7. The miracle is the act of a Son of God who has laid aside all false gods, and calls on his brothers to do likewise.
- act [ǽkt] : 「行為、活動、言動」
- laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
- aside [əsáid] : 「わきへ、離れて、はずれて」
- lay aside : 「やめる、捨てる、放棄する」
- false [fɔ́ːls] : 「虚偽の、偽りの、偽の」
- call on : 「求める、要求する、頼む」
- likewise [láikwàiz] : 「同じように、同様に」
❖ "The miracle is ~ "「奇跡は、〜する神の子の行為である」。"who has laid ~ "「偽りの神々を放棄してしまい、同胞にも同じようにして欲しいと要求する」神の子の行為である。幻想からから目覚めること(つまり、偽りの神々を放棄すること)、それがACIMの言う奇跡だ。
It is an act of faith, because it is the recognition that his brother can do it.
- faith [féiθ] : 「信頼、信じること、信念」
- recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証」
❖ "It is an act ~ "「それは信頼の行為である」。それとは、偽りの神々を捨てるように同胞に要求すること。"because it is ~ "「なぜなら、そう出来るのはthat以下を認識しているからだ」。"that his brother ~ "「同胞が偽りの神々を放棄できると」認識しているからだ。あなたと同胞は自他一如なのだから、あなたが偽りの神々を放棄できるなら、同胞もまた必ず偽神(にせがみ)を放棄できるはずだと同胞を信頼できる。ともに悪夢から目覚めることが出来るはずだと、同胞を信頼するのだ。
It is a call to the Holy Spirit in his mind, a call that is strengthened by joining.
- call [kɔ́ːl] : 「呼びかけ、叫び、要求」
- strengthen [stréŋ(k)θn] : 「〜を強くする、強化する」
- join [dʒɔ́in] : 「〜に加わる、結び付ける」
❖ "It is a call ~ "「それは、同胞の中のホーリー・スピリットへの呼びかけである」。"a call that is ~ "「そして、それは、結びつくことで強くなる呼びかけである」。偽りの神を捨てよう、と同胞達が呼びかけ合い、一致団結して幻想を捨てようと協力し合うのだ。ただし、声に出すという形態レベルでの呼びかけ合いではない。心のレベルでの呼びかけ合い、つまり、ホーリー・スピリットが共鳴し合うというレベルでの呼びかけ合いだ。
Because the miracle worker has heard God's voice, he strengthens It in a sick brother by weakening his belief in sickness, which he does not share.
- heard [hə́ːrd] : 「hear の過去・過去分詞形」
- sick [sík] : 「病気で、病気の」
- weaken [wíːkn] : 「弱める、弱体化させる」
- belief [bilíːf] : 「信じること、信念」
- sickness [síknəs] : 「病気」
❖ "Because the miracle ~ "「ミラクル・ワーカーは神の声を聞いたので、」"he strengthens It ~ "「彼は、病の同胞の心の中に神の声を強める」。"by weakening his ~ "「病の同胞が、病を信じる気持ちをミラクル・ワーカーと分かち合わないことによって病を信じる気持ちを弱め、」神の声を強める。もし同胞の病に同情し、病を信じる気持ちを分かち合ったなら、病は増強されることはあってもヒーリングされることはない。したがって、ミラクル・ワーカーは病(幻想)を分かち合うことはしない。逆に、病の実在性を信じ込む気持ちを弱め、心の中の神の声(ホーリー・スピリットの声)が同胞にも聞えるように強くしてやるのだ。それは、ミラクル・ワーカーが自分自身と同胞の心の中に神の声を聞こうと意欲し、熱心に耳を傾けることで可能になる。
The power of one mind can shine into another, because all the lamps of God were lit by the same spark. It is everywhere and it is eternal.
- shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
- shine into : 「〜へ差し込む」
- lamp [lǽmp] : 「ランプ、灯火、光明」
- lit [lít] : 「light の過去・過去分詞形」
- spark [spɑ́ː(r)k] : 「火花、スパーク、活気、生気」
- eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の」
❖ "The power of ~ "「一人の心のパワーが、他の心の中に光となって差し込む」。"because all the ~ "「なぜなら、すべての神のランプは、同じ火花によって灯されたのだからだ」。"It is everywhere ~ "「そして、火花はどこにでも、永遠に存在する」。詩的な表現なので、解釈はむずかしい。声に出して朗読し、感覚でとらえる方がいいかもしれない。簡単のためにイメージを描こう。神は私達の心一つ一つにランプを与えてくれた。ランプとは、神が神の子に遣わしたホーリー・スピリットが持っている真実の光を放つランプだと思っておこう。神は神の息吹である火花(生気)を一つ一つのランプに吹き込み、ランプは点火されて光を放つ。ある者のランプの光が他者の心の中に差し込んで心を明るく照らす。その他者のランプの光が、今度はまた別の者の心の中に差し込んで心を照らす。すべての心が光を放射し合い、あたかも光の交響曲を奏でるように共鳴し合い、調和し合い、王国が光で満たされる。こんなイメージでどうだろうか?
8. In many only the spark remains, for the Great Rays are obscured.
- remain [riméin] : 「残る、残存する」
- great [gréit] : 「偉大な、卓越した」
- ray [réi] : 「光線、輝き、ひらめき」
- obscure [əbskjúər] : 「〜曖昧にする、見えなくする」
❖ "In many only ~ "「多くの中で、その火花だけが残る」。"for the Great Rays ~ "「なぜなら、偉大な光は曖昧にされるからだ」。ここも解釈が難しい箇所だ。神が神の子に吹き込む息吹(生気)が"spark"であり、これによって神の子の心の中のランプは点灯し、光を放って共鳴し合う。この光とは別に、神自身が放つ光が"Great Rays"だと思えばいいだろう。神の放つ偉大な光が曖昧にされるほど、神の子同士の光が共鳴し合ってその明るさが増して行くのだ。多くの闇(幻想)はこの光にさらされて消滅してしまうが、神の息吹はいつまでも存在し続ける(In many only the spark remains)。つまり、神の放つ強烈な光がかき消されるほど、神の子同士の共鳴する光は強烈であるが、神の息吹である火花は永遠に神の子の心の中に存在し続けるわけだ。
Yet God has kept the spark alive so that the Rays can never be completely forgotten.
- kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
- alive [əláiv] : 「生存して、生きていて」
- so that : 「〜できるように」
- completely [kəmplíːtli] : 「完全に、全面的に」
- forgotten [fərgɑ́tn] : 「forget の過去分詞形」
- forget [fərgét] : 「〜を忘れる、見落とす」
❖ "Yet God has ~ "現在完了形、継続、「しかし神は、〜できるように、火花をずっと生かし続けている」。"so that the Rays ~ "「偉大な光が完全に忘れ去られることがないように、」火花をずっと生かし続けている。私達の心のランプが放つ光の中で、ややもすると神の偉大な光が見失われてしまいがちだが、神の息吹である火花が私達の心の中に存在する限り、そこには神の偉大な光も存在している。
If you but see the little spark you will learn of the greater light, for the Rays are there unseen.
- learn of : 「〜を知る」
- unseen : 「目に見えない」
❖ "If you but see ~ "「もし、あなたが小さな火花を見たなら、」"you will learn of ~ "「それより大きな光があると知るだろう」。"for the Rays are ~ "「なぜなら、偉大な光は見えないが、そこにあるからだ」。あなたの心にふと生気を感じ、あなたの命が輝き出したなら、目には見えないかもしれないが、あなたは神の偉大な光に包み込まれているはずだ。
Perceiving the spark will heal, but knowing the light will create.
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する」
❖ "Perceiving the spark ~ "「火花を知覚することはヒーリングにつながり、」"but knowing the ~ "「光を知ることは創造につながる」。神の偉大な光は、肉体的な目で見ることは出来ない。真実を見る目、ヴィジョンを通して見えて来るものである。もし真実の光が見え始めたら、それは知覚が修正され、心が幻想から目覚めてヒーリングされた結果である。ヒーリングされた心は自ら真実の光を放ち、光を分かち合って増大する。それが実相的な創造である。
Yet in the returning the little light must be acknowledged first, for the separation was a descent from magnitude to littleness.
- return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る」
- acknowledge [əknɑ́lidʒ] : 「認める、受け入れる」
- separation [sèpəréiʃən] : 「分離、離脱」
- descent [disént] : 「落下、転落、堕落」
- magnitude [mǽgnətjùːd] : 「大きいこと、偉大さ」
- littleness [lítlnis] : 「小さいこと」
❖ "Yet in the returning ~ "「しかし、神へ回帰するには、」"the little light ~ "「小さな光が、まず最初に認識されなければならない」。"for the separation ~ "「なぜなら、神からの分離は、(いわば、)偉大なものから卑小なものへと墜落したようなものだからだ」。初め、火花を認識して心のランプに灯をともし、ヒーリングされて自らも光を放ち、その後に、偉大な光に触れて神の元へと回帰する。神へ回帰はそういう道筋を辿る。エスカレーターで昇っていくわけではない。
But the spark is still as pure as the Great Light, because it is the remaining call of creation.
- pure [pjúər] : 「純粋な、混じりけのない」
- remain [riméin] : 「残る、残存する」
❖ "But the spark ~ "「しかし、(小さな)火花はなお、偉大な光と同じくらいピュアーである」。"because it is the ~ "「なぜなら、その火花は、創造への呼びかけとして残っているものだからだ」。火花はヒーリングを促し、偉大な光は創造を司る。しかし、火花の役割は創造と無関係ではなく、創造の切っ掛けを作るものだ。火花自体も実相的な創造へ誘(いざな)う役割をもっている。
Put all your faith in it, and God himself will answer you.
- faith [féiθ] : 「信頼、信じること」
- put one's faith in : 「〜を信用する」
- answer [ǽnsər] : 「〜に答える」
❖ "Put all your ~ "「その火花にあなたの信頼のすべてを置きなさい」。火花は実在する真実だから信頼するに足る。決して、あなたがでっち上げた幻想ではない。"and God himself ~ "「そうすれば、神は自ら、あなたに答えてくれるだろう」。あなたの放つ光の呼びかけに対して神の光が答え、光は共鳴し合うだろう。