6. No one deserves to lose. And what would be unjust to him cannot occur.
- deserve [dizə́ːrv] : 「〜を受けるに値する、〜にふさわしい」
- lose [lúːz] : 「負ける、損害を受ける、損をする」
- unjust [ʌndʒʌ́st] : 「不公平な、不正な、不法な、不当な」
- occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
❖ "No one deserves ~ "「負けるに値するなどという者は、誰もいない」。"And what would be ~ "「彼にとって不正なことは起き得ないのだ」。この幻想世界でのことを言っているのではない。実相世界では、失うことも負けることもない。喪失も敗北も存在しない世界なのだ。もちろん、不公正なことも起き得ない。正当性だけが存在出来る世界だからだ。
Healing must be for everyone, because he does not merit an attack of any kind.
- healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
- merit [mérət] : 「〜に値する」
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
- of any kind : 「いかなる種類の」
❖ "Healing must be ~ "「ヒーリングは、すべての人達のためにあらねばならない」。"because he does not ~ "「なぜなら、彼は、いかなる種類の攻撃をも受ける必要がないからだ」。幻想世界で、攻撃される必要がまったくないのに攻撃されてしまったら、それを癒す必要が生じる。実相世界のヒーリングが、不必要であった攻撃の傷を癒してくれるのだ。
What order can there be in miracles, unless someone deserves to suffer more and others less?
- order [ɔ́ːrdər] : 「順序、順番、順位、序列、系列」
- unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
- suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
❖ "What order can there ~ "「〜でない限り、奇跡には、いったいどんな序列があり得ると言うのだろう」。奇跡には、その大小の序列も、難易の序列もない。"unless someone deserves ~ "「誰かは、より多く苦しむに値し、別の者は苦しまなくていい、などと言うことがない限り、」奇跡には、いったいどんな序列があると言うのだろう。完全平等性が破綻していない限り、つまり、実相世界では、奇跡に序列はないのだ。奇跡に序列があるように見えるのは、苦しみに格差があるこの幻想世界においてである。しかし、それは幻想であり、錯覚に過ぎない。
And is this justice to the wholly innocent? A miracle is justice.
- justice [dʒʌ́stis] : 「正義、公正、正当性 」
- wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
- innocent [ínəsənt] : 「潔白な、無罪の、無実の、純潔な、純真な」
❖ "And is this justice ~ "「(苦しみに多い少ないがあるという)これは、完全に無辜である者にとって正当であろうか」。完全に無辜である者には、苦しみのかけらもない。したがって、序列がないのだ。完全に平等である。だから、"A miracle is ~ "「奇跡は、正当性でもあるのだ」。したがって、格差や序列を取り除いて、完全平等な正当性を取り戻すことが奇跡であるし、ヒーリングなのである。一言で言えば、実相に目覚めることなのである。
It is not a special gift to some, to be withheld from others as less worthy, more condemned, and thus apart from healing.
- special [spéʃəl] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
- gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
- withheld [wiðhéld] : 「withhold の過去、過去分詞形」
- withhold [wiðhóuld] : 「〜を抑える、差し控える、保留する、与えないでおく」
- worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、〜するに足りる」
- condemn [kəndém] : 「〜に有罪の判決を下す、〜を非難する、責める、罵倒する」
- thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、だから、このようにして」
- apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき 」
❖ "It is not a special ~ "「奇跡やヒーリングは、誰かに対する特別な贈り物ではないのだ」。 "to be withheld from ~ "「存在価値もなく、それ以上に非難されるべきだとして、ヒーリングが差し控えられることもない」。
Who is there who can be separate from salvation, if its purpose is the end of specialness?
- separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の」
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- specialness [spéʃəlnis] : 「特別であること、特別性」
❖ "Who is there who can ~ "「もし〜なら、救いから遠ざかって置かれている者などいるだろうか」。"if its purpose is the end ~ "「もし、ヒーリングの目的が特別性を終わらせることであるなら、」救いから遠ざかって置かれている者などいるだろうか。ヒーリングは、格差や序列を是正し、特別性を消滅させることである。このとき、人々は、格差や序列や特別性という幻想から救い出されるのだ。実相世界に目覚めるのだ。したがって、ヒーリングは実相世界への救いであると言えるのである。
Where is salvation's justice if some errors are unforgivable, and warrant vengeance in place of healing and return of peace?
- error [érər] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
- unforgivable [ʌ̀nfərɡívəbl] : 「許せない、容赦できない」
- warrant [wɔ́ːrənt] : 「〜の正当な理由となる、〜は当然である、〜を保証する」
- vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
- in place of : 「〜の代わりに、〜の代理で」
- return [ritə́ːrn] : 「ること、返すこと、帰還」
- peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "Where is salvation's justice ~ "「もし、誰かの過ちが赦されず、ヒーリングと平和の回復の代わりに、復讐が妥当だとされるなら、救いの正当性はどこにあると言うのか」。救いとは、誤りを幻想と認識し、受け流して赦すことである。赦しなくして救いはない。救いの正当性が破綻してしまうからだ。
7. Salvation cannot seek to help God's Son be more unfair than he has sought to be.
- seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
- unfair [ʌ̀nfέər] : 「不公正な、公正を欠いた、不公平な」
- sought [sɔ́ːt] : 「seek の過去・過去分詞形」
❖ "Salvation cannot seek ~ "「救いは、神の子が自分の不公正を探し求める以上の不公正を助長しようとすることはない」。救いは、神の子の求める不公正を助長して、ますます不公正にするようなことはしない。不可能である。なぜなら、救いは、不公正の幻想性を明らかにして、不公正から救うものだからだ。
If miracles, the Holy Spirit's gift, were given specially to an elect and special group, and kept apart from others as less deserving, then is He ally to specialness.
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
- specially [spéʃəli] : 「特別に、特に」
- elect [ilékt] : 「選ばれた」
- kept [kept] : 「keep の過去・過去分詞形」
- apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき 」
- deserve [dizə́ːrv] : 「〜を受けるに値する、〜にふさわしい」
- ally [əlái] : 「同盟する、縁組みする」
- specialness [spéʃəlnis] : 「特別であること、特別性」
❖ "If miracles, the Holy Spirit's ~ "「もし、ホーリー・スピリットの贈り物である奇跡が、選ばれた特別なグループだけに特別に与えられて、他の者はそれに値しないとされて奇跡という贈り物が与えられなかったら、」"then is He ally to ~ "「その時は、ホーリー・スピリットは、特別性と手を組んだことになる」。そんなことは起こり得ない。ホーリー・スピリットも、あくまでも完全平等性を貫く。それがホーリー・スピリットの正当性である。
What He cannot perceive He bears no witness to. And everyone is equally entitled to His gift of healing and deliverance and peace.
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- bear [bέər] : 「負う、持つ、負担する」
- witness [wítnəs] : 「証拠、証言、目撃者、証人」
- equally [íːkwəli] : 「等しく、同様に、一様に、平等に、同等に」
- entitle [intáitl] : 「〜に資格を与える、〜に権利を与える」
- deliverance [dilívərəns] : 「救出、解放」
❖ "What He cannot perceive ~ "「ホーリー・スピリットは、ホーリー・スピリットの知覚出来ないものに保証を与えることはない」。ホーリー・スピリットには特別性などという幻想は見えないから、特別性を評価し保証するようなことはしない。"And everyone is equally ~ "「したがって、誰にでも平等に、ホーリー・スピリットの贈り物であるヒーリングや解放や平和を得る権利が与えられているのだ」。特別性によって除外されることは決してない。格差も序列もない。
To give a problem to the Holy Spirit to solve for you means that you want it solved.
- problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
- solve [sɑ́lv] : 「解く、解決する」
❖ "To give a problem to ~ "「あなたに代わって解いてもらうために、ホーリー・スピリットに問題を預けることは、あなたは問題を解決したいと望んでいることを意味している」。で、実際、問題をホーリー・スピリットに委ねることで、問題は解決されるのだ。ACIMの絶対他力性である。困難な問題を自力で解決しようと苦しむ必要はないのだ。幻想に埋もれあなたには、それは無理なのである。それを素直に認めて、問題をホーリー・スピリットに委ねてしまうことが、最善の道である。
To keep it for yourself to solve without His help is to decide it should remain unsettled, unresolved, and lasting in its power of injustice and attack.
- keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
- decide [disáid] : 「〜しようと決心する、〜することに決める」
- remain [riméin] : 「依然として〜のままである、残る、残存する」
- unsettled [ʌ̀nsétld] : 「未解決の、不安定な、定まらない」
- unresolved [ʌ̀nrizάlvd] : 「未解決の、決着のついていない」
- last [lǽst] : 「続く、存続する、持続する、耐える」
- injustice [indʒʌ́stis] : 「不公平、不正、不法、不当」
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
❖ "To keep it for yourself ~ "「ホーリー・スピリットの助けを借りず、あなた自身で解決しようと問題を持ち続けていることは、問題を解決せずに、未解決のままに残しておこうと決心したことを意味する」。"and lasting in its power ~ "「その結果、不公正と攻撃の力の支配が続くことになるのだ」。幻想世界から一歩も抜け出すことが出来なくなってしまう。
No one can be unjust to you, unless you have decided first to be unjust.
- unjust [ʌndʒʌ́st] : 「不公平な、不正な、不法な、不当な」
- unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
❖ "No one can be ~ "「〜でない限り、誰もあなたに、不正を働くことは出来ない」。"unless you have ~ "「あなたが最初に不正であろうと決心しない限り、」誰もあなたに、不正を働くことは出来ない。不正に扱われる原因は、あなたが不正を決意したことにある。
And then must problems rise to block your way, and peace be scattered by the winds of hate.
- rise [ráiz] : 「立ち上がる、起立する」
- block [blάk] : 「ふさぐ、封鎖する、閉鎖する、妨害する、阻む」
- scatter [skǽtər] : 「散り散りにする、散らす、散乱させる」
- wind [wínd] : 「風、大風、煽り風」
- hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
❖ "And then must problems ~ "「こうして、問題が、あなたの進む道に立ちはだかるのだ」。"and peace be ~ "「そして、憎しみの風に煽られて、平和は散り散りにかき乱されるのである」。これが、この世界の普通の風景である。原因は、あなたが不正という幻想に足下を掬(すく)われたことにある。だから、その不正という幻想を払拭してしまえば、問題は解決する。ただし、幻想の払拭は、あなた一人では無理な仕事なので、救いをホーリー・スピリットに求めることが必要なのだ。ホーリー・スピリットは、必ず、あなたを助けてくれる。なぜなら、そうすることが、ホーリー・スピリットの正当性であるからだ。