子は、完璧な救い、完全な、罪の意識からの脱出、それ以下では、満足させられることは不可能だ」。神の子に必要なのは、中途半端な救いや解放ではなく、全的な、完璧な救いや解放である。半分だけ実相に目覚め、後の半分は幻想に浸っているなどということは、救いでも解放でもない。



For otherwise he still demands that he must make some sacrifice, and thus denies that everything is his, unlimited by loss of any kind.
  • otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「さもなければ、そうしないと、そうでなければ」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • unlimited [ʌnlímitid] : 「制限のない、無制限の、自由な、無条件の」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
  • of any kind : 「いかなる種類の」
❖ "For otherwise he still ~ "「なぜなら、さもなければ、神の子は、更なる犠牲を求め、」"and thus denies that ~ "「こうして、あらゆるものが神の子のものであり、いかなる種類の喪失によっても制限されることはないということを否定してしまうからだ」。神の子が、幻想から中途半端に救われて解放されたなら、片足はまだ幻想世界に留まったままなので、幻想世界の法則に制限され、神の属性のすべてを継承していることを否定し、攻撃や犠牲を強いる行為に走ってしまうだろう。



A tiny sacrifice is just the same in its effects as is the whole idea of sacrifice.
  • tiny [táini] : 「とても小さい、ちっぽけな、極めて小さな」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
❖ "A tiny sacrifice is ~ "「小さな犠牲でさえ、犠牲という想念全体と同様に、結果的にはまったく同じなのだ」。実相的には、愛がどれだけあるかが問題なのではなく、愛があるかないかが問題なのである。同様に、幻想的には、犠牲がどれだけ強いられるかが問題なのではなく、犠牲があるかないかが問題なのだ。結果的な犠牲の大きさが問題なのではない。どんなに小さくても、犠牲があったかなかったかが問題なのだ。ところで、犠牲とは、心が幻想によって欺かれている状態を言う。したがって、幻想は、その大小が問題なのではなく、幻想か幻想でないのか、それが問題なのだ。



If loss in any form is possible, then is God's Son made incomplete and not himself.
  • in any form : 「いかなる種類のものであれ」
  • incomplete [ìnkəmplíːt] : 「不完全な、不十分な、未完成の、出来損ないで」
❖ "If loss in any form ~ "「もし、いかなる形であれ、損失が可能ならば、」"then is God's Son ~ "「その時は、神の子は不完全なものにされ、神の子自身でなくなってしまうのだ」。何かを失うことは、この幻想世界でこそ可能であろうが、損失も喪失も、実相世界には存在しない。実相世界では、得ることはあっても失うことはないのだ。与えることと得ることが同一である世界に、喪失が存在出来るわけがないのだ。したがって、もし神の子が何かを失う可能性をもっているなら、その神の子は実相世界に住んでいるのではなく、幻想世界に捕らわれていることを意味する。幻想的な神の子は、まったく不完全であり、本当の神の子それ自身だと、決して言い難い。



Nor will he know himself, nor recognize his will. He has forsworn his Father and himself, and made Them Both his enemies in hate.
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • forsworn [fɔːrswɔ́ːrn] : 「forswear の過去分詞形」
  • forswear [fɔːrswέər] : 「強く否定する、〜を否認する、〜を偽証させる」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
❖ そうであれば、"Nor will he know ~ "「神の子は、自分自身を知ることも、自分の意思を認識することも出来ないだろう」。幻想的な神の子は、いわば、眠りに落ち込んだ存在である。眠っている者が、真の自分自身を認識することも、真の意思を知ることも、ともに不可能である。"He has forsworn ~ "「神の子は、父なる神も神の子自体も強く否定し、憎しみの中で、両者を敵に回したのである」。神の子は、神から分離した後、深い眠りに陥り、その夢の中で、自らが神の子であることを否定し、神の属性のすべてを継承したことも忘れ、神を裏切った罪の意識に嘖まれ、神の罰を恐れて神の愛を否定したのだ。そんな、悪夢を見ている神の子が、自分自身を知ることも、自分自身の意思を知ることも、可能であろうか。
 
 
 


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