●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-10.III.4:1 ~ T-10.III.5:3

4. To believe a Son of God is sick is to worship the same idol he does. God created love, not idolatry. 
  • worship [wə́ːrʃip] : 「崇拝する、崇敬する」
  • same [séim] : 「同じ、同一の」
  • idol [áidl] : 「偶像、崇拝の対象、虚像」
  • idolatry [aidɑ́lətri] : 「偶像崇拝、盲目的崇拝」
❖ "To believe a ~ "「神の子が病んでいる信じることは、その神の子が崇拝する偶像と同じ偶像を崇拝することである」。病は幻想であり、神の子が病になり得ると信じることは、幻想を実在だと信じる偶像(エゴ)を崇拝することに等しい。"God created ~ "「神は愛を創造したが、偶像崇拝を設けたことはない」。言い換えれば、偶像崇拝は愛の欠如をから生み出された幻想である。愛を排除して恐れを基盤にするものが偶像崇拝。ACIMは、恐れを排除して愛に回帰することを教える。



All forms of idolatry are caricatures of creation, taught by sick minds too divided to know that creation shares power and never usurps it. 
  • caricature [kǽrikətʃər] : 「風刺漫画、風刺、風刺文」
  • divide [diváid] : 「〜を分割する、〜を分裂させる」
  • share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
  • usurp [juːsə́ːrp] : 「奪う、侵害する」
❖ "All forms of idolatry ~ "「すべての偶像崇拝の形態は、創造の風刺である」。偶像崇拝は、神の創造をまねた風刺のようなものだ。たとえば、人がエゴを偶像崇拝するとき、エゴを神に見立て、神の愛をエゴの恐れにすり替え、神が与えることをエゴが奪うことに、神が慈しむことをエゴが攻撃することに置き換える。神のもつ創造性の対極を持ち出して、あたかも風刺するかのように偶像を作るのである。"taught by sick ~ "分詞構文、beingを先頭に補うといい、単純接続、「そして、偶像崇拝の形態は病んだ心に教えてもらっている」。つまり、偶像崇拝は病んだ心が描く風刺画だ、ということ。病んだ心が教えるシナリオに従って偶像崇拝が行われる。その病んだ心は"too divided ~ "ここは"too ~ to ~ "の構文、「あまりに〜なので、〜できない」、「あまりに分裂し過ぎて、that以下を知ることが出来ない」病んだ心。"that creation shares ~ "「創造とはパワーを分かち合うものであり、決してパワーを奪うものではない」ということを知ることが出来ない病んだ心。



Sickness is idolatry, because it is the belief that power can be taken from you. 
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰」
❖ "Sickness is ~ "「病は偶像崇拝(の一つ)である」。"because it is ~ "「なぜなら病は、あなたからパワーを奪い取れると信じている思いだからだ」。



Yet this is impossible, because you are part of God, Who is all power. 
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、あり得ない」
❖ "Yet this is ~ "「しかし、それは不可能だ」。"because you are ~ "「なぜなら、あなたは神の一部であり、神はすべての力、そのものであるからだ」。幻想の病が実相のパワーを奪うことなど不可能だ。神は神の子を創造し、神の属性のすべてを与えた。あなたの命がもつパワーは真実であり、実相に属す。



A sick god must be an idol, made in the image of what its maker thinks he is. 
  • idol [áidl] : 「偶像、崇拝の対象、虚像」
  • image [ímidʒ] : 「イメージ、画像、像」
❖ "A sick god ~ "「病んだ神は偶像に違いない」。"made in the image ~ "分詞構文、先頭にbeingを補えばいい、単純接続、「そして、病んだ神は、それを作った者がそうであって欲しいと思うイメージで作られたものである」。"the image of what its maker thinks he is" は "the image of what he is"「病んだ神が何であるかというイメージ」という文に"its maker thinks"「その作り手が思うところの」という文が挿入されている。したがって、「作り手が思ったような病んだ神のイメージ」となる。



And that is exactly what the ego does perceive in a Son of God; a sick god, self-created, self-sufficient, very vicious and very vulnerable. 
  • exactly [igzǽktli] : 「正確に、厳密に」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を把握する」
  • self-created : 「自己創造の」
  • self-sufficient [səfíʃənt] : 「自己満足の、うぬぼれの強い」
  • vicious [víʃəs] : 「意地の悪い、悪意のある、卑劣な」
  • vulnerable [vʌ́lnərəbl] : 「弱い、脆弱な、不安定な」
❖ "And that is ~ "「それが、まさしく、エゴが神の子の中に知覚するものである」。神の子がエゴの中に知覚する姿なのだが、ここでは、エゴと神の子が同一に扱われていると思って解釈すればいい。つまり、鏡に映した神の子の姿がエゴである。しかし、それは虚像だ。具体的には、"a sick god ~ "「それは病んだ神、自分で勝手に作り上げ、うぬぼれており、非常に脆弱(ぜいじゃく)である」。



Is this the idol you would worship? Is this the image you would be vigilant to save?
  • worship [wə́ːrʃip] : 「崇拝する、崇敬する」
  • vigilant [vídʒələnt] : 「油断がない、用心深い」
  • save [séiv] : 「確保しておく、取っておく」
❖ "Is this the idol ~ "「これが、あなたが崇拝したいと思う偶像であろうか」。"Is this the image ~ "「これが、確保しておくためにあなたが用心深くなっているイメージであろうか」。破壊されないかと用心し、いつまでも確保しておきたいイメージ(虚像)であろうか。それほどまでに、恐怖のエゴはあなたにとって大切な偶像なのか。



5. Look calmly at the logical conclusion of the ego's thought system and judge whether its offering is really what you want, for this is what it offers you. 
  • calmly [kάːmli] : 「静かに、落ち着いて」
  • logical [lɑ́dʒikl] : 「論理上の、論理的な」
  • conclusion [kənklúːʒən] : 「結論、決定、結果」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を審判する」
  • whether [hwéðər] : 「〜かどうか、〜であろうとなかろうと」
  • offering [ɔ́ːfəriŋ] : 「提供されるもの、提供すること」
❖ "Look calmly at ~ "「心静かに、エゴの思考システムの論理的帰結を見つめ、エゴが差し出すものが本当にあなたの欲しているものなのかどうか判断しなさい」。"for this is what ~ "「なぜなら、これが、エゴがあなたに差し出すものだからである」。これとは、病んだ神のこと。具体的には前段落の "a sick god, self-created, self-sufficient, very vicious and very vulnerable"である。あなたは本当に病んだ神など欲しいのか、冷静に判断せよ、ということ。



To obtain this you are willing to attack the Divinity of your brothers, and thus lose sight of yours. 
  • obtain [əbtéin] : 「手に入れる、得る、獲得する」
  • be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
  • divinity [divínəti] : 「神性、神々しさ、神」
  • lose sight of : 「〜を見失う」
❖ "To obtain this ~ "「これを得るために、あなたはあなたの同胞の神性を進んで攻撃する」。これとは、エゴの差し出すもの、病んだ神という偶像。"and thus lose ~ "「こうして、あなたは、あなたの神性をも見失ってしまう」。他者の神性(神聖さ)を否定することは、自分の神性を否定したことになる。なぜなら、他者とあなたは単一の神の子だから。



And you are willing to keep it hidden, to protect an idol you think will save you from the dangers for which it stands, but which do not exist.
  • keep [kíːp] : 「保つ、〜の状態にしておく」
  • hidden [hídn] : 「隠された、秘密の」
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • danger [déindʒər] : 「危険、危機、危難」
  • stand for : 「〜を支持する、〜に味方する」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生存する」
❖ "And you are ~ "「そして、あなたはそれを進んで隠そうとする」。それとは、神性。"to protect an ~ "意味がとりにくい部分である。分解して読み進もう。まず、"to protect an idol"は不定詞の副詞的用法で、「偶像を守るために」。偶像(エゴ)を守るために神性(神聖さ)を隠すのである。"you think will save you from the dangers"ここは頭に関係代名詞thatを補って「危険からあなたを救ってくれるとあなたが思っている」偶像を守るために、となる。この場合、関係代名詞"that"は主格であるが、"you think"が入り込んでいるので省略されている。"for which it stands"先行詞は"the dangers"であり、"it"は"an idol"であるから、「偶像が味方する」危険、「偶像が支持する」危険、となる。つまり、偶像は病んだ神であり、エゴの思考システムから生れたものであるから、あなたを常に危険にさらし、攻撃態勢をとらせようとするのである。"but which do ~ "「しかし、そんな危険性など存在しない」。神性をホーリー・スピリットに、偶像をエゴに置き換えてみると意味が通じやすい。エゴはあなたに、他者はあなたを攻撃しようとしていると告げる。他者は危険だと言うのだ。そして、あなたを他者の攻撃から守ってやろうと申し出る。先手必勝、すぐにも他者を攻撃せよ、とエゴは命ずる。あなたはエゴを信じ、エゴを保護し、エゴの命令を守ろうとする。そうするにはホーリー・スピリットが邪魔だ。そこであなたはホーリー・スピリットを隠してしまう(you are willing to keep it hidden)。しかし、エゴの言う危険性など本当は存在しない(but which do not exist)。なぜなら、エゴが見ている世界は幻想の世界であって、単なる夢だからだ。実相の世界に、エゴの言う危険性など存在しない。






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