●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-2.IV.4:1 ~ T-2.IV.4:10

4. All material means that you accept as remedies for bodily ills are restatements of magic principles. This is the first step in believing that the body makes its own illness.
  • material [mətíəriəl] : 「物質の、物質的な」
  • means [míːnz] : 「 手段、方法」
  • accept [əksépt] : 「引き受ける、受諾する、認める、容認する」
  • remedy [rémədi] : 「治療薬、医薬品、治療、療法、医療 」
  • bodily[bɑ́dəli] : 「身体上の、肉体の 」
  • ill [íl] : 「病気、罪悪、悪」
  • restatement [ristéitmənt]: 「再表示、更新」
  • principle [prínsəpl] : 「原則、原理、公理、原論」
  • step [stép] : 「段、階段、一歩、歩み、ステップ」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
  • illness [ílnis] : 「病気、気分がすぐれないこと、疾病、疾患」
❖ "All material means ~ "「身体的病気の治療法としてあなたが受け入れた物質的な方法は、魔法原理を再宣言しているようなものだ」。ACIMでは、病気は、心の歪み、心の過ちに起因するとしている。したがって、病気を物理的に治す行為は、病気の表面をつくろって真の原因を隠す行為に過ぎない。それを『魔法原理』と称したのである。"This is the first step ~ "「これは、肉体がそれ自身の病を作り上げていると信じてしまう最初のステップである」。幻想の肉体は、たとえそれが病気であっても、創造することは出来ない。
ところで、以前にも触れたが、ACIMは現代医療を受けてはならないと言っているのではない。病気の真の原因とメカニズムをきちんと理解せよ、と言っているのである。決してACIM原理主義者になってはいけない。肉体が幻想だからと言って肉体を抹殺することは完全な誤りである。



It is a second misstep to try to heal it through non-creative agents. It does not follow, however, that the use of such agents for corrective purposes is evil.
  • second [sékənd] : 「第2の、2番目の」
  • misstep [misstép] : 「踏み誤り、つまずき」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • heal [híːl] : 「癒やす、救う、治す、治癒する、治療する」
  • through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • creative [kriéitiv] : 「創造力がある、創造性に富んだ、独創的な」
  • agent [éidʒənt] : 「薬剤、媒介物、物質、動作主、動因」
  • follow [fɑ́lou] : 「〜に続く、〜の次に来る、後ろからついて行く」
  • however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
  • use [júːs] : 「使うこと、利用、使用」
  • corrective [kəréktiv] : 「訂正の、修正の」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い」
  • evil [íːvl] : 「悪い、害を与える、邪悪な」
❖ "It is a second misstep ~ "「病気を創造性の欠けるもので治そうとするのは第二の誤りである」。第一の誤りは、肉体が病を作り出すということ。たとえば、熱が出たので解熱剤をのむという行為は、熱の原因を治療することではないので、その意味では創造的ではない。熱が下がっても病気自体が治るわけではないからだ。"It does not follow ~ "「しかし、that以下のことが後に続くわけではない」。that以下が結論である、というわけではない。" that the use of ~ "「正す目的のためにそのようなものを使うことは悪い」というわけではない。簡単に言えば、病気を治したいから薬を飲むのは悪くない、ということ。しかし、もちろん、それだけでは十分ではない。心の問題を解決しなくてはならないからだ。



Sometimes the illness has a sufficiently strong hold over the mind to render a person temporarily inaccessible to the Atonement. 
  • sometimes [sʌ́mtàimz] : 「時々、たまに」
  • sufficiently [səfíʃəntli] : 「十分に、足りて」
  • strong [strɔ́ːŋ] : 「力強い、強力な、強い、力がある」
  • hold over : 「〜への支配力」
  • render [réndər] : 「〜を〜にならしめる、〜にする、makeと同じ」
  • person [pə́ːrsn] : 「人、人間、人物」
  • temporarily [tèmpərérəli] : 「一時的に、仮に」
  • inaccessible [ìnəksésəbl] : 「 手の届かない、近づき難い、アクセスできない」
  • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
❖ "Sometimes the illness ~ "「しばしば、病気は心に対して、一時的に人が贖罪にアクセス出来なくするくらい十分に強い支配力をもつ」。贖罪とは、罪を幻想と認識して赦し、罪を消滅させることなのだが、ここでは、肉体や病を幻想と認識して赦し、病を消滅させるという意味合い。病があまりにもリアルなので、心がそれを幻想と認識出来なくなるほど、病が心を支配してしまうことがある。
文法的に一言。"inaccessible"は補語で、render+人+補語(形容詞)の形で「人を〜な状態にする」となる。"You make me happy"と同じ文型である。



In this case it may be wise to utilize a compromise approach to mind and body, in which something from the outside is temporarily given healing belief.
  • in this case : 「この場合は、もしそうなら、この際」
  • wise [wáiz] : 「賢い、博学の」
  • utilize [júːtəlàiz] : 「利用する、活用する、役立たせる」
  • compromise [kɑ́mprəmàiz] : 「 妥協、譲歩」
  • approach [əpróutʃ] : 「やり方、扱い方、取り上げ方、取り組み」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
  • healing [híːliŋ] : 「癒しの、治療の」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
❖ "In this case ~ "「この場合、心と体に対して妥協的なアプローチ(の方法)を利用した方が賢明かもしれない」。"in which something ~ "意訳する、「つまり、(心の)外からのものが、一時的にヒーリングしてくれると信じるのである」。妥協的なアプローチの方法を説明している部分である。病は心の問題ではあるが、病があまりにも心を支配しているなら、心の外から、つまり肉体レベルで、たとえば薬を導入して、薬が病をきっと治してくれると信じる方が、一時的には賢明である。
病気の真の原因は心の歪みであり、薬は症状を軽減出来たとしても根本の治療をもたらすものではない。したがって、薬の効果は一時的なもの(temporarily)となる。薬によって症状が治ったら、心の真のヒーリングをなさなければならない。



This is because the last thing that can help the non-right-minded, or the sick, is an increase in fear. 
  • last thing : 「最後にすること、最もしそうにないこと」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • increase [inkríːs] : 「増加、増大、増進」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
❖ "This is because ~ "直訳すると、「これは、正しからざる心、あるいは病気の、最も助けにならないものは恐れの増大であるからだ」。恐れの増大は、歪んだ心やそれが生みだす病にとって、最も良くない方向に働く。だから、一時的に恐れを軽減するために、肉体レベルの療法を外部から取り入れる方が一時的には賢明なのだ。



They are already in a fear-weakened state. If they are prematurely exposed to a miracle, they may be precipitated into panic.
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • weaken [wíːkn] : 「弱める、弱体化させる」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • prematurely [prìːmətjúərli] : 「時期を早めて、時期尚早に 」
  • expose [ikspóuz] : 「さらす、浴びせる、暴く」
  • precipitate [prisípitèit] : 「急に引き起こす、促進する、勃発させる」
  • panic [pǽnik] : 「恐慌、恐怖、パニック」
❖ "They are already in ~ "「彼らはすでに恐れで萎縮した状態にある」。"If they are prematurely ~ "「もしも、彼らが時期尚早に奇跡にさらされたら、パニックに陥るかも知れない」。恐れで心が萎縮した病人が、肉体も病も幻想だと知ったなら、さらに恐怖を増大させてパニックに陥るかも知れない。だから、時間をかけて恐れを取り除いてから、真実を現実化する奇跡に触れるべきなのだ。時間が学びの補助装置であることの一端がうかがえる。



This is likely to occur when upside-down perception has induced the belief that miracles are frightening.
  • be likely to : 「〜しそうである」
  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる」
  • upside-down : 「逆さまの、混乱した」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • induce [indjúːs] : 「〜を生じさせる、引き起こす、誘発する」
  • frightening [fráitniŋ] : 「恐ろしい、怖い、ゾッとするような」
❖ "This is likely to ~ "「このパニックは、混乱した知覚が奇跡は恐ろしいものだという信念を引き出した時に、起こりやすい」。本来、奇跡は恐れからの解放であるが、それが恐ろしいと感じているうちは奇跡にさらすべきではない。ACIMは、目覚めはゆっくりな方がいいと述べている。
 
 
 


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