5. A solid foundation is necessary because of the confusion between fear and awe to which I have already referred, and which is often made.
- solid [sɑ́ləd] : 「確固とした、揺るぎない、固体の、固形の」
- foundation [faundéiʃən] : 「土台、礎、基盤」
- necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
- because of : 「〜のために、〜のせいで 」
- confusion [kənfjúːʒən] : 「混同、当惑、混乱状態」
- between A and B : 「 A と B の間に」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
- awe [ɔ́ː] : 「畏敬(の念)、畏怖」
- already [ɔːlrédi] : 「 すでに、とっくに〜済み」
- refer [rifə́ːr] to : 「参照する、言及する」
- often [ɔ́fən] : 「しばしば、たびたび、ちょくちょく」
❖ "A solid foundation is necessary"「〜なので、しっかりした基礎が必要である」。"because of the confusion ~ "「私(イエス)がすでに言及したし、またしょっちゅう起きるものなのだが、恐れと畏敬の間に混同が起きるので、」しっかりした基礎が必要である。恐れと畏敬の混同は頻繁に起きるが、それを起こさないためにはしっかりした基礎が必要である。ACIMの基礎学習が必須である。
ACIMの学習者は、えてして、ACIMの難解なテキストを避けて、ワークブックから入ろうとする。理論的基礎学習を疎かにし、途中で挫折する例が多い。それを戒めているのである。
I have said that awe is inappropriate in connection with the Sons of God, because you should not experience awe in the presence of your equals.
- inappropriate [ìnəpróupriət] : 「不適切な、不適当な、妥当でない」
- connection [kənékʃən] : 「つながり、結合、接続、関係、関連」
- in connection with : 「〜に関連して」
- experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
- presence [prézns] : 「存在すること、存在」
- in the presence of : 「〜の存在下で、〜のいるところで、」
- equal [íːkwəl] : 「同等、対等、同格、平等」
❖ "I have said that ~ "「私は、神の子同士のつながりにおいては、畏敬は妥当ではないと言ったことがある」。"because you should ~ "「なぜなら、平等な関係性がある中では、畏敬を経験するべきではないからだ」。神の子はすべて平等であるから、尊敬することはいいとしても、畏敬することは妥当ではない。畏敬という概念は、上下関係を暗に示しているからだ。したがって、神の子が神に畏敬を感じるのは当然としても、宗教団体の中で、教祖とかグルとかを設けて、不当な畏敬を要求するのはおかしなことなのだ。
なお、イエスが"awe"「畏敬」について述べたくだりは、T-1.II.3:1~T-1.II.3:13にある。復習してほしい。
However, it was also emphasized that awe is proper in the Presence of your Creator.
- however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
- also [ɔ́ːlsou] : 「〜もまた、同様に、また、〜もやはり」
- emphasize [émfəsàiz] : 「〜を強調する、重視する、力説する」
- proper [prɑ́pər] : 「適した、適切な、妥当な、適当な」
- creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "However, it was ~ "「しかし、畏敬は、創造主である神の存在のもとでは適切であるとも強調した」。創造する者と創造される者との間には上下関係があるので、特に神と神の子の間では、神の子が神を畏敬することは適切である。
I have been careful to clarify my role in the Atonement without either over- or understating it.
- careful [kéərfl] : 「注意深い、用心深い」
- clarify [klǽrifài] : 「〜を明確にする、明らかにする、はっきりさせる」
- role [róul] : 「役、役目、役割、任務」
- atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
- without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
- overstate [ouvərstéit] : 「大げさに言う、誇張して話す」
- understate [ʌndərstéit] : 「低く評価する、控えめに言う」
❖ "I have been careful ~ "「私は、贖罪における私の役割を、誇張もせず、過小評価もせず、注意を払って明確にしてきた」。神の子の心の奥に潜む罪の意識を消滅させるために、つまり、神の子の贖罪のために、イエスはキリストとなってその役割をずっと果たしてきたのだが、イエスは自分の役割や立場を誇張もせず、過小評価もせず、神の子と同等の立場を注意深く守ってきた、ということ。つまり、あなたがイエスを神格化して畏敬の念を抱くようなことがないように、注意深くあなたを罪の意識から救い出そうとしてきたのだ。イエスは神によって創造された神の子であり、あなたと同等だと言っているのである。だから、イエスやあなたが神を畏敬することは当然としても、あなたがイエスを畏敬してはいけない。最大級の尊敬を感じるだけでいいのだ。世の中の多くのキリスト教徒は、ここを履き違えている。
I am also trying to do the same with yours. I have stressed that awe is not an appropriate reaction to me because of our inherent equality.
- try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
- same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
- yours : 「あなたのもの」
- stress [strés] : 「〜を強調する、重視する、強く主張する」
- awe [ɔ́ː] : 「畏敬(の念)、畏怖」
- appropriate [əpróupriət] : 「適した、適切な、適当な、妥当な、見合う」
- reaction [riǽkʃən] : 「反応、態度、受け止め方」
- inherent [inhíərənt] : 「生まれつきの、生来の、先天的な、特有の、固有の」
- equality [ikwɑ́ləti] : 「平等、等しいこと、同等」
❖ "I am also trying ~ "「私は、あなたのものについても同じことをしている」。あなたの役割に対しても、イエスは同じスタンスをとっている、ということ。つまり、贖罪におけるあなたの役割を、過大評価することもなく過小評価することもなく、注意深くあなたに明らかにしていくつもりだ、ということ。あなたが幻想から目覚め、キリストとなって同胞を罪の意識から救う役割を担ったとき、イエスはあなたを完全に同等と見なすのである。そこに上下関係はない。畏敬関係はあってはならないのだ。"I have stressed that ~ "「私は、畏敬は私に対する適切な反応ではないと強調してきた」。"because of ~ "「なぜなら、私たちは生来、平等であるからだ」。イエスは、自分は神ではなく、神の子だと主張しているのだ。あなたもイエスも、神が創造した神の子であって、生来、平等なのである。
こういうイエスの発言を聞いたら、イエスを神と崇めるキリスト教徒は唖然とするだろう。しかし、考えてみれば、神が神の複製を作る道理はない。一元論世界にあって、二元の神が存在出来るわけがないからだ。神は神を模して、神の子を創造しただけである。あなたもイエスも神の子であって、その他のものではない。
では、なぜこれほどまでに、あなたとイエスは異るのだろうか? それは、2000年前、イエスは幻想から実相へと目覚め、本来の純粋なスピリットに立ち返った存在だからである。そうであるなら、あなたも同じ道を歩むことができるはずであり、その道こそがこのコース、ACIMなのだ。奇跡の最終目標は、あなたが純粋なスピリットに立ち返ることであり、それはまた、神の元へ回帰することでもある。
Some of the later steps in this course, however, involve a more direct approach to God himself.
- later [léitər] : 「もっと後の、もっと遅い、より最近の」
- step [stép] : 「段、階段、一歩、歩み、ステップ」
- course [kɔ́ːrs] : 「講座、課程」
- involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う」
- direct [dáirekt] : 「直接の、まっすぐな」
- approach [əpróutʃ] : 「 近づくこと、近づく方法、近づく道」
❖ "Some of the later ~ "「このコースの後の段階のいくつかは、神自身へのより直接的な接近(の方法)を含んでいる」。神との直接のコミュニケーションは啓示(revelation)である。その啓示について、コースは後々詳しく述べることになっている。
It would be unwise to start on these steps without careful preparation, or awe will be confused with fear, and the experience will be more traumatic than beatific.
- unwise [ʌnwáiz] : 「 分別がない、愚かな、知恵がない、浅はかな」
- start on : 「〜し始める、〜を始める、〜に取り掛かる」
- without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
- careful [kέərfəl] : 「注意深い、気を付ける、用心深い」
- preparation [prèpəréiʃən] : 「心構え、覚悟、用意、準備、支度」
- or : 「そうしなければ、さもなければ」
- confuse [kənfjúːz] : 「混乱させる、混同させる」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
- experience [ikspíəriəns] : 「経験、体験、見聞」
- traumatic [trəmǽtik]: 「 外傷の、精神的外傷を残すような」
- beatific [bìːətífik] : 「幸福にする、至福の」
❖ "It would be unwise ~ "「注意深い準備なくしてこれらのステップを始めるのは、賢いことではないであろう」。これらのステップとは、神との直接的な接近、すなわち啓示に至るステップのこと。"or awe will be ~ "「さもなければ、畏敬は恐れと混同されるだろうし、」"and the experience ~ "「(神との直接の)経験は至福どころか、心に傷を負うことになるであろう」。不用意に啓示を期待してはならない。しっかりと基礎固めをし、きちんと準備を整えてからでないと危険である。神を恐れて、心に傷を負ってしまうかもしれないからだ。あなたの心の準備が出来れば、ちゃんとホーリー・スピリットが啓示へと導いてくれる。要するに、焦らずにACIMのテキストをしっかり学べ、ということ。
Healing is of God in the end. The means are being carefully explained to you.
- healing [híːliŋ] : 「癒やし、治療、治癒、回復」
- in the end :「結局、ついに」
- means [míːnz] : 「手段、方法」
- carefully [kέərfəli] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
- explain [ikspléin] : 「〜を説明する、明らかにする」
❖ "Healing is of God ~ "「ヒーリングは、最後は神の手によるものなのだ」。奇跡によるヒーリングは、知覚の修正に始まり、幻想からの目覚めへと進み、多くのステップを踏んで、最終的には、天の王国の神の元への回帰に終わる。神が自ら天の王国の扉を開けて、あなたを向かい入れてくれる。ヒーリングの最後は、神の手によって行われるのだ。"The means are ~ "「その方法は、あなたに対して注意深く説明されることになっている」。ここの進行形は近未来形。
Revelation may occasionally reveal the end to you, but to reach it the means are needed.
- revelation [rèvəléiʃən] : 「啓示、黙示」
- occasionally [əkéiʒənəli] : 「時々、たまに」
- reveal [rivíːl] : 「暴く、漏らす、知らせる、示す、明かす、暴露する」
- end [énd] : 「目的、目標、結果、結末、末、終わり」
- reach [ríːtʃ] : 「達する、至る、手が届く、〜に連絡する」
- need [níːd] : 「〜を必要とする、〜する必要がある」
❖ "Revelation may occasionally ~ "「啓示は、時としてあなたに対して最終目的を明かすかもしれない」。神との直接的なコミュニケーションの中で、神の計画、すなわち神のシナリオに書かれた最終目的があなたに開示されるかもしれない。"but to reach it ~ "「しかし、それに至るには方法が必要である」。開示されただけで、目的に到達出来るわけではない。どうやって目的地に至るか、その方法が明かされなくては、実践出来ないわけだ。その実践方法を明かしてくれるのが、このACIMである。だから、しっかりACIMを学べ、ということになる。