8. Now is the temple of the living God rebuilt as host again to Him by Whom it was created.
- temple [témpl] : 「神殿、寺院、教会、殿堂」
- living [líviŋ] : 「生きている、現存する、活気のある」
- rebuilt [rìːbílt] : 「rebuildの過去過去分詞形」
- rebuild [rìːbíld] : 「再建する、建て直す、復元する」
- host [hóust] : 「宿主、主人、亭主」
- again [əɡéin] : 「再び、もう一度」
- create [kriéit] : 「〜を創造する」
❖ "Now is the temple of ~ "「命の神の寺院が、それは(昔)神によって建てられたのだが、今や、神を主(ぬし)とする寺院として再び建て変えられるのだ」。遠い昔、神が神の子を創造するとき、神は神の子の神聖な心を、命の寺院として建てたのだ。その寺院は、神の子が神から分離し、時が経つままに忘れられ、荒廃していった。しかし、神の子が幻想から目覚めた今、心は再び命を取り戻し、神を祭る寺院として再建されるのだ。"the temple"「寺院」を、神の子の心として解釈したが、天の王国そのものと思ってもいいだろう。なぜなら、天の王国は、神の子の心の中に存在するのだから。いずれにしても、心が正気さに復活したこと、心が真実の実在として復活したことを表現している。幻想から目覚めたのだ。ところで、"the temple"「寺院」とあるが、神を祭る心の祭壇(altar)と同じものと思っていい。ちょっと規模を大きくして表現したのだ。
Where He dwells, His Son dwells with Him, never separate. And They give thanks that They are welcome made at last.
- dwell [dwél] : 「住む、居住する」
- separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
- give thanks to : 「礼を述べる、感謝をささげる」
- welcome [wélkəm] : 「温かく迎え入れる、歓迎する、もてなす」
- at last : 「最後に、ついに、とうとう」
❖ "Where He dwells ~ "「その寺院に、神は住まい、神の子も神と共に、決して離れることなく、そこに住まう」。"And They give ~ "「そして、神も神の子も、ついに歓迎されたことに、感謝するのだ」。その昔、神の子は神を捨てて遠い旅に出て、そして今、神の元へ帰ってきたのだ。神の子は、神を求め、神は神の子の帰還を歓迎する。互いに感謝し合いながら、命の寺院を家として、再び一緒に暮らすのである。
Where stood a cross stands now the risen Christ, and ancient scars are healed within His sight.
- stood [stúd] : 「stand の過去・過去分詞形」
- stand [stǽnd] : 「立ち上がる、立つ」
- cross [krɔ́s] : 「十字架」
- risen [rízn] : 「rise の過去分詞、復活した、昇天した」
- ancient [éinʃənt] : 「古くからの、古い、古びた」
- scar [skάːr] : 「傷跡、瘢痕、心の傷」
- heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
- within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側に」
- sight [sáit] : 「視界、景色、視覚、視力」
❖ "Where stood a cross ~ "「十字架の立っていた場所に、今や、復活したキリストが立つ」。"and ancient scars ~ "「キリストの目に、昔の傷が癒されたのが見えるのだ」。イエス・キリストの磔刑と、イエスの復活を述べているのだが、その逸話を象徴として、神の子自身が、幻想世界の苦と死いう磔刑に処せられ、今、実相世界に復活した、その姿を語っている。
An ancient miracle has come to bless and to replace an ancient enmity that came to kill.
- bless [blés] : 「〜を神聖にする、清める、祝福する」
- replace [ripléis] : 「〜を取り換える、交換する、差し替える」
- enmity [énməti] : 「憎しみ、恨み、敵意、悪意、反目」
- kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
❖ "An ancient miracle ~ "「昔の奇跡は、殺すためにやって来た昔の憎しみを清め、それを置き換えるために、やって来たのだ」。難解な部分である。"an ancient miracle"「昔の奇跡」とは、イエスが磔刑から復活したこと。イエスを復活させた奇跡のことだ。"an ancient enmity that came to kill"「殺すためにやって来た憎しみ」とは、磔刑そのものと考えていいだろう。それが象徴する、この幻想世界での崩壊や死のとこだ。憎しみと攻撃が世界に崩壊と死をもたらしているのだ。しかし、今、磔刑から復活させた昔の奇跡がこの幻想世界にやって来て、その昔、イエスの磔刑を清め、イエスを復活させたように、この幻想世界を清め、崩壊と死を命で置き換えるのである。まさに復活させるのだ。
In gentle gratitude do God the Father and the Son return to what is Theirs, and will forever be.
- gentle [dʒéntl] : 「優しい、寛大な」
- gratitude [ɡrǽtətjùːd] : 「感謝、感謝の気持ち」
- return [ritə́ːrn] to : 「〜に帰る、〜に帰還する」
- theirs [ðέərz] : 「彼・彼女らのもの、彼らのもの」
- forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "In gentle gratitude ~ "「優しく感謝しながら、父なる神と神の子は、彼らのものである居場所に戻って来て、永遠にそこに留まるだろう」。神聖な神の寺院、神の子の心の中にある天の王国に回帰した神の子は、神とともに帰還を祝い、感謝し合い、天の王国に永遠に神と共に暮らすことになる。
Now is the Holy Spirit's purpose done. For They have come! For They have come at last!
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "Now is the Holy Spirit's ~ "「今や、ホーリー・スピリットの目的は果たされたのだ」。神から分離した神の子を、神の元へ回帰させるという、ホーリー・スピリットの目的は成就された。"For They have ~ "「なぜなら、彼らは帰ってきたからだ」。"For They have ~ "「なぜなら、彼らは、ついに帰ってきたからだ」。神の子は、ホーリー・スピリットやキリストと共に長い旅を経て、再び、天の王国の神の元へ帰ってきたのだ。
X. The End of Injustice
不正の終わり
1. What, then, remains to be undone for you to realize Their Presence?
- remain [riméin] : 「残る、残存する」
- undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
- undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
- realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
- presence [prézns] : 「存在すること、存在」
❖ "What, then, remains ~ "「ならば、あなたが彼らの存在を実感するためには、いったい何が、取り消されることなく残っているだろうか」。神の子が、神やホーリー・スピリットやキリストの存在を肌で知るには、幻想から目覚め、幻想を取り消しにした今、まだ、取り消されずに残っているものは何であろうか。
Only this; you have a differential view of when attack is justified, and when you think it is unfair and not to be allowed.
- differential [dìfərénʃəl] : 「区別を示す、差別的な」
- view [vjúː] : 「視界、視野、視力、考え、物の見方、見解」
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
- justify [dʒʌ́stəfài] : 「弁明する、正当化する」
- unfair [ʌnfέər] : 「不公正な、公正を欠いた、不公平な、不正な」
- allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する」
❖ "Only this"「次のことだけである」。"you have a differential ~ "「攻撃が正当化される時と、攻撃は不正であり、許されるものではないと思う時を、あなたはまだ差別して見ていることだけである」。攻撃は不正であり許されべきではないと考えていながら、一方で、攻撃は正当化され得ると考えている、その矛盾した、差別化された二つのものの見方をしていること、それが取り消しにしなくてはならない残された一点である。
When you perceive it as unfair, you think that a response of anger now is just.
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- response [rispɑ́ns] : 「応答、感応、反応」
- just [dʒʌ́st] : 「正しい、公正な、当然の、もっともな」
❖ "When you perceive ~ "「あなたは、攻撃を不正であると知覚しながら、」"you think that ~ "「怒りをもって対応することも、今でも正当だと思っているのだ」。
And thus you see what is the same as different. Confusion is not limited. If it occurs at all it will be total.
- thus [ðʌ́s] : 「このようにして、こんなふうに」
- same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
- different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
- confusion [kənfjúːʒən] : 「混同、取り違え、混乱、当惑、困惑」
- limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
- occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる」
- at all : 「仮にも、いやしくも」
- total [tóutl] : 「完全な、全くの、全部の、すべての、全体の、全面的な」
❖ "And thus you see ~ "「こうして、あなたは、同じことを異なって見ているのだ」。時として攻撃は正当化されると思うことと、攻撃は正当であると思うことは同じなのだ。その違いにあなたは気付いていない。攻撃を完全に否定しきれていない、曖昧なあなたがいるのである。"Confusion is ~ "「混乱は、制限を知らない」。混乱や混同は、どんどん加速していくものなのだ。"If it occurs at all ~ "「いやしくも、混乱が起きたなら、それは徹底的に混乱することになる」。心の一部が混乱し、他の箇所は正常に機能し、整然としている、などということはあり得ない。心全体が、混乱と混同の坩堝(るつぼ)と化すのだ。
And its presence, in whatever form, will hide Their Presence. They are known with clarity or not at all.
- in whatever form : 「いかなる形であれ」
- hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
- known [nóun] : 「know の過去分詞形」
- with clarity [klǽrəti] : 「明瞭に、明確に」
- at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "And its presence ~ "「どんな形であれ、混乱が存在すれば、神やホーリー・スピリットやキリストの存在は隠されてしまう」。"They are known ~ "「神やホーリー・スピリットやキリストの存在は、完全明瞭に知られるか、または、完全に知られないかのいずれかなのだ」。神やホーリー・スピリットやキリストの存在を、何となくぼんやりと感じる、ということはない。完全に知るか、完全に知らないか、そのいずれかである。
Confused perception will block knowledge. It is not a question of the size of the confusion, or how much it interferes.
- confused [kənfjúːzd] : 「困惑した、混乱した」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
- block [blάk] : 「遮る、妨害する、阻む、妨げる」
- knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見」
- question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
- size [sáiz] : 「大きさ、サイズ、寸法、規模」
- interfere [ìntərfíər] : 「邪魔をする、妨げる、干渉する」
❖ "Confused perception ~ "「混乱した知覚は、叡智の妨げとなる」。実相的真実を直覚的に知るという叡智を曇らしているのは、混乱した知覚である。"It is not a question ~ "「それは、混乱の大きさや、混乱がどれだけ叡智を妨害しているか、そんな問題ではないのだ」。混乱の量や質の問題ではない。混乱があるかないかの問題なのだ。
Its simple presence shuts the door to Theirs, and keeps Them there unknown.
- simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、質素な、素朴な」
- shut [ʃʌ́t] : 「〜を閉める、閉じる」
- keep [SVOC] : 「〜の状態にしておく、保つ、〜にしておく」
- unknown [ʌnnóun] : 「知られていない、未知の、不明の」
❖ "Its simple presence ~ "「混乱がただあるだけで、神やホーリー・スピリットやキリストの存在への扉は閉じられてしまうのだ」。"and keeps Them ~ "「そして、神やホーリー・スピリットやキリストの存在は知られないままにされるのである」。幻想世界にいて、幻想に埋没している限り、この状態が続く。その幻想から目覚めない限り、真実の存在は見えてこないのだ。叡智は取り戻せないのである。