II. Many Forms; One Correction
多くの形 一つの修正
1. It is not difficult to understand the reasons why you do not ask the Holy Spirit to solve all problems for you.
- difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
- understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
- reason [ríːzn] : 「理由、動機、原因、根拠」
- ask [ǽsk] : 「〜を頼む、依頼する、〜してほしいと頼む」
- solve [sɑ́lv] : 「解く、解決する」
- problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
❖ "It is not difficult to ~ "「なぜあなたが、すべての問題をあなたに代わってホーリー・スピリットに解いてくれるように頼まないのか、その理由は理解しがたいことではない」。"all problems"「すべての問題」とあるので、この幻想世界における世俗的な問題はもちろんのこと、幻想から目覚めるという実相的な問題も含む。
He has not greater difficulty in resolving some than others.
- great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な」
- difficulty [dífikʌ̀lti] : 「困難、難事、難儀、面倒なこと、問題」
- resolve [rizɑ́lv] : 「〜を決心する、決定する、解明する、解決する」
❖ "He has not greater difficulty ~ "「ホーリー・スピリットは、何かの問題を解くのに他の問題よりずっと難しい、などということはない」。ホーリー・スピリットにとって、問題解決の難易の序列はない。あらゆる問題の根っこは同じだからだ。
Every problem is the same to Him, because each one is solved in just the same respect and through the same approach.
- same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
- respect [rispékt] :「個所、事項、点、観点、視点」
- through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、〜を介して」
- approach [əpróutʃ] : 「近づく道、やり方、扱い方、取り上げ方」
❖ "Every problem is ~ "「あらゆる問題は、ホーリー・スピリットにとって同じなのだ」。"because each one is ~ "「なぜなら、個々の問題は、まったく同一の側面において、同一のアプローチの仕方で、解決されるからだ」。ということは、個々の問題の根っこは、みな同一だということだ。
The aspects that need solving do not change, whatever form the problem seems to take.
- aspect [ǽspekt] : 「捕らえ方、解釈、見方、様子、外見、面、側」
- need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
- change [tʃéindʒ] : 「変わる、変化する、変遷する」
- whatever [hwʌtévər] : 「どんな〜が〜でも」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見、現れ」
❖ "The aspects that need ~ "「問題解決に必要とされる問題の解釈の仕方は、たとえ〜であっても、変わることはない」。"whatever form the problem ~ "「たとえ問題がどんな形をとろうとも、」変わることはない。問題の表面的な様相は異なっても、内容は変わりなく、したがって、解決のためのアプローチの仕方も変わりない。
A problem can appear in many forms, and it will do so while the problem lasts.
- appear [əpíər] : 「見える、思われる」
- last [lǽst] : 「続く、存続する、持続する」
❖ "A problem can appear ~ "「問題は、いろいろな様相を呈して現れてくる可能性はある」。"and it will do so ~ "「そして、問題が(解決されず)続く限り、問題はいろいろな様相を呈して現れてくるのだろう」。問題が根本的に解決されない限り、一見消えたかに思える問題も、形を変えてまた現れてくる。たとえば、病気はいろいろな様相を呈して現れてくるが、病気の根本原因である心の問題を解決しない限り、薬で病気が一時的に消えたとしても、また別な形で病気は現れてくるのだ。
It serves no purpose to attempt to solve it in a special form.
- serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜のために働く」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- serve no purpose : 「何の目的も達しない、何の意味もない」
- attempt [ətémpt] : 「〜を試みる、〜を企てる」
- special [spéʃəl] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
❖ "It serves no purpose ~ "「特別な形で問題を解決してみようと試みても、何の役にも立たない」。その病気に効くという特別な薬で治してみても、心の問題が解決されない限り、また別の病気が発症する。個々の問題に対して、個々の対応の仕方で、形を変えて解決してみようとしても、問題の根本がなおざりにされている限り、何の役にも立たない。だからこそ、問題の根本的解決をホーリー・スピリットに委ね、ホーリー・スピリットの導きに従って、根本的に解決していかなくてはならないのだ。
It will recur and then recur again and yet again, until it has been answered for all time and will not rise again in any form. And only then are you released from it.
- recur [rikə́ːr] : 「再発する、繰り返される、物事が再び起こる」
- again [əɡéin] : 「再び、もう一度」
- until [ʌntíl] : 「〜する時まで、〜まで」
- answer [ǽnsər] : 「〜に答える」
- for all time : 「いつまでも、永遠に」
- rise [ráiz] : 「上がる、起立する、出てくる」
- release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
❖ "It will recur and ~ "「〜するまで、問題は、繰り返し繰り返し、何度も現れてくるだろう」。"until it has been answered ~ "「問題が永遠に解決され、どんな形でも再び立ち上がって来なくなるまで、」問題は、繰り返し繰り返し、何度も現れてくるだろう。"And only then are you ~ "「そして、そうなったときに限り、あなたは、問題から解放されるのである」。で、そうなるために、問題をホーリー・スピリットに委ねるべきなのだ。ACIMの絶対他力性である。
2. The Holy Spirit offers you release from every problem that you think you have.
- offer [ɔ́ːfər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
- release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
❖ "The Holy Spirit offers ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたが抱えていると思っているあらゆる問題から、あなたを解放してくれるだろう」。「解放をあなたに差し出す」とあるから、「あなたを解放してくれる」と訳してみた。あなたが、自分の問題をホーリー・スピリットに委ねる決断さえすれば、その意思を確定しさえすれば、ホーリー・スピリットは、あなたに代わって問題を解決してくれるのだ。あなたを問題から解放してくれるのである。
They are the same to Him because each one, regardless of the form it seems to take, is a demand that someone suffer loss and make a sacrifice that you might gain.
- regardless [riɡάːrdlis] : 「かかわらず、関係なく」
- regardless of : 「〜にかかわらず」
- demand [dimǽnd] : 「要求、必要、要望」
- suffer [sʌ́fər] : 「〜に苦しむ、〜を被る」
- loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
- suffer loss : 「損害を被る、打撃を受ける」
- sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
- make a sacrifice : 「犠牲にする」
- gain [géin] : 「得る、獲得する」
❖ "They are the same ~ "「あらゆる問題は、ホーリー・スピリットにとって、同じである」。"because each one ~ "「なぜなら、個々の問題は、その問題が呈する形に関係なく、that以下の要求だからである」。"that someone suffer ~ "「あなたが得るために、誰かが損失を被り、誰かが(誰かを)犠牲にすること」の要求だからである。ここの最後の"that"は"so that"のことで、「〜するために、その結果」。あなたが抱えている問題は、いかに自分は損失を被ることなく得をするか、そのために誰を犠牲にすればいいか、ということであって、つまり、弱肉強食の幻想世界で生き延びていく方法に関する問題であって、問題の形が変わっても、基本的にそれは、幻想世界での生存の問題なのだ。だが、ホーリー・スピリットは、そんな問題は幻想に過ぎないと見抜いているから、あなたを幻想から目覚めさせるだけで、すべての問題は解決するのである。実相的には、得ることも与えることも同一であり、奪うことなど不可能であり、与えることだけが可能である、そして、実相的な命は永遠不変なのだと教えるだけなのである。
And when the situation is worked out so no one loses is the problem gone, because it was an error in perception that now has been corrected.
- situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情、情勢」
- work out : 「何とか解決する、丸く収める、何とかなる、うまくいく」
- lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
- gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
- error [érər] : 「誤り、間違い、誤用、過失」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
- correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す」
❖ "And when the situation ~ "「そして、誰も損をしない状況が機能し始めれば、問題は解決してしまうのだ」。"because it was an error ~ "強調構文、「なぜなら、今や、正されたのは知覚の誤りだからである」。それまで、誰かが得をし、誰かが損をすると知覚していたのだが、それは幻想であって、実相は、誰も失うことがないと知ったとき、つまり、それまでの知覚が修正されたとき、問題は一気に解決してしまう。
One mistake is not more difficult for Him to bring to truth than is another.
- mistake [mistéik] : 「誤り、判断上の間違い、ミス、過ち」
- difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
- another [ənʌ́ðər] : 「もう一つ、もう一人」
❖ "One mistake is not ~ "「ある誤りが、ホーリー・スピリットにとって、それを真実の元にもって行くのに、他の誤りより難しいということはない」。ホーリー・スピリットは、あらゆる誤りを修正してくれるのだが、その修正の難易に序列はない。何でも、簡単に正してくれる。あらゆる問題の根っこが同じであるように、誤りの根っこもみな同じだからだ。
For there is but one mistake; the whole idea that loss is possible, and could result in gain for anyone.
- whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
- idea [aidíːə] : 「考え、着想、発想、見解、意見」
- loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
- possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
- result [rizʌ́lt] : 「終わる、帰着する、〜の結果となる」
- result in : 「〜をもたらす、〜に終わる」
- gain [géin] : 「利益、得ること、獲得、利得」
❖ "For there is but ~ "「なぜなら、一つの誤りしかないからだ」。誤りの表面的な形はいろいろでも、その根っこは同一である。"the whole idea ~ "「つまり、失うことはあり得ることであり、誰かが得ることに帰着する、という考え全体なのだ」。こういう考えが誤りであり、幻想に過ぎないと知らしめることが、ホーリー・スピリットの修正法である。
If this were true, then God would be unfair; sin would be possible, attack be justified and vengeance fair.
- true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
- unfair [ʌnfέər] : 「不公正な、公正を欠いた、不公平な」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
- justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当だと説明する、弁明する、正当化する」
- vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
- fair [fέər] : 「公平な、公正な、公明正大な」
❖ "If this were true ~ "仮定法過去、「誰かが失い、誰かが得るという考えが、もし正しかったなら、」"then God would ~ "「神は公正ではないということになってしまう」。"sin would be ~ "「つまり、罪は実在可能であり、」"attack be justified ~ "「攻撃は正当化され、復讐は公正だということになってしまうのだ」。完全平等な神が、得る者と失う者を許容するなら、神は完全に不公正だ。罪ある者と罪な者を許容するなら、そして、復讐する者と復讐される者を許容するなら、神は完全に不公正だ。しかし、それは誤りである。したがって、得る者と失う者が存在すること、罪ある者と罪な者が存在すること、復讐する者と復讐される者が存在すること、それらはすべて、幻想である。損得、罪、復讐は幻想なのだ。このように、幻想に騙されてしまう知覚を修正することで、つまり、真実を見ることで、問題は容易に解決するのである。