3. This is the journey's end. We have referred to it as the real world.
- journey [dʒə́ːrni] : 「旅、行路、道程、遍歴」
- end [énd] : 「終わり、端、最後、終局、終焉、終点」
- refer [rifə́ːr] : 「言及する、言い及ぶ、触れる」
- refer to : 「〜に言及する」
- real [ríːəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
❖ "This is the journey's ~ "「ここが、(天の王国への回帰の)旅の終わりである」。"We have referred ~ "「私たちはそれを、実相世界として言及したことがある」。真実を求めるあなたは、ホーリー・スピリットの力を借りて幻想世界から目覚め、キリストを同伴して実相世界を目指して長い旅に出た。天の王国の手前で、王国へ入城するための橋を渡り、天の王国の扉を開いて中に入った。天の王国への旅は、ここで終わる。ボーダーランドに入ったのだ。
And yet there is a contradiction here, in that the words imply a limited reality, a partial truth, a segment of the universe made true.
- contradiction [kὰntrədíkʃən] : 「矛盾、不両立、反対、否定」
- imply [implái] : 「暗に伝える、暗示する、ほのめかす」
- limited [límitid] : 「 限られた、有限な、制限された、限定の」
- reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
- partial [pάːrʃəl] : 「部分的な、一部の、一部分の」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
- segment [ségmənt] : 「部分、区分、断片、切片」
- universe [júːnəvə̀ːrs] : 「宇宙、銀河、万物、森羅万象」
- true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "And yet there is ~ "「しかし、ここには、まだ相対立するものがある」。"in that the words ~ "「(この段階では、まだ) "the real world"という言葉の中には、限定された実相、部分的真実、真実とされた世界の断片という意味が暗に示されているからだ」。ここでの"the real world"は、実相世界に変わりはないのだが、まだ、その入り口であって、完全で完璧な実相世界とは言い難い。実相にも幻想が混じり込み、真実にも虚偽が混じり込み、真実さえ断片的ですべてではない。いわゆる、幻想世界と実相世界の境界領域、ボーダーランドなのだ。その先に進には、あなたの想念の垢や塵が流され、浄化されなければならないのである。
This is because knowledge makes no attack upon perception.
- knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見」
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
❖ "This is because knowledge ~ "「これは、叡智は知覚に攻撃を加えることはないからなのだ」。幻想世界の、誤りの多い知覚は、実相世界へ入ったなら、すぐにでも、叡智へと置き換わってしまえばいいのだが、急速な変化は起きない。叡智が知覚を攻撃するような、激変は起きないのだ。想念が浄化され、シンプルな真実に生まれ変わる時間が必要なのである。知覚は自ら浄化され、徐々に叡智へと変化していく。
They are brought together, and only one continues past the gate where oneness is.
- brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
- together [təɡéðər] : 「一緒に、同時に」
- continue [kəntínjuː] : 「続く、継続する、進み続ける」
- past [pǽst] : 「〜を過ぎて、〜を越えて」
- gate [géit] : 「入り口、門扉、ゲート、門」
- oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性、統一性、調和」
❖ "They are brought ~ "「実相と幻想が、共に持ち込まれるのである」。真実と虚偽の両者と考えてもいい。清濁、共に持ち込まれるのだ。だから、想念の浄化が必要となる。"and only one continues ~ "「そして、一方だけが、単一なるものの存在する所へのゲートを通過するのである」。真実なる実相だけが浄化されて残り、それだけが、一元論世界である単一の世界へ入り込むことが許される。単一者である神の住む天の王国への入城が許されるのだ。
Salvation is a borderland where place and time and choice have meaning still, and yet it can be seen that they are temporary, out of place, and every choice has been already made.
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
- borderland [bɔ́ːrdərlæ̀nd] : 「国境地方、境界地、どっちつかずの領域」
- place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
- seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
- temporary [témpərèri] : 「一時の、一時的な、暫定の」
- out of place : 「場違いの」
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
❖ "Salvation is a borderland ~ "意訳する、「救いが成就するのは、このボーダーランドにおいてであり、」"where place and time ~ "「そこでは、空間や時間、選択というものが、まだ意味を持っている」。"and yet it can be seen ~ "「しかし、それも、一時的なものと見ることが出来るし、」"out of place, and ~ "「実相世界には場違いのものであって、」"and every choice has ~ "「あらゆる選択は、すでに成されてしまっているのだ」。ボーダーランドでは、浄化のための時間が存在し、王国の中心部に向かう手前という空間的隔たりもある。さらに、旅を止めて引き返すという選択も出来るのだ。しかし、その選択は、旅を始めた時点ですでに決定したことであって、ボーダーランドで改めて決定しなければならないことではない。いずれにせよ、ボーダーランドでは、まだ時空間は存在するのだが、それも一時的なものであって、浄化が終わって、純粋な実相世界に入ってしまえば、そこでは時空は存在しなくなる。もちろん、あらゆる選択というものも意味を成さなくなるのだ。選択する必要がなくなるからだ。
4. Nothing the Son of God believes can be destroyed.
- believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
- destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、ぶち壊す、崩壊させる」
❖ "Nothing the Son of God ~ "「神の子が信じているものは、何ものも破壊されることはない」。たとえ神の子が時空間の存在を信じていても、頭ごなしにそれが破壊されることはない。ボーダーランドでは、浄化はあっても、否定や破壊はない。攻撃もない。幻想は攻撃によって破壊されるのではなく、真実の光で浄化され、消滅するだけなのだ。
But what is truth to him must be brought to the last comparison that he will ever make; the last evaluation that will be possible, the final judgment upon this world.
- last [lǽst] : 「終わりの、最後の」
- comparison [kəmpǽrisn] : 「比べること、比較、対照」
- evaluation [ivæ̀ljuéiʃən] : 「評価、見積もり、評定」
- possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
- final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
- judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
❖ "But what is truth ~ "「しかし、神の子にとっての真実は、彼が成すべき最後の比較に持ち込まれなくてはなるまい」。ボーダーランドに神の子が持ち込んだ、真実だと思っているものはすべて、彼自身が最終的な比較検討をして、真実か虚偽かを判定しなくてはならない。"the last evaluation ~ "「その最後の評価は可能であり、」"the final judgment ~ "「この幻想世界に対する最終的な判断を下すことになるのだ」。言い換えれば、神の子がそれまで生きてきた全人生を再検討し、再評価し、反省し、実相か幻想か、真実か虚偽かの最終判断を下すのである。浄化作業は受動的なものではなく、神の子自らが成すべき、つまり、自分の意思で成すべき、能動的な作業となるわけである。
It is the judgment of the truth upon illusion, of knowledge on perception: "It has no meaning, and does not exist. "
- illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
- meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
- exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
❖ "It is the judgment of ~ "「それは、幻想に対する真実の判断であり、知覚に対する叡智の判断である」。幻想に過ぎない知覚を振り払って、真実の実相的叡智を獲得するための判断である。"It has no meaning ~ "「『幻想は意味がなく、したがって存在しない』」。幻想は、幻想世界にとってのみ意味があるのであって、実相世界にとってはまったく意味がない。したがって、実相世界に幻想は存在しない。幻想が存在するかに見えるのは、ただ一つ、幻想世界においてのみである。
This is not your decision. It is but a simple statement of a simple fact.
- decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
- simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な、質素な、素朴な」
- statement [stéitmənt] : 「声明、陳述、発言、供述、記述」
- fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実、実際、真相」
❖ "This is not your ~ "「これは、あなたによって決定されたものではない」。『幻想は意味がなく、したがって存在しない』という事実は、あなたが判断決定した事実ではない。"It is but a simple ~ "「それは、シンプルな事実の、シンプルな宣言でしかないのだ」。『幻想は意味がなく、したがって存在しない』という事実は、非常にシンプルな真実であって、あなたの真偽判断で決定されるものではなく、まさに、そこにあるだけのシンプルな宣言なのだ。たとえば、『私は生きている』という宣言と同様の、命の礎石となり得るシンプルな真実である。
But in this world there are no simple facts, because what is the same and what is different remain unclear.
- same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
- different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
- remain [riméin] [SVC] : 「依然として〜のままである」
- unclear [ʌklíər] : 「はっきりしない、不明確な、不明瞭な、曖昧な」
❖ "But in this world ~ "「しかし、この世界には、シンプルな事実はまったくない」。分離分裂した事象が、事実を複雑に覆い隠しているからだ。"because what is ~ "「なぜなら、同じものと異なったものが、不明確なままにされているからだ」。たとえば、幻想世界では、愛はその対極概念として憎悪をもつ。両端に愛と憎悪を置いて、その中間に、無数のグラデーションをもつ愛憎が存在するのだ。愛と憎悪は混ぜこぜにされ、愛は曖昧化されている。それに反して、実相世界では、愛に対する憎悪は存在しない。愛は純粋な、対極概念を持たない愛なのだ。もちろん、グラデーションをもつこともなく、曖昧化されないのである。まさに、愛はシンプルなのである。
The one essential thing to make a choice at all is this distinction.
- essential [isénʃəl] : 「絶対必要な、絶対不可欠な、欠くことのできない、必須の」
- at all : 「とにかく、仮にも、いやしくも」
- distinction [distíŋkʃən] : 「区別、識別、差別、差異、違い」
❖ "The one essential thing ~ "「とにもかくにも、選択をするための必須事項は、この識別なのである」。同じものなのか、違うものなのか、その識別が出来なければ、正当な選択は不可能である。幻想として同一なのか、実相として同一なのか、あるいは、幻想と実相の違いは何なのか、しっかりと認識しなくてはならない。
And herein lies the difference between the worlds. In this one, choice is made impossible. In the real world is choosing simplified.
- herein [hìərín] : 「ここに、この中に、この点で」
- lie [lái] : 「ある、存在する」
- difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
- between [bitwíːn] : 「〜の間に」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
- simplify [símpləfài] : 「平易にする、単純化する、簡単にする」
❖ "And herein lies ~ "「ここにこそ、幻想世界と実相世界の間の違いが存在するのである」。幻想と実相の違いの見極めが出来たときに、二つの世界の違いが鮮明になってくるのだ。"In this one, choice ~ "「一方の実相世界においてのみ、(正しい)選択は可能となる」。幻想世界においては、幻想と実相の見極めは出来ない。だから、正当な選択は出来ないのだ。対して、実相世界に幻想はない。だから、実相的な真実の見極めはシンプルであって、正しい選択は可能であり、容易なのだ。したがって、"In the real world ~ "「実相世界にあっては、選択は単純化されるのである」。正しい選択も、また、シンプルである。